なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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空耳クリスマスソングの鳴り響く頃に

「うーん、敢えて十字架でも頼んでみようかしら……」

「なんでそんな自爆以外の何物でもないものを……?」

「いや、その方が面白いかなーって」

「クリスマスにそういう面白さは求められてねーから」

「げんげん」*1

 

 

 このおぜうさまはなにを目指してるんですかね……?

 

 ってなわけで、引き続きクリスマスになに欲しい?的な話をお送りします。

 おぜうさまはご覧の通り、吸血鬼がクリスマスを祝うとかロックよね!……って感じで滅茶苦茶乗り気なんだけど、乗り気なだけで別に欲しいものとかはない様子。

 まぁあれだよね、他人の迷惑にならない程度ならなんでも貰えるようなもの……とか言われても逆になにも思い付かないよねというか。

 

 

「それは嘘なん!欲しいもの書いても貰えない時があるん!」

「え、そうなの?」

「そりゃそうでしょ。『逆憑依』の場合()()()()()なんだもの」

「……?……あ、なるほど。今の姿はアバターみたいなもので、思考の方も中身に影響されているとはいえ一応別人(中とは別)だからそんなことになるのね」

「そういうことでーす」

 

 

 なので自堕落を招くとか暴飲暴食になるとか、『自分に迷惑を掛ける』可能性があるものも貰えないです。

 ……れんげちゃんは【顕象】だろうって?その子かようちゃんと一蓮托生だから変なことするとかようちゃんが悲しむ、って意味でもダメですよ?

 

 

「うちの自由はないん……」

「ほどほどならいいんだよ。貰えるからって際限なく貰ってたら怒るに決まってるでしょー?」

「ぐうの音も出ないん」

「あはは……にしても、そうなると以外に思い付かないものね。ゲーム機とかもダメな感じ?」

「その辺は人によるよ。やらなきゃいけないこととかを放置して遊び呆ける人ならダメだし、ちゃんと時間を決めて遊べる人とか、プロゲーマーみたいに寧ろそれが仕事な人とかだと問題はないね」

「プロゲーマーかぁ。……あれ、キリトって……」

「うむ。プロゲーマーではないけどゲームに関わることが重要なタイプのキャラだから、ああいう人もゲーム機のプレゼントを普通に貰えるタイプだね」

 

 

 まぁ、逆にそういう『命の掛かったゲームとかやる羽目になってた組』は、クリスマスにゲーム機なんて望まないことの方が多いんだけど。

 ……楽しく遊んでいる時はいいけど、そうじゃない場合は寧ろ気苦労の元だろうし?

 

 

「それに今だと『tri-qualia』一択、他のゲームは最悪積みゲーになったりすることもあるしね」

「話題作とかは自分で買って触るから、余計のことこういう時に頼むものに上がらないってわけね」

「げーんげん」*2

 

 

 まぁ、その辺も人による、ということなのでしょう、多分。

 

 ……キリトちゃんの話はそれくらいにするとして、そのままシノちゃんに欲しいものを聞いてみる流れに。

 ビィ君ぬいぐるみとか欲しがりそうな気もしたのだけど、それに関しては首を傾げられてしまった。

 曰く、わざわざぬいぐるみを貰わずともこうしていつでも本物を撫でられるので問題はない、とかなんとか。

 

 

「オイラは自由な一日が欲しいぜぇ……」

「いやー、それは基本的に難しいんじゃないかなー……プレゼントって原則かたちのあるものに限られるし」

「うへぇ」

 

 

 それを聞いた(彼女の腕の中の)ビィ君は、死んだ眼差しで希望を述べたが……うん、それ無理としか。

 サンタパワーの加工によってプレゼントは生成されるのだが、その際形のあるものに変化するようになっている。

 

 なんでそんなことになっているのか、というと長くなるのだが……サンタパワーも元を辿れば【兆し】、私達(『逆憑依』)に深く関わるものだから、というのが一番大きいのだと思われる。

 

 

「それはあれでしょうか、下手に概念的なものが許されてしまうと、そこから再現度のようなモノにまで派生しうる、と?」

「うむ。下手にわけのわからないモノになられても困る、ってやつだね」

 

 

 私が体験した一番初めのクリスマスがわかりやすいが……そもそもサンタというシステム自体も【兆し】を安全な形で処理するためのモノである。

 裏を返すと、地味に綱渡りなところもある……というべきだろうか?

 あれだ、あんまりにも好き勝手に貰うものを選べると、そこから世界滅亡案件に繋がりかねないというか。

 結局のところ、聖杯に代表されるような『願いを叶えるもの』の一つではあるわけだし。

 

 

「私が初めてここで体験したクリスマスの時は、そのせい(?)でしっと団とか生まれてたからねぇ……」

「ええ……」

「む、呼んだかの?」

「!?」

「……あ、そっかその辺も新人さんは知らないのか」

 

 

 ハクさんは元々白面の者で、それもなりきり郷に転がってくる【兆し】の元の一つ──人々の嫉妬の気持ちが依り集まって形となったモノを色々あって今の姿にしただけ、って話。

 なのでクリスマスは同時に彼女の誕生日でもある。ビワも同日だ。

 

 ……なお、内容が意味不明だったのか、セフィアさん辺りは宇宙猫顔になっていた。

 シスター(聖職者)的にはワケわからんよね、でも事実なんだよねこれ。

 

 

 

 

 

 

「……で、なんでその話からこの場面に繋がるのさ」

「いや、粗方うちでのクリスマスプレゼントの話は煮詰まったから、他の面々にも聞いてみようってことになって」

 

 

 はてさて、そんな話し合いから早数分後。

 何人かのメンバーが他の用事に別れて行ったのを確認したのち、残ったメンバーで家の外へと繰り出した私達である。

 なお、その理由は他の人の話も参考にするため。

 ……ってなわけで、早速出会った第一村人もといコナン君達に『今年はなに頼むのよ』と聞いて回ってるのだった。

 

 

「つってもなー、俺も別にそこまで欲しいものがあるわけじゃないというか……」

「はいはいはーい、オラはアクション仮面の変身セットとカンタムロボのフィギュアとぉー」

「しんちゃんのそれは下手するとやべーことになるから却下、って毎回言われてるじゃん」

「えー!?」

 

 

 で、初めに聞いたコナン君は微妙な様子。

 ……本来は高校生ってこともあってか、わざわざサンタさんに望むようなモノもないということだろうか?

 

 その横のしんちゃんはわりといつも通りの反応だが、それに対してのこっちの反応もいつも通り。

 しんちゃん自身が勝手に自作する分にはそこまで問題でもないが、こういう『願望器に願うに等しい』状況で変身セットとかロボットとかを頼むと宜しくないのでその願いは却下である。

 ……いや、しんちゃんが普通の五歳児なら別に構わなかったんだけどね?

 生憎この子嵐を呼ぶ幼稚園児なので……。

 

 

「んもー!毎回毎回キーアお姉さんは心配しすぎだゾ!オラはよいこだからそんなおかしなことにはならないんだゾ!」

「はっはっはっ冗談は休み休みいいたまえ。この前やらかしたことは忘れとらんぞ私は」

…………((;「つ)

(……物凄くわかりやすい冷や汗の掻き方ね)

 

 

 その反応はちゃんと理解してるってことでしょ、ギルティ。

 ……なにをやらかしたのか、というのはしんちゃんの名誉のためにもここでは語らないが、まぁどう考えても『よいこ』の起こすトラブルじゃなかった、とだけ。

 基本的にうちのしんちゃんは優等生だが、たまーにやらかすので気が抜けないってわけである。

 まぁ、本来のしんちゃんは『トラブルを引き起こすこましゃくれた子供』だったわけだから、ある意味仕方なくはあるんだけども。

 

 ……まぁともかく、コナン君としんちゃんに関してはそんな感じとして、他の面々にも同じ様にクリスマスに欲しいものを聞いていく私達。

 

 

「ふぅむ。生憎と今はそこまで欲しい、となるものはないかな。去年新しいコーヒーミルを貰ってしまったから余計のこと、というわけだ。……敢えて無茶を言うのなら、我が親愛なる義兄殿が私に面白おかしな姿を見せてくれないだろうか、って感じだけど……」

「予言しよう、なんとなくだけどウェイバー君の方が来ると思う」

「……それもそれで面白くはあるんだが、ねぇ?」

 

 

 なんだかイスカンダル殿とか連鎖降臨しそうで宜しくないね、とはライネスの言。

 ……うん、イスカンダルは偉大な王なんだけど、下手に受肉とかさせちゃダメな英霊としても有名だからねぇ。*3

 いわんや『逆憑依』なぞになったのならば、ってやつである。

 

 そんなわけなので、まかり間違ってその引き金になりそうなウェイバー君を呼び寄せそうな彼女の願いは却下なのであった。

 

 

「うむ、わしは元の渋い姿に戻りたいのじゃが……」

「残念ながらその願いはサンタの力の反意を越えている。諦めよ」

「なんで神龍風……」

 

 

 こういう時に否定を示すのにわかりやすいからですがなにか?

 ……ってなわけで次に聞いたミラちゃんは、相も変わらず同じ事を願っている。

 で、同じことなので断られるというか否定されるのも同じである、と。

 

 ……うん、『逆憑依』のシステム上、彼女が元の姿であるダンブルフに戻るためには【継ぎ接ぎ】を活用する必要がある。

 がしかし、見た目が大きく変化するような【継ぎ接ぎ】というのは影響が大きすぎるので実験すら禁止されている状態。

 必然、彼女の願いも却下される範囲に含まれる、というわけである。

 

 ……この間の話とか、わりと姿が大きく変化することはよくあるだろうって?

 あれは本人が望んでそうしてるわけじゃないから……。

 まぁ、偶然ならいいのかって話になるから、そのパターンも基本解決……もとい元に戻す方向でしか話は進まんのだけども、色々考えた上でも。

 

 

「ぬぅ、ズルいのぅ……どこかにジジイになるトラブルとか落ちてないかのぅ」

「仮にあったとしても今のその姿だとババアになるだけじゃないかな?」

「ぐぬぅ」

 

 

 滅茶苦茶残念そうにしてるけど、そういうキャラの『逆憑依』なんだからいい加減諦めてもろて。

 

 ……あ、隣に居たバソにはなにも聞きませんでした。

 聞いたところで答えはわかりきってるからね、仕方ないね。

 

 

 

*1
そうだそうだー

*2
なんか大変そうだなー

*3
基本的に英霊というのは『死者である』という弁えがあるのだが、受肉──生き返ったのならその辺気にせず好きにする、というタイプも多い(ギルガメッシュとかもその類い)。イスカンダルの場合は生前の夢──世界征服に再び邁進する可能性大の為、迂闊に受肉させてはいけないサーヴァントの一人として有名

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