なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、騒動が起きることを想定してるのが複数居る以上、なにかが起きるというか起きているのは自明の理。
それが隠れ潜むハロウィンとそこから発生するなにか、というのが正解であるならば、不審なことは全てハロウィンのせいなのである。
……え?論理が飛躍してる?気にするな()
というかこの時期の面倒ごとは全部ハロウィンのせい、ってことにしといた方が後腐れなくて楽なんや、わかってたもれ()
「さらっととんでもないこと言ってない貴方?」
「言ってない言ってない。これがエリちゃんのせいなんですよって言ってたらあれだけど、別にそんなことはないし」
「……ハロウィンは今泣いてるのよ」
なにそのキラさんみたいな台詞……。
まぁ、あんまりハロウィンに押し付けすぎるとよくないってのも確かなのでほどほどに。
そもそも昼休憩で会話の種に話し始めた、程度のものだからそこまで真剣に悩むものでもないし?
「ええ……滅茶苦茶ヤベーのよみたいな空気じゃなかった今……?」
「いやヤベーのは元々というか、既に理解してたからそこまでじゃないというか。氷山が目の前にあるのに他にも氷山があるよー、って言われて船が移動できますかって話ですよ」
「それ遠回しに絶望しろって言ってない?」
言ってない言ってない、氷山粉砕僕安心(?)
まぁ一応もうちょっとまともに語るのなら、さっきまでの忙しさがハロウィンのせいなら、その裏には例のカボチャ頭がいるだろうなって感じ?
「ああ、噂の偽マフティー?」
「いやまぁ、本当に偽マフティーなのかは不明だけどね?でもまぁとりあえずカボチャ頭でハロウィン、っていうと例の躍りがなんとなく頭を過るってだけで」
別にチェンソーマン的な奴の可能性もなくはないし?
まぁそれはともかく。
仮に彼があの忙しさを持ってきたのだとすれば、その目的はなにか?……というのを考えるべきということになるはず。
……はずなんだけど、それって正直考慮してなにか意味あるものかっていう。
「ああ、わざわざうちを繁盛させてどうするの、ってことね」
「うむ。それに託つけてハロウィン武器を配ってるとかならまぁ、そういう目的なんだなぁってなるけど……」
「そのような報告は上がっていませんね」
「ですよねー」
……うん、よくわからんねって。
なにか裏の目的があるのかも知れんけど、正直相手の正体もよくわからんうちは考察のしようもないというか。
「なので気にはするけど気にしすぎない程度に納めておこう、ってわけ」
「まぁ、食事中にあれこれ悩むのもあれだものねぇ」
美味しいご飯食べてる時に悩んでも仕方ない、みたいな?
ってなわけでこの話は明後日に放り投げて、一先ずは昼食である。
「……まぁ、ゆかりん的にはお酒呑みたくて仕方がない、って顔してるけど」
「なに言ってるのよ、それは貴方の方でしょう?」
「…………」
「…………」
「お二方とも、メニューに手を伸ばさないように」
「「ちぇー」」
なお真っ昼間から呑むのはジェレミアさんに止められた。
私達居なくても大丈夫そうだしよくない?……さっきみたいなことになったら人手がいるからダメ?ちぇー。
「おのれミサトめ……!これ見よがしに目の前でぱかぱか呑みやがってぇ……!」
「っていうかあの子手伝いとかないのかしら……?」
呑もうとしてた私達が言えたことじゃないけど、真っ昼間から浴びるようにビールを呑んでるのどうなのよあの子。
いやまぁ、わりと最近来たばっかりって言ってたから、そこまで忙しくないんだろうなーとは思うけど。
ってな感じで、途中知り合いと出くわしたりしつつお昼を食べ終えた私達。
午後からも張り切って商売繁盛していきまっしょい、って感じでゆかりんルームに戻ったんだけど……。
「……むむっ?」
「どしたのキーアちゃん?」
「なんか……物の配置が変わってない?」
「え?……えーと、そうかしら?」
「……あっ、テーブルの位置がずれてる?!」
「おや、売り物の配置も変わっていますね」
なんだか微妙に違和感。
そう、内装やら机やら売り物やら、色んなものが微妙に動かされていたのである。
それはそこの売り物たちのように滅茶苦茶移動しているものから、ゆかりんのデスクのようにミリ単位で動いてるっぽいのまで様々だった。
「え、ミリ単位?」
「もしかしたらナノ単位かも?ほら、サイゼリヤの間違い探し的な」*1
「そんなのわかるかぁ!?」
いやまぁ、そのレベルまで行くと勘違いかも知れんのやけどね?
……いやでもこういう時の私の勘は甘く見るもんじゃないというのも確かな話。
なのでちょっと解析に掛けてみたところ、やっぱりナノ単位でずれてました。
「ええ……なんでそんな微妙なことを……」
「んー、考えられるのはなにかしらの儀式のために場を調整した、とか?」
「……あー、特定のものを特定の場所に置くのが必須、みたいな?」
そうそう、と答えながらなにかしらの術の痕跡でもないかなーと探知してみる私。
……生憎それっぽいエネルギーの残滓とか儀式の跡とかは見付からなかったけど、配置が重要ななにかをやるために移動させた、という可能性は高いと思われる。
じゃないとナノ単位で調整する必要が見えないし?
「ということは、これは例の相手が動かしたと?」
「ハロウィン関連かってこと?……それに関してはなんとも。私達がいない間にハロウィン武器を仕込むんならまだしも、物の配置を変えただけで済ませてる辺りなんとも」
ジェレミアさんから偽マフティーの関与を疑う言葉が飛んでくるが、正直その辺はなんとも言えないと返すより他ない。
ここまでの彼が関わったとおぼしき仕込みは、基本的にハロウィン武器に関わるものだけだった。
それに対して、今回この部屋で起きたと思われるのは、なにかしらの準備のためにモノを移動するという、言葉にすればそれだけのもの。
……なんなら魔力とか気とかの残滓もないため、動かしただけで終わっているようにすら見えるありさまである。
「一応、動かしたっていう事実を作りたかった、みたいなパターンもなくはないかもだけど」
「その事実を作ってあるとどうなるんです?」
「なにかしらの能力であとからもう一回その位置に移動させられる……とか?」
「……それ、私達が元の位置に戻すことを前提にしていますよね?」
「そうなんだよねー」
仮に動かすことそのものが目的だったと考えると、あとからなにかしらの能力で
……うん、戻すってことはこのまま私達が放置したらまったく意味がない、ってことでもある。
いやまぁ、普通は勝手にモノを動かされたのなら気味悪がって戻すのが普通なんだけど、ここに居る面々だと
こうして戻すか戻さないか悩ませるのが目的なんじゃ、って気もしてくるのがなんとも言えないところである。
「……一応、もう一つ考えられるパターンがあるんだけど、仮にそっちだと最早悩むのが馬鹿馬鹿しいんでそれはそれで放置でいいやってなるんだよね」
「もう一つのパターンとは?」
「動かした後の景色を写真に撮ってるパターン」
「……はい?」
あれだ、現実世界の部屋をどうこうってあれではなく、作り上げた世界の中でなにかしようとしてるパターン。
……説明がわかりにくいので可能な限りわかりやすく説明し直すと、撮った写真を基準として自分だけの世界を作れる、みたいな能力持ちの場合の話になるだろうか?
「ドラえもんの入り込みミラーみたいな?*2……言いながら思ったんだけどこれ怪しい人一人に絞られない?」
「奇遇ね、私も一人思い当たる人が脳裏に浮かんできたわ」
鏡の世界……秘密道具……あっ()
これあれだな?多分琥珀さんがなにかの対処のためにこの部屋の物の配置を動かしたあと、それを前提に鏡の世界に状態を写し取ったとかそういうあれだな?
なんでそんなことをする必要性があるのか、って部分はまったくわからんけど、そんなことしそうな相手ってなると一人に絞れてしまったのは問題というべきなのか……。
というかだ、琥珀さんの謎移動手段、この分だと鏡の世界を経由してる感じだな?
まさかのミラーワールド作成済みだったか……そのうちデスゲームでもすんのかな?()*3
「いやまぁ、デスゲームは冗談だけど……今の琥珀さんに持たせちゃアカン道具じゃないかなあれ」
「まぁ、色々裏で画策するのに向いてるものねぇ……」
「というか、結局この部屋のモノを動かした理由はなんなのでしょう?」
「本人に聞いてみないとわかんないですね……」
わかってもわからんこと多すぎじゃね?
……そんな感じに微妙な気分になる私達なのでありましたとさ。