なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「というか、クラスカードにしようが【星の欠片】なんて普通の人が扱うもんじゃないんですがそれは」
「仕方がないじゃないですか錯乱してたんですよぉ!!」
琥珀さんは既にアスランしている!*1
……冗談はともかく、これは重症である。
冷静になればそんなんアホのすることだってわかるのに、それを理解できずに突っ走ってたとか……いやどんだけ錯乱してたんですか本当に……。
「そういうわけなので貴方にはサクランの称号をあげましょう」
「切にいらないんですが~!?」
「君は確かにいい友達だったが、君の行動が悪いのだよ」
(さっきからガンダムネタ多いなー)
おっと、いい加減隣のアスナさんのなんとも言えない視線が気になってきたな?
そんなわけなので、無駄話はこれくらいにして建設的な話に移行。
「具体的にどんな感じのことができるんです?そのクラスカード」
「……笑いません?」
「はい?」
「まぁ……見ればわかりますよ」
唐突にどんよりとした表情になった琥珀さんに、思わずなんのこっちゃと返した私だが、彼女はそれに答えずどこからかクラスカードらしきものを取り出して。
「では……
「…………oh」
あ、なるほど。
基本的なシステムをプリヤの
……はい、琥珀さんがシャルティアのコスプレしてる、みたいなことになってますね。
「わぁ……」
「…………なるほど、よくよく考えてみると琥珀ってルビーの方はともかく、人の体の方は普通の成人女性だものね。似合ってはいるけどそれで恥ずかしさが減るかと言われれば別……」
「事細かに説明しなくても大丈夫ですよ!?」
うん、本来のルビーちゃんなら魔法少女にしている相手──この場合は自身の肉体ってことになるんだけど、それごと変身というか少女の姿に変換というか……まぁ、そんな感じのことをやってある程度違和感を消すこともできるのかもしれない。
どっこい、今ここにいるルビーちゃんもとい琥珀さんにとって、生身の肉体は元々の自身の姿であると同時に
「わかりやすく言うと限定的な【継ぎ接ぎ】みたいなもの。そこ姿は不変のように見えてその実移ろいやすく変わりやすい。……つまり下手に大本の姿が変わるような変身をさせると元に戻せなくなる、と」
「そうですよなんてこと教えてくれやがったんですかねあの神様!!」
(あ、根に持ってたんだ)
これ、私を疑ってた理由の何割かは『星女神』様の
まぁ、知らなかったら知らなかったでこういう時に取り返しのつかないことになってたわけだから、そういう意味では必要なことであったとも……。
え?その辺の話を聞く機会がなかったらそもそも今みたいにドツボに嵌まってない?そりゃごもっとも。
ともかく、である。
現状の琥珀さんが自身を対象にクラスカードを使う場合、システム的にはプリヤのそれそのままの挙動をするので、結果として琥珀さんの生身の肉体が変身する羽目になる、と。
「で、基本的には普通の成人女性の姿なので場合によっては痛かったり恥ずかしかったりするコスプレみたいなことになる、と」
「そうですよこれを見た時点でどうしようかって頭を抱えたんですよぉ~!!」
抱えたあと『でも世界を救うためには時に恥辱に耐えることも必要……!』みたいに持ち直したんですけどね、今はもうその辺粉々ですが!……とは琥珀さん自身の言。
……うん、哀れな。
「なんか……もう……色んな意味で哀れとしか言いようがないよ私……」
「なりきり郷における最高の科学者、その正体は終末論に踊らされた哀れな一般女性……みたいな感じで
「鬼かなにかなの貴方?」
はっはっはっノーコメント。
別に疑われてたことにちょっとイラッとしてるとかじゃないよ?()
……冗談はともかく、一通り彼女の様子を見たところ……なるほど、件の武器から能力のみを綺麗に取り出している、というのがすぐさま理解できた。
「……わかるんだ?」
「うむ、その辺の審美眼は確かなのでね。とりあえず件の武器の強制変身的な効力を夢幻召喚に変換することで無効化してるのは間違いないし、さらには武器としての効果・変身先の相手の能力の再現とかも問題無さそう。……まぁ、それを維持するために姿の変化の変わりに服装の変化を前提としてるみたいだから、琥珀さん的にはあんまり問題点が変わってるとは言えないのかもだけど?」
「………ぬぐぅ」
いやまぁ、事態の深刻さとして考えるなら単なる武器として扱った際の生徒化の方が厄介なんだけど。
単に見た目の変化って部分にだけ着目すると、少なくともその服を着るのに見合った外見年齢に揃えてくれる生徒化と、そこら辺はまったく触れずに服だけ着せられる夢幻召喚だと後者の方がメンタルにはダメージ大というか?
そんなわけなので、さっきから琥珀さんが顔を覆ってさめざめと泣いてることには極力触れない方向で行こうと思います()
「……うーん、でもまぁ正直今回のトラブルを解決するのには足りてない、かな」
「それはどうして?」
「いやまぁ、シャルティアとか響ちゃんとかの能力を使えるようになるのは確かに凄いよ?……あ、それとマン・イン・ザ・ミラーも使えるんだっけ。……ともかく、確かにやれることは意外と多そうだなとはなるよ、なるんだけど……」
「ああなるほどね、あくまでも一キャラクターの能力に留まるわけだから、今回のトラブルみたいに尻尾を捕まえられない状況だと特に有利にも不利にも傾かないのね」
「そういうことー」
いやー、Uちゃんもわりと頭の回転早いよね。
……うむ、今回のトラブルの首謀者は相変わらず尻尾が掴めていない。
こちらとしてはそれをどうにかして捕まえたいわけだから、その辺を解消できる手段を期待してたわけで。
にもかかわらず、今回得られたのは──対応力こそ高そうだけど、今のところ役に立ちそうには思えない能力しか持ってない手札だけ。
そりゃまぁ、ちょっと呆気に取られるというか、そんな感じの気分になるのも仕方のない話というか?
「……うーん」
とはいえ、まったく使えないのかと言われると微妙なところ。
クラスカードによる能力の切り替えができるわけだから、
「その口ぶりだと、あてがあるのかしら?」
「そりゃ勿論。──当初の予定通りに進めて貰おうかなって」
「……はい?」
こちらの言葉に困惑したように首を傾げる琥珀さん。
そんな彼女に私はというと、安心させるようににっこりと笑みを浮かべ──、
「もしかしてこっちが思ってる以上に根に持ってらっしゃいます?!」
「いやいやそんなことはないよ?私は単に事態解決のためのお手伝いをだね?」
「嘘だっ!!そんなアルカイックスマイルで誰が信用するって言うんですか!!」
「おっと内から愉悦が漏れた」
「語るに落ちてる~っ!?」
はっはっはっ冗談だって、場を落ち着かせるための小粋なジョークってやつだよホントホント()
……さて、私が琥珀さんにやらせようとしていること。
それは、【星の欠片】のカード化である。
……え?例えクラスカードになってようが関係者じゃない人が【星の欠片】を扱うのは無謀だってさっきお前自身が言ってたじゃないかって?
「だからこうして
「あの人私を売りやがった!?」
「やだスッゴい人聞きの悪いこと言ってるこの人」
単に自分が手を貸さなくても良さそうだなー、ってなったから撤退しただけだと思うよ?
そもそも私に介入を知られた時点で手を引く気だっただろうし。
「そうなの?」
「私に知られるってことは遠からず『星女神』様にも知られるってことなので。……なーんで避けてるのかは知らないですけど、今のところ顔を合わせる気はなさそうだからそりゃ逃げるだろうなって」
あれかな、元のテクストに合わせるのなら親愛なる存在であると同時に決して相容れぬ敵対者でもあるから、仮に準備もなしに顔を合わせるとそれこそ滅びが確定するとかだったり?
……まぁその辺はなんとでも解釈できるので今は置いとこう。
「今必要なのは今の状況を解決できるようななにか!さぁ琥珀さんも諦めてレッツ【星融体】!」
「しれっと要求が悪化している!?」
関係者以外が扱うとヤバイと言うのなら、貴方も関係者になってしまえばええんやで。
そうすれば今回みたいな余計なトラブルの火種を作る必要もない、貴方も私も皆兄弟……。
「大丈夫大丈夫怖くないし痛くなーい。貴方も私もお友達・家族・運命共同体になるだけだよふふふふ……」
「ひぃーっ!?おたすけー!!?」
「……どうする?この状況」
「静観でいいんじゃないかな……」
逃げる琥珀さんを追いかける私。
なにやら本来の目的を忘れているような気がしないでもないけど、これが成れば実質目的達成だからいいんだよ、とか宣いながら追い掛け続けること数分ほど掛かりましたが目的は達成できたので問題はありません、たぶん。