なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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幕間・なりきり郷・サマー・カーニバル!その5

「くっ、泳ぎでは負けたがデュエルでは負けんぞ!」

「いやいや、()デュエリストじゃないんで。此処は勝ち逃げさせて貰うよー♪」

「なっ、貴様まさかリアリスト*1かっ!」

「そーかもねー♪」

 

 

 泳ぎ対決は五条さんが勝ったようで、煽る様に去っていく彼の背中に、ジャックさんが悔しげに歯軋りをしていた。

 ……眼鏡を渡したからなのかなんなのか、やけに五条さんはご機嫌のようで。なんというか、トラブルメイカーの気配がひしひしと……。

 

 

「だが私は謝らない。何故なら眼鏡が似合う人物は、男女に関係なく尊ぶべきものだからだ」

「む、キーアか。……いや、お前はいきなり何を言い出しているのだ?」

 

 

 元気に去っていく五条さんの背中を眺めつつ、ジャックさんの隣に向かえば。

 こちらの台詞に怪訝そうな顔をした彼が、息を整えつつ姿勢を正した。

 

 

「何って、決まってるじゃない。──まぁまぁ眼鏡どうぞ」*2

「その台詞は……まさか全員にそれをやっていくつもりなのか……!?」

「UV*3カットグラスなので、夏には持ってこいなのです」

「伊達眼鏡は教義違いだろう!?」

「甘いなジャックさん、教祖様(春菜ちゃん)はそもそも度入りも伊達も平等に愛してるんですよっ」

「なにぃっ!!?」

 

 

 そんな彼に渡すのはUVカットグラス(つまりは眼鏡)

 何故なら彼もまた、選ばれた(特別な)存在だからです。*4だからお前も眼鏡を掛けるんだよぉっ!!(突然の豹変)

 

 

「いや後輩、アンタ何やってんの?」

「パイセン!?グラサン派のパイセンじゃないか!まぁまぁ眼鏡どうぞ」

「いやグラサンあるし」

「グラサンだと奥の瞳が見えないでしょーがっ!それじゃあダメなんだよっ、グラサンずらして覗く瞳ってのも素晴らしいと思うけどっ」

「……マシュー?どこにいるのよマシュー?これアンタの管轄でしょー?ちゃんと見てなさいよー」

「マシュなら眼鏡似合ってるねー、からの褒め殺しに沈みましたが何か?」

「既に討伐済み、だと……っ!?」

 

 

 たまたま通り掛かったパイセンにマシュはどうしたのか、と聞かれたが。……そもそも眼鏡スキーな私が、可愛い後輩を真っ先に褒めぬはずもなく。

 なので彼女は一足先に旅館に戻って、顔を真っ赤にして潰れている。……うちのこうはいがかわいい。

 

 

「ちょっと待ちなさい、アンタ熱暴走してるわね?!」

「何を失礼なっ!私は常にれいせせせせせせ」

「ぬおっ!?頭から湯気だと!?」

 

 

 あははははー、眼鏡が一つ眼鏡が二つ、全ては宇宙に流れる星の如く!

 あー、でも流れ星ならもっとこう……パーって動くよね!*5

 

 ─────きゅう。

 

 

「ぬわっ!?キーア、おいしっかりしろキーア!」

 

 

 

 

 

 

「マジ面目ねぇ」

「貴方ねぇ……水分補給とか色々言われてたし自分でも言ってたのに、そこを疎かにするとかなに考えてるのよ?」

「私のスペック的にどうにかなると思ったんや……」

「はぁ?」

 

 

 パラソルの下に運び込まれた私は、先生からスポーツ飲料を貰って喉を潤しつつ、こちらを戒めるように声を掛けてくるゆかりんに、横になって視線を向けている(ひたすら平伏している)

 ……まぁその、普通に熱中症になってたというか。

 これだけ日が高いと、注意してなきゃ普通に熱にやられるということである。

 

 

「いや、私たちが元の彼らと違う、だなんて口を酸っぱくするくらいに言われて、言われ……貴方?」

「……ちょっと確認の意味も無くはなかったというか」

「あー……、つまり?」

「私も貴方達と変わんないってこと」

「それは──よかった、って返すべき?」

「そうしてくれる?……ちょっと肩の荷を下ろせた感じあるし」

 

 

 互いにしかわからない台詞で、確認をし合う。

 ……正直、自分の体について一番悩んでいたのは私……()自身だったところがあったわけで。

 こうして普通に病気(熱中症)になったのは、ある意味では救いにもなっているのだ。

 

 

「はぁ……それで体調を悪くしてちゃ意味ないでしょうに、とは言えないわね」

「ホント面目ない」

「いつか貴方の奢りで飲みに行く、って事で」

「高いところは止めてよー」

 

 

 軽く小突き合いながら、休むこと暫し。

 ……ん、体調も戻ってきたかな?

 

 

「……タイチョウ、オカラダノホウハ……*6

「それだと私イレギュラー*7になるから止めてくれない?」

「おっと聞こえてた?」

 

 

 なので上半身を起こして体の調子を確かめていたのだけれど、ゆかりんがぼそっと呟いた言葉がちょっとあれだったので、思わずツッコミを入れてしまった。……一部の人が過剰反応しそうよね、その台詞。

 

 

「あまり無理はするなよ、君の体が特別治りの早いモノなのは見ていればわかるが」

「はーい、風紀委員長は暫く休みまーす」

「お、じゃあパフェでも食うかい?」

「サンジ君のお手製パフェとな?」

 

 

 起き上がると先生からの厳重注意が。

 ……心配を掛けたのは確かなので素直に頷けば、横合いからサンジ君がデザートの案内をしてくる。

 ふむ、彼の作るパフェとなれば、絶対美味しいに決まっている。なので傍らのゆかりんに視線を向ければ、彼女もニコニコとしていて。

 

 

「じゃあ、女子らしく甘いものでも楽しみに行きましょうか?」

「別に女子じゃなくても、甘いもの好きでいいと思うけどねー」

 

 

 なんて風に言い合いながら、サンジ君の用意した席に向かって、パラソルの下から出ていく私達なのだった。

 

 

 

 

 

 

「それで?みんなと会話してるから、今度は私達の番ってこと?」

「話が早くていいと思うけど、もうちょっとオブラートに包んで下さいませんかね……」

「……?拙速を尊ぶのは、戦士として当然の行動だと思うんだけど」

「別に危なっかしいわけじゃないのが、ちょっと反応に困るんだよね彼女」

 

 

 所変わって今度はサンジ君の出張店舗。

 浜辺にパラソルと白いテーブルと椅子が並べられたそこで、三人ほどの先客が甘いものに舌鼓を打っていた。

 

 

「ぴーか、ぴかぴか」*8

 

 

 おっとすまない。じゃあ三人と一匹……かな?

 まぁ、あくまでなりきり組が彼らだけであって、他の席には一般のお客さんも普通に居るんだけど。

 ……キャラクターに対しての違和感はBBちゃんが消してるはずだから、これは単純にサンジ君の料理の腕に皆が集まっている、という事だろう。流石としか言えねぇ……。

 

 

「うん、彼の料理はどれもすごく美味しいね!幾らでも食べられる気がするよ!」

「だからといって、口元に食べかすを付けているのは、神様的にもはしたないんじゃないのかい?」

「むぁっ!?ちょっ、止めておくれよ、自分で拭けるってば!?」

「……私としては、左右からほぼ同じ声がサラウンドしてくる事に、ちょっと目眩を覚えているのだけど」

「あー、どっちも水瀬いのりボイス……」

 

 

 で、その三人と一匹の内訳が、シャナとヘスティア様・ライネスとピカチュウである。

 ヘスティア様がエウロペさんと別行動なのは、わりと珍しいかも?

 

 

「僕もエウロペも、別に子供ってわけでもないしね。たまには別行動でも……って話になったのさ」

「まぁ、何をしたら良いのかと右往左往してる様は、どこからどう見てもお子様だったのだけどね?」

「うぉおいライネスぅっ!?それ言わないでって言ったよね僕!?」

「なぁに、嘘は良くないというのは、君達神様的にも同意できる話だろう?」

「そ、それは、そう、だけども……」

 

「……さっきからずっとあんな感じ。ヘスティアがライネスに弄られ続けてるの」

「あー、ライネス的には弄りやすい相手、なのかも?」

「ぴーか、ぴぴぴーか」*9

 

 

 なお、ヘスティア様はご覧の通り、ライネスにおちょくられている感じである。

 ……嘘は見抜けるはずだから、単にからかわれるのに慣れていない感じ?いやでもロキ様とは、わりと口喧嘩的なことしてなかったっけ?

 

 

子供(人間)達の方からこういう扱いを受けるのは、割りと初なんだよ!」

「だからなのか、反応が一々面白いんだよね。私のこれも親愛の現れだから、彼女にとっても無下には出来ないみたいだしねぇ?」

「あ、悪魔や、ここに悪魔がおる……」

 

 

 ヘスティア様の言葉になるほど、と一つ頷く。

 

 原作においての彼女の立場はファミリアの主神。

 ……同格である他の神々からの扱いならいざ知らず、子供である人間達からの扱いは、基本敬意を持ったものである。

 なので、ライネスみたいに「親しいからこそからかってくる」相手は意外と対面したことがない、ということのようだ。

 

 ()()の彼女がここまで慌てるかどうかはわからないが、少なくともここにいる彼女にとっては、ライネスという少女は天敵の部類に入る……ということらしい。

 

 

「つまり、気の置けない友人ができた……ということ?」

「はっ?え、いや、そういうことを話していたわけじゃなくてだね?」

「そ、そうそう!ライネス何某(なにがし)の言う通り!」

「…息ぴったりじゃない、貴方達」

 

 

 わいきゃいと言い争う?二人と、それを呆れたように眺めながら、トロピカルジュースをストローから一口飲んでいるシャナ。

 ……彼すらも関わらない、本当の平時での彼女はなんというか、うん。

 

 

「流石と言うかなんというか、シャナが一番大人っぽいね」

「そう?……褒め言葉として受け取っておくわ、ありがと」

「いやちょっと待ちたまえキーア!結論を出すには、些か早急に過ぎるのではないかな?!」

「そうだそうだー!僕が子供、みたいな扱いには断固抗議するぞー!」

「……なんだこれ」

 

 

 いやー、シャナって案外淑女だよなー、なんて思いながら声を掛けたら、残り二名から猛抗議を受けてしまった。

 ……正直、ライネスに関しては見た目がまんま子供なんだから、そこまで気にする必要もないと思うのだけど。

 

 

「おっと流石キーアは鋭いね。大人の私も良いと思うけど、今の自分も嫌いではないよ?」

「あれー!?ライネス何某おかしくない?!今嘘言ってなかったよねキミ!?」

「ああ、君は嘘が見抜けるだけなんだろう?元の彼女ならいざ知らず、今の君になら嘘を言わずに騙すくらいわけないよ」

「なっ、なっ」

「ま、親しい友人からのちょっとしたスキンシップだと思って、笑って流してくれると嬉しいね?」

「なっ、まっ、キミなーっ!!?」

 

「……今のは友達だって思ってるのは嘘じゃなかったから叫んでる、ってことよね?」

「だねー。いやー、なんかまた変な繋がりができたもんだねー」

 

 

 逃げるライネスを追いかけ回すヘスティア様、なんていう変なものを眺めつつ、ゆかりんが戻ってくるのを待つ私とシャナなのでした。

 

 

*1
『遊☆戯☆王5d's』のキャラクター、ロットンの台詞から。デュエリストの対義語みたいなものであり、デュエル以外の方法で問題を解決しようとしたり、何をしてでも目的を達成しようとする卑怯者だったりを指す言葉

*2
『アイドルマスターシンデレラガールズ』より、眼鏡アイドル上条春菜の台詞。ネットのイメージに反して、嫌がる相手には勧めていない

*3
ウルトラ(Ultra)バイオレット(violet)の略称。……と聞いて敬語で幸福になる人は、とあるTRPG(パラノイア)に染まっている人である。単語の意味的には紫外線のこと。対策なしで浴び続けていると、あまり体によろしくなかったりする

*4
森永製菓から販売されているキャンディ『ヴェルタースオリジナル』のCMの台詞の一部。おじいさんの台詞がなんとも味がある

*5
『機動戦士Zガンダム』より、最終話の主人公、カミーユの台詞から。精神崩壊した主人公が、周囲を見渡しながら笑顔で話すその様は、見ている者達になんとも言えない思いを味合わせた。なお、再編された劇場版ではカミーユは精神崩壊しない。……ので、赤い人がどうして逆襲するのか、ちょっと謎になっている

*6
『ロックマンX4』のゲーム内ムービーの台詞。……なのだが、発音が微妙に棒なのと合わさって、変に有名になった。この台詞がよく使われているMADは大体アレなので、調べる場合は要注意

*7
『ロックマンX』シリーズにおける犯罪者の総称みたいなもの

*8
俺も居るぜぃ

*9
見た目の年齢は対して変わんないしなー

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