なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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ネコがよく折れる戦場です

「さてとお次の場所はーっと」

「ふふふ、まさかこんなところで儲け話にありつけるとはね……私の宝石のために、消し飛びなさいネコ魔神柱!ニャーッ!!」

『いやちょっまっ、キャラがおかしい!このリトルレッドデーモンキャラがおかしい!!にゃんでどこぞの軍神様みたいなノリに……ってかそもそもノリノリで魔法少女やってる時点でおかしくにゃい?!』

「おあいにくさま、私と貴方は知り合いの知り合い程度の関係性よ!」

『ぎにゃー!!?万華鏡(カレイドスコープ)ーっ!?ゼルレッチのジジイ許せねー!!』

「訴訟も辞さんが?」

『(;゚Д゚)』

 

 

 わぁ、テラシュール。

 こちらは魔法少女系統のキャラとかが集まってるところらしい。

 特に凛ちゃんのはりきりがすごいようで、再生する度彼女の魔砲がネコを消し飛ばしているようだった。

 

 ……うん、ネコアルクに同調するわけじゃないけど、妙に火力高くね?

 確かにカレイドルビーって案外火力高い方のキャラだけど、厳密にいえばここの凛ちゃんってその派生の『新魔法少女りん』だし、色々と勝手が違うような……。

 

 

「そこについては私が解説するの」

「ちみは……解説要員」

「テキトーなあだ名を付けるのは止めてほしいの。……とりあえず話を続けると、このシチュエーション自体が答えなの」

「ふむ、シチュエーションとな?」

「これは言わば最終決戦の再現。魔法少女にとって最終決戦というのは基本的に最高のコンディション、もしくは最高の技を放てる状況。そこに凛ちゃんの特性である『万華鏡』が重なると、ああいう風に放つ魔法が全部必殺級に火力が跳ね上がる……ということなの」

「にゃるほど、流石は理数系ガール解析もお手のものってわけにゃ」

「だから、変なあだ名を付けるのは止めてほしいの」

 

 

 え、でもなのはちゃんって眼鏡似合うタイプだよね?

 ……と返したらなんとも言えない表情で固まってしまった。

 褒められてるのか貶されてるのかいまいち判別に困る、みたいなあれだろうか?

 

 

「ふぅ……仕方ないにゃ魔砲少女。あちきから贈る言葉はたった一つにゃ。──若人よ、眼鏡を掛けよ」

「わけのわからない迷言を作らないで欲しいの!?……まぁでも、キーアさんなりの褒め言葉だってことは伝わったの」

「まぁ、彼女が眼鏡スキーなのは公然の事実だからな」

「おっと防人ガール、まぁまぁ眼鏡どうぞ」

「気持ちだけ受け取っておこう」

 

 

 えー。

 翼さんだって眼鏡わりと似合う方じゃんかー。

 だったら試しに掛けてみても……え?そこまでサービスするつもりはない?そんなー。

 

 ……なお、そんな風にこっちが駄弁ってる間も凛ちゃんがネコをへし折るスピードは変わらなかった、とここに記しておきます。

 断末魔がエイトビート*1を刻むぜ……。

 

 

 

 

 

 

「まぁ凛ちゃんは大丈夫そうというかー、他の魔法少女達も気合い十分で問題無さそうというかー。……まぁそんな感じだったから観戦もほどほどに次の場所に向かったんだけどー……」

「おのれゴルゴムめ!ゆ゛る゛ざん゛!!

『いやあちしはゴルゴムじゃね……ぎにゃー!!?』

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」

『通りすがりならそのままあちしなんてスルーして……』

「オンドゥルルラギッタンディスカーダディャーナザァーン!!」

『いやあちしは橘さんじゃねーっ!!?』

「うわぁ」

 

 

 地獄絵図とはこのことか。

 ライダー達に群がられているネコ魔神柱の姿がそこにはあった。

 ……特にブラックRXさんが積極的に攻撃に行ってるんだけど、寧ろよく耐えてるなネコ魔神柱?

 下手するとまとめて吹き飛びそうなもんだが。

 

 

『ぎにゃー!?イマブレとほぼ同じ対策を強いられてるんだけどー!?リソース、リソースが削れるるるるる!?!?』

「あ、にゃるほど。リボられる前に切り離してんのね」

 

 

 なんと涙ぐましい努力。

 そんなに頑張らなくていいからさっさと倒れればいいのにね?

 ……『ふざけるにゃー!!あちしは生きるぞ、生き延びるぞー!!』と喚くネコ魔神柱を華麗にスルーしつつ、改めてライダー達の動きを眺める私。

 明らかに動きがいいというか、率先して動いているのはRX。

 それに続くようにディケイドがびしばし攻撃を仕掛けており、他のライダー達がさらにその後に続く……といった感じに攻撃を続けている様子。

 

 ……実のところ、ライダー組って見た目に再現度を割り振ってる関係上、火力とかスペックに関しては本来のそれよりかなり劣化してるのだが……これあれだな、フィールド効果をもろに受けてるな?

 

 

『……どういう……ことだにゃ……???』

「うむ、あちしが解説してしんぜよー。基本的に『逆憑依』というのは機械の再現が苦手なんだにゃ。その辺の詳しい理由は昔の話でも参照して貰うとして*2……ともかく、変身というシステム自体が【継ぎ接ぎ】と相性がいいとはいえ、特撮キャラはスペックが他より一段階落ちやすいのは確かなんだにゃ」

『ほむほむ』

「どっこい、特撮キャラにはとある特性があるんだにゃ」

『特性?』

「うむ。()()()()()()()()()っていう特性だにゃ」

『……あ゛っ』

 

 

 要するにヒーローショーである。

 ……信じてくれる誰かがいる限り仮面ライダーは負けないとか、まぁそんな感じ。

 それと、この空間の元となった冠位時間神殿のストーリーラインが、いわゆる夏の大型映画に重なるようなものであることが繋がり、結果この空間におけるライダー達は特殊なパワーアップ状態にある、と。

 ゆえに、普段ならそこまで火力がないような面々も、従来のライダー達のような攻撃力を発揮するに至っているわけである。

 

 

「っていうかー、最初に気付かなかったわけー?こんな場所を拠点に選べばそりゃライダーとかは張り切るに決まってるじゃーん?」

『……わかってるから……わかってるから早急に場を整えようとしてたのに……それをテメーらが無理矢理突入して来たんじゃねーか!ふざけんじゃねー!!』

「あ、にゃるほど。でもあちしは謝らねー、ネコの世界は弱肉強食、それはそっちが一番よく知ってるはずだにゃ?」

『ぐぬぬ……ってあ、ちょっと止めて!それ普通に吹き飛……ぎにゃー!!?』

「はーくわばらくわばら」

 

 

 まさしくぼっこぼこじゃんね☆

 ……さっきの考察が正しいのなら、普段の低火力から元のキャラに迫るほどの高火力になってるわけだから、単純に悪を許せない的な気持ちだけじゃなく『なりきりたのしー!!』的な思いも重なってそうである。

 そりゃまぁ、魔神柱もポキポキ折られようというもの。

 ……見てて可哀想になってきたので、私は他の場所に視点を移すことにしたのでありました。

 

 

 

 

 

 

「んー、こっちは比較的大人しめかにゃー?」

「うおー!?なんでこの触手俺を積極的に狙ってくんだー!?」

『それはあれだろう、お前を狙っているというよりは私を狙っているのだろうな。あれだ、場所がゆえにというやつだ』

「……やっぱテメーマスコットじゃなくて貧乏神の類いじゃねーか!!」

『にゃはははー!!待て待てあちしの強化パーツ!とっととあちしと一体化してこの世界を焼却するにゃー!!』

「いや全然大人しくねーわこれ」

 

 

 次に向かった場所では、よろず屋がどったんばったんしていた。

 ……他の場所に比べるとちょっと押されてるかな?

 まぁ、基本的にそこまで火力が高いのもいないし、火力が高くなる要素もないから仕方ないんだけど。

 

 

「ぐぬぬ……言い返したいところですがご存じの通り、私もまた特撮関連に似たような問題を抱える身……本気を出すのは夢のまた夢……!!」

『悔しいでしょうねぇ悔しいでしょうねぇ!!にゃーっはっはっはっ!ちみはそこで指を加えて眺めてるといいにゃ!あちしがアレを取り込み、真に完成することをにゃー!!正直計画がずれまくってるのは百も承知だけど、ここでボコられ続けるよりは遥かにマシなんだにゃー!!』

「男の触手責めとか誰得なんだよぉぉぉぉっ!!?」

 

 

 おー、これは酷い()

 みんなにボコられ続けた結果、まさかそのまま振り切った選択を選ぶネコアルクが現れるとは。

 このままだとシュガーティア君を吸収して疑似ビーストに覚醒、その効果を以て押されている状況をひっくり返しかねんぞ。

 いやーこわいなー(棒)

 

 

『……いや、にゃんでそんにゃ余裕そうな表情してるにゃ?疑似とはいえビーストぞ、アドベントビーストぞ?もっと警戒してもよくない?』

「いやー、うん。知らぬは本人ばかり、気付かぬ間に墓穴掘りまくってるにゃーとしか思えねーというか……」

『はっ?墓穴?にゃに言ってるにゃ、まさか気が狂ったかにゃ?』

「敢えて言うなら──リサーチ不足だ、己の知識の無さを悔やむがいい」

『唐突な弓兵節!?まさか固有結界をさらに上書きしようとしているとでも?いやいやビーストの固有結界にたかが掃除屋如きが叶うはずが……』

「──お手本、ありがとうございます」

『……にゃ?』

 

 

 知らぬは本人ばかりなり。

 ……いやまぁね、見た目ミニチュア化したゲーティアがいれば視線も眩む、ってのはわからんでもない。

 でもさぁ、その横であからさまにキレ散らかし……もとい、不穏な気配を立ち上らせている人がいるんだから、そっちにも目を向けるべきというか。

 

 その人物──ビーストⅠiの資格を持つ少女、桃香さんは。

 底冷えのするような笑みをネコ魔神柱に向け続けていたのでありました。

 

 

「普通は不可能なのです。所詮私は紛い物、そこにたどり着く熱も想いも足りていない。──されどこの身は獣に連なる者なれば。時の軛から解き放たれたこの場所で、無理をするのは不可能ではない。無論、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からこその反則技、みたいなものですが」

『……えっ、にゃんか嫌な空気が蔓延してるんですけど。にゃんかほんのり熱いんですけど。……いやほんのりじゃねぇ滅茶苦茶あっちぃ!?』

「我が心象、煉獄の焔。己を許さず、悪徳を許さず、それを傍観する世界を許さず。必定、それは世界を焼く焔となる。──人理焼却とまではいかずとも、一個人の世界を焼き払うくらいは問題ありません。ゆえに──」

 

 

 ──開きなさい、我が()()の証。

 そう彼女が唱えると同時、神殿は焔に包まれたのであった。

 

 

*1
音楽において、八分音符を主要に使うものを指す言葉。他にも四分音符を使うフォービート、十六分音符を使うシックスティーンビート等がある。それぞれジャズなどに使われるフォービート、ポップス・ロックなどに使われるエイトビート、それからR&B(リズムアンドブルース)・ファンクなどに使われるシックスティーンビートと別れている

*2
大雑把に言うと、機械は適当に組んでも動かないということ。再現度のシステム的に素直に機械類を作ろうとすると、再現度100%じゃないとまともに動かないとかになりかねず、また再現度は基本的に100にならない。よって、『逆憑依』は機械類の再現が下手、ということになる

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