なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……そもそもの話、最初に会った時には普通の服着てたはずなのに、なんで今となっては原作通りの痴女服に戻ってるんですかパイセン?」*1
「暑かったのよ、最近は。……そもそもの話、私が裸でなにか問題があるわけ?」
「いや、寧ろ問題しかないんだよなぁ……」
「なるほど、グビはとても手間の掛かる人。アスナ覚えた」
「貴方のキャラの方も、大概意味不明なんだよなぁ……」
駅までの道のりを歩きながら、ぐだぐだと駄弁り続けている私達。
そんな中、話題に上がるのはこの二人が如何に目立つのか、ということについて。パイセンは見た目で、アスナちゃんはその言動で、である。
まぁ、原作の彼女はここまで不思議ちゃん、というわけではなかったので、彼女を見て『神楽坂明日菜』というキャラクターを連想する人はいないだろう、という意味では意外と有り難かったりするのだが。……ツインテにもせずに普通に下ろしているから、髪型から彼女を連想する……なんてこともそうそう起きないだろうし。*2
なお、髪の色についてはごまかせていないので、そっち方面での視線を集めてしまい、大して有り難みはない模様。……【顕象】相手に迂闊な変装はさせられないからね、仕方ないね。
例の『ごまかしバッジ』すらも、微妙に効きが宜しくないってんだから、【継ぎ接ぎ】と【顕象】の相性の良さ(悪さ?)は筋金入りである。……ズァーク君とか、あのあとネコ形態が染み付いちゃったくらいに、【顕象】を変装させるのはご法度みたいだし。
「……そもそもの話、なぁんで【顕象】なのにも関わらず、あっさり外出許可が出てるのかなぁ」
「そりゃまぁ、今回に関しては予言したのがあの
「おのれ桃香ぁっ!!また貴様によって、私の胃が破壊されてしまったぁっ!!」*3
「……それ、お互い様ってやつじゃないの?」
その辺りはまぁ、置いとくとして。
今私を悩ませているものは、元はと言えば突発的に発生した予言によるもの。
ゆえにこの恨みも、その予言をした者に向けられるべきものだ……みたいな気持ちから溢れた恨み口は、横から飛び出たパイセンの言葉によって、物理的に燃え上がる羽目になるのだった。……そりゃまぁ、桃香さんの言なら優先されるよねぇ!!クソァッ!!……そのあとのパイセンの台詞?知らなーい。
そんな風に歯軋りする私の肩に、ぽんぽんと接触してくる誰かの手の平。
「だいじょぶ?わしゃわしゃする?」*4
「……口を開く度に微妙に危ない台詞、みたいなモノが出てくるのはなんなのか」
「それを言うなら、そもそも
「あー……」
無論、それはこちらを慰めようとしていた、アスナちゃんのもので。……口にする言葉が何処となく
……ああうん、そういえば『◯◯覚えた』の元ネタ自体、如何わしさとは切っても切り離せないモノだったね……。*5
なにが【継ぎ接ぎ】されてるんだろうなぁ、この子。……なんて疑問を呑み込みつつ、改めて駅へ向かって歩き始める私達である。
で、その結果として前回の冒頭の描写に繋がる、というわけなのであった。
そりゃまぁ、下手すると公然猥褻罪とかに引っ掛かりそうな格好のパイセンである。
……よもや本当に素肌を晒しているとは思っていない*6だろうから、精々遠巻きにされるだけで済んでいるけれど……。
「……ええい、とりあえず服!服を買う!二人ともそれでオーケー!?」
「
「なんでドイツ語!?良いのか悪いのか、パッと聞いただけじゃわかんないんですけど!?」
とはいえ、このまま無策に歩き続けていては、そのうち職質されるという可能性は甚大にして深刻。……そんなことで一々手間を取らされていては、とてもじゃないが堪ったものではないので、仕方なしに近くの服屋へと突撃することになるのだった。
で、その結果として……。
「……まぁ、多少はマシ……マシ?になったと思いましょう、うん」
「おい、こっちを向いて喋りなさいよお前」
「グビはミラクル。アスナにはとてもわからない」
何故だか真冬に着るようなごっついコートを着せられる羽目になったパイセンを見て、思わず視線を逸らすことになる私なのであった。
……いや違うんですよ、これにはマリアナ海溝*8よりも深ーいわけがあってですね?
思い出して頂きたいのだが、パイセンは精霊種──一種の人外であり、その得意技は『だいばくはつ』である。
臓物が呪詛となって降り注ぐタイプの、わりとエグい爆発をするわけだが……例えそんな真似をしたとしても、彼女自体は
……とはいえ、本来
それを踏まえて、爆発したあとの彼女の姿を思い出して貰いたい。そう、
更に、彼女は型月世界における『真祖』に近い存在だとも言われている。
明確に同一、というわけではないみたいだが……詳しい話は横に置くとして。
ここで注目すべきなのは『真祖』──例としてアルクェイドと呼ばれるキャラを挙げるが、彼女が
無論、どこぞの
……纏めると。
パイセンは、自爆後の自身の再構成の際、
これと服装などに頓着しない、もしくは着るのがイヤ、という事実が重なるとどうなるのかと言えば……。
「完全に露出狂。コートは止めておくべきだったのでは?」*11
「いやだって、
「なによ、また虞美人差別?」
軽く憤慨しているパイセンは放っとくとして。
……出るとこ出て絞まってるとこ絞まってる、そんな理想のプロポーションである彼女は、なんと
それでいて所々チラチラしている、完全に目の毒としか言い様のない姿をしている彼女はといえば、
どうせ粉々になるんだから、服なんか最低限で良いでしょ、最低限で。……などと言われてしまえば、こちらも首を横に振ることもできず。
結果、どうにか着せられたのは、季節外れの大きめのコートだけだった……ということになるわけなのです。いや、余計に痴女度が上がっとるがな。
不審者というアスナちゃんの評も宜なるかな、コートの下には下手な露出より刺激的な服装が秘されているのだから、こんなん表を歩けたモノではない。
……いやまぁ、コートをちゃんと着ている分には、中身はシュレディンガるのでどうにかなるけども。……それはそれで、見た目の暑苦しさが凄い。
ちょっと涼しくなったとはいえ、まだまだ日中は暑いのだから、こんな姿では別の意味で衆目を集めてしまうだろう。……中身は空調が効いているので、実際には暑くはないのだが。
「……へいタクシー!」
「あ、キーアが諦めた」
「最初からそうしてれば良かったじゃない、まったく」
結果、周囲からの好奇の視線に耐えかねた私は、敢えなくタクシーを呼び止めることになるのだった。……経費で落ちるかなぁ、これ。