なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……え?」
ほら見てみなよ、私の発言と相手の返答のせいでみんな固まってるよ。
とはいえまぁ、気持ちはわからないでもない。
被り物のせいで表情が窺えなかったから、目の前の少女が誰なのかなんてまったく想像できてなかったんだろうし。
……とはいえ、今のやり取りで目の前の少女が誰なのか、っていうことはきっとわかったはず。
ついでに私が脳内で『一人(?)』とかのようにはてなマークを付けていた理由も。
はい、ほぼ確実にこの子は
……各務原なでしこというのは、ピンクの髪とどこかのほほんとした空気、それからよく食べるという特徴を持つキャラクター。*2
その性質からか、界隈ではとあるあだ名を持つ人物でもあるのだ。それが、
「……ねぇ、私の気のせいだって言って欲しいんだけど。今この子『ぽよ』って言わなかった……?」
「気のせいじゃないよアスナさん。この子しっかり『ぽよ』って言いました」
「ぽよ?」
「ほらね?」
「」
……いや、そんなの【継ぎ接ぎ】してくれって言ってるようなものじゃんね?
だからこそ、相手がなでしこちゃんなんじゃないかって時点で、私は思わず白目を剥きそうになってたんだけども。
それは今しがた相手について尋ねてきたアスナさんに関しても同じこと。
その言葉がどれほど絶望的か、というのは誰だって予測できて然るべきなのである()
唯一救われる可能性として、あくまでもなでしこちゃんの姿をしていることから、食欲とかスペックとかが本来のカービィに比べて低くなっている……なんてパターンもなくはないけども……。
うん、正直よくわからんというか。
いやだって、ねぇ?……さっきからずっとモグモグと食事タイムを続けている以上、それが終わるまで結論は出せないよねって感じなのだよ()
ところで話は変わるけど……彼女が掛けているゴーグル、恐らくはカービィのコピー能力の一つ『レーザー』の被り物だと思われる。*4
マーベルキャラクターの一人・サイクロップスとかが付けてそうな見た目のそれは、なるほど『ハロウィン武器』扱いされてもおかしくない物体ということになるのだろう。
……いやまぁ、これを銃と言い張るのは無理があると思うけど。
メカ系でカービィ関連となると脳裏を過るモノ──ロボボプラネットのアーマーとかコピーを想起する*5が、一応意匠が違うのでそっちではないと思われる。
……外付けコピー能力とか危なっかしすぎるので、無くてよかったとしか言えねぇや。
ただ、なーんか違和感があるのも事実だったり。
こう、なにかを見落としている気がするというか……?
こういう時の見落とし感って大抵酷い目に遭うフラグなんだけど、はてさて一体なにを見落としていると言うのやら……。
「……ハロウィンなら御姉様に出会えるかも、などと呑気なことを言っている場合ではなくなってしまったかもしれませんわね」
「む、何故ハロウィンだと貴方の探し人に会える、という話になるのかしら?」
「なんでもなにも、今年のハロウィンは
「ああ……そういえば折角のコラボなのに、珍しく黒子お姉さんは居なかったの」
「声が同じ方はいらっしゃいましたけどね。……佐天さんと食蜂さんは許されて、私は実装なしというのは業腹にもほどがありますがっ」
「ま、まぁまぁ……二回目があったら貴方も選ばれるかもだから……」
「……あ゛っ」
そうして唸る私の横で、ふぅと小さくため息を吐いたのは黒子ちゃん。
現状の危なさを改めて理解して、どうにも愚痴りたくなったらしい。
……が、こっちとしてはそれどころではなくなってしまった。
今しがた私がなにを見落としていたのか、明確に示されてしまったからである。
いや、そんなことはないとは思うんだけど……同時に絶対ないとも言いきれないというか、そういえばさっきまでのなでしこちゃんの様子って
……なりきり郷における【継ぎ接ぎ】や【複合憑依】というのは、些細な──小さな繋がりですら起こりうるもの。
ゆえに、ないとは言えない──いや、
ゆえに私は震える声で──可能なら外れていて欲しいと思いながら、一つの言葉を彼女に投げ掛けたのだった。
「……
「ぽよ?」
────あ、これダメだわ(本日二回目)
「……?改めて確認などされてどう致しましたのキーアさ……ひぃっ!?冷や汗が滝のように!?」
「うわぁなの!?どうしたのキーアお姉さん!?」
「か、顔色までどんどん悪く……!?」
おおおおお落ち着け私れれれれれれ冷静にこんな時こそ冷静にににににににににに
いやふざけんな落ち着けるかこんなの!!
思わず怒鳴ることを誰が責められようか。寧ろ心の中に留めてる分偉いって褒めてくれてもいいくらいだぞ!?
……とはいえここであたふたしてもどうしようもない、なんとか深呼吸して冷静さを取り戻そうとする私だが……。
「……あの、キーアちゃん?私の気のせいだったらいいんだけど……」
「やめてアスナさん!ここで確認しないで!気を落ち着かせる余裕を頂戴!」
「それは私も欲しいんだよ!だから聞かせて、もしかしてさっきの──
「ハァイ」
「」
「」
「……え、なんですのこの空白」
わぁい、いち早く察したアスナさんも固まっちまったいなんてこったい()
……いやでも、気付いたのならそうなるのが普通だと思うの。
そこで唖然としてる黒子ちゃんだって、私達が何に気付いたのかを知ったなら同じ反応をするに決まってるんだから。
ってなわけで、私達と同じ絶望を彼女にも味わって貰いましょうそうしましょう()
「付かぬことを聞くんだけど、今しがた黒子ちゃんが話してたのって……」
「はい?……ああ、『アレ』のことですわね?此度のハロウィン、どうやら『アレ』が深く関わっているとのこと。『アレ』にコラボ要因として出張も果たした御姉様であれば、今回のあれこれに合わせてお顔をお見せしてくださるかもと期待しているのですが……今のところそのような気配は……気配は……」
あ、気付いた顔ですねこれは()
いやまぁ、黒子ちゃんも大概頭の回転は良いほうなので、そりゃ気付かないほうが不思議なんですけども。
……とはいえ気付いたのなら話は早い、未だよくわかってなさそうな他二人に説明するためにも、このまま話を続けるとしましょう。
「……質問を返すようで悪いのですが。今回のハロウィン、確か『ブルーアーカイブ』が設定的に関わっていると見なしてよいのですわよね?」*6
「そうだね。カービィがなでしこちゃんになってるのも、『ブルーアーカイブ』の基本である『銃を持った女の子』のテスクチャに合わせた結果、と見るのが普通だよね」
「……カービィといえばそのキャラクターが登場する作品の名前は『
「あれ、おかしいね。ボーッと聞いてるとふと脳裏に思い浮かぶキャラがいるね?(白目)」
「……ピンクの髪で『ほしの』。もしかしてですけど……」
「ええそうですね、多分恐らくこの子『カービィ』と『なでしこちゃん』と『ホシノちゃん』の【複合憑依】ですね()」
「」
「「……え?」」
……誰だよこのコラボ許可したやつぅ!!!?