なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「目立つなって言ったじゃないのよ私……」
『大丈夫です、周囲の人には一般のインド系ダンサーだと誤認させておきましたから!』
「それのどこが大丈夫なのよ!?ってか一般のインド系ダンサーってなに!?」
「あっはっはっはっ。いやー、三分どころの話じゃなくなっちゃったねぇ?」
「反省はしている、後悔はしていない。どっちかと言うとインド人繁栄ダンスまで繋ぎたかった」*1
「止めなさいよ!!?それ変な効き方して妖精さん湧いてくるやつでしょ!!?」*2
(・ワ・)「われらはゆるされるのです?」
「うわ妖精繋がり……ってうひゃあっ!!?」
「今度は何っ?!」
「ビワの顔が妖精さんに!!」
「これは
「……は!?つまりこの状況下で演説すれば、信者ガッポガッポなのでは!?」
「それだと
「あっはっはっはっ。早速収拾が付かなくなってるねぇ」
「笑い事じゃないわよーっ!!?」
集まりに集まった人の塊から離れ、ようやっと今回のメンバーが全員揃った状態になった私達。そんな外出メンバーを紹介するぜ!
私!マシュ!BBちゃん!五条さん!オグリ!タマモ!ビワ!しんちゃん!ゆかりん!以上だ!
メンバー選出に関しては……始めに私がゆかりんから誘いを受け、帰って後輩二人を誘い。
マシュがラットハウス組を誘ったものの、彼等は今回の正月は郷でゆっくりすると言っていたため断念し。
そこでたまたま昼食を摂っていたオグリ&タマモペアが、今の姿になってからはまだ外に出たことがないから、と立候補し。
オグリちゃんとタマちゃんをお守りするゾ!……とばかりにしんちゃんが主張してきて、それを聞いた五条さんが「ん、じゃあ僕も同行しようかな」と手を挙げた……みたいな感じである。
……え?その話だとビワが入ってない?っていうかビワが居るんなら他の【顕象】組はどうしたって?
そこに関しては【顕象】組を外に出すのは時期尚早だって話と、ウマ娘組が外に出るのなら、ビワは連れていってもいいんじゃないか?……という話の折衷案の結果、というやつである。
基本的に同じ動きでバタバタしているだけだから、ダンシング人形*5としてごまかしやすく、かつウマ娘の格好をしている人物が抱いていても、別におかしくないから……ということで、ビワだけが外に出る権利を勝ち取った、というわけである。
……いやまぁ、外に出たがったのがビワだけだった、というのも理由の一つではあるのだが。
他二人に関しては、
……寧ろなんでビワだけが、外に出たがったんだろうね?
「元々その子って呪霊みたいなもの、なんでしょ?だったら今回僕が会いに行く相手のことを、なんとなーく察知したのかもしれないね」
「……え、五条さんのお仕事の方、今回厄介事なの?」
「いやいや。普通にいつも通りのスカウトだよ?」
「……呪霊を?」
「そ。正確には、
そんなこちらの疑問には、横から首を突っ込んできた五条さんが答えてくれた。
なんでも今日彼が会いに行く相手は、カテゴリ的には怨霊とか呪霊とか、そういう負の存在的なものなのだという。
……勢い余って退治したりしないだろうな、とちょっと不安になる私だが、以前の落ち着きのない彼ならばともかく、今の彼ならまぁ……多分大丈夫……だよね?
「まぁ、その辺り気になるからこそ、私も一緒に出てきたわけなんだけどね?」
とウインクするゆかりんは、久しぶりに大きい姿になっている。
境界を弄っての大人化には、相応の負担が掛かる……ということで、今回のゆかりんは別の方法で、大きい姿に
……うん、お察しの通り魔法少女……熟女?状態と言うわけだ。
いやまぁ、正確には熟女なんて年齢でもないけども、妙齢の女性を言い表す二文字の熟語って、すぐにすぐ思い付かなくない?淑女でいいの?
ともあれ、アイテム型変身はアイテム側が負担軽減の役目を果たしてくれるため【継ぎ接ぎ】と相性が良いと判明してから、琥珀さんが夜なべして作った新アイテムが、ゆかりん専用の変身アイテム『マジカルアメジスト』である。*6
原作に存在しない、新型マジカルルビー系列のこのアイテム。
琥珀さん的にはAIとか搭載したかったみたいだけれど、特に参考にすべき人格パターンが見付からなかったためか、今のところ単なる変身アイテムに留まっている。
……現代のAI技術では、ルビーやサファイアのような人工知能は作り出せないだろうし、仕方ないと言えば仕方なく、あの傍迷惑精霊共が増えたりしないのは良いことだ、と言えないこともなく。
まぁ、なんか最近彼女の研究室から、夜な夜な奇っ怪な笑い声が響いている……とかいうことを風の噂に聞いたりもするので、油断ならない状況であることも間違いないのだろうけれども。
さておき、以前みたく変化後に寝込むようなこともなくなったゆかりんは、結構気軽に大人形態を見せるようになった、というわけである。
ただ、原作通りの胡散臭い空気を出しすぎると、結局体調不良に繋がるらしいのでー。
「
「だから甘酒に引き寄せられてしまうと?」
「お酒があったら飲む!それが今ここにいる八雲紫のアイデンティティよ!」
「はいはい、仕事終わってからねー」
「やー!!今回は仕事終わったら直帰だから、お酒飲む暇なんてないのー!!今飲ませてー!!」
「だーめーでーすー!」
「そんなー!!」
「……うーん、キーアさんの方が小さいままだから、ダメな母親としっかり者の娘、みたいな感じになってるねぇ」
「うんうん、家族仲がいいのは良いことだ」
「……いや、あくまでそう見えるってだけやからな、オグリ」
「ダメだゾゴジョーお兄さん。こういう時は虞美人姉妹って言ってあげないと」
「おしい、虞はいらないかなー」
「なによ、また虞美人差別?」
「え?……うわ出た!?」
酒飲みゆかりんが大きくなった、みたいな方向で調整しているらしく、屋台で販売している甘酒に興味深々な、端から見れば大きな子供みたいなゆかりんの姿がそこにはあったのだった。
ジェレミアさんにゆかりんが羽目を外しすぎないように、と言付かっている私としましては、彼女をキチンと監督する義務があるわけでして。
わがままを言う子供以外の何者でもない、彼女の姿に若干呆れつつ。
折角の着物が着崩れしないように注意を払いながら、彼女を屋台から引き剥がす……という地味に高度な作業を行っていたわけなのでございます。
……なお、いつの間にか現れていた虞っちゃんパイセンに関しては、ノーコメントでお願いします、はい。
「新年を祝う、ねぇ。私からすれば、毎年の明けごときを祝う必要性、っていうものを見出だせないわけだけど」
「不死者だもんねぇ、君。確か未来も過去も現在も、感覚の上では等価なんだっけ?」
「そうね、永遠が永遠に続くのなら、そこに前後の違いなんて意味がないもの」
「……なに言ってるかわかるか、タマ」
「ぜんぜん。うちら言うて走る速度早いだけの、一般人みたいなもんやからなぁ」
「ゆるされよ ゆるされよ われらのむちを ゆるされよ」
一向にパイセンを加えた私達は、変わらず屋台を巡回中。
……なのだけれども、パイセンが時折見せる知性の煌めきにより、ウマ娘ーズが遠い目をしながらイカ焼きを貪るだけの機械?みたいな状態になっており、早急に対策を練らねばならないような気がしないでもないような。
「CQCQ、楽しい話題を振って欲しい、オーバー?」*7
「え、えっと……そ、そそそそういえば皆さん、初夢はなにをご覧になりましたか!?」
なのでマシュに助言をお願いしたのだけれども……初夢、初夢かぁ。
「……覚えてねぇ」
「え゛」
『初手から違う意味でヘビィですねぇ……』
「私も覚えてないわね……」
「ええっ!?」
『おっと雲行きが怪しい予感!因みにBBちゃんは眠ったりしませんので、夢とか見る余地がありませ~ん!!』
「ちょっ、BBさんっ!?」
「あ、僕は見たよ、初夢」
「ご、五条さん……!!」
「まぁ、獄門彊の中に閉じ込められてる状態で、外から何か固いものがぶつかる音とか、はたまたレーザー的なものが照射されてる音とか、あとご機嫌な歌声が聞こえてきたりとか、そんな感じの夢だったけどね」*8
「五゛条゛さ゛ん゛っ!!!」
「どう考えても悪夢じゃん……」
寝付きが良かったのか悪かったのか、見た夢の内容がすっぽり抜け落ちているため、話題にできそうもないという身も蓋もない感想がでてきてしまい、大層困る羽目になる私である。
なにが悲しいって、そこから私も含めて三連『初夢見てない勢』が続くって言うね。
まぁ、見てる人が出たはいいけど、トップバッターの五条さんがどう考えても悪夢としか呼べないモノを出してきたせいで、マシュがorzの体勢に伏せってしまったりもしたのだけれど。
「お、落ち着きぃなマシュ。ウチはほら、レースで一番になる夢とか見てたから、な?」
「……実はそのレースが、四つ葉のクローバー達に追い掛けられるものだったりは……」*9
「せぇへんよっ!!?ってかなんで四つ葉のクローバー!?」
「グラス*10が食べるのは……タンポポだったな。……クローバーって美味しいんだろうか?」*11
「居ないもんをネタにすんのはやめーや!!ってか食おうとすな、縁起もんなんやから保管せぇ!!」
それで変な方にスイッチが入ったのか、頓珍漢なことを言い始めるマシュに、タマモがたじたじになっていた。
ついでにオグリの食欲はいつも通りだった。
ゆるされよ、ゆるされよ。おなかがすくのはゆるされよ。
(・ワ・)「せりふとられたです?」
「……もしかしてビワ、それ気に入ったの?」
(・ワ・)「ようせいつながりゆえー」
「おお、また妖精密度があがってしまいましたなー」
「ん、妖精?たまーに纏わりつかれて困るのよね、あれ」
(・ワ・)「ぐびじんはようせいのおやだまのようなものですのでー。ゆるされよーゆるされよー、まわりにつどうのゆるされよー」
「……いやまぁ、嫌とは言ってないけど」
(パイセンがデレた!?)
(なるほど、こんな感じに周囲の人を狂わせていくわけですね!)
なお、たぬき形態に妖精さんの顔は、なんか収まりが良すぎるなぁ……なんて関係ない感想を抱いたことを、ここに記しておきます。