なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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幕間・配信者はどこへ向かうのか

「そんなわけで、今日はサショウちゃんとゴコちゃんを加えた面々で暫く活動しようかと思います」

「はぁ、なるほど……?」

 

 

 ゆかりんルームに直行、今日一日サショウちゃん達が一緒に行動します、と通達。

 寝ぼけ眼の彼女はいまいちよくわかってないような顔で、小さく頷き返してきたのでありました。

 まぁ、同行って言っても今日は特になんの予定も入ってないからねぇ、なんでわざわざ言いに来たのかとか思ってるんだろうねぇ。

 

 

「だが、甘いぞゆかりん!エネミーコントローラー!」

「……いや、なんで唐突に速攻魔法を……」

「話の流れ的にやれそうだなと思ったからつい」

「ええ……」

 

 

 MADで育った人間の脳内なんてそんなもんだよゆかりん……という戯れ言はともかく。

 私としてはこの場で主張すべきは一つ、『こういう展開の時無事に終わる可能性はほぼゼロである』ということ。

 新人を見掛けたならトラブルとセットであると疑え、それが私に課せられた使命なのだ……的な?

 

 

「……言ってて哀しくならない、それ?」

「はっはっはっ、そんな時期は当の昔に過ぎたわ!そういうわけなのでそっちもそういうつもりで宜しく!」

「ああはい宜しく……いやちょっと待った『宜しく』?なにかこっちにも波及するようなことが起きるとかそういう感じのこと言ってないそれ???」

「ははははは……」

「おいこら待ちなさい、高笑いを上げながら去っていくんじゃないわよー!?」

 

 

 ははは、伝えるべきことは伝えたのでその辺は待て次回、というやつだ!

 ……ってな感じのことを宣いながらゆかりんルームを後にする私達。

 この場所のノリを初めて味わったサショウちゃんは頻りに「いいのかなぁ……こんな流れでいいのかなぁ……」とか唸ってたけど、その辺は隣の子を見習ってもろて。

 

 

「隣の子……?」

「ふふふ見てましたかキーアさんやってやりましたよ私は!あの部屋にポチャッコグッズを置くことで密かなる布教に成功しました!これは勝ち申したってやつですよ!」

「……布教してる……?!」

 

 

 はい、誰でもありませんゴコちゃんのことですね。

 私が会った時には既にこんな感じでしたが、そんな彼女にもデビューしたての赤ん坊みたいな時分があったはず。

 それがこんなに厚顔無恥……もといはっちゃけられるようになったのです、今は無理でもサショウちゃんだってやれるはずさ……。

 

 

「やってみせろよ、サショウ」

「なんとでもなるはずっちゃんね!?」

「吹っ切れただと!?」

 

 

 ~暫く頭を左右に振る二人と八頭身化して腰をクイクイしてるキーアをお楽しみください~

 

 

「……どうしてこんなことに?」

「興味があること?」

「他の歌に派生してるっちゃんね!?」

 

 

 テトさんもすっかりメジャーになっちゃって……ほろり。*1

 まぁ適当なノリはこの辺にして、と。

 

 

「ところでそれって博多弁なのでしょうか鹿児島弁なのでしょうか」

「混じってるが公式回答です(キリッ」

「キリッ、まで言い切ったよこの人……」

 

 

 やっぱりこの人も愉快な人だったんやなって……。

 そんな感じで会話しつつ、向かうのは郷内のデパートである。

 なんでそこを選んだのかって?なんとなくここに今回のトラブルの種があるような気がするんだ……!

 

 

「はぁ、というと?」

「それはズバリこいつだ」

「こ、これは……!?」

「『hololive OFFICIAL CARD GAME』」

「伏せ字も無しに普通にタイトル出すんじゃないよ!?」

 

 

 わぁ、二人から怒られてしまった。

 ……とは言うけど、うちって二次創作だからヤバそうなの以外はそのままフルネーム出すのが礼儀というか……ねぇ?

 

 

「だからツブヤイターとかそんな感じの名前なわけだし」

「……?なんでそこでツブヤイターの名前が?」

「いや、どこか遠い世界ではツブヤイターがツブヤイターじゃなくなってる世界もあるんじゃないかなというか」

「あっはっはっはっナイスジョーク」

 

 

 冗談じゃないんだけどなぁ……。

 

 まぁその辺はともかく、改めてやってきた場所……デパート内に存在していたカードゲームコーナーに視線を向け直す。

 ここは様々なカードゲームを取り扱っているゲームショップ、流石に専門店ほどではないがマイナーなものからメジャーなものまで、色々と取り扱っている優良店である。

 

 

「おお、DAIS○のカードゲームもある!……あれ、なんでDAIS○じゃないのにあるんだろうこれ?」

「おっとサショウちゃん、細かいことを気にしてはいけない。気にしすぎると……消されるぜ?

「ひぇっ、気にしないことにしますー!!」

 

 

 バディファイトとかリセとかあるのに敢えて蟲神器に触りに行く辺りがサショウちゃんらしさなのかな、と思わないでもないけど。

 とりあえず、改めて『hololive OFFICIAL CARD GAME』の方に視線を向け直す。

 

 にじさんじが既存のカードゲームとのコラボが多いのに対し、ホロライブは独自のカードゲームを作った。

 それこそが『hololive OFFICIAL CARD GAME』、現状第二弾まで発売している新興のカードゲームである。

 

 

「ホロライブに所属する配信者達をモチーフにしており、第三弾も発売が決定しているという今結構な勢いがあるカードゲーム……だったっけ?他所様だからあんまり詳しくは知らないんだけど」

「そうだね、扱ってるところはそう多くないというか、そもそもの流通数が少ないって点はあるけど……最近始まったカードゲームとしては普通に売れてる部類になるんじゃないかな?」

 

 

 少なくとも、コナンくんとか招き猫とかに比べたら遥かにというか……。

 寧ろワンピースが大成功してるのが不思議な部類なんだけどね、個人的には。

 既存IP系のカードゲームって大体調整が大味過ぎて吹き飛んで行くことが大半だし。

 

 

「そういう意味ではドラゴンボールが苦戦してるのも仕方ないのかな?IPの大きさ的にはワンピよりも強いし、なんなら海外先行に近いタイプだからあっちでわりと頑張ってるから日本でも……って感じだったんだけど」

「キーアさんキーアさん、その辺の話は関係ないというか話しすぎると色々問題なので避けましょうマジで」

「おおっと」

 

 

 どれが成功どれが失敗、みたいなのは良くないよね。

 ってなわけで話を戻すと、私は今回騒動が起きるのはこのカードゲームからだと思っている、ということになる。

 

 

「と、言いますと?」

「こうして配信者が──所属は違うとはいえ複数になったんだ、そこから場に干渉が入って他の配信者達もこっちに来る、なんてことになってもおかしくはない。……ただその場合、二人みたいに確りと中身が入ってやってくる前に、色々と調整が重ねられるんじゃないかと」

「はい?」

 

 

 この辺はさっきも語っていたことだが……配信者が『逆憑依』として現れる時、色々と問題があるわけで。

 中身と核がずれやすい、なので中身と外身を明確にわける必要がある……。

 そのために毎回毎回新しい名前を与えるのは効率が悪くないか、みたいな話でもあるというか。

 

 

「具体的に言うと、配信者としてじゃなくてそのキャラクター自身として来るんじゃないかなーというか」

「そのキャラクター自身……?」

「付与されている設定が全て、みたいな相手としてやってくるんじゃないかなってこと。勿論それが全てってわけじゃないけど、そうするとスムーズに進むんじゃないかなーというか」

 

 

 あれだ、感覚としてはこの間話題にも出した、ゲームにコラボしたタイプの彼女達みたいなものというか。

 ゲームに登場する彼女達というのは、一応配信者としての彼女達の延長線上にあるものの、普段のように中の人の成分が反映されるということは少ない。

 コラボする作品に合わせたキャラで統一されている、とでも言えばいいのか。

 まぁ、多少のメタ発言(○○のキャラの○○だー、くらいの発言)はするかも知れないが、それ以上踏み込んだことは基本触れないというか、知ってても言わないというか。

 

 ……要するに、ちゃんと一線引いた状態になっているということ。

 それを『設定に準拠している』と表現しているだけ、というか。

 

 

「私達に関係のあるように言い換えると、非実在──演じる相手として見合ったものに変化する・させるって感じかな。中の人を気にする必要がない、あくまでもキャラクターとしての性質だけを強調したようなものというか」

「……ええと、要するに私の場合だと破天荒でパチカスで酒カスのままでいられるパターン、みたいな?」

「それは喜ばしい状態なんです???」

 

 

 いやまぁ、例えとしてはわりとわかりやすいのだが。

 人間長くなくとも生きていれば変化するもの。

 流石に一日そこらの経過では目を見張るような変化にはなりえないが、一週間・一月・一年と続けていれば変化は目に見えるくらいにはなるだろう。

 ……言い換えると、昔の自分は今の自分とは別人だということになる。

 ゆえに、『昔の自分を演じるのは立派ななりきりである』ということになるのだ。

 

 それを念頭に置くと、酒カスでパチカスで破天荒な初期頃のらでんちゃんは今だと『そういうキャラ』という扱いになり、今の彼女とは切り分けることができるのである。

 

 

「まぁ、大分詭弁だけどね。成長が不可逆であることを前提としたものだから、その辺の前提が崩されると面倒臭いし」

「……いや、そういうのって崩しようがないんじゃ?」

「ふふふ、【星の欠片】が関わるとそうも言ってられないんだよなぁ……」

「ああ……」

 

 

 時が前に進むと誰が決めたのか、というべきか。

 ……まぁそんなわけなので、【顕象】として発生する分にはともかく、今からここにいる二人が真似するのには向いてないです、と話を締めくくる私なのでしたとさ。

 

 ……ところで、また話が逸れてね?()

 

 

*1
重音テトの楽曲ネタ。『頭を左右に~』はラマーズPの楽曲『おちゃめ機能』とそれを元にした動画『吹っ切れた』シリーズのこと。八頭身の生物が腰を左右にキレよく振るダンスが特徴。そこから回帰して八頭身は脇役にテトさんを中心に据えて作られた動画が有名。後者は柊マグネタイト氏の楽曲『テトリス』から。歌詞に『どうしてこんな目に、に、に』というものがあり、その後の歌詞は『興味がないこと本気じゃないもの全部後回しで』と続く

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