なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……ええと、つまり纏めると。この指輪は更なる巨大案件のための前提条件、みたいなもので。今回私がこれを持ってこさせられたのは、そっちを手伝う要因としての意味もある、と?」
「うむ。……当初の予定では、五条悟の協力によってド級重機の運用も予定していたのだが……」
「……あー、うん。そこに関しては謝罪させていただきます……」
どうやら私たち、いつの間にか作業員として派遣されていたらしい──。
わりと?衝撃的な事実を知った私は、後に続いたモモンガさんの言葉により、実は五条さんも戦力として数えられていた、ということをさらに知ることになったわけで。
……うん、足りてないね、戦力。五条さん、わりと好き勝手に動いちゃってるもんね???
こうなってくると、当初の予定もそのままでは完遂できない、ということになってくるだろう。
──要するに更に人手が要る、ということになるわけだね。
「……うーむ。今なら私が増えればなんとかならないこともない、かもしれないかもしれない……」
「仮定に仮定が重なり過ぎて、意味のわからないことになっていないか?」
唸る私にモモンガさんがツッコミを入れてくるが……まぁ、その辺りは置いておいて。
ともあれ、聞く話によればブースター指輪による隠蔽範囲向上、現状成功率自体は高いのだが……効果時間の方がネックになっているらしい。
ブローチサイズのものに使うのならばまだ良いのだが、件の原石への使用ともなれば、少なくとも成人男性一人より遥かに重量があり、かつそれが発している効果というのもまた重量級のもの。
……要するに想定される出力が高すぎるため、ブーストできる時間にも限りが出てくるのだそうだ。
そも、広大な地下駅区画全てをすっぽり覆えるほどの出力になる、という試算なのだからそりゃそうだ、というやつなのだが。
必要とされる出力まで隠蔽効果を強化することは、問題なくできるはず。
だがそれを長期間維持するとなると、指輪の方の回路が焼き切れてしまう危険性が高いのだとか。*1
いやまぁ、一応『星に願いを』を多重起動して、片方に『指輪の保全』を願い続ける、という荒業を使えばいけないこともないらしいのだが……。
そちらの使い方は指輪本体だけではなく、ブーストしている原石の方にも過大な負荷をもたらすことになるらしく、あくまで緊急手段としてそういう使い方もできる……と例示されるに留まるのだそうだ。
……まぁそもそもの話、その対処法だと『星に願いを』を多重起動するためのエネルギーをどこから持ってくるのか、という問題も出てくるわけだが。
ともあれ、現状ではブースト指輪は色んな意味で限りのある強化手段であり、それゆえにそれに頼らない居場所の構築というものが、最優先事項になってくる……という、先程のシャナちゃんの疑問の答えの一つともなる『どうして今それが必要なのか』という理由の一端を知った以上は、これを見て見ぬふりをすることはできないだろう。
ゆえに、頼まれずとも手伝いをする、という気概はしっかりと育まれた、ということになるわけだが……そうなってくると、今私がするべきなのは増えること、ということになるわけで。
……いや、どういうこと?みたいなことをお思いのお方も多いかと思うが、よくよく思い返して頂きたい。
私はわりと好き勝手姿を変えられる、ということを──!
「とりあえずピクミンとして数を提供しますので、誰か指示役をお願いしまーす」
「いや待て待て、話が急すぎる急すぎる」
「む?……あ、もしかして数の用意に関してはミラちゃんが既に頼まれてる、とかだったり?」
「いや、頼むから話を聞いてくれ。……いやまぁ、その予想に間違いはないわけだが」
なお、モモンガさんからは止められた。
……むぅ、キーアの大波はお気に召さぬとな?……え?ノアならぬ
「……なるほど?事後承諾になっておることに些かの不満はあるが、わしらの居場所を守るためと言うことなれば、手伝うのは吝かではないのぅ」
「流石はミラちゃん!よっ、仙人!」
「それ絶対褒めておらぬよなお主???」
はてさて、ところ移ってミラちゃんの居室。
以前の時とは配置が変わったようで、現在の彼女は個室持ちである。……やだ、リッチ……!
まぁ、持ってる能力とかあれこれ考えてみたら、普通は優遇されてしかるべきなんだけどね、ミラちゃん。普通に上澄み勢なわけだし。
「にしても……残骸をわしに
「そこに関しては、私もびっくりしたんだけどね。ミラちゃんにあれを渡した時点で全部終わった、と思ってたわけだし」
「……遠回しに、わしに面倒ごとを丸投げたと言っておらぬかお主?」
「……てへ☆」
てへではないわ、とこちらを殴ってくるミラちゃんにもう一度謝罪しつつ、改めて彼女の胸元に揺れる指輪──鎖を通すことでネックレスにされている『旧・流れ星の指輪』を眺める私。
こちらは、例の凄惨な破壊痕の中心部から発掘されたもの、ということになる。……つまりは元々投影品、ということになるのだが……一連の事件を経たことで、投影ではなく実体のある本物に変質した、ということになるらしい。
恐らくは、(周囲ごと)壊れる時に『星に願いを』が暴走した結果、こんなことになったのだろうとのことだったが……まさかその検査結果を得るために解析した時に、必要なデータについてはすでに採取済みだったとは思わなんだ。
……というか、今のところ改良品の方も再生産品の方も、特に大きな問題を起こす気配がないという時点で、わりと驚きでもあるのだが。
「……お互いを近付けたら、なんか変な反応起こしそうじゃない?」
「実際、その辺りについてはちょっと危惧されておるようでのぅ。持ってくるな、とモモンガ殿に念を押されてしまったわい」
「……まぁ、流石に今度前と同じことになったら、誰もリセットボタンは押してくれないだろうからねぇ」
……まぁ、嵐の前の静けさ、的なモノを感じるのもまた事実なのだが。
今問題が起きていないからといって、最後まで問題がないと思うのは危険である。
どういうことになるか、という部分には想像の余地があるが……ともあれ、なにか厄介なことになるだろう、という予測はしておいて然るべき、というわけだ。
「まぁ、それは実際に作業が始まってから考えるとして。……ところで、件の五条悟の方はどうなっておるのかの?」
「あー、
「……まぁ、お主で止められぬ以上、その辺りを期待するのは無理がある、というのはわかっておったがのぅ」
そうして、話はもう一人の同行者、五条さんについてのモノに移っていく。
口ではたまたま付いてきた、みたいなことを言っていたものの、実際は最初から労働力として派遣されてきていた、ということになる彼。
……なのだが、五条悟が素直に上の指示に従うのか、と言えばノーとしか言いようがなく。
結果、今の彼は相変わらずみんなからの挑戦を受け続けている、ということになっているらしい。
いやもぅ、伝わってくる映像の楽しそうなこと楽しそうなこと。
あまりにも楽しすぎたのか、原作における覚醒時みたいな顔になってる辺り、わりと真面目に「うへぇ」ってなる感じである。
……元々趣味の産物でしかなく、その再現度も低かった彼だが、今ではこうして楽しげにドスンドスン互助会を揺らす始末。
嬉しそうでなによりではあるのだが、同時にせめて周囲に音を漏らすのは止めない?となる私なのであった。
「まぁ、一応隠蔽する気はあるみたいだけど……」
「説明については事前に聞いておった、ということじゃろうの。……頭の出来も変化するもの、なのかのぅ?」
「じゃないとコナン君とか酷いことになる件」
「あー、確かにのぅ」
なお、一応理性的なものは働いているようで。
互助会を揺らすような大きな振動であれば、まず間違いなく周辺区域に地震として察知されるだろう……というこちらの心配は全くの杞憂で、私たちが眺めているテレビには、その辺りの報道は一切なされていない。
……どっかに引き寄せる塊でも作って、音や振動を一纏めにしている、とかだろうか?もしくは位相の反転した衝撃波をぶち当てて相殺しているか。
手段はともかく、それなりに気を使って遊んでいる、ということが明らかになれば、こちらとしても止めるに止められない、ということになり。
彼が満足するのを待つべきか、はたまた無視してもう作業を始めるべきか……というのが、現状の私たちを悩ませる問題、ということは間違いない。
……いやねぇ?五条さんが(発電機として)手伝ってくれるなら、大型の重機とかバンバン使ってサクッと作業を終わらせる、ってこともできるわけだけど。
今の彼にその気がない以上、使える機械はちょっと程度が低くなってしまうというか……って、ん?
「……
「いや、最初からその辺りの話をするはずだったのではないのかのぅ……?」
よくよく考えれば、そっち方面を私が手伝えば良かったのでは……?
ということに今更ながら気付いてしまい、唖然とする私。
……いつもの癖で、自分
……ということに気付いた私は、ミラちゃんから呆れたような視線を向けられることになるのだった。……モモンガさんが言い淀んでたのこれかぁ!?