なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……あ、あぶねー!!?これ気が付かなかったら酷いことになってたやつだ!?」
「えっ、えっ」
「……シルファちゃんが壊れちゃった!?」
「さりげなくしつれーい。でもシルファん許しちゃう☆なにせココアちゃんが気付かせてくれたんだからね☆」
「……いや、ホントに大丈夫かこやつ」
自分達が先ほどまで、破滅の一歩手前くらいの位置でタップダンス*1をしていた、ということに気が付いてしまった私はSANチェックです☆
……というのは半分冗談だが、ともあれ危機回避に成功した私はまさに有頂天、シルファとしての体面が思わず崩れるほどに上機嫌となっていたのであった。……まぁ、あんまりはしゃぐとあれだな、と気が付いてすぐにしゅん……、となったのだが。
「うわぁ!?急に落ち着くなぁ!?」*2
「酷い言われようである。でも君達も、私の推理を聞けば似たようなことになると思うよ?」
「は?推理?」
とはいえ、私がこうなった理由について聞けば、恐らくみんなも似たようなテンションとなるだろうことは確実。
ゆえに、私は特に慌てた様子もなく、自身がなにに気が付いたのかを説明するのであった。
「つまり!このまま単にエリアちゃんを見付けていた場合、世界は滅んでいたんだよ!!」
「「「な、なんだってー!?」」」
……みんなの反応がお約束めいたモノなのは、まぁいつものことである。
「私はそっちの事情をよく知らないから、何故そんな結論になるのかわからないけど……確証は?」
「ふむ。まずそれを語る前に、このハルケギニアに伝わる伝説のようなモノ──『四つの四』について理解する必要がある。少し長くなるぞ」
(何故にサム8……?)
この一行の中では唯一、なりきりとはなんの関係もないタバサが、よくわからないとばかりに小首を傾げている。
……まぁ、他の面々は『ゼロの使い魔』という作品について知っているため、『四つのなにかが四つ揃う』という状況の意味について、なんとなくは理解してくれたわけだが……ある意味では作中人物である彼女が知らない、というのは無理もない。
なので、改めて前提条件のおさらい、ということになるわけだが……。『ゼロの使い魔』という作品において、『四』という数字はとかく象徴的なものである。*3
始祖が残した秘宝達は四つ、祈祷書・円鏡・香炉・オルゴールであるし、始祖の血から作られたというルビーも、風・水・炎・土の四種である。
虚無の使い魔達も四人であるし、虚無の担い手達も始祖ブリミルの息子とその弟子の計四人、それらの血筋を引くもの達が、その資格を持っていると聞く。
さらにさらに、それらの担い手足りうる者達が国を興したこともあり、作中において象徴的な国は四つ存在している。……まぁ、一つは作中で滅びてしまううえに、新興国などもあるので明確に四つだけが目立つ、というわけでもないのだが。
それはともかくとして、魔法の系統も風・水・火・土の四種が基本であり、個人で重ねられる属性の数も
そのため、
では、ここで話を戻して。
先ほどの一足りない云々の話をしていこう。
まず始めに、ズァーク君について。
彼が始めにハルケギニアに現れたのは、私……もといビジューちゃんが、虚無に目覚めるための障害としてである。
彼が選ばれた理由は、アニメ版でのラスボスである『エンシェント・ドラゴン』の代役、という面が強いのだろうが……それ以上に、彼が
──すなわち、この世界にとって
それは裏を返せば、『ゼロの使い魔』原作は一つの『四』という枠内で争っていた話だったのが、こちらでは味方側の『四』と敵側の『四』の対決となりうる可能性を示していた……ということでもある。
まぁ、示したのはあくまでも可能性であり、その時点では結実する気配も見せていなかったわけだが……。
続いて示すのは、キーアという存在について。
ハルケギニアにキリアは来ていないものの、地球とハルケギニアが行き来可能となった以上、この世に同じ顔が三人居る……という状況になったことは間違いない。
そして、この『同じ顔が三人居る』と言うのは、実は別の
これは、厳密には『自分を除いて』であるため、他者から見た場合には
そして三つ目が、今私たちの前に居るヒータちゃん。……いわゆる四霊使いである。
彼女が自分で言っていた通り、今の彼女達はエリアちゃんを欠いているため、三人しか存在していない。
──そう、ここまで言えばもうわかるだろうが。
今の私たちの状況とは、
ズァーク君が求めている、『覇王龍』幻の四番目に、同じ顔の原理において、存在してもおかしくない第四のキーア顔。
そして、行方の知れない四霊使い最後の一人・エリアちゃん。
もし仮に、この内の一つでも
「まるでそうなることが決まっていたかのように、他の三つも四つに埋まり、その結果として今はまだ影も形もない、
「はぁ、謎の……四番目?」
実態の掴めない、四つ目のなにか。
それが、こちらの意図しないままに成立する可能性というものが、私が警戒しているものの正体なのであった。
「ふぅむ、とはいえ世界が滅ぶ、というのは言い過ぎというやつではないのかのぅ?」
「いいや?そうとも言いきれない。さっきも言ったが、ハルケギニアにおいて『四』という数字は、とかく意味のあるものだ。──虚無に関する『四』が善側であるとするのならば、私達が成立させかけていたモノは恐らく悪側の『四』となりうるものだろう」
「……まぁ、お誂え向きに『ズァーク』っていう、ラスボスだった奴が関わってるからなぁ」
「む、我に責任の所在を求められても困るのだが?」
「落ち着いてズァーク、誰もお前を責めたりはしてないから……」
そこまで語ったところで、ミラちゃんから飛んで来た疑問は、『流石に滅ぶ云々は杞憂なのでは?』というもの。
……私としても、できれば杞憂であってほしいモノなのだが、これに関してはどうにも警戒は怠るべきではない、という風に自身の勘が告げているため、どうにも気を抜けない感じなのである。
サイトが言うように、ズァーク君が関わっているというのも問題だ。……彼がラスボスだったから、というのも確かに間違いではないのだが、ここでは彼のもう一つの属性・『主人公だがラスボス』の方が問題となる。
「と、言いますと……?」
「虚無側が善だとするのならば、一人だけ悪にも善にも属しているポジションの人物が居る、ということに気が付かないかな?」
「……あー!?ビジューちゃん!?」
「その通り」
首を傾げるはるかさんに、逆に尋ね返す私。
その答えに気付いたのはココアちゃんの方で──彼女の発言に言う通り、ビジューちゃんはこの『四』対『四』の構図において、その双方に在籍する形となる人物になってしまっている。
それはすなわち、属性的には
さらにはその属性を、ズァーク君が肯定してしまうのだ。──同じ顔が四人揃えば、ラスボスが降臨する。しかもその四人の内の一人は、主人公なのであった……という、彼の登場作品の終盤の展開によって。
これはもう、間違っても私達と同じ顔を四人にしてはいけない、という論拠の証拠と言ってもおかしくはなく。
ゆえに、警戒のし過ぎだなんてことはあり得ない、という私の直感を信じる理由にもなってしまっているわけなのである。
「じゃあ、ヒータちゃんにペガサスさんになるのは止めた方がいい、って言ったのは……?」
「先の三つのうち、一番揃えやすいのは実際に『居る』ことが、半ば確約されているエリアちゃんだ。他の二つは、予定のない『覇王青龍』に、居るかもしれない程度の『四人目のキーア』であり、本来ならば警戒には値しない。……だがこれは、『四』という数字が殊更に力を持つこのハルケギニアにおいて、
小さな『四』が三つ揃えば、新たに小さな『四』が一つ加算され、大きな『四』となるかもしれない……というのが、エリアちゃんを探すのは待った方がいい、という話の理由。
そして大きな『四』が先に成立して、構成要素の小さな『四』──一つ足りないモノ達が勝手に埋まるかもしれない、と危惧したのが、ヒータちゃんをペガサス氏に変身させない方がよい、という理由となる。
……まぁ、後者に関してはヒータちゃんもデュエリストと扱えなくもない辺り、若干理由としては薄いわけだが……現状控えた方がよい、というのは確かだろう。──なにを以て『四』が四つ揃ったのか、と判断されるのかわからない以上、この場では慎重さが求められるのは間違いないのだから。
そんなことを私は──ヒトカゲとヒータが重なっているために、『