なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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時々黒い任○堂※ハサミは恐ろしいものです

「ひいーっ!?創作界隈でも最()のはさみやんけ!なに考えとんねんこのダンジョンー!?」

「えっえっ?最()?そんなに強いのだこいつ!?」

 

 

 思わず悲鳴をあげた私に、みんなが過剰反応を示しているが……あ、これ間違って伝わってるな?

 

 

「強いじゃなくて、大凶とかの方。ヤベーやつ、ってことだよ!」

「ヤベーやつ?……ってことは、なんかの作品のキャラってことかってばよ?」

「ハサミが登場人物……?」

「犬とハサミ?」

「……いや、あれはハサミが登場人物、ってわけではなかったでしょ」

 

 

 ハサミの性能自体はヤバかったけど。*1

 ともあれ、どうやらここにいる人達は、あのハサミがどれ程ヤバいのか、よく知らない様子。

 ……と、なれば。私が言って聞かせるしかない、ということになるのだけれど……。

 

 

「ええと、大分ショッキングな話になるんだけど、大丈夫?」

「ショッキング!?」*2

 

 

 あのハサミが登場したのは、『ペーパーマリオオリガミキング』……ニン○ンドースイッチで発売された、ペーパーマリオシリーズの最新作になる。*3

 

 

「ぺーぱーまりお?」

「元々はニ○テンドー64で発売された、『マリオストーリー』から連なるシリーズだね。普段のマリオ達とは違い、平面の()で構築された世界や人々の中で、いつものように冒険をする……って話さ」*4

「へー……」

 

 

 そもそもの話、原作となる『マリオストーリー』の発売が二千年……今からだと二十年以上前になるため、最近の子は知らない人も多いかもしれない。

 とはいえ、その温かみのあるグラフィックやストーリーは、まさに傑作と呼ぶに相応しい出来であり、それゆえ未だに『マリオシリーズで好きな作品は?』と聞かれた時に、『マリオストーリー』や『ペーパーマリオ』シリーズの名前を出す人も多いのだった。*5

 

 ……とまぁ、ここまでは前提知識。

 あのハサミの話をする前に、もう一つ語っておくべきなのが、『黒い任○堂』のことだろう。

 

 

「くろいにん○んどー?」*6

「ポケモン・ゼルダ・メトロイド・マリオ……色んなゲームの製作に関わる任○堂だけど、時々洒落にならないようなブラックジョークを繰り出すことに定評があるんだ」

「ぶ、ブラックジョーク?」

 

 

 例えば──ポケモンで言うのなら『おじさんのきんのたま』とか、『ブラック・ホワイト』における『Nのへや』。*7

 ゼルダシリーズで言うのなら、『夢をみる島』の真実や、『ムジュラの仮面』で降ってくる月。*8

 

 そんな感じで、単に子供向けではないような要素を散りばめてくることがある……ということを揶揄したものが、『黒い任○堂』という言葉である。

 場合によってはトラウマになるような要素も多数存在し、人によっては気分を害するようなことさえあるのだが……。

 見た目にはほのぼのしている『ペーパーマリオ』シリーズにも、だからこそということなのか黒さが溢れているのである。

 

 初代『マリオストーリー』ならばコブロンのコブ周りの話や、ドガボンの不死身の秘密。*9

 次作『ペーパーマリオRPG』ならば、前作とは打って変わってごろつきやマフィアが出てくる環境や、一部のボス達の回復行動などなど……。*10

 

 そういった黒さと言うのは、挙げていけば枚挙がない。

 ──そして、『ペーパーマリオオリガミキング』における黒さの象徴の一つ、とでも言うべきものが、今私たちの目の前に鎮座しているハサミ、ということになるのだった。

 

 

「……ヒャクメンハリボテメット……クッパJr……ファイナルアタック……」*11

「うわぁああやめろぉぉおぉトラウマがあぁぁあ」

「よ、よくわからないけど、キーアがあんなに怖がってるってことはヤバいやつなのだ……!」

「……俺、なにが起きたのかわかっちゃったってばよ……」

 

 

 ペーパーマリオシリーズとは、全てのモノが紙になった世界。

 ……つまり、切断系の攻撃には基本なす術がないのである。

 

 さて、そこを踏まえた上で、『はさみ』というものがどういうものなのか、ということを考えてみよう。……うん、バラバラフェスティバルだね!(精一杯婉曲した表現)*12

 

 ……いやさぁ、わりと真面目になに考えてるんです任○堂?

 あんなん下手すると本気でトラウマもんやんけ……やってることサイコパスやんけ……。

 いやまぁね?子供って残酷だよね、アリをプチプチ潰したり、トンボの羽根を引きちぎってみたり……、興味と好奇心からなんでもやってみせるから、大人が見てないと危なっかしくて仕方がない……ってところから、あのキャラクターになるのはわからんでもないのよ。

 子供は天使で悪魔ってのは、幼子に倫理の歯止めなんてない、ってのはわかるから、あのハサミの性格がああなるのは、ああと頷ける部分もあるのよ。*13

 ……でもこう、今までの『黒い任○堂』っぷりを思い出すと、半ばわざとだろうって気分にもなるわけでね?

 

 まぁ、愚痴めいた話はこれくらいにして。

 ともあれ、あのハサミがわりと猟奇的な部類だ、ってことはわかって貰えると思う。

 一応、あれは世界が紙で出来たモノだったからこその危険度だった、という風に考えてもいいわけだけど……。

 

 

「……【継ぎ接ぎ】」

「」

 

 

 思わず言葉を失くしているのが数名居るが、その通り。

 ここでは【継ぎ接ぎ】というものが存在している。これは、姿形・属性など、なにかしら重なる部分があるものに別の形質を加えるもの。

 ゆえに、あのハサミが単なるハサミである、という保証が一切ないのである。

 

 

「さっきの犬がうんたらのハサミ、ハサ次郎でもいいし、断裁して分離するクライムエッジでもいい。ともかく、斬鉄できるレベルのハサミが混じっていたら、その時点で相手の攻撃全部即死、ってことになるわけでね?」

「うわぁ」

 

 

 そう、人体を切断できるレベルの切れ味を持つハサミ、というのも創作界隈には多数存在している。*14

 今は数例挙げただけだが、探せばもっとエグい性能のハサミが見つかるかもしれない。……ハサミと言えど、刃物は刃物なのである。

 

 ゆえに、あれの見た目が『オリガミキング』のそれである以上、元となっている行動パターンはそれと同じと考える方が良く。

 更にそこになにが【継ぎ接ぎ】されているかわからない以上、迂闊な攻撃は死を招く、と覚悟しておいた方がよい、ということになるのであった。

 ……いやまぁ、ちょっと前にも言った通り、ここはなりきり郷なので死ぬことはないと思うが。

 

 

「でもこう、治すまで体がバラバラの状態にされる、とかあるかもしれないから、それはそれでスプラッタ感が高まってるような気も……?」

「やめてくれってばよ!マジ怖ぇんだけど!!」

「……やはり海と繋いで錆びさせるしか」

「塩漬けはやめて!?」*15

 

 

 なお、散々怖がらせたせいか、ゴブスレさんが迷わず最終手段を使おうとし始めたため、戦闘開始の前に彼の暴挙を止めるのに時間が掛かった、ということをここに記しておきます。

 

 

 

 

 

 

「滅茶苦茶ちょきんちょきんしてる……」

「今からお前を切るぞー、っていう意欲に溢れているねぇ、あははは(ヤケクソ)」

 

「ぎゃー!?地面切りやがったこいつ!?」

「くーずーれーるーってーばーよー!?」

「フィールド変化とは。やはりこちらも使っていいのでは?」

「ダメだって言ってるでしょー!?」

「ちっ」

 

「うおーっ、刃こぼれさせてや……あっ」

「キーアの腕が吹っ飛んだー!?」

「血が出てないだけで、大概スプラッタな光景だな……」

「負けるか!行け、ウデ()ンネル!」

「有線じゃなく無線式のジオングの腕かー」

「お労しやライネスちゃん……完全に目が死んでるゾ……」

 

()()の世界への引導(インド王)を渡してやる!」

「まさか四肢と首を切られても向かっていくとは……」

「キーアじゃないとできない手段だな……」

「ねぇー!?もしかしてこれを見て混乱してる俺がおかしいのかってばよー!?これどう考えてもダメなやつじゃねーの!!?」

「なるほどな。斬撃無効……こういう戦い方をするやつもいるということか」

「いつの間にキーア姉ちゃん、バラバラの実の能力者になったんだってばよ!?」

 

「ぬわーーーーっ!!!!」

「キーア姉ちゃんが粉微塵に!?」

「おお、それを使ってヒャクメンハリボテメットならぬ、キーアメンハリボテメットを作ってきたぞ」

「……シテ……コロシテ……」

「なんと非道な。これは彼女の弔い合戦をしなければー(棒)」

「……ライネス、なんで棒読みなんだってばよ?」

「よーく表面の彼女の言葉を聞いて見ればわかるよ」

「んん?」

「……シテヤル……コロシテヤルゾトコロテンノスケ……!!」

「……うん!大丈夫みたいだな!(ヤケクソ)」

 

 

 はい。……はいじゃないが?*16

 以上、ダイジェストでお送りしましたが、そもそも即死攻撃?なにそれ美味しいの?……な私が壁になればいいや、ということで相手の攻撃を全てカバーリングし、最終的に粉微塵になってメットに貼り付けられましたが、そこから相手を浸食して私になれば問題はありません。*17

 ……ってな感じに復活したため、明らかに動揺しているハサミに総攻撃を仕掛けて勝ちました。ぶい。

 

 ははは、何度攻撃されても最後に勝てばいいのよ最後に勝てば!……まぁ向こうからすると、こっちがエイリアンかなにかに見えたことだろうけども。

 喋らなかったのでどう考えてたのかはわからないが、途中から明らかに動きに精彩を欠いていたので、困惑しっぱなしだったのは確かだろうし。

 いやまぁ、切断っつっても所詮は分子とか原子単位、それより小さい私には大振りすぎる……みたいな理由があってこその圧勝だけども。……じゃなきゃ多分全滅判定出て外に放り出されてただろうしね。

 

 

「……その場合、俺達はバラバラだったり……?」

「流石に治されるって。今回の場合、バラバラにされてるのに動いてくるやつがいる、ってことを想定してなかったのが悪いんだし」

 

 

 なので、例えばバギーとかが挑んだら、意外と楽に勝てるかも知れない。

 いつまでも切れ味が最高のまま、なんてことはないだろうから、そのうち刃こぼれ起こすだろうし。

 

 ともあれ、勝ちは勝ち。

 私たちは戦利品であるハサミを掲げ、勝鬨をあげるのでした。

 

 

*1
更伊俊介氏の小説『犬とハサミは使いよう』より、ハサ次郎のこと。ヒロインの持つハサミだが、巨大包丁を切断するほどの切れ味を誇る

*2
『shocking』。衝撃的な、という意味の言葉。主に精神的な衝撃についてを対象とする

*3
2020年にnintendoswitchで発売されたソフトの一つ。『マリオストーリー』に端を発する『ペーパーマリオ』シリーズの一つであり、タイトル通り『折り紙』に纏わる話が展開されていく

*4
元々はスーパーファミコンで発売されていた『マリオRPG』の第二弾として製作されていたもの。色々あって別の作品となったが、当時では珍しい絵本のような世界観などが話題を呼んだ

*5
なお、『マリオストーリー』以外の『ペーパーマリオ』シリーズはまた雰囲気が違ったりする為、ファンの中でもわりと議論を呼ぶことがある

*6
『ブラックジョークを連発する任天堂』のこと。下ネタやグロネタなど、子供向けではないネタを出してくることがあるので、それを揶揄したもの

*7
『おじさんのきんのたま』は、換金アイテム『きんのたま』をくれるおじさんのこと。『Nのへや』は入っただけでプレイヤーの正気を削ってくる異様な部屋のこと。他にも初代の『シオンタウン』など、トラウマ系の話にも事欠かない

*8
前者は精神的ダメージを、後者は視覚的なダメージを加えてくる。前者に関してはネタバレなのでここでは伏せる

*9
コブロンは叩くと回復アイテムをくれるのだが、叩きすぎると死んでしまう。そもそも叩いていくうちに言動がおかしくなるので、途中で『これはヤバいのでは?』となる人も多い。それでも叩き続けると前述通りに死亡し、以後復活しない。作中のコブロンは彼一人しかいないので、プレイヤーが絶滅させた、ということになる……。ドガボンの方は、心臓を抜くことで本体が無敵になる、というなんとも恐ろしいやり方。……なのだが、あくまでも心臓が別れているからこそ無敵なのであり……

*10
前作がのほほんとした世界だっただけに、この環境の変化に驚いたという人も。一部のボスの回復については、このゲームは観客としてキノピオ達などがやってくること・観客側が干渉することもできる、などの事象を思えばなんとなく想像できるかもしれない

*11
クッパ軍団を切り刻んでオリガミメットに貼り付けたのが『ヒャクメンハリボテメット』。方向性としては『デビルマン』のジンメンなどと同じタイプ。クッパJrはマリオの前で切り刻まれ、戦闘になると(条件が満たされている必要はあるが)即死技を連発してくるという恐ろしい行動をしてくる。全部子供の無邪気さの延長線上でやってくる為、無駄に怖い

*12
『ONE PIECE』より、バギーの技の一つ。バラバラになって突撃する

*13
子供に罪はない、というのはそもそも罪を知らないから、という話。ダメなことも良いことも知らないのだから、彼らに好きにさせれば良いも悪いもなく色々やり始める

*14
現実にも、鉄などの金属板を切るハサミはあるので、その延長なのかもしれない

*15
あいてを『しおづけ』じょうたいにする。はがねとみずにはダメージがあがる

*16
ウデ()ンネル』は無論ファンネルから。ジオング共々『機動戦士ガンダム』シリーズの誘導兵器イメージで腕を飛ばしている。『かみの国への~』云々は『∀ガンダム』のギム・ギンガナムの台詞。腕も足も頭も胴体も飛ばしているので、似たようなことができる『Xガンダム』イメージの台詞。神と紙で掛詞でもある。『……シテ……コロシテ……』に関しては元ネタは不明だが、元は人だった存在が人以外の異形にされた時に述べる台詞、として有名。そのあとの『コロシテヤルゾトコロテンノスケ』に関しては、無論『ボボボーボボ・ボーボボ』におけるOVERの台詞

*17
相手を乗っ取って自分にする、とか明らかに敵役のやる攻撃である。……え?魔王だから問題ない?

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