なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「はいまぁややこしくなったけど纏めると。とりあえずネコリーシャにリーダー役を一時的に任せることにするにゃ。その間にあちきの本体が向こうの本体を探すにゃ」
「なるほど、責任重大ですね」
いやホントにね。
……サンプルとなるネコ達を深く解析し、そこから本体であるネコアルクの位置を探る。
言うは易いが行うは難いの極致であるそれは、しかしてミニちゃん……もといゼロの維持を止めれば一応労力は足りる、というくらいのものであった。
まぁ、前述通りその『維持を止める』ってのが難しかったんだけども。主に問題児達のせいで。
「ぶるぁ?」
「ぷる?」
「なんだその発言……」
中途半端に喋ることで意思を示してんじゃないよ、まったく……。
こうしてみると意外と大人しいが、これもあくまでこっちの制御が効いてるから、という可能性の方が高いのが困り者である。
「参考までに聞くんだけど、仮に制御できてないならどうなるの?」
「本家バルバトスとか例の人とか顕現してたかも」
「思った以上に起こることの規模がヤバい……!?」
特に髭ちゃんの方はとても危ない。
バルバトス側に関してはテイルズがペルソナコラボしてたか微妙、って辺りにその辺の連鎖反応は起き辛そうだと言えなくもないけど。
こと、髭ちゃんの方に関しては話が別。モチーフとされるキャラが登場する作品があるから、普通に起こりうる問題として警戒しなきゃならんのだ。
……この辺は、創作で色々便利に使われていることが多いからこその弊害、とでもいうか。*1
そういう意味では、先にゼロの格好をすることで得られていたメリット効果、というのは意外と多いのかもしれない。
「それを全部ネコリーシャに託すことになるわけにゃ。その肩に掛かる負担はとても大きいはず、けどちみならやってくれるとあちきは信じてるにゃ!」
「おまかせください、おおぶねにのったつもりで」
(……リーシャさんで船と聞くと違うものを思い浮かべますぅ)
なんか、ルリアちゃんが余計なことを考えている気がするな?
……まぁ、考えてるだけなら影響はさほどないはずだし、そこまで気にする必要もないとは思うが。
ともかく、ネコリーシャにリーダーを託したあとはスピードの勝負となるだろう。
こちらが相手の居場所を見つけるということは、相手からもそれを察知されるということ。
とはいえある程度のラグは発生するのも確かであり、その隙に相手の喉元にまで攻め込む必要がある。
「ゆえにここが最後のインターバルだにゃ。やり残したことはにゃいかにゃ?」
「え、急に言われるとちょっと思い付かないなぁ……」
「セーブしとくとか装備を整えるとか、やるべきことは色々あるにゃ」
「……はい?セーブ?」
「にゃ。失敗した時にやり直すとここからになるにゃ」
「ええと冗談……じゃないなこれ本気で言ってる奴だなこれ???」
はい?冗談?
いや、こんな時にそんなこと言わんが?
……ってああ、セーブって言い方をしたから疑問に思われてるのか。
んじゃ言い換えよう、ここが最後のチェックポイントである、と。
「……同じじゃない?」
「まぁ意味合い的には同じだけど、そっちがやることって意味だと大分変わるにゃ。リーダー交代のタイミングは次のチェックポイント、ゆえにそこに至ると巻き戻し不可だけど、今ならチェックポイントとその更新タイミングが重なってるから準備するとオートセーブされるにゃ」
「オートセーブ……?」
「にゃ。セーブって言い方だと自分でセーブしなきゃいけにゃいけど、
本人がわざわざセーブをしなくても、システム的に勝手にやってくれるわけだし。
……え?そもそもセーブってなんだよって?
そりゃまぁ、小難しく言うならレコードの書き換え……単純に言うなら
「!?」
「失敗する可能性も少なくない今回の案件、そのまま単に失敗したと流すのは無理があるにゃ。にゃにせ今回の案件は滅亡案件、ここで取り逃した場合相手は隠れ潜む形になるにゃ。……ってことは、思いもよらぬタイミングでいきなり滅びのスイッチが踏まれる可能性が生まれる、ってことになるにゃ?」
「なる、ほど?」
相手にそのつもりはないのかも知れないが、結果的に滅亡スイッチを握る存在になってしまっていることは事実。
すなわち、ここから逃げられるというのは非常に困る状態ということになるわけだ。
ただ、そこまで理解していても、相手が逃げないようにするには色々と足りてないことも事実。
その辺を解決するための方策の一つが、今回の『セーブ』ということになるのであった。
「扱いとしては実際にゲームでやってるセーブに近いにゃ。ただし、そのセーブをロードするのはあちきということ、それからセーブによって再現されるのはあくまで
「……ええと、どういうこと?」
「簡単にゃ。経験値は引き継ぎなんだにゃ」
「!?」
その辺が、ゲームにおけるセーブと違うところ。
普通セーブというとそのタイミングのあらゆる状況をそっくりそのまま読み取る、という形になっている。
まぁ、ゲームによっては内部乱数はその限りじゃなかったりするけど*2、ともあれセーブというものが持つ意味合いとしては『当時の状況を再現する』ものであるのは間違いあるまい。
それに対して、私の言うセーブはあくまでもその時そのタイミングに巻き戻すためのピン止めのようなもの、ということになる。
……一応、状況の再現という面でのセーブ効果もあるので普通のセーブとして使えなくもないが──この機能の一番の活用ポイントは、やはり戻す前の経験を
「映画のコードギアスみたいな感じにゃ。あっちと違って巻き戻す時間の長さは問わないにゃ。……まぁ、『神断流』の技の一つだから、セーブは一個しかできないんだけどにゃ」
「なるほど『神断流』の……いやちょっと待った『神断流』の技なのそれ???」
「そうだにゃ?覚えれば誰でも使えるにゃ」
「ええええええええええええ」
だから本来はセーブ対象なのは術者一人だけなんだよね。
……まぁ改良版はある程度範囲が拡大してて、味方となる人物達を含む最大十人ほどを纏めて巻き戻しに含められるようになってるんだけど。
なお、一人だけの巻き戻しパターンの場合、経験どころか体勢とか装備品とかも引き継ぎ可能だったりします()
「相変わらず意味不明ね、『神断流』。……でもちょっと心惹かれるのよね」
「やめてよほむら!?流石にこんなの使い始めたら絶交だからね?!」
「いや、使っただけで絶交とか酷くにゃい?」
そもそもそれを使ってる本人の前でそういうこと言うのはよくないことない?
……え?キーアは最初からそういうもんだと思ってるからいいけど、後から変なことになったのを見るのは流石に辛い?いやそれフォローになってなくない???
そんな感じのやり取りをしつつ、話を元に戻す。
ともかく、仮に失敗しても巻き戻しができるというのは事実。
……事実だけど、範囲的な問題で装備や体勢は引き継げないので今のうちにその辺を整えておきなさい、みたいなことになるのでありました。
「……まぁうん、色々とよくわからんことも無いではないけど、とりあえずは理解したよ。理解した上で言うけど、そんなに警戒しないといけないわけ?」
「んー、今のところは半々だにゃ。失敗しなきゃさっくり終わると思うけど、仮に失敗したら凄まじくややこしいことになるにゃ」
「そこまで?」
「そうだにゃ。具体的には高難易度クエストを縛りプレイでクリアしろって言われてる感じにゃ」
「う、うーん?わかるようなわからないような……」
「FGOのクエストだとわりと縛りプレイでクリアしてる人いるにゃ?」
「あ、そんな感じ?」
流石にフロムゲーレベルは想定してないよ……。
そっちだと半々どころか九対一とかだよ、勿論失敗確率の方が九になるやつ。
頑張りゃ好きなキャラで高難易度を攻略することもできる、というのがFGOである。
……逆に言うと
ともあれ、現在の状況はまさにそんな感じ。
ある程度労力を裂かないと無理があるが、裏を返せば労力さえ掛ければなんとかなりそう……みたいな、適当な対応を咎める感じというか。
「そういうわけで、その辺考慮してこの最後の時を過ごして欲しいにゃ」
「なんかすっごい不穏な台詞!?」
いや、そんなつもりじゃないんだけど……。
さやかちゃんの反応に、思わず頬を掻く私なのでありましたとさ。