なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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ハーゲンティ、孤独な戦い!

「必殺、ゴールデンスパーク!!」

「ぎにゃー!?」

「ぎゃー、レイドの風物詩ー!……だって」

「やられ役が板についてしもうとるのぅ……」

 

 

 はい、ネコアルク・ハーゲンティ戦闘終了です。

 え、試合経過?見所ないから全カットですがなにか?

 

 

「にゃー……」

「今のは我にもわかったぞ、そんなーだろう」

「ん、おしい。そんにゃーだった」

「な、なんだか余裕があるような……?」

「まぁ、魔神柱の設定が適用されてるなら別にここで倒されても本体が倒れたわけじゃないだろうし……」

「それなら一々慌てる理由もないのぅ」

「…………」

 

 

 ……あ、今の無言は私にもわかった、冷静に分析するの止めない?だな多分。

 

 まぁともかく、即興で物真似した黄金衝撃(ゴールデンスパーク)ですんばらりんされたハーゲンティはそのまま消えるように消滅。

 結果、この辺り一帯に漂っていたネコの気配もまた霧散したのであった。

 

 

「やっぱりあれがネコアルクというのは納得が行かんのう……」

「と言っても、実際に気配はしてたからねぇ」

 

 

 その様子を眺めながらポツリと呟くハクさん。

 

 ……まぁ確かに、でっかいパンケーキの上にネコミミっぽいフルーツが飾られている……というだけでネコアルクです、とか言われても困るってのはわかる。

 わかるけど、同時に相手がネコアルクって時点でまともに考えるだけ無駄だってのも事実なので、その辺は臨機応変に対応して貰いたいところである。

 

 

「……そういえば、倒してもよかったの?今さら聞くけど」

「本当に今さらだね……基本的には捕まえる方向で行くけど、あんな感じで向かってくるなら普通に殴り倒すよ、ネコアルク相手だし」

「……ミニちゃんめっちゃ怖がってるけど」

「へぇあ!?いやミニちゃんもぶん殴るって言ってるわけじゃなくてね!?」

 

 

 基本的なネコアルクに対しての対応なんて雑なくらいが丁度いいってだけの話で、基本的じゃないのに関しては随時適した対応をだね?!

 ……とまぁ、いつの間にか私の頭の上から避難してたミニちゃんに弁明する私である。

 ミニちゃんの避難場所となっているアスナちゃんからジトッとした視線が突き刺さるが無視だ無視。

 

 ともかく、数分間懇切丁寧に説明をしたことで納得して貰えたようで、ミニちゃんは私の頭の上という定位置に戻ってきたのだった。

 

 

「……すっかりマスコットと化しておるのぅ」

「そうだね。ゆえにミニちゃんを生け贄に……みたいなことになったら私は全力で抗うよ」

「思ったより肩入れしとるのお主???」

 

 

 そりゃまぁ、悪いことなんもしてない人畜無害な存在に負債だけ背負わせるような事態とか、普通に許せるわけがないし?

 ……仮に今のミニちゃんが記憶喪失とかで変化した姿でしかなかったとしても、だからこそ今のこの子に罪はないし?

 

 まぁそんなわけで、黒幕ネコアルクがなにを考えているにしろ、全ての問題はやつのせいってことにしてぶん殴ることは決定しているのでありました。

 

 

「ん、『幾らなんでも理不尽過ぎないかにゃそれはー!?』とかなんとか聞こえた気がする」

「なるほど、じゃあ私はこう返しておこう。『お前さん、なにと対峙してると思ってるのかね?私魔王ぞ?』ってね」

「わー」

 

 

 ぱちぱち、と手を叩くアスナちゃん。

 ……ふっ、よせやいそんなに褒めるなよ。

 

 冗談はともかくとして、だ。

 ハーゲンティの影響が変に出てないか周囲を確認したところ、特にそれらしいものは見つからなかった。

 ということはだ、この場を後にして次の場所に向かう必要がある、ということだろう。

 

 

「反応が大きいところはまたこんな感じの大ボスが待ち受けているんだろうし……連戦ってのも面倒だから次は小粒なところを見てみようか」

「小粒、のぅ。参考までに聞くんじゃが、それって量的にはどうなんじゃ?」

「えー?えーと……百くらい?」

「…………大ボスと大して変わらなくないか?」

「レベルの合計って考えるとそうでもないよ?さっきのを百レベとするなら、こっちは一レベ未満が百って感じだし」

「それはそれでなんじゃそりゃ、となるんじゃが???」

 

 

 なんじゃそりゃって言われても……まぁうん、見ればわかるよ見れば。

 

 ってなわけで、困惑する一同を連れてやってきたのは企業ダンジョンの一角。

 ……そもそも企業ダンジョンに潜るのが久しぶりだな?みたいな気分になりつつそこで私達が見たものは!

 

 

「にゃー」

「にゃー」

「にゃー!」

「……ええと、なんですこれは?」

「スライムまんならぬネコアルクまん?もしくはぷよまんの派生って言った方がいいのかも」

「先祖返りにしちゃちと意味不明ではないか?」*1

 

 

 ……はい、いつぞやかパオちゃんを仲間にする際に戦った……戦った?ジャパリまんスライムの亜種的な存在。

 名付けてネコアルクまんスライム、というなんともとんちきな生物が辺り一帯を埋め尽くしている姿を目撃した私達。

 そんな探索者は『1D3』のSANチェックを……え?やってる場合か?そりゃごもっとも。

 

 

「い、今のところこちらに興味を抱いたりはしてないみたいですけど……これ、もしかしてまとめて襲い掛かってくるとか……?」

「まぁ、なくはないだろうね。でもルリアちゃん的には嬉しいんじゃないの?」

「なんでですか!?普通に怖いですよ!?」

「いや、言うてこの子ら饅頭だから、食べられるし……」

「……そ、そこまで食い意地張ってません!」

「なるほど?」

 

 

 るっ!リアちゃんならヒュゴゥして終わりだと思ったのだけれど。

 ……まぁ、冷静に考えると倒したあとのドロップ品ならともかく、倒す前の動いているやつを食べようとはならんか。

 世の中には踊り食いってのもあるけど、それはそれとして。

 

 

「いや、そもそもの話として倒さなきゃダメなんです?一応、この子達なにもしてないと思うんですが……」

「甘いなルリアちゃん、そうして攻撃を躊躇わせることで、長く彼らを存在させることがネコアルクの目的だったとすれば、その術中にまんまと嵌まっているということになるぞ!」

「えっ」

「特にここは企業ダンジョン。エネルギー資源の豊富な場所だからね、ここに人員を置いとくだけで勝手にエネルギーを獲得できる……みたいな使い方をしている可能性は普通に高いんだよ」

「え、えー!?」

 

 

 あれだ、シミュレーションとかでたまにあるやつ。

 毎ターンエネルギーが取れる場所に、それを確保する人員を置いとくことでそれを無駄なく入手できる……みたいな?

 なにごとにおいてもエネルギーの確保は重要案件。

 となれば、この一見人畜無害な様相も、そう思わせることでインフラの破壊を躊躇わせるためのものである……と考えることもできてしまう。

 

 ゆえに、この場では情け容赦なくネコアルクまんスライム達を殲滅するしかない、ということになるのだ……。

 

 

「……のぅ?」

「はい?なんでしょうハクさん」

「その理屈だと現在お主の頭の上におるやつも大概あれということになるんじゃが」

「さぁ皆さん張りきって今日もお仕事して参りましょー!!」

「おいこら」

 

 

 ははは聞こえない聞こえない。

 その辺は考慮した上で見ないふりしてるんだから聞こえなーい!

 恨むんなら出会うタイミングが遅かったことを恨むんだな!もしくはお前達を生み出した親であるネコアルクを、な!(外道)

 

 

「そういうわけでくらえ、月牙天衝!」

「また唐突に他人の技を借りるー」

 

 

 ええい喧しい、広範囲に一振で大打撃を与えるにはこれが楽なのよ!

 ……どこからともなく取り出した巨大出刃包丁から放たれた飛ぶ斬撃は、固まっていたネコアルクまんスライム達の中心部に着弾。

 そのまま大規模な爆発のような現象を引き起こし、彼らの大半をドロップ品に変じさせることに成功したのだった。

 

 とはいえ、大多数が吹っ飛んだといってもまだまだ数は残っており……。

 

 

「にゃー!」

「にゃー!」

「にゃー!!」

「おおっとこれはどうしたことだー!ネコアルクまんスライム達が互いに視線を交わし頷きあったかと思えば、一ヶ所に集まり始めたー!!」

「実況してる場合か!というかこれあれじゃろ、嫌な予感がするぞ我!」

「奇遇ですね私もですぅー!!?」

「ん、合体」

 

 

 残された彼らは示し合わせたように一ヶ所に集合。

 ……結果、巨大なネコアルクまんスライム……否、キングネコアルクまんスライムへと変化したのであった。

 なんでもいいけど名前長いなこいつ?

 

 

「ってぬわー!?」

「キーアー!?」

「キーアさんが撥ね飛ばされました!?」

 

 

 なんて言ってたのが悪かったのか、はたまたさっきのお返しか。

 できあがったキングは迷うことなく私を攻撃対象に選択、それに従って大質量の体当たりを敢行してきたのでありました。

 ……いやまぁ、見事に吹っ飛ばされただけでダメージはほとんどないんだけどね?

 

 

「なるほどやってくれる……ならばこちらも本気でお相手しよう!」

「にゃにゃっ!?」

「『なんか嫌な予感がする』、だって」

「なにをするつもりかはわからんが、なんとなくヤバいということはわかるぞ!総員退避、退避ー!」

 

 

 でもまぁ、こうして向かってきたのならちゃんと相手をするのが礼儀と言うものだろう。

 ……そういうわけで、頭の上のミニちゃんをアスナちゃんに預け、キングに対峙。

 

 そちらが体当たりをしてくるというのなら、こちらも同じような技で返そう。

 

 

「ただし、体当たり系とは言ってもすてみタックルだがなぁ!!『神断流』派醒──」

 

「無極・流星閃」

「ぎにゃー!!?」

「き、キーアさんのバカー!!?」

「ぬぉわああああああ?!!?」

「わー」

 

 

 無極・流星閃。

 文字通り流星の如き速度で相手に突撃し突きをお見舞いするそれは、流星の如き速度を達成するために色々と無茶をしている技である。

 

 結果、周囲と()()()も粉々になったが……まぁ結果オーライである、多分。

 

 

「んなわけあるかー!!」

 

 

*1
TYPE-MOON代表・かつ有限会社ノーツ代表取締役である武内崇氏は、元々ぷよぷよの版権を持っていた株式会社コンパイルに勤めていたことがある、という話からのネタ。ある意味コンパイルがぷよぷよランドなどの無茶なことを計画して倒産したからこそ、TYPE-MOONは今の規模になったとも言えるので中々に因果な関係である

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