なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……思わず驚いちゃったけど、つまりどういうことなんだってばよ?」
「私が『統一言語』を教えたことによって、それまでプログラムでしかなかった相手
「次いでに言いますと、それが成立した時点でボス不在ということになってしまい、結果としてボスが
「……えー」
衝撃の事実!……なんだけど、どうやらナルト君には話が難しかったらしく。
改めて、『この子は私の娘
……私自身も結構困惑しているんだから、そういう目で見るのはやめて欲しいところである。
「つまりー、貴方は私のママってこと?!なるほどー、じゃあ膝貸してママ~♪」
「いや貸さんよ?!」
「えー、ケチんぼ」
「せからしか!」*1
なお、ユグクェイドさんはご覧の通りの反応で、ふざけてこちらに甘えてくる始末である。……止めてください死んでしまいます、色んな意味で()
……いや、わりと真面目にマシュにどう説明しようか、これ。
バカ正直に『娘ができました』とか言った日には、恐らく『せ、せせせせんぱいが……経産婦に!?』*2とかなんとか、誤解を招くどころか誤解以外のなにものでもない発想をして、そのままぶっ倒れそうな気がするし。
そうでなくとも、余所からリソースぶっこ抜いてきました、みたいな説明だったとしても、余裕で卒倒する気がするし。
……もう隠し子ってことにして、琥珀さんのところに置いて貰うしかないのでは?(おめめぐるぐる)
「いや止めてくださいよ!私だってキャパシティ越えてますよこんなの!」
「なんでさ!確かにキャラクター的には
「だからですよ!忘れたんですか月姫ヒロインズの仲の悪さ!」
「新しいメルブラだと、みんなで遊んだりしてたじゃんか!」
「あれ志貴様がだーれも選んでない、かつヒロイン達も抜け駆けしてないとかいう奇跡的な環境での話じゃないですか!」*3
「……この二人、なに言ってるんだってばよ?」
「端的に言うと責任の押し付け合い。もしくは親権の押し付け合い?」*4
「やだもー、パパもママも私のために争わないで~♪」
……なお、この言い争いは最終的に、琥珀さんがまさかの禁じ手を使ってきたために、こちらの負けという形で幕を下ろすこととなるのだった。……おのれコハッキー、どこまでも卑怯な手を……!
え?子供達からの目線が冷たい?……私は悪くねぇ!()
「えー、というわけで、うちに新しい居候が増えることとなりましたー」
「せ、せんぱいのお顔が死人のような土気色に……?!い、いえ、それも気になりはするのですが、いきなり人数が増えすぎではありませんか!?」
「イベント完走してガチャと配布をゲットしたんだ、すまんね」
「いつの間にレムレムしていらっしゃったのですか!?」*5
はてさて、検査は終わったのでとっととお帰りください……とばかりに、琥珀さんに家を追い出された私たちは、仕方がなしに家へと戻ったわけなのですが。
夕食を作りながらこちらの帰りを待っていたマシュ達以下数名は、ここを出た時*6とそこから帰って来た面々*7、それによって生まれた人数差が、埋まるほどに人が増えている*8ということに、思わずビックリしたような顔をしていたのだった。
……これで我が家に住まう面々は、総計十七名となったわけだが。
いや多すぎるというか、このノリだとそのうち小さな学校の一クラス分、くらいの人数になりそうだというか。*9
まぁうん、マシュの『増えすぎ』という言葉も、宜なるかなという感じである。
「……でもだねマシュ、アライさんはまだしも、他二人に関してはうち以外に任せるわけにはいかない……ってゆかりんに言われちゃっててね……」
「!?なんでアライさんは別なのだ!?」
「そりゃ、お主はあくまでも単なるフレンズなのであろう?我とかそこの奴とかみたいに、なにか別のものが付随している、というわけでもあるまい?」
「な、なるほど……なのだ」
「……ふぅむ?」
「む、なんだ貴様。我になに用か?」
「……いや、キャラ被りしてる気がしたけど気のせいだった。許してちょんまげ」*10
「…………う、うむ?(なんだこやつ……?)」
でもだねマシュ、うちの人数がこんなにも膨れ上がったのは、ひとえになんか特別な事情を抱えた奴ばっかりが、ぱかぱか増えてるからなんだよ!
んでもって、それらを別々に監理するより、一つのところに纏めて監理する方が遥かに楽……ってゆかりんが横着してるからなんだよ!つまり諸悪の根源はゆかりん!責めるならゆかりんだ!
……後頭部にぺしぺし飛んでくる、消しゴムの欠片かなにかを適当に払いつつ、そう力説する私である。ゆかりん、アンタちょっとセコいよ!*11
無言と言い張るには強めの抗議に、後ろに目を付けて対処しつつ*12、(都合の悪いことを隠しながら)マシュの情に訴えるような話を展開する私なのであった。
なお、その横ではハクさんが一人称被りからか、パオちゃんに絡まれていたが──。
正直変な人度数はパオちゃんの方が遥かに高いため、最終的にはハクさんが微妙な顔をする羽目になったのだった。
「え、ええと。とりあえず、皆さんの歓迎会を行うため、不肖マシュ・キリエライト、全力で調理を遂行します!」
「じゃあ私もそっちを手伝おうっかなー♪マシュちゃん、宜しくね?」
「は、はい。ゆぐゆぐさん、宜しくお願いします」
……気が気ではない……っ。
新しく増えた面々のために、先程までの調理を更に追加することを決めたらしいマシュと。
そんな彼女ににこにこと近付いて、調理を手伝うよと声をあげるゆぐゆぐ。
……こちらとしては、ゆぐゆぐにはあまりマシュに近付いて欲しくないので、この状況は少々心臓に悪かったり。
なんでかって?マシュの勘の良さなら、ほんのわずかな残り香から、私とゆぐゆぐの繋がりに気付きかねないからだよ!
扱いとしては『単に言葉を教えただけ』という風にも言うことができる私とゆぐゆぐの関係だが、それをマシュが認識した時にどういう反応をするのか未知数すぎるのである。
単に『な、なるほど。せんぱいから言葉を教わって、自己を確立したのですね』くらいの反応をするのなら、こちらとしても問題はないのだが。
これがまかり間違って『と、ということは、もももしかしてせんぱいのお子さま、ということに!?……え、ええと。パ、パパですよー?』とか言い出した日には、私はここから去らねばならなくなるのである……!
「大袈裟。もしくは意気地無し?」
「うるせーやい、こちとらまだ子持ちになるには早いんだい……」
横合いから、アスナちゃんの呆れたような言葉が飛んでくるが……情けないと言うなかれ、既成事実めいたモノで外堀を埋められるのはノーセンキューなのである。
……っていうか、そうでなくとも真祖・ないしその似姿から母親扱いされる、という恐れ多く戦き多い話をされているのである、これ以上考えなきゃいけないことを増やされるのは、正直キャパオーバー以外のなにものでもないというか……。
「そ。大人は大変」
「そうだね……」
まぁ、こんな話をアスナちゃんにしても、どうにもならないのも確かなのだが。
……とりあえず、変なこと言い出さないように、ゆぐゆぐを見張って置くべきかもしれない。
そんなことを思いながら、私も台所へと向かうのだった。
次から幕間です。