なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「そんなわけで、とりあえずパックを購入した私達です」
「一体どういうわけなんです???」
あれだ、今回に関しては買わんと始まらないというか。
……そんなわけで、カードパックを箱買いした私達。
本当なら購入制限的に箱ごとは買えないんだけど、人数が揃ってたので辛うじて買えたというか……。
「あれだね、最近のこういう娯楽品は常に
「んーおかしいな、副音声がとても物騒なものだった気がするよー?」
「内容的には頷かざるを得ない」
「それは確かに」
なんだっけ、サイン入りのカードだと販売価格二桁万とかになるんだっけ?
当たればデカいからとりあえず買いたくなるんだろうねぇ……。
まぁそういうのって基本当たらんのだけど。
当たらなさすぎて文句言われるゲームもあるんだから世の中大変だぁ。
「そういう意味では、遊戯王ってわりと高レア当たりやすいなーってキーアさん思うわけ」
「それはあれかな、今手元にあるパックの内容に対する抗議かな?」
「
「どっちさ?!」
どっちも()。
……はい、最低保証ガチャみたいなもんですねシバくぞゴルァ。
いやまぁ、
などと思いながら、出てきたカードの絵柄を眺める私である。
……うん、生憎と配信者に関してはそんなに詳しくないから、誰が誰とかいまいちわからんねこれは。
「流石にマリン船長*1とかは聞いたことあるからわかるけどね。それと
「あーうん、いなちゃんってば名状し難い系tuberだから、絵師さんと合わせるとフォーリナー感凄いよね……」*2
というか意外とFGOと間接的な繋がりが多いのよね、ホロライブ。
イナちゃん以外にもそっちとレーターが被ってる人がいたりするし、ぺこーらはこの前言った通りマシュの服着てるコラボがあったりするし。
……とかなんとか話していたところ、唐突にサショウちゃんが大声をあげた。
なんぞなんぞ、と彼女の手元を覗き込んだところ……。
「おっとフブキちゃん*3じゃん、しかも結構レアリティ高め」
「あー、でも流石にサイン入りとかじゃないねー」
「いやいや、普通に嬉しいですよこれ!早速ローダー*4に入れて飾っておこ、う?」
彼女の手元にあったのは、それなりに高レアなフブキちゃんのカード。
それを嬉しそうに手に取った彼女は、傷が付かないように保管するためカードローダーを探そうと視線を逸らし……かけたところでカードが発光していることに気付き、困惑と恐怖(?)から表情を強ばらせ、
『コンコンキツネー!!』
「……はい?」
次の瞬間、持っていたカードが消え去りその代わりに現れたのは、デフォルメされた子狐のようなキャラクター。
……ええと確か、フブキちゃんのファン達の愛称というか呼び方である『すこん部』の立体化というかなんというかな姿、と言えばいいのだろうか?
「なるほど、出てくるとしてどうなるのかと思ってたけど……マスコット的な感じになるんだね」
「……わ」
「わ?」
「私のレアカードがーっ!!?」
なお、手元のカードが消えたサショウちゃんは発狂した()
「う、うううう……私のフブキちゃん……うううう……」
「うーん、あれから幾つかパックを剥いてみましたけどー、レアカードはぜーんぶこうなっちゃいますね」
「まぁ、基本的に
それ以外のレアカードを引けてない、ともいう。
……まぁ、そもそも一箱しか買えてないからね、私達。
そりゃレアカード複数引きなんて夢のまた夢というか。
「箱に一・二枚高レアが入ってるかなー、くらいの確率なんでしたっけ?」
「値段の高さと入ってるパック数を思えば妥当かなー、って感じだね。……まぁ、サショウちゃんがレアリティ高いの引いた時点で私らに芽はなかった、ともいえるけど」
「ううー!ううーっ!!」
「そのせいでさっきからうーうー言うだけの機械になってますがな」
「なんてことだ、サショウちゃんの唸りは止まらない、加速する!」
「なんでアイン三尉……?」
そのうーうー言うのを止めなさい!*6……今の人に通じるのかなこれ?
まぁともかく、レアカードが目の前で変化してしまったショックから廃人になってしまったサショウちゃんは一時放置して、改めて現れた不思議生物について観察する私達である。
……とりあえず、変化したのは合計三体。
うち二体はすこん部であり、最後の一体がクマリンという内訳になっている。
「鳴き声的なものは発してるけど、文字通りただの鳴き声みたいで意味はよくわからんねぇ」
「さっきも『コンコンキツネー!!』って言ってたけど、別に挨拶ってわけでもなさそうだしね」
(´´^`)
「……んで、クマリンの方は喋らないと」
いやまぁ、顔が口ほどにも物を言ってるのでなんとなく言いたいことというか気分というかは伝わるのだが。
……そういえば、実際のクマリンも喋らないんだったか。
(´v`)
「……なんかにっこりしてますね」
「よく私のことを知ってるな、褒美に死をやろうとか思ってるのかも」
Σ(´^`;)
「……本当に表情豊かですね……」
なおこの子達、大きさ的にはねんどろいどサイズである。
……カードから変化したんだから当たり前なんだけど、本当に小さいね君ら?
「キツネー!」
「キツネー!」
「おう、君らは君らで『コン』ちゃうんかい鳴き声」
「……コンコンー!」
「コンコンー!」
「あらやだ露骨」
向こうからこっちには伝わらんけど、こっちから向こうには言葉が伝わってるってことかなこれは?
……まぁ、ここから離れないでねーというお願いをなんやかんや素直に聞いてる辺り、その兆候は既にあったわけなのだが。
「そういえば、さっきの話からするとこの子達って種みたいなもの、なんですよね?」
「ああうん、他の配信者がここに来るとして、その前に周囲の環境を確認というか、はたまた調整するというか……まぁ要するに先触れだね」
「……ということは、この子達がフブキちゃんになったりマリン船長になったりする、と?」
「……うーん」
ゴコちゃんからの問い掛けに、思わず隣のサショウちゃんのように唸り声を返す羽目になる私。
というのも、こうして現れた二つの種がそれぞれ方向性が違うことが疑問点を増やしてしまっているのだ。
「クマリンの方は元々マリン船長がクマに扮したものって設定があるから、正直クマリンの進化先が船長ってのはわからんでもないわけよ、納得できるかは別としてね」
「……あー、そうなるとすこん部側は進化するのはおかしい、と?」
「おかしいっていうか、仮にここから姿が変わるのなら擬人化状態になる方が普通じゃない?……みたいな」
そう、苦しい解釈になるかもしれないが、クマリンと船長は一応イコールで結べないこともない。
なので、ここから中身が入った結果マリン船長に──配信者としての彼女ではなくキャラクターとしてのマリン船長になる、というパターンを予測することは不可能ではない。
それに対してすこん部の方、これは明確にフブキちゃんとは別人である。
……というか、これは視聴者側の愛称・ファンネームの類いなのでそこからフブキちゃんとに進化する、というのは色んな意味で解釈違いになりかねないのだ。
まぁ、すこん部に似た姿をしているだけで実は白上フブキの幼体である、とかするならなんとかなるかもだが。
「幼体ってそんなアホな」
「まぁ、なくもないってだけで確率としては大分低いから。……取り合えず、私達以外にパックを剥いてる人が同じようなことになってる様子はないし、この子達を連れて一先ずゆかりんのところに戻ろうか」
「はーい。……ほらサショウちゃん、いい加減置きなさいってば」
「ううー……もうお酒のんで寝るぅー……」
「この人の前でそういうこというの止めよ?」
「それはどういう意味じゃい」
そんな感じに怒ったら、貴方呑兵衛でしょと返されたキーアさんです。しょんぼり。