なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「え、今年はサンタの手伝いしなくてもいいんですか?」
「一応、去年とは別の人がやる……っていう風に決まってるのよ、サンタクロースって」
あと今回は、
そんな感じの話を聞かされた私たちは、確かに毎年同じサンタさんが来るとなると夢がないな、と頷くことに。
配布キャラも、毎年似たようなのであれば流石に眉を顰める人もいる、というわけである。
……どこからか「それって私に喧嘩売ってるのかしらー!!」みたいな声が聞こえてきた気がしたがスルー。
流石に『何度も出てきて恥ずかしくないんですか?』とは聞かない私である。……え?その顔は実際聞いているようなもん?*1
ともかく。
今年は単なる参加者として楽しんで……と言われれば、こちらとしても無理に首を突っ込もう*2、みたいなことにはならず。
そのため、普通に解散して家に戻ってくることになった、というわけなのでした。
「去年がどうだったか、ということをよく知らんのだがな、我の場合は」
「あー……そういえばクリスマスよりも後に来た、って人も結構居るんだっけ」
「そうですね。私たちの場合ですと……ハクさん、ビワさん。れんげさんにかようさん。クリスさんにエー君さん、ナルトさんに一寸法師さんとアスナちゃんの計九人が、前回のクリスマスから増えた人員……ということになるのでしょうか?」
「……いや増えすぎじゃね?去年の今頃って確かうちに居たの、私とマシュとアルトリア、それからCP君にカブト君とかそんなもんだったよね???」*3
この一年で我が家に増えた人数、実に十人近く。
住居の拡張が簡単にできるため、手狭さなどを感じた覚えはないが……それにしたって急に増えすぎである。
いやまぁ、わりと変な事情を抱えている人も多く、うち以外に放り出すのもなー、みたいなところも大きいわけなのだが。*4
ハクさんとビワの災厄ペア、かようちゃんとれんげちゃん、イッスン君の元ビーストトリオとかは特に。
そうでなくとも
最近影の薄いCP君だって、その実【複合憑依】として一番最初に見つかった存在……という時点で特殊だし。
同じように、今は単に可愛いさを振り撒くだけのエー君も、その実ダウンサイズ∀ガンダム、なんて出自の時点で大概ヤバいし。
……そう考えてみると、今うちに居る面々の中で特に特殊でもなんでもないの、実はカブト君くらいしか居ないんじゃ……?!*6
「……そのうち、我が家が特異点になりそうだの」
「イヤだー!!そのパターンだとどう考えても私がラスボスじゃないですかー!!」
「いえ、そもそも魔王を標榜しているのですから、それでなにも問題はないのでは……?」
「……それもそっか!」
「おい」
つまり、我が家は魑魅魍魎のすくつ(何故か変換できない)……ってコト!?*7
あまりに身も蓋もない結論に、思わず空を仰ぐことになる私なのでありました。
「その話と、こうして飾りつけを買いに来ていることが繋がらないんだが???」
「え?クリスマスの準備するって言ったじゃん?」
「話が大幅に巻き戻っているんだが???」
そうしてだがだがばっかり言ってると、なんかオグリを思い出すよね。*8
いや、こんなことになってるの誰のせいだと思っとるんだ己は、というクリスのツッコミを受けつつ、近くの棚から必要そうなものをかごに入れていく私である。
日付は変わって次の日、場所も変わってホームセンター的な場所。
子供組とその
街中がクリスマスムードなのだから、うちもちょっと飾り付けとかしようか、みたいな話になったというか?
特に子供組は、そのほとんどがここに来て初のクリスマス。
……となれば、とびきり思い出に残るようなモノにしてあげたい、なんて風にこちらが思ったとしても、さほどおかしくないと思わない?
「……まぁ、確かに。荷葉とかには、しっかり楽しんで貰いたいなー、とは思わないでもないが」
「……あ、もしかして結構気を遣わせてたりする?別にいいよー、そこまで気にしなくても」
「黙らっしゃい、いいから子供は素直に楽しむっ」
「……はーい♪」
特にかようちゃん。
彼女の場合は、殊更に複雑な事情を抱えているため、家族で祝うクリスマス……というものにてんで縁がなかったりするわけで。
そりゃもう、こちらとしても彼女にクリスマスを楽しんで貰うというのは、目下最優先目標にならざるを得ないというかですね?
無論、そのために他の子供達を無下にするつもりは、一切ないわけなのだが。
「じゃあさじゃあさっ、オレってばお腹いっぱい、ラーメンを食べたいってばよ!」
「はいはい、それ以外にも色々用意するつもりだから、心配しなさんな」
「やったー!」
「あー、ナルトばっかりずるいん。うちにも色々欲しいん」
「そりゃもうれんげちゃん、他の人にも色々準備する予定だから、今から楽しみにしててねー」
「やったん。流石はキーアお姉さんなん。ふとももなん」
「……しんちゃんからなんだろうけど、太っ腹ね」
「……?女の人に太い腹、とか言うのは失礼だと思うん」
「わりと考えた上での真似っこだった!?」
「ということは……」
「僕たちにもー?」
「うむ。アスナちゃんにもエー君にも、勿論色々用意しておくつもりだから、楽しみに待っててねー」
「なるほど。とても楽しみ」
「わぁ、わぁ。すごいなぁ、たのしみだなぁ」
……うん、ご覧の通り子供達まみれなので、そんなんしたら『八歳と九歳と十歳の時と!十二歳と十三歳の時も僕はずっと!待ってた!!』とかされかねないからね、仕方ないね(白目)
あの台詞が海外だとこっちよりよっぽど重い台詞になっている、というのは笑うべきか戸惑うべきか、ちょっとばかり反応に困るわけだけど。*9
……え?お前も見た目だけなら子供?
ともあれ、子供達にクリスマスを満喫して貰う、というのは確定。
ただでさえ、去年からすると子供が増えた上に、そもそも真っ当にクリスマスを祝うのが初、みたいなことになるビワやハクさんだっている。
そりゃもう、十二月は年越しまではクリスマス気分で行こう、みたいな話になってもおかしくないと思わない?
「海外だと、クリスマスも年越しもごっちゃらしいって聞くけど」
「完全に一月騒ぐためのもの、みたいな気もしなくはない」
まぁ、クリスマスを伝えてきた大本の国からしてみれば、クリスマスを盛大に祝うのは当たり前中の当たり前、という感じなので、鼻で笑われるようなノリなのかもしれないが。
ともあれ、クリスマスを盛大に祝うことが決まり、現状私たちに差し迫った用事がないということも合わされば、こうして買い出しにも来ようもの、ということになるわけで。
ただでさえ、多分当日が近付くにつれなにか起こるだろうなー、みたいな予感もある。ならば早め早めの行動は基本、というわけなのであった。
「なにか起こるだろう、って……」
「起こらない方がビックリだからね。……そりゃもう、」
ふと、視線を路地に向ける。
なにかが視界の端を通った気がしたから、というだけの、何気ない行為だったのだが。
──その路地に、誰かが倒れていることを発見して。私は、「ほら、厄介ごと」と思わず嘆息してしまうことになるのだった。
無論、そのあとすぐに、倒れている誰かに駆け寄ることになったのだけれど。