なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「ステイステイ!まだだまだだ!」
今か今かとレイド開始の合図を待つ人類悪ども、もとい頼れる郷の仲間達。
それらを押し留め……もとい引き留めつつ、突入のタイミングを計る私である。
……え?言い直してまで体裁を保つ必要があるのかって?
こういうのって気分の問題だから……。
なお、動きを制御するためだけにミニちゃん状態で無数に増えてますが気にしてはいけません。
(……冷静に考えて、繋いだタイミングであっちから本体が逃げ出さないように見張ってるだけよねそれ?)
(しーっ!脳内会話だからって聞かれてないとは限らないんだからゆかりん黙って!もしくは『ちくわ大明神』って唱え続けてて!)
(それ私が『誰だ今の』ってされるだけじゃない?)
ギャグキャラ相手だと備えすぎなんてことはないんだよ……!
ってなわけで、まぁゆかりんの言葉通り……実際の目的は向こうに道を繋いだ際に、ニュルッとネコアルクが逃げ出さないかどうかの監視の面が強かったり。
そんなことされねーだろ、と強く否定できない辺りが監視の必要性を訴えているというか。
まぁその辺の裏事情は置いといて。
いよいよやってきたその瞬間──お年玉獲得レイドバトルの開幕である。
『こいつ最早繕うってことを放棄してやがるー!!?ええいいいぜやってやんよ、そっちがその気ならその幻想をぶち殺すー!!』
「あ、済まねぇ
「そうか、まぁ喧嘩を売られちゃ仕方ないね」
川´_ゝ`)「なに、気にすることはない」
『ゲゲーッ!!?いやなんでいんのイマジン!?ちみ一番こういうとこに居ちゃダメなタイプのキャラでしょ!?』
「いいぜ、お前が俺に喧嘩を売るってんなら、まずはテメェをぶち殺す!!」
『ギャー!?直接デストロイ宣言ーっ!!?』
「……なにやってるんだアイツ」
「幻想殺しとか成立するわけがないと高を括っていたんでしょうねぇ」
甘いわねぇ、と呟くゆかりんに頷きながら、私も神殿内に突入を開始したのでありました。
「……改めて見るとなんじゃこりゃ、って言いたくなるにゃー」
「そうねぇ。……そういえば貴方、まだネコアルクの真似してるのね?」
「これをやっとくと本体の位置を見失わずに済むんだにゃー。まぁさっきまでとは違って
「なるほど?」
突入した神殿内は事前に観測した通り、ネコアルクが細長ーい触手になって充満していた。
正直直視してるだけで正気がガリガリ削れそうな見た目だが、よくよく考えたら私も似たようなことはできたな……と思い直して持ち直したり。
……なんか『いやキャラ被り!?嘘だろあちきの先回りされてんのこれ?!』みたいな悲鳴が聞こえて来たような?
なるほど向こうからするとやることなすこと二番手というか二番煎じになってるようなものなのか。ざまぁw
「まぁ一緒にされるのはにゃんかイラッとするからぼこぼこにするけどにゃ」
『理不尽!?この人滅茶苦茶理不尽なんだけど!?ちくしょーこんなところで滅ぼされるわけにはいかねー!あちきにはこの世界でトップに立つという夢があるんだにゃ!その夢を邪魔するやつは何人足りとも許しちゃおかねー!!』
──なるほど、じゃあちょっと邪魔しちゃおうかしら──
『──!?!?えっなに今の、滅茶苦茶背筋に悪寒が走ったんだけど!?』
「……あー、新年早々大凶引くとかお疲れ様だにゃ。精々成仏してくれにゃ」
『
しれっと喧嘩を売っちゃダメな相手に喧嘩を売っちゃってる辺りがネコアルクだなぁ……。
ええとなになに、今回ネコアルクに掛けられたデバフは……あーオダチェン不可とサレンダー無効、それからファンブル確率アップと。
またえらくピンポイントにエグいの持ってきたなぁ……と思わず同情しつつ、これで倒しやすくなったのも確かなのでありがたく恩恵に預からさせて貰おうと頷く私であった。
「あ、ゆかりんは先に行ってほしいにゃ」
「え、なんでよ?」
「そりゃ勿論、さっきのデバフはあちきにも効果が及んでいるからにゃよ?」
「……はい?」
「『星女神』様がその辺単純に手を貸すわけないじゃんね。ネコアルクという存在そのものを見極めるためにも現在ネコアルクとしてここにいる奴らはみんな対象じゃんね。……とゆーわけなので、ゆかりんにはリーシャの方に行って貰いたいのにゃ」
「ふかくーっ!!」
「わーっ!?なんですこれー!!?」
「……ね?」
「ああうん……ファンブった時にサポートをってことね。……そういう意味だと貴方も問題あるんじゃないの?」
「そもそも【星の欠片】は常にファンブってるようなもんだからあんまり変わんねーのにゃ」
「……あ、そう」
「というかどっちかと言うと『星女神』様からバフを貰ってるようなものだから、このままあちきの近くにいるとみんなもファンブるように──」
「私リーシャちゃんのとこ見に行ってくるわね!あと他の仲間側ネコアルク達の様子も見てくるわー!」
「はいいってらっしゃいだにゃ。……うーんお早い離脱」
まぁ、このタイミングで離脱してなかったらゆかりんもオダチェン不可とサレンダー無効のデバフ共有する羽目になってただろうから、ある意味結果オーライなんだけど。
……というわけで、一人になった私は各所のミニちゃん達にも同じ指示を通達。
ネコアルクが秘密裏に逃げ出すことがないように見張る、という目的は果たされたので分割したそれを回収して一人に戻る……などということはせず、そのまま単独行動を取るように指示。
いやまぁうん、『星女神』様直々のデバフだから流石のネコアルクも逃げようがないとは思うんだけどね?
……こう、ORTが死んだ部位を新たに作り直すとかいう荒業で直死を回避したように、ネコアルクじゃない別のなにかになることで逃げ出す……みたいな手段を取らないとも限らないというか。
いやまぁ普通ならありえないんだけど、ここにいるネコアルクって本人そのものっていうか【顕象】なり【鏡像】なりの微妙にずれた存在というかだから、その辺絶対にないとも言いきれないというか。
……うん、『逆憑依』のシステム的には本人そのものってのは間違いでもないんだけどね?
それがイコールネコアルクじゃなくなることがない、って意味ではないというか。……そうでなくとも【継ぎ接ぎ】やらなにやらで変なことになりやすいわけだし。
そういうわけで、都合百貌さんの如く暗躍……もとい単独行動開始である。
と言っても、やることはそう難しいことではない。
各所の戦闘を確認し、ネコアルクがなにか不審な動きをしてないか監視するくらいである。
「ってなわけで一番近くでのレイド戦を眺めに来たんにゃけど……こりゃ酷ぇ、まさしく蹂躙だにゃ」
「お前が!謝っても!殴るのを止めない!!」
『ぎにゃー!?しっかりげんころして来やがるんですけどこの人ーっ!!?どうなってるんだその右手、このシステム的にありえちゃいけないヤツだろうがそれー!!?』
「生憎企業秘密だ!御託はいいから沈みやがれ!!」
『ひぃーっ!!?にゃんでここのあちしだけエルデンリングみたいな死闘を続けなきゃなんねーんですかーっ!!?』
……察するに、コアとなる部分に触れられないよう、必死に色んな手段で相手側がいなしている……みたいな感じだろうか?
さもありなん、末端ならともかく本体に繋がってるコア部分を上条君の右手で触られたら、少なくともこの神殿は崩壊しかねないのだから。
まぁ、そうなる前に触れられた部分を切り離せばなんとかなるだろうが。っていうか、実際今向こうがしてる対策ってそんな感じだろうし。
うん、なんというか相手側の必死さが違うね、ってなる現場だ。
少なくとも余裕なんて生まれようがないので、ここからなにかが起きるという可能性は低いだろう。
……要するにあんまり監視する必要性が薄い、と。
一応近くにミニちゃんを待機させることにして、他の場所に視点を移動。こっちは──ふむ。
「漢に後退の二文字はねぇ!!」
『あっれおかしくねー!!?ちみもあちしと同族のはず、なら同じようなデバフは受けてるはずじゃねー!?』
「デバフだと、軟弱すぎるわ!!」
『なんか新しいカウンター開発してるー!?』
どうやらこちらはさやかちゃん達のチームだった模様。
とはいえ目立ってるのは彼女ではなく、一緒に突入していたネコバルバトスの方。
どうも他のネコ達と同じ様にデバフを受けているにも関わらず、寧ろそれを受けていなかった時より生き生きしているらしい。
……理屈はわからんが、原作におけるカウンター行動の発動条件に引っ掛かっているためスペックが上がっている、みたいな感じだろうか?
まぁ、流石にデバフをひっくり返しているわけではなく、デバフを受けた上でそれでもなお滅茶苦茶頑張っている、という形みたいだが。
特に
結果、そこから他のカウンター行動も引き出されている……と。
……なんというか、案外小手先の技が多い原作バルバトスを思い出させる動きである。
というかあれだな、なんなら時間神殿の再現ってのも彼が強化されてる理由だなこれ?
「ああなるほど、名前繋がり……」
「それと、あくまで同種であるだけの彼の場合、ネコアルク本体ほどエグいデバフでもないってのも理由の一つだと思うにゃ」
「なるほど。バッドコンディションを有利になるように利用する、というその姿勢は見習いたいものね」
「貴様の死に場所は、ここだ!ここだ!!ここだぁぁぁぁぁっ!!!」
『ぎにゃー!?残機がゴミのように吹き飛んで行くーっ!!?』
うーん、これは確実にバスター宝具、間違いない。
そんなことを呟きながら、ネコバトスがネコ魔神柱を吹き飛ばす姿をほむらちゃんと眺める私なのでありました。
……え、デバフ?ちゃんと距離を取ってるからその辺は大丈夫だよ()