なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、調査と言ってもなにをするんだって話だけど。
「とりあえずはオーソドックスに身体能力から検査してみようか?……いやまぁ、冷静に考えると意味があるのか、って感じだけども」
「あー……艦娘と吸血鬼だものね……」
普通に一般人よりスペック高いやろコイツら、的なやつである。
……まぁ一応?響ちゃんの方は他にも艦娘とか何人かいるから、そっちのデータと照らし合わせて調べるとかはできると思うけど。
「そうなるとシャルちゃんの方どうすっかなーって話になるんだよね」
「吸血鬼っていないのか?」
「少なくとも私は見た覚えはないかなー」
いやまぁ、アルクェイドっぽいゆぐゆぐとかはいるけども。
あとは私が知らんだけでどっかに居る可能性もなくはないけど。
……基本的に日光に弱いのが吸血鬼だから、隠れ潜み辛いなりきり郷だと辛いんじゃないかなーって思うわけです。
え?おぜうさま?おぜうさまはおぜうさまですよ?
「いや、いるじゃねぇか」
「いや別に冗談を言ってるわけじゃなくて、ここにいるレミリアってあんまり参考にならんのよ」
「ふむ?」
確かにレミリア・スカーレットといえばどっからどう見ても吸血鬼な少女。
ゆえに今回の比較対象として見合ってそうに思えるのだけれど……うん、うちに居るレミリアってちょっとどころか大分特殊なのよね。
なんていうのか、攻撃より防御に能力が割り振られ過ぎているというか?
彼女の初登場はハルケギニアでのことだったが、その時赤い月相手に肉壁()扱いされていたことがあったと思う。
「そこまで高くない再現度が吸血鬼の防御的スペックに割り振られ切ってる、くらいに考えておけばいいかも?」
「あーなるほど。攻撃力方面だと低すぎてあてにならないし、防御力方面だと今度は高すぎてあてにならないのか……」
「そういうことー」
……いやまぁ、『逆憑依』の基礎概念的にはそっちの方がいいんだろうけどね、防御特化。
そもそも吸血鬼って種族自体、強力な割りに弱点が多いからあんまりなりたいとは思えない類いのものだし。
「まぁそんなわけで、一般的な吸血鬼の比較相手としてはまったく向いてないのです、はい」
「まぁ、私が一般的な吸血鬼かと言われるとそっちも怪しいもんでありんすが」
「それはまぁ、確かに」
要するに、ぐだぐだ言う前にさっさとデータ取りを始めろ、ってことだな!
そんなわけで、主に二人の情報を取り始める私達である。
主に、なのは他の面子も平行して一緒にデータを取っておこう、みたいな感じだからなわけだが……。
「……うん。私はともかくキリトちゃんも大概だよねっていうか」
「なんだよその変なものを見る目は!?」
「いやだって、ねぇ?」
うん、私が外れ値*1なのはまぁ想定通りだからいいのよ。
よもやキリトちゃんまで外れ値だとは私想定してなかった……わけじゃないけど、なんか思ってたよりヤバいね君?
というのも、だ。
なんか、あからさまに普通の人間基準のスペックから逸脱してるのである。
原作的に弱いキャラでも『逆憑依』になれば普通の人よりスペック的には高くなる、みたいな話も勘案した上でそれなのだから、なんというかキリトちゃん実はわりと上位勢だな君、みたいな?
「いやいや幾らなんでもそこまでは……」
「ほう?そもそもイシュタルの【継ぎ接ぎ】に近いことにもなってるのにあり得ないと?寧ろここで下手に謙遜するとイシュタル成分に怒られるけど?」
「そうよ私は強いのよ(ヤケクソ)」
それでええんやで()
……今さらっと言ったけど、【継ぎ接ぎ】によって追加された成分って言うのは実のところ、外すつもりがない場合
今の場合だと、イシュタル神の加護?的なものを受けてるようなものなのにそれを誇らない、って動きがそれに該当。
これをするとどうなるのかっていうと、【継ぎ接ぎ】の剥離が発生したりするのだ。
……単純に剥離するだけならまぁ、【継ぎ接ぎ】の取り外しができるから寧ろありがたいのだけど。
こういう【継ぎ接ぎ】成分を下げるというか、機嫌を損ねるやり方だと色々とデメリット山積みというか。
どんなデメリットがあるのか、ってのは長くなるのでここでは説明しないけど、とりあえずひっどい目に遭うとだけ覚えておいて貰えば。
……いやまぁ、酷い目に遭おうがどうしても外したい【継ぎ接ぎ】があるなら一考の余地はあると思うけど。
基本的に【継ぎ接ぎ】って簡単に起こる上に些細な繋がりで発生するものでもあるから、この外し方だと再び【継ぎ接ぎ】発生、みたいな元の木阿弥と化すパターンがねぇ……。
まぁ要するに、メインの『逆憑依』だけでなく、相手が【継ぎ接ぎ】だろうとそのキャラクターへの敬意を忘れちゃアカン、というか?
二次創作のキャラでも発生する辺り、その辺の敬意云々ってそこまで厳密でもないんだけどねー。
「まぁでも今回はイシュタル神の話なので。甘く見てくれるわけないので」
「そうですね……」
そんな感じですので、キリトちゃんがわりと上位勢になるのは確定ということになるのでしたとさ。
……とりあえず、比較用のデータとしてはあてにならんなこりゃ。
「というかナチュラルに飛ぶんじゃないよ!」
「「えっ?」」
「お前らには言ってない……んだけど今現在飛んでるのは君らも同じだったな!飛ぶんじゃねぇ!!」
「まったく、そうだぞ二人とも。私を見習ってちゃんと二本の足で歩くべきだ」
「そういう響ちゃんは水の上に立ってんじゃねぇよ!」
「……ちっ」
舌打ちされたんだが???
……はい、他の面々も大概ですね。
キリトちゃんがイシュタル神の権能で飛んでる横で、自前の能力で飛んでる奴らが主に二人。
無論アウラちゃんとシャルちゃんであり、ジャンプ能力の検査中なのになにやってるんだコイツら感しかないのだが?
その横では水泳能力の検査のために響ちゃんがプールサイドに居たんだけど……こっちはこっちで泳げっつってるのになんか水の上に立ってるし。
わざわざ艦装まで引っ張り出してるんじゃないよ!
……というか、こうして三人の動きを見てる限り、ほぼほぼ確実に今の見た目に上書きされてるなというか。
一応は【継ぎ接ぎ】の類いのはずなんだけど、一切元の『逆憑依』の様子が見えないぞこれ?
「あれ、アウラ……もといハセヲもか?」
「ゲーム世界で変化させるとヤバいから外で、って感じに変えただけで基本的なTS原因は変わらずハロウィン武器由来だからね。なんでまぁ、あの姿のスペックがおかしいんであればその理由はハロウィン武器のせい、ってことになるわけ」
「なるほど……」
火種もなしに変化させるのは難しいというか?
……まぁそんなわけでして、中身の一切感じられない変化に思わずちょっと
普通の【継ぎ接ぎ】ってキリトちゃんみたいに、あくまで元となるキャラクターを前提とした変化に留まるものだから、ここまで完璧に変わってると本当に【継ぎ接ぎ】なのか怪しくなるとも。
「一応、まったく無関係とは言えんのだけど……それでもやっぱり、今までの【継ぎ接ぎ】からするとなんか繋がりが薄すぎるというか?」
「銀さんは髪の色、他二人は同一作品からの繋がり……って感じか?」
「まぁ、銀ちゃんは以前一回変化してるからその繋がり分まだ納得はできるかな」
一度折り目がついたものを綺麗に戻すことはできない、的なやつである。*2
それゆえにやっぱり一番おかしいのはシャルちゃん……もといモモンガさんなわけだが。
そんなシャルちゃん、なにやらさっきから様子がおかしいのであった。
「空を飛ぶのを止めたかと思えば、なにしてらっしゃるんです?」
「キーアの呼び方のせいで調子が……」
「はい?」
「なんだか今すぐバイトしなきゃいけないような気分になってきたでありんす……」
「……あっ」
あ、なるほどシャロちゃん……、もしくはシャルロット……。*3
なるほど、響きが似てるから変な影響を与えてたと。……いや待った単なる呼び掛けでそんなことになる???
……もしかしたら、他の人より【継ぎ接ぎ】系統への抵抗力が下がってる、とかあるのかもしれない。
「抵抗力って……そんな病気みたいな」
「本来【継ぎ接ぎ】って一人の人に乗っけられる量には限りがあるわけよ。そこから考えるとこのレベルの変化はちょっとおかしいわけ」
「……それで抵抗力が下がっている、と?」
「必要以上に【継ぎ接ぎ】を受け入れちゃってるんじゃないかなー」
本来ならメインとなる『逆憑依』の影響を受けるはずなのにそれが見られない辺り、【継ぎ接ぎ】として後から付け加わったものがメインに成り代わろうとしているレベルなんじゃなかろうか、というか?
……なんか言葉だけだとヤバいことに聞こえるけど、『逆憑依』のシステム的には別に問題ないんだよなぁ。
中身が無事なら外なんてなんでもいいわけだし?
「よくないでありんすが!?」
「あっはい」
……なお、流石に今の状態から変化するのは気分的に問題ありだ、と抗議してきたモモンガさんである()