なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……ここのアレさ加減には慣れたつもりだったが、どうやらまだまだだったみたいだな……」
「あら、慣れておきたいと仰るのでしたら、こちらに専用のデスクを
「はっはっはっ、謹んで辞退しよう。胃腸もないのに胃痛になるのは御免だからな」*2
はてさて、去年の映像を一通り確認したモモンガさんは、呆れているというよりかは疲れ果てているような感じで、こちらを眺めているわけなのだが。
それでもゆかりんからのお誘いに対し、紳士的に三行半を叩き付けることくらいはできるようだった。……紳士的な三行半とは一体?
ともあれ、ようやく話は元に戻ったわけで。
この手紙を出したのが誰なのか、ということがわからないのはもう仕方ないので、これからの対応について議論を交わさねばならない、ということになる。
「……再演ってのが、どういう意味なのかにもよるよね」
「単純に同じ事をしようとしているのか、はたまた似たようなモノを集めて似たようなことをしようとしている、ということなのか……か」
「前者ならさっきの二人、後者ならまったく別の誰かが犯人かも、ってことになるのかな?」
件の手紙に書いてあったのは、『再演』という言葉。
これが文字通りに再び演じようとしているのだとすれば、犯人は先に挙げたあの二人以外、という可能性も普通に出てきてしまう。
その場合は六章みたいな厄災達を集めてくる、なんてパターンだとしても再演に該当してしまうわけだし。
……いやまぁ、その場合だと唐突に妖精騎士が三人増えたり、小さな虫が一匹増えたりと、なりきり郷がしっちゃかめっちゃかになることもまた確定してしまうわけなのだが。*3
とはいえ、事件の香りを漂わせているのは、あくまでもこの予告状ただ一つ。
これだけではなんにもわからないというか、暗中模索*4にもほどがあるので、対策を練るにしてもあまり仔細は詰められないというか。
「なのでとりあえず、高度の柔軟性を維持しつつ臨機応変に対応する*5、ってことで……」
「それ要するに行き当たりばったりってことよね?っていうか去年も似たようなことを言ってなかった??」
「……君は気付いてはいけないことに気付いてしまった、タイムパラドックスだ!」*6
「いやごまかされないわよ!?」
なお、ゆかりんには散々ツッコまれることになるのだった。
いや、仕方ないじゃんこれに関しては!
「なるほど、去年の再演……ですか」
「そうそう。なんで去年うちに居た人達は要注意、居なかった人も厳重注意で宜しくってさ」
実のない会議を終えた私は、家に帰ってみんなに情報共有をしていたわけなのだけれど……反応はまちまち。
なにせ去年のクリスマスを体験しているのは、うちにいる面々の中だと総数の半分にすら満たないどころか、下手すると五分の一程度。*7
……そりゃまぁ、危機感の共有に至らないのも仕方ないというか。いやまぁ、CP君とカブト君を加算するのなら、一応三分の一の純情な感情くらいにはなるんだけどね?*8
「……何故唐突に有名曲のタイトルを……?」
「おおっと、失敬失敬。三分の一って言うと思わず言いたくなっちゃって」
「なる……ほど?」
なお、お昼時ということもあって、こちらの話を聞いているうちの半数はうどんに舌鼓を打ったりしている。
その筆頭であるアルトリアはというと、メンバーの中では唯一(私とマシュは除外)まともにクリスマスに関わった人物であり、尚且つお祭り騒ぎの終了の合図をした人物であるということも手伝ってか、うどんを啜りながらも終始真面目な表情を崩していなかったのであった。
「……姉ちゃん、真面目に話をするか飯を食いきるか、どっちかにした方がいいと思うってばよ……」
「む、すみませんナルト。ついあの日のあれこれに思いを馳せてしまいました」
まぁ、すぐにナルト君にツッコまれて、とりあえずうどんを食べきることに専念し始めたわけなのだが。
数分後、お出汁までしっかり味わい尽くした彼女はと言うと、手を合わせて挨拶をしたのち、何事もなかったかのように話を元に戻すのだった。
「となると、私がオルタ化する危険性についても気にしておく必要がありますね」
「あーなるほど、私が敵方だったから、今年は味方側でカリバーぶっぱする可能性がある、ってこと?」
「それもありますが、クリスマスと言えば黒い
「……そういえば」
そこで話題にあがったのが、彼女が黒くなる可能性。
……FGOにおける初代サンタクロースと言えば、実は黒いアルトリア。*9
なので、彼女が
ついでに言うと、去年は私が黒化カリバーぶっぱしていた、というのも再演的には考慮に入ってくる可能性がある、とも言えるような?
そうなってくると、次に危ないのはエー君ということになるのだろうか?
「んー?ぼくかい?」
「エー君ってば∀ガンダムだからね。世界を悠々滅ぼせる出力あるし、ケルヌンノス扱いされてもおかしくないというか」
特に、去年のそれが
……いやまぁ、今ではすっかりケルヌンノスそのものもゆるキャラ、みたいなものだが。
ともあれ、彼がそういうものに左右されるのは本気で地球の危機なので、万に一つもないように細心の注意を払わなければなるまい。……いやだよ私、『System-∀99』と化したエー君と戦わさせられるの。
「んー、ぼくもそういうのはいやだなぁ」
「だよねぇ。だから、クリスマスの日には家で大人しくサンタさんを待っててね?」
「うん、わかったー」
なので、釘を刺す……というのはちょっと違うが、エー君にクリスマスの日には外には出てはいけないよ、と約束をしておく私である。
……あとで家に結界貼っとこう。黒幕がキリアだったら無駄だけど、やらないよりはマシだし。
それから、ナルト君に関しても要注意対象、ということになるのであれこれと言っておく必要があるというか。
「えー!?なんで俺まで?!」
「そりゃもちろん、君が狐関連のキャラクターだからだよ。去年の獣の厄災枠、そこのハクさんだったってことは聞いてるでしょ?」
「む」
「うむ。我はそういうのめんどいから実は投げ出したかった質じゃが、お主が投げ出せるかどうかはまた別問題じゃからのぅ」
それは、彼が獣に関係があって、尚且つ原作的に暴走の可能性を秘めている……というところに理由がある。
彼はハクさんと同じく狐系に区分される存在であるため、去年からの影響をダイレクトに受けやすい可能性が高いのだ。
なので、彼に関してもクリスマス当日は家に居て貰う、というのが基本方針になる。……折角のクリスマスに外に出られない、というのはちょっと可哀想だが……まぁ、代わりにラットハウスでお土産貰ってくるから、それで勘弁してというか?
「あー、そうだってばよ……ケーキぃ……」
「はいはい、ちゃんと貰ってくるから。それに二次会はこっちでやる予定だから、その時にプレゼント交換会とかもやるから、ね?」
「ぬぅー、仕方ねぇってばよ……」
「ん、いい子いい子」
こちらの懇願に、渋々ながら頷くナルト君の頭を優しく撫でつつ、他に注意しておくべき人は居ないだろうか、と首を捻る私。
一度破れたビーストは基本再起しないので、かようちゃんと一緒にいる猫と蚕とかイッスン君とかは警戒しなくてもいいだろうし。
クリスがなにか大それたことを起こすとは思わないので、彼女も特に警戒する必要はないだろう。
辛うじてCP君が危ないと言えば危ないが、彼のそれは人を不幸にすることを目的としたモノではないので、元ネタの奴らに比べれば危険度は遥かに下である。カブト君に関しては言わずもがな。
「……そう考えると、あと危なそうなのは新人二人、ってことになるのかな?」
「そうなのだ?」
「あー、吾は災厄ポケモンだからな。とはいえ、
「私も私もー。キーアの迷惑になるようなことはしないわよ?」
「だといいんだけどねぇ」
一応、本人達にそのつもりはないので、警戒必要度は低い、ということになるのだが……。
それがどこまで参考になるものやら。……どこかでほくそ笑んでいるかもしれない