なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……こ、これだから天才ってやつは……っ!!」
「ナルト君と言えば元・落ちこぼれ忍者ですが……話の後半に進むに連れ血筋的にはエリートみたいなものだった、と明らかになって行くタイプのキャラでもありましたね……」*1
無邪気に喜ぶナルト君と、そんな彼の手を取って「すごいすごーい!」と一緒になってくるくる回るココアちゃん。
普通なら、見ているだけでほっこりしてくるような光景だが……ことこの状況においては、私に微妙な敗北感を与えるばかりの光景でもある。……べ、別に悔しくねーし。【
「嘘ですくーやーしーいー!!くそー、こんな体じゃなければ、ちくしょうっ!ちくしょうっ!」
「あー、キーアさんが地団駄*2を踏み始めちゃった……」
「見た目が猫だから、単に可愛らしいだけだけどな」
ちくしょうこれだから血統の権化は!教えはどうなってんだ教えは!(意味不明)
……みたいな感じに、思わず悔しがってしまう私である。大人げない?今の私は猫だから関係ねー!
……ふぅ落ち着いた。
私の悔しさ云々は置いとくとしても、まさか横で聞いていただけのナルト君がサクッ、と仙術を覚えてしまうとは思わなんだ。
こちらの見間違いでなければ、しっかり周囲のマナを利用しているようだし。
それはつまり、今の彼は自然界のエネルギーを利用できている、ということでもある。
「あれかのぅ、尾獣の中には
「彼がナルト君に力を貸したこともある。それゆえに、その遠縁を辿った結果が
「かもしれぬのぅ」
名称としては同じ仙術とはいえ、実際には系統違いのそれ。
ミラちゃんにしたって、ある程度のレベルアップを経たことにでようやっと
──つまり、今の彼は姿こそ幼少期のナルトのものではあるが、その身に秘められた可能性や繋いだ縁というものは、しっかりと後半まで網羅しているということである。
姿が小さいからこそ発揮できていないというだけで、彼はしっかりと『疾風伝』辺りのナルトなのだ。
「……むぅ、となるとやっぱり、現状ではナルト君を成長させるのが、一番目的達成に近付くことができる手段……ってことになるのかな?」
「かもしれませんね。この習得速度が、彼に関わりのあるもの全てに適用されるのであれば、ボルト時代とは言わずとも仙人モードくらいまでならすぐにたどり着くかも……」
「ん?姉ちゃん達どうしたんだってばよ?」
そうなると持ち上がってくるのが、さっき却下した『ナルト君育成計画』である。
現状余所から人員を持ってくることは叶わず、かといって私が増える、というのも今の仙術会得スピードからして無理があると言える。……悠長に習得を待つ暇があるのなら、他のどうにかなる場所を優先した方が幾分かマシ、というものだろう。
つまり、今この場所で都合が付きそうなのは、ナルト君に影分身もとい『身外身の法』を会得して貰うことくらいしかない、ということになる。
……え?今の彼は分身できてるんだから、もう覚えられているって言ってもいいんじゃないかって?
いやいや、今のナルト君はあくまでも
なので、これから私達がすべきことは、ナルト君に仙術方面の育成を施す、ということになるのだが……。
「……ただねー」
「うむ、あくまでも先ほどのナルトは
「多分聞かないだろうなー、ってことだよね。そもそもナルトが落ちこぼれ扱いされていたのって、里の人からの扱いに対しての反発で、授業を真面目に受けていなかったから……ってところも大きいみたいだし」
榊君の言う通り、作品初期のナルト君はアカデミー内で落ちこぼれ扱いをされていた。その理由は、チャクラコントロールが下手だったから、などの要因も含まれている。
だが、落ちこぼれ扱いの一番の要因となるとやはり──里の人々からの迫害めいた扱いと、それに対しての反発からくる不真面目な行動……ということになるのだろう。
彼がふざけたり問題を起こしたりしていたのは、周囲の自分に対する見方を変えるための苦肉の策だが、けれどそれがまた彼の風評を悪くしていく……という風に、理由と結果が循環してしまっているのである。
その辺り、初期の彼が置かれていた環境の闇、というものを感じざるをえないわけだが……。
ともあれ、理由はあれども
そうなると、だ。ここにいる
「……こうなったら、やるか、あれを!」
「あれ?」
「ま、まさか!」
「なに、知っているのかはるか!」
「え?あー、ええと……こんな状況でも全力でふざけ倒すのがキーアさんですから……」
「フザケテナイ、私フザケテナイ」
「……えーと、授業をしなければならない、というのはもはや確定事項なわけですよね。であるならば、できうる限り相手の興味を引くような、面白い授業をしようとするのがここでの最適解となります。……その条件で、彼女が選びそうなものとはやはり──」
「おーい、みんなあつまれー。なぜなにナデシコの時間だよー!」*4
「また唐突に始まったねおにーさん。今日はなにを解説してくれるの?」
唐突に
……まぁ特に捻りもなく私と榊君なわけだが、その格好はさっきまでのモノとは全然違った。
まず私の方は、猫のまま巨大化している。……一応顔は見えるようになっているわけだが、口の辺りに『猫の鼻と口』をくっ付けているような見た目にもなっているため、着ぐるみを着ている感は先ほどまでの比ではないだろう。
お前大きくなってるやんけ、というようなツッコミが飛んできそうだが……今の私は番組進行役のおにーさんの相方・猫ちゃんでしかないので問題はないのである。……
そしてもう一方、榊君の方はというと……まさに子供向け番組のお兄さん、と言った感じの風貌となっている。
流石にエンターテイナー、突然の事態にも慌てず対処してくれているわけだが……これでもしその顔にどことなく覇気がなかったりしたら、どこぞの裏表のある情緒不安定な体操のお兄さんを思い出していたかもしれない。……あの人もローさんのレパートリーに入ってたりするんだろうか……?*5
まぁともかく、始まりましたのは例のアレ。
今の子供は絶対わからないだろう『なぜなにナデシコ』である。……多分普通に教育番組のなにか、と勘違いされそうだから一応説明しておくと、その教育番組を元にした、とあるアニメの作中劇?に当たるものだ。
「今回は、仙人様が使っているという不思議な術、仙術について教えて行くよー!」
「なるほど仙術。おにーさんも世の中の世知辛さに疲れ果て、霞を食べて生きられる*6ようになりたいってわけだね」
「猫ちゃんはこうやって時々毒を吐くけど、いい子のみんなは気にしないでねー」
「猫ちゃんは自分を曲げないよ!」
「それはあとで怒られた方がいいと、おにーさんは思うなー!」
まぁ要するに、子供の目を引きそうなもので注目させ、楽しく?お勉強をしよう、みたいなアレである。
今のところ屋上には他の人影もなく、ちょっとした無茶ならどうにかなるだろう、と判断してのモノだ。
結果はわりと好感触で、ナルト君はこちらを興味深そうに窺っている。……いやまぁ、私が唐突に大きくなったことにびっくりしているだけかもしれないが、それでもまぁ見てくれるだけマシ、というものだろう。
あとなんか知らんけど、他の面々もステージの前で体育座りして待ってた。……君らはトロワかなんかか。*7
「仙術っていうのは、文字通り仙人様が使っていると言われる術のことなんだ」
「しつもーん。仙人ってことは、一応仙女として扱われているぐっびーの使ってるのも仙術なんですかー?」
「それは型月に詳しい人に聞いてねー。それから、仙人様のイメージがおかしなことになるから、以後あの人のことは話題にださないでねー」
「おにーさんの目がこわーい。でもまぁわかったよー。じゃあ次のしつもーん。仙術ってどうやったら覚えられるのー?」
「それはねー、専門の先生がいるからそっちに聞いてみよっかー。おーい、ミラせんせー!」
「う、うむ。呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん、というやつじゃな」
「「ええ……」」
「こんな古いコーナー持ち出しておいて、その反応はなしじゃろうが……!」
まぁともかく。
そんな感じで面白おかしく、仙術をナルト君に学ばせていたはずの私達は。
「
「
「
「……なにこの地獄絵図」
なんでか知らんけどゴンさんみたいになった、コピペみたいに立ち並ぶ視聴者達の姿に、困惑しきりとなるのであった。……いやホントになんで?!*8