なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はい、みんな仲良くフリーズしてる間もなでしこちゃんはガツガツとご飯を食べ続けてるわけでして。
運ばれてくる料理がみるみるうちに彼女の腹の中に吸い込まれていく姿は、なるほどただの大食いじゃないですわこれ、とこちらを納得させるに足るとんでもなさを誇っているのでしたとさ。
……いやまぁ、単に燃費がすっごい悪いという可能性も無きにしもあらずだけど。
さっきの予想が正しければ、彼女は『カービィ』『各務原なでしこ』『小鳥遊ホシノ』の【複合憑依】。
よくよく考えたらなでしこちゃんとホシノちゃんが声と髪の色同じ、って時点で関係しないはずがねぇ……みたいなツッコミが浮かんでくる始末である。なんやこれ(白目)*1
というか名前だけ聞いてるとホシノ・ルリ……もとい『機動戦艦ナデシコ』とかも脳裏を過るんだけど勘弁してくれない?*2
まぁともかく、カービィが若干ノイズ……に見せかけて『ほしの』と『ピンクカラー』でばりっばりに関係性を主張してくる辺り、これ結構完成度の高い【複合憑依】かもなー、と現実逃避してる私である。
……いやだって、ねぇ?
なでしこちゃんは若干スペック的な格落ち感があるけど、他二人が大分おかしいんだもの。
片や数多の銀河の危機を解決してきた星の戦士。
片やブルアカ世界において最強の神秘を持つとされる暁のホルス。
……うん、こんなところで唐突にポップしていいやつじゃないんだわ。
彼女を主題に一つ話がぶち上がってもおかしくない類いなんだわ。
少なくとも、ハロウィンのついでにポップしていいやつじゃないんだわ。
「……はっ!?
「お前さぁ、疲れてんだよ」
……病人を見るような目でツッコむ必要なくない?それもわざわざエレン風にするとかさぁ……。
まぁともかく、一つ気合いを入れ直して……だ。
彼女がスーパートリプル厄介『逆憑依』なのは間違いのない話。
ゆえに可能な限り穏便に確保し、さっさとゆかりんのとこに投げたいんだけど……。
「あのー、まだ食べ終わらない感じですかね……?」
「おかわりー!」
「あダメだわこれ、燃費が悪いとかってレベルの話じゃねーわ」
めっちゃいい笑顔でおかわりを求められたんですがそれは()
これはあれですね、本人が満足するまで終わらんやつですね……(白目)
このあとゆかりんに連絡して滅茶苦茶食材持ってきて貰った。
「これもハロウィンのせいだって言うの……?ちゃんと祝わないとこんなに酷いことになるの……???」
「落ち着いてゆかりん、祝っても酷いし祝わなくても酷いんだよ」
「遠回しに諦めろって言ってる!?」
アキラメロン……。*3
冗談はともかく、呼ばれて慌ててやってきたゆかりんは事情を店員さんに説明したのち、スキマで続々と食材を搬入し続けている。
なんなら調理スピードが間に合ってなさそう、ってことで調理センターから応援まで呼んでくる有能っぷりである。
「報せを受けた時はどういうことかと思ったが……確かに、これは郷の存亡の危機と言わざるを得ないな」
「トリコさんの食事スピードで慣れてたつもりでしたが……考えが甘かった、という感じですね……」
「……ぽよ?」
なお、増援として呼ばれたのはエミヤんと小松君の二人であった。
……と言ってもそのまま呼ぶと調理センターの業務?が滞るので、ここだけ私の分身技能をゆかりんから解禁して貰い、二人にその操作権を貸し出す……って感じに対応して貰ってるけど。
なんかややこしいことになってるけど、これしか方法がなかったんだから仕方ないね……。
「いえ、これはややこしいとかそういうレベルではないのでは?」
「ええと……まずキーアちゃんが三人に分身して、そこから紫さんに頼んでお二人に協力を要請して……」
「分身の方のキーアお姉さんが二人に変身したの」
「で、それぞれ対応する姿の分身の操作権限を委譲されたと。……なんだったかしら、分割思考ができるように補助魔法を使ったりもしていたのよね?」
「なんでそんな面倒なことになったかというと、キーアちゃんはそこまで料理上手じゃないからよね?」
「というより、私のやり方だと他の人の調理スペックを借りようとすると船頭多くして山上る、みたいなことになるから仕方ないんだよね」
まぁ、この辺は以前もどこかで説明した覚えがあるけど。
エミヤんの憑依経験的なものを私も使うことはできるが、基本的に再現度が足りてないので数段スペックなどが落ちる。
それを補うために複数の経験を混ぜて動かすんだけど……そのやり方は調理にはまっったく向いてない……ってやつである。
その辺ゆかりんも知ってたので、応援を呼ぼうって話になったわけだ。
……え?大量生産に視点を絞るんならそこまでする必要はないんじゃないかって?
それはあのなでしこちゃんを見てから言いたまえよ……。
「カービィ単体にそこまでグルメってイメージはないんだけど……」
「あの子はすっごく美味しそうに食べるよね……」
なんでも吸い込んで食べるカービィに、そこまで味にうるさいイメージがないというか?
……いやまぁ、好物としてトマトが設定されてる辺り味の好みはあるんだろうなーとは思うんだけど、そこまで選り好みするタイプでもなさそうというか。*4
典型的な質より量タイプのような気がする、とでも言えばいいだろうか?
まぁ、単に好き嫌いがそこまで極端じゃないってだけなんだろうけど……。
その辺を踏まえてなでしこちゃんの方を見て貰いたい。
……うん、一口一口とても美味しそうに頬張ってますね。
これが単なるカービィなら吸い込んで終わりなのだけど、彼女の場合は滅茶苦茶味わって食べているというか。
「ただし速度はカービィ準拠である」
「いやおかしいおかしい、ちゃんと味わってるのにあの速度で料理が消えるのはおかしい」
カービィちゃんカービィちゃん、君いつの間に質も量もどっちも重視するタイプになったん?(白目)
……はい、料理の消える速度はカービィ準拠なのに、美味しそうに食べるのはなでしこちゃん準拠なんですよねこの子。
そのお陰というかせいというか、適当に量を重視したメニューを投げると、食べはするんだけど露骨にしょんぼりするのである。
残したり食べなかったりする訳じゃなくて、しょんぼりしながらモグモグ食べるわけだ。
……なんというかこう、雰囲気的にこっちが悪いことしてる気分になるのがわかるだろうか?
そんなわけで、量も質も十分に満たせる料理人を呼んでくるしかなくなった、ってわけなのでありました。
……なでしこちゃんって確か本人も料理得意なはずだし、話ができたらその辺も確認しとかないとなー。
「地産地消的な?」
「そうそう、毎度エミヤんや小松君に来て貰うわけにもいかんし、自分で賄えるようになって貰うのが一番かなーと」
コック能力もあわせれば飯に困ることなんてないだろうし。*5
まぁともかく、そんな感じで一先ずカービィちゃん案件は私達の手から離れたのでした。
「料理に満足してくれたら、そっからまた私達の仕事なんだけどね……」
「ああそうか、一瞬記憶が飛んでたけどハロウィン案件だったわね……」
まぁ、お腹いっぱいになってこっちの話を聞いてくれるようになったら、そっから改めて私達の仕事に戻ってくるんですけどね。
……ハロウィン武器っぽい気配を出してるあのゴーグルがある限り、管轄としてはこっちの領分になるわけですし。
というか、なでしこちゃん&カービィの時点で大概だけど、そこに恐らく小鳥遊ホシノまで混ざってるってんだからそりゃもう他の人達に任せられるはずもなかろうと言うか?
……関係者としてシロコちゃんも呼んどいた方がいいのだろうか?
いやでもなんかややこしいことになりそうな気もするしなぁ……。
「……そこでどうしてこっちを見てきますの?」
「いやその、もう一人のシロコちゃんと言ってもいいキャラである『シロコ*テラー』ってさ、ファンの間では『クロコ』って呼ばれてるんだよね……」
「……まさかとは思いますけど、私に波及する可能性があると!?」
「普段ならそんなことないよって笑うんだけど、今回に限ってはどうも笑い話にできないというか……」
懸念されるのは、この人員の揃い方だと変な【継ぎ接ぎ】が発生しかねない……という部分。
要素を分解してみると、なるほどなでしこちゃんとカービィという組み合わせにホシノちゃんを加える余地があることは理解できる。
……できるけど、じゃあここに加えようとは普通ならないはず。
言い換えると『そうはならんやろ』の塊なわけだ。もっとも『なっとるやろがい!』って返さないといけないんだけど。
で、ハロウィンって大抵そんな感じなので、例えばここにホシノちゃんとシロコちゃんが揃ったりすると、結果として黒子ちゃんが名前繋がり()で『黒子*テラー』とかになりかねないのである。
……ほら、『テラー化』ってファンからはオルタ化と混同というか一緒くたにされてる節もあるから余計に。
現在、御姉様に会えないフラストレーションを溜め込んでいる黒子ちゃんは、ともすればオルタ化しそうな状態にも見える。
……環境まで手伝ったのならあと一押し、ハロウィン武器でも転がり込んで来ればお見事『黒子*テラー』の完成である。
その辺考えるとシロコちゃんを呼ぶのは無しかなー、となる私なのでありました。
……え?黒子ちゃん?わなわなと震えてましたね……()