なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「おっと、雪が振りだしたね」
「おー、ホワイトクリスマスだぁー♪」
無邪気に空から降ってくる白い雪を追い掛けるココアちゃんと、それを眺めて幸せそうにしているはるかさん。
それを見ながら、私は途中で買った缶コーヒーをちびちびと飲んでいるわけで。
時刻は先程から更に進み、ラットハウスはいつもより早めの閉店となっていた。
無論、貸し切りでクリスマスパーティー(一次会)をするためであり、現在私たちは別所に頼んでおいたクリスマスケーキを取りに、街の中を歩いている最中である。
夜空には、先程と変わらず元気にプレゼントを配り回るサンタ達の姿が散見されるが……まぁ、特筆すべきことではあるまい。
なんかリオレウスっぽい謎の白い龍が、モモンガさんと空中バトルしてる気がするけど気にしない。……
まぁともかく、空の喧騒に比べれば地上の騒ぎなど静寂のようなもの。降ってくる雪と合わせ、随分とまぁ平和な日だなぁとしみじみ頷いてしまう感じなのである。
……だから、なんか厄災モチーフの奴らが飛んでる気がする、とか聞かされても困るんですわ今の私はオフじゃい!
「……まぁ、今回は八雲さんがどうにかする、と仰っていましたしねぇ」
「モモンガさんとかも居るからどうにかなる、って言ったのはゆかりんだしねぇ」
それもそのはず、私が今回その辺りスルーしているのは、パオちゃんがどうにも『獣の厄災』相当だった、という報告が琥珀さんから既にもたらされていたから、というところが大きい。
なんなら、ユグクェイドなんて『呪いの厄災』相当である。
「二人とも、全然そんな風には見えないんだけどねぇ」
「まぁ、本来それらの厄災っぽいモノになるはずが、彼女達に横からリソースを掠め取られた……って扱いになってるってところが大きいみたいだし」
首を傾げるココアちゃんに同調しながら、うんうんと頷く私。
そう、あのダンジョン攻略、思いの外しっかりと自体解決に貢献していたらしく、彼女達とは別に発生するはずだった厄災達は、結局あのリオレウス擬き以外は吹けば飛ぶような雑魚にしかならなかったのである。*2
なので、結果として倒すなりなんなりする必要があるのは、あの飛竜だけとなっていたのだった。
……で、ゆかりんがその報告を受けて『あんな雑魚の厄災だったら私でも倒せるわ』*3とかなんとか宣って、こちらに参戦禁止のお触れを改めて寄越してきたのである。
いやまぁ、元から参戦する気はなかったので、その辺りは別にどうでもいいのだが。……結局マーリンもキリアも影も形もないから、私が出張ると被害を大きくすることしかできなかっただろうし。
ついでに言うと、空を飛んでいるリオレウス擬きがばら蒔くビームとか光の粒子とかは、地表に着く前にゆかりんが作った『災害とプレゼントの境界』を通ることで、寧ろサンタ達の仕事を手伝うことにしかなってない。
その辺り、八雲紫という存在の汎用性の凄さを思い知る結果となったというか、なんというか。
まぁ、その分本人への負担が結構強い、みたいな話も聞いたのだけれど。……少なくとも、相手がゼルレウス……って言っちゃった。*4
……あーうん、
ともあれ、空を気にしても得られるのは、大怪獣映画特有の大スペクタクルくらいのもの。
ならば普通に生活するくらいでよい、となるのは普通のことなのである。多分。
「まぁ、端から見てもヤバそうだったら、手伝おうか……くらいは言うかもしれないけど」
「こうして見ている分には、その心配は欠片も要らない……という空気ですしね」
サンタパワーとモモンガさんの相性が良くないのでは?……みたいな懸念も、どうやらブラックサンタの話を採用しているのか、それほど問題も無さそうだし。*5
……そんなことを喋りながら、私たちは空の喧騒を背にケーキ屋へと向かうのであった。
それからのことはまぁ、そう多く語る必要はないだろう。
ケーキを取りに行って、店から出た時にはゼルレウスが人型ロボみたいになっていたけど、代わりにモモンガさん側はマッキーが(半ばヤケクソ気味に)「私の元に集え」とでも言ったらしく、逆に彼女の搭乗機体になって宇宙猫顔を晒していたので、私たちは心置きなくそれをスルーすることができたし。*6
戻ってきたらどうやらビンゴ大会の最中で、巨大ぬんのすならぬ巨大ビワぬいぐるみ(無論たぬき仕様)が当たったらしいマシュが、困惑と嬉しさの入り交じった表情でこちらを見てきたので、思わずおめでとうと言ってしまったりしたし。
予約しておいたケーキが思いの外大きくて、みんなで食べるにしても食べきれる気がしなかったので、仕方なく糖分の悪魔こと銀ちゃんを召喚する羽目になったり。*7
そのまま二次会だ、とばかりに我が家に雪崩れ込んで、子供達と一緒に夜も更けるまでずっと大騒ぎになったり。
「ごめんキーアちゃん手伝って!まさかまさかの霊帝襲来よー!!?」
「なんで!?」*8
マッキーがバエルっぽいカラーのロボを手に入れたことが切っ掛けとなったのか、何故か出現した霊帝さんが召喚したガンダムバルバトス相手に『もっと寄越せよバルバトス』とばかりに採集決戦仕掛ける羽目になったものの、いつもの喧騒に比べればこんなの誤差の範囲である。多分。*9
「嘘ですどう考えても去年よりわや!!」
「わやって」
「なんとも言語センスの無さを感じる感想ね」
「喧しい!子供達ばかりに任せるな我々もイクゾー!」<カーン!
そんなこんなで、二次会から参加した侑子とかの面子を引き連れて、先行した子供達に引き続き、聖夜にGONGを鳴り響かせるため突貫することになる私たちなのでありましたとさ。
……あ、霊帝に関してはあくまでホログラム的ななにかで、本当に出てきたわけではないのであしからず。
「……よもやロボに乗らされるとは思いませんでしたわ……」
「ごめんねマッキー、まさかこうしてマッキー呼びしてることがフラグになるとは……」
「……いえ、そのつもりが無かったのは本当のことでしょうけど、今わざわざそうして呼び方を改めないのは明らかにわざとですわね?このこの!!」
「
「……そこまでされても止めないのだな……」
日を跨いだこともあり、サンタもそれに対抗する者達も、もろともに影響力を失った現在。
一日サンタとして駆け回った互助会の面々を誘い、三次会を行う運びとなったわけなのだけれど……やはり今回一番大変だったのは、さっきの採集決戦でも飛び回る羽目になっていたこの二人、モモンガさんとメジロマックイーンだろう。
なのでまぁ、労う意味も込めて話し掛けに行ったのだけれど……相手から返ってきたのは、ご覧の通りのあつーい()仕返しなのであった。
……いやまぁ、メジロマックイーンにマクギリス成分が少しでも付着することになった理由は、まず間違いなく私の呼び方によるものだけれど。
正直なところビワが存在するこのなりきり郷においては、あのカラーリングの敵が出てきた時点で私の関与なんて些細なものでしかなかったと思うよ、というか。……なので私は改めない。お前は変わらずマッキーだ!(懲りない)
「ううむ、言われてみれば確かに……たぬきの影響が強いここでは、彼らの多くのように色んなネタをやらされる、というのは頻発しかねないモノだということか……」
「ちょっとトレーナーさん!?」
「なんというか、わりと純粋なウマ娘自体が少ないってのもあると思うんだよね。タマモはご存じの通りアレだし、オグリもまともに見えて色々詰め込まれてる感じだし」
「ゆえにたぬき分が分散されず、メジロにばかり殺到したと。……こうなると、たぬき繋がりでエアリアルが来なかっただけマシ、というやつなのかもしれんな。何気にあれも『白地に青』というカラーリングになることがあるし」
なお、こうしてぐだぐだ言ってるうちに、他の人達も集まってきて色々うやむやになったのは言うまでもない。