なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「おでれーた、まさかなりきり郷で、普通にお祭り感のあるイベントが開催されることがあるとは……」
「大食い大会……と言いますと、やはりオグリさんや悟空さんが参加していらっしゃるのでしょうか……?」*1
実際に参加するかどうかは別として、大掛かりなイベントが開催されるというのであれば、それを観戦しない手はない……ということで、みんなを引き連れゾロゾロと中央ステージまで足を運んだ私達。
そうしてたどり着いた中央ステージ付近では、多種多様な人々がイベントの参加やら観戦やらのため、こちら側のぞろぞろっぷりに負けないくらいの密集状態となっている姿があったのだった。……ふむ。
「実はここにいる人全員、
「ないですね」
「ないな」
「ありませ~ん」
「……そこまで否定しなくてもよくない?」
ふと溢した言葉は、上からマシュ・バソ・BBちゃんの順で否定されることに。……いや、三部じゃないんだから、そこまで否定しなくてもよくない?そもそもあれ、本来ならこういう時に使われるネタじゃないし。*2
ともあれ、私達が参加するのか観戦するのか、そのルート選択を行えるのはここで最後だ、ということに間違いはないだろう。
「……いや、間食のし過ぎ云々と散々述べておきながら、何故参加することが真っ先に選択肢として飛び出してくるのだ……?」
「え?そんなのもちろん、なりきり郷は全てを受け入れるから……ですよ?」
「なんと曇りなき眼か……っ?!」
そんな私達のノリに、サウザーさんからは首を傾げられることとなったのだが……なにかしらの話題があるのなら、まずは飛び付くのがマナー(?)みたいなところがなくもないなりきり郷、ここで逃げ出す方があり得ない。
無論、現状そんなにお腹が空いてないこともあり、例え参加したとしても優勝とかは夢のまた夢だろうが……そもそもの話、最初にマシュが言っていた通り、他の参加者に大食いの王様……みたいな奴らがいることはほぼ確定。
つまりは『端から勝ちの芽なんてない』ということも確定しているようなものだというわけで、極論参加しようがしまいが優勝争い云々の面では大して変わらないのである。
だったら、記念的な感じで参加しようとするのは別に間違いではないだろう。……真面目にやってる人からは、怒られるかもしれないけれど。
「でもまぁ……うん、真面目にやったからと言って勝てるわけでもない、ってのは簡単に予想が付くし?」
「ぬぅ……確かに、孫悟空だのオグリキャップだの、あの辺りの
ただ、単に物事に真面目に取り組んでいる人よりも、同じことを楽しんでやっている人の方が強い……というのはある種の真理。
食事そのものが好き過ぎる、というレベルのキャラクター達を前にしては、単なる大食い選手では雑兵みたいなものでしかなく、ゆえに私達が参加したところで、やっぱり
だから、気軽に参加しても問題はない……という話になるのだ。
「と、言うわけで。とりあえずサウザーさんは参加しましょうか」
「ふむ。なるほど、俺が参加か。……んん?いやちょっと待て、今の流れで何故俺が巻き込まれる話になる???」
そんなわけで、私達の中から参加するメンバーを選定しよう、という話に移ったのだけれど……。
その参加者第一号となったサウザーさんは、一度こちらの言葉に頷いたあと、意味がわからないとばかりにこちらを凝視してくるのだった。
「なんでって……そりゃほら、仮に参加するとなったら、最低でも一人は男性を入れとかなきゃいけないわけじゃない?」
「その前提の時点で賛同できかねるわけだが……それで?」
「ここにいる面々で、男性なのは五条さんとサウザーさん、それからしんちゃんとバソ・鬼太郎君、最後にコナン君ってことになるわけだけど……」
理由を説明されなければ納得できない、という様子だったので、仕方なく解説することとなる私。
今ここにいる男性は先の六人、そのうちコナン君としんちゃんに関しては、体格的に大食いには向いていないし、実際他人と競えるほど食べられるタイプでもないだろう。
鬼太郎君に関しても彼らとは似たような背丈だが、彼は『妖怪』なのでここでは一旦保留。
それからバソと五条さんに関しては──見た目の優男感からして、大食いには向いていない感がすごい。
実際にどれくらい食べるのか、というのは確認しないことにはわからないが……少なくとも、『大食いです』と公言できるほどの食事量ではないだろう。
そうして考えていくと、うちの面子の中で男性の参加者を選ぶのであれば、半ば必然的にサウザーさんしかいない……ということになるのであった。
あとは、鬼太郎君がどれくらい食べるのか如何によって、彼の参加もあり得る……くらいの話となるだろうか?
「……その考え方で行くとするならば、女性側についてはどうするつもりだ?」
「えー?そりゃもう他の面々に大食いとかやらせられないから、そうなると必然的に私が行くしかないよねー?」
「……ぬぐぅ、そこで自身は棚上げにでもしていれば、こちらも堂々と文句を言えたものを……!」
話に一定の理解を示したのか、とりあえず男性側の選定基準については脇に置き、女性側はどうするつもりなのかと聞いてくるサウザーさん。
なので、素直に私が参加しようと思っている……と告げると、彼はぐぬぬ顔で唸り声をあげ始めるのだった。
いやほら、他の子達に大食いは絵面的に似合わない、みたいなところもあるっていうか、ね?
そもそも女の子ってわりと食が細い、って子の方が多いわけだし。……オグリとかは例外。
細かく見ていくと、きらりんと毛利さんは
それから侑子についても、
……ついでに今現在『私は無理ですからね』とばかりにプルプルと首を横に振ってるルリちゃんと、その横で
「そのぉー、申し訳ないんですけどー。さっきのせんぱいの言い分に乗るつもりのBBちゃんですので、私は参加しますよー?」
「おおっと、この場で今まで料理系の話に参加できなかった鬱憤を、晴らす気満々やる気満々のBBちゃん……!」
「はーい、丁寧な解説ありがとでーす☆」
なおBBちゃんに関しては、なんか知らんけどやる気マックスだった。
さっきも言っていたが、普段の彼女は電子生命体──情報の世界に生きる者。
食事の必要を持たない彼女は、裏を返せば料理系の話では必ずはぶられる宿命である、ということでもあり。
そうして溜まりに溜まった鬱憤を晴らすまで、暴飲暴食を止める気は更々ない様子である。
……いやまぁ、鬱憤云々は別にいいのだけれど、それでいいのか頼れる後輩BBちゃん。仕事の鬱憤を暴飲暴食で晴らす、仕事疲れのOLみたいな思考回路じゃないそれ?*6
まぁ彼女の食事の仕方には、さっき話題になった物質変換云々の技術も応用されているみたいだし。
また暴飲暴食の結果データ容量が増えたとしても、見た目の上では(どこがとは言わないが)太くなったりはしないのだから、好きに食べてもなんの問題もない……というところも大きいのだろう。
これで実はぶくぶく太りますってことになっていれば、精々田舎出身の錬金術師程度*7で納められるように……と忠言をしなくてはいけないところだったZE☆
「おや?もしかしてせんぱいは、むちむちのBBちゃんがお望みだったんです?」
「自分に都合のいいところだけ切り取って、話を無理矢理理解しようとするの止めない?」
なお、言葉の一部だけ切り取られて、太ももは太い方がよいと言っているように曲解されたが……そういうのはどこぞの特級呪霊単眼猫だけで十分です、と返せば突然の話題の飛び火に五条さんが『?!』と困惑する顔を見せていたのだった。*8
「さて、じゃあ私達からの参加者は三人──男性側はサウザーさん、女性側は私とBBちゃんってことでいい?……いやまぁ、BBちゃんに関しては参加規定確認しないと、
「それは大丈夫だと思いますよ?確かに私はグレートデビルなBBちゃん。人類の皆様と致しましては、驚異驚愕驚天動地のパーフェクト後輩であることは確実ですけど……」
で、そろそろエントリー締切の時間になりそうだったので、他に参加する気概のある人物がいないかどうか、他の面々にも尋ねてみたわけなのだけれど……こちらの予測した通り、他の面々は既に腹八分目みたいな状況の人が多く、参加に関しては見送って観戦に回るとのこと。
そりゃそうか、みたいな気分で振り返った私は、ふとBBちゃんは参加できるのか否か、という根本的な部分に疑問を持つことに。
いやだって、極論を言うと容量無限みたいなもんじゃん、BBちゃんって。
見た目の太さすら変わらないのであれば、胃袋が宇宙だって言い張ってもなんの問題もないわけだし。……それってどこの
だが、BBちゃんが言うには、恐らく問題はないだろうとのこと。
それは何故かと言えば、この大食い大会には
「例え魔力が無限であれど、出力する最大容量は定められているように……今の私も、食べられる総量自体はリップのブレスト・バレー*10に全部飲み込ませるレベル、と言い換えてもいいくらいになっていますけど。口から摂取する必要がある以上、
「ん、んんー。言ってることは間違いじゃなさそうだけど、最後の例えが最高にダメなフラグ臭過ぎる……」
「奇遇だなキーア、俺もそう思ったところだ」
「えー?でも制限ありで超大食いの悟空さんもいらっしゃるんですよー!?BBちゃん一人くらい多めに見てくれなきゃいやですぅー!!」
BBちゃんの解説に、思わず頷く私だったが……最後の例えが大食い選手権的には絶望の大ボス以外の何者でもなかったため、サウザーさんと一緒に『大丈夫かなぁ』と首を捻る羽目に。
結果、珍しく駄々を捏ねるBBちゃんを連れて、エントリー受付にて大丈夫かどうか念入りにチェックすることとなるのだった……。