なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「で?結局ここからどうするんだ?」
「うーむ、とりあえずヒータちゃん達に関しては、エリアちゃんの捜索は一先ず諦めて貰う……ってことになるかな?」
「えーっ!?」
特定のなにかを四つ揃える、ということがこのハルケギニアにおいては危険であるとなんとなく理解した私達は、一先ずヒータちゃんが起こしていた騒動、およびその目的については諦めて貰うしかない、ということを伝えたわけなのだが……。
ご覧の通り、ヒータちゃんから返ってきたのは不満の言葉。……四人揃っていないと調子が狂う、みたいなところがあるというここの彼女達からしてみれば、そういった不満が出るのは仕方のないところもあるわけなのだが。
「別に貴方達も、ハルケギニアを滅ぼしてまで一緒にいたい……ってわけでもないだろう?……いやまぁ、さっきの危惧が全て本当に起こるものであるのならば、ハルケギニアどころか地球・下手すると宇宙ごと崩壊しかねないわけなのだけれども」*1
「……ぬぅ、そう言われると弱いな……」
その思いを推し進めた先に、世界の滅びが待っているかも知れないと言われれば、流石に躊躇をしてしまうようで。
彼女は渋々といった風に、こちらの要求を飲み込むことになったのであった。
……今回の『四もどき』達の中では、一番揃えられる可能性のあったものであるがゆえに、こうして(一時的な棚上げとはいえ)諦めさせることができて、ある意味ひと安心といった心境の私達である。
「……む、これはもしかして、我も『青龍』を諦めろと言われる予感……!?」
「そりゃそうでしょ」
「聞けてよかった」
「ええい、なにもよくないわ!!」*2
その横では、今気付いたとばかりに愕然とした声をあげるズァーク君と、それをからかうように声をあげる男子二人の姿が。……当初は色々あったものの、すっかり仲良しさんな感じの三人である。
「……そういえば、サイトが真月になったのって、ヒータちゃんのせい?」
「ん、んん?……えーと、どうだろ。向こうで起こす事件に関しては、分身達に一任してたからなー」
と、そんな三人をほのぼのと眺めていたところ、結局今回の騒動の起点の一つ──サイトの変貌を引き起こしたのが誰だったのか、という疑問を思い出してしまった私。
とりあえず目の前のヒータちゃんに、貴方が犯人ですか?……と問いかけてみたものの、返ってきたのは微妙な反応。
……彼女の使っているのは、ポケモン由来の『かげぶんしん』であるため、『NARUTO』みたいに分身を解除しても知識が本体にフィードバックされたりはしないらしい。*3
それゆえ、実際に分身側から報告のされていない、現地で分身達のやっていたことというのは、彼女にはわからないようで。
……結果、サイトの変質の原因が彼女にあるのか、という問題は有耶無耶になってしまったのだった。
「……あれ?ってことは、俺ってばずっとこのまんま……?!」
「元々サイトの上に被さってたナポレオンの要素を、どうにかして別枠にしようとしたら
その言葉を聞いたサイトは、ズァーク君達と話していたことすら忘れて、マジかよ……みたいな表情で肩を落としている。元々彼が今回の案件に乗り気だったのも、裏を返せばもとに戻るためのものであったがゆえに、落胆も
……こうなると、ほぼほぼ失敗する気しかしない『バリアルフォーゼ』を試すしか……?と声をかけてみたが、『仮に成功しても、ロケットみたいな奴に変身する気しかしない』と、すげなく断られてしまうのだった。……ああうん、そういえばどっちも『
そんなこんなで、ようやっと和やかな終わりを迎えようとしていた私達であったのだが。……そういえばもう一つ、この事件に関して解決しておくべき事項があった、ということに気が付いた私である。
「と、言いますと?」
「ナルト君のこと。……これも幽霊騒動云々からの地続きの話だったとすると、ヒータちゃんがどうにかしてくれれば戻れるのかも、って話」
「……あー、そういえば今のナルトの姿はあとから変身したもんで、元々は一般人に狐耳が付いたようなもの、だったんだっけか?」
その事項とは、ナルト君のことについて。
彼は元々、単なる一般人の少年に狐耳が付いた状態で森を駆けていたのが、私達に捕まったことで
その変化の起因となった、
これは、彼女が呼び寄せたもの、もしくは彼女の分身が変じたものだったのか?
……そういう疑問を、今しがた思い出したと言うわけである。
なお、その問いかけに対する彼女の反応はと言うと、さっきの話からわかる通り……。
「
「まぁ、分身達がなにをしていたのか、まで把握していなかったからこそのあの展開規模だった……ってところもあるみたいだからねぇ」
──無論、わからない。
分身達の行動は、全て現地判断に任せていたからこそ、彼女は自身に負担を持ち込ませずに今回の事態を引き起こせたわけであるのだから、勿論地球での分身達の動き、なんてものに心当たりがあるはずもなく。
……というか、一応ポケモン由来の『かげぶんしん』のはずなのに、こうして地球であれこれできていた辺り、『別天神』の性能のヤバさを感じざるを得ないというか。
術の上から術をかけられる、って時点でおかしいのは確かなのだが、それにしたってチートだよこれ、みたいな?*6
……まぁ、本来ならバカほどチャクラを食う『別天神』を、幾ら規模が小さくなっているとはいえ数えきれないような数に発動している、という時点で意味がわからないのだが。
と、思っていたのだが、それもまた厳密には違うようで。
「順番的には、二匹が融合して魔眼持ちペガサスになり、自分自身に『お前はNARUTOの術が使える』って『別天神』をかけて、そのあとに『かげぶんしん』を付与した、と?」
こちらの確認の言葉に、こくりと頷く彼女。
姿の偽装に『別天神』が使われていた、というのはちょっと文章がはしょられており*7、正確には『別天神』によって自身を忍者と誤認させ、さらには『かげぶんしん』を付与することでその幻覚を確かなモノとした……ということになるらしい。
つまり、姿の誤認に使われていたのは、正真正銘『忍術』だった、ということになるようだ。……仙術系の技能で見破れたのも、それが自然エネルギーによる変化だったため、ということになるらしい。
負担云々も、分身達には仙術的な自然エネルギーの変換能力がもたらされていたようで、つまるところこれらの規模が小さかったのは、そもそも最初に『かげぶんしん』をする前に『別天神』を使うだけのチャクラの捻出に
……まぁ、話だけ聞いていても、『かげぶんしん』に『別天神』を同時起動、の時点でチャクラ切れを起こしてもおかしくないくらいだし、さもありなん。*8
「……うーん、なんとなく私由来のような気もするし、違うような気もするような……?」
直接ナルト君に触れて、その力の由来を辿ってみたヒータちゃんだが、出てきたのはそんな感想。……あとから変質しているせいで、大本を辿り辛くなっているということだろうか?
まぁ、もう分身を維持する必要もないのだし、それを解除すればわかるだろう……みたいな感じで、直接確認することはすぐに諦めてしまったわけなのだが。……だいぶいい加減だな、この子。
そんなこちらからの揶揄に、「うっさい」と述べた彼女は、そのまま分身を解除したらしいのだが。……うん、変化はないね、一切。
「ん、んんー?どうなんだろ、ホントに私と関係ないのかなこれ……?」
「その様子だと、ホントなら元に戻ってそうだったと?」
「多分……」
頭を掻きながらナルト君を見つめるヒータちゃんからは、なんともいえない困惑の感情が見える。……察するに、自分に関係しているという気配はあれど、それが自分由来ではなさそう、ということに困惑している、みたいな感じだろうか?
ともあれ、この場ではこれ以上の対処も難しい。あとは郷に戻って琥珀さんに見て貰うしか……って、
「……そういえば、郷の方の騒動はどうなったんだろう?」
「「「……あ」」」
帰ると言うものの、そういえば郷は今、なにかしらのトラブルに巻き込まれてるんじゃ?と思い至る私達。
そうして次の行動に困った私達の元に、
私達はそれに導かれるまま、魔法学院へと向かうことになるのであった。
次回から幕間いきまーす。