なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「…………」<チーン
「……お?
「な阪関……」*1
「あ、サウザーおじさん生きてた」
なんやかんやで最終ステージまで勝ち残ったサウザーさんだが、回転寿司から繰り出される多種多様な妨害には流石に勝てず。
寿司に綺麗にノックアウトされた彼は、表彰台には登れずにこうして地面に沈んでいるのだった。……しんちゃん、ぴくぴくして面白いからって突っつかないの。
まぁともかく。当初の予想通り、特になんの捻りもなく悟空さんが優勝、準優勝がオグリという結果に終わったわけなのですが。
「んー、銅メダルでも凄いと誇るべきなのか、他の大食いメンバーが居ない間に盗人のように手に入れたもの……と卑下するべきなのか、BBちゃん判断に迷っちゃいますね~」
「まぁ、素直に喜んでおけばいいんじゃない?」
「……ですね!というわけで、褒めてくださいせんぱーい!」
「はいはい、頑張ったねー」
その他の選手はまさに有象無象、居ても居なくても関係がない……っていうのは言い過ぎだが、事実それくらい実力が隔絶していたのも確かな話。
と、いうわけで。とても順当なことに、許容値に関しては無限であったBBちゃんが、三位に入賞することとなったのでした。
まぁ、本人も言うように、彼女の大食いレベルは並も並。
彼女の元となったキャラクターである間桐桜も、確かに結構食べる方ではあるものの、流石に前者二人に比べられるほどか?……と言われると微妙なところであるので、本人的には素直に喜べない感じもあったようだが。*2
ともあれ、三位入賞という結果だけを見れば大健闘、というのも確かな話。
なので、素直に喜んでおけばいいのではないか、と声を掛ければ、彼女は撫でてくださいとばかりに頭を突き出してくるのだった。……はいはい、頑張った頑張った。
……え?なげやりな理由?横の焼き餅マシュが全ての答えだよ、ワトソン君(白目)。
話を戻して。
対抗馬のいない状況下、隙を見て三位を掠め取ったようなもの……というBBちゃんの言葉は、強ち間違いと言うわけでもない。
例えば、先ほど話題に出した間桐桜。彼女の原作である『fate/stay_night』において、彼女よりも大食いのイメージを持たれているキャラクターがいる。……そう、我らがアルトリアである。
青王と言えば大食い……みたいなイメージは、公式二次創作みたいなものである『fate/hollow_ataraxia』から根付いたもので、その実本編の彼女が大食いか?……と問われると、非常に微妙なところがあるが……ともあれ、世間一般的なイメージとしてアルトリアが大食いである、というのは最早共通認識のようなものである。
なので、もし仮にこの場にアルトリアが居たのなら、それこそBBちゃんの三位の座は危ぶまれていただろう。
そして皆さんご存じの通り、このなりきり郷にはアルトリア系の人物が二人存在している。
ベースがリリィである
なにせ、彼女は謎のヒロインXである。
……二次創作的パブリックイメージそのままのアルトリアである彼女は、大食い大会と聞けば必ず駆け付けてくるはずだと誰もが確信するほどの人物。
にわかぽっと出フードファイターなBBちゃんが、敵うわけないのである。……フォーリナー退治の専門家、というクラスと設定的な相性の面で見ても、これは確定事項みたいなものだろう。
「ふふふ……キーアさんがわたしをいじめます……ひどいですねーおにですねー、ひとのこころとかないんですかー……」
「いやー、綺麗に爆死したからおちょくっとかないと失礼かなー、と」
「そんなきづかい、どぶにすててしまってくださーい……」
うんまぁ、私の足元でボロ雑巾のように転がってる彼女が全ての答え、というわけなのだが。
何故彼女がこんなことになっているのか、
『ふははははー!辛いものでしたらお任せを!いっつもカレーとか食べ慣れていますの
『あ、すみません。どうも間違って試作版の【ヒートギャラクシー・モウヤンカレー】を提供してしまったみたいです』
『
まずは第一関門、激辛コーナー。
本来であれば激辛と言いつつ、辛さはそれなりに押さえられた(と言っても、普通に激辛を名乗っていいレベルではある。辛さに挑戦する、みたいなレベルではないという意味)料理が提供されるはずが、彼女の前に並べられたのはサーヴァント・ユニヴァース由来?名前的にはデュエリスト・ユニヴァースかもしれないが……ともかく、地球上のモノではない香辛料を使った、試作料理が並べられていたのである。
無論、それらはすぐに片付けられたのだが……
『ラーメンですか、いいですよねラーメン。特にカップラーメンと言えば、仕事のお供に丁度よ
『あのー……(麺が)
『(締め切りが)
『いや、大丈夫ですか?色々と』
続く第二の関門、ラーメン。
……これに関しては、ラーメンそのものがダメだったというより、ラーメンに付随して呼び起こされる記憶の方がダメだった、という数奇なパターンである。
まぁはい、XXちゃんがコスモラーメン食べながらぽつねんとしているところは、実際のイベントでも描写されてたし、記録として持ち合わせていてもおかしくはないですね。
それはそれで、食うこと大好きな彼女が食べ物に対してトラウマが生まれてるって時点で、銀河警察ってどんだけダークマターな仕事だったんだ……と戦々恐々とする思いもあるわけだが、それでも彼女は懸命に食べ進めるのだった。
『なんで私だけモンハン混じりなんですー!?』
『当たりを引きますと、新鮮な海や山の幸を
『それにしたって活きが良すぎ……ぬぉぉぉおっ!!?鼻先を重力波が掠めたっ!!?こなくそー!!』
そして最後の関門、回転寿司。
回転寿司とは名ばかりの、妨害たっぷりの魔のコーナーであるそれは、彼女にも思う存分牙を剥くこととなった。
そう、初手で
新鮮なネタをその場で捌いて食べる……という、どっちかと言うと高級寿司屋とかで見るような形式のものに突入してしまった彼女は、確かに高級そうではあるものの、食べる前に食われそうな怪物じみた食材達と戦うことを強いられたのである。……トリコかな?
なまじ『謎のヒロインXX』という、設定面だけ見ると割りと最強クラスの存在を真似ているせいか、はたまたなにか別の理由があるのか。
ともかく、捕獲レベルが四十八くらいありそうなマンモス*4とかと戦わされる羽目になった彼女は、それらの食材を全て退けつつも、提供される皿全てに『当たり』が印字されているという、これが本当にクジとかパチンコだったらどれだけ稼げているものやら……みたいな豪運……豪運?を存分に発揮し、結果試合終了時には、皿の枚数にしてなんと十枚食べたことになっていたのだった。
……まぁうん、割りに合わないっすね。本当に美味しいってことだけは救いだろうけど。
「食べた総量ではなく、食べた枚数で換算する試合でしたから、当たりを引く方がハズレ、みたいなものでしたね☆」
「美味しいのは美味しかったので、文句も言うに言えないんですよねぇ……」
相変わらず地面にぐでーっと倒れているXちゃんの側に、屈み込んだBBちゃん。
そんな彼女から、煽っているのか労っているのか、ちょっと微妙なラインの言葉を受けたXちゃんはというと、ようやくいそいそと立ち上がる気配を見せたのだった。
で、服に着いたホコリやら汚れやらを払いながら立ち上がった彼女はと言うと。
「そういうわけですので、後日またリベンジさせていただきたいと思います!そう、一週間後のホットドッグ大食い競争で!それまで首を洗って待っているように!──では!とぉぉ↑おう↓!」
「なんで熊野……?」
「ここの赤城さん、大食いキャラじゃなくて美食家だぞって言いたかったんじゃない?」
「なんですかそのメタネタ!?」
びしりとBBちゃんに指を指しながら宣戦布告し、元のキャラなら同じように大食い選手として参加していただろう、赤城さんを思い出させる(?)謎の奇声をあげながら、彼女は空を飛んで何処かへと去っていくのだった。……うーん、意味がわからん。
「で、リベンジは受けるの?」
「正直今日一日で飽きるほど食べましたので、勿論ボイコットしまーす☆」
「うーん、流石のBBちゃん。グレートだぜ」
なお、彼女の捨て台詞的な宣戦布告については、満場一致でスルーが決定するのだった。
今回みたいなものではなく、単純な大食いとなれば余計酷いことになるのは目に見えているからね、仕方ないね。