なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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幕間・星は翳ることなく

「……話を聞く限り、その『あのお方』ってのは随分と凄いやつみたいだの?」

「まぁ、普通に神様みたいなものだからねぇ」

 

 

 不思議そうに聞いてくるパオちゃんに、深々と頷きを返す私。

 そういえばパオちゃんは、ここに居る面々の中では新参に当たるため、その辺りの話を聞いたことがないのだったか。

 

 同じ理由でアライさん辺りも不思議そうにしててもおかしくないのだが、彼女の場合は途中から話がわからなくなったのか頭から黒煙を上げているし、ゆぐゆぐに至っては大して気にもせず、お餅が伸びる姿にきゃっきゃと喜んでいる始末。

 ……うーん、そこはかとなくぐだぐだである。

 

 

「……まぁ、いっか。明日の苦労は明日の私が受けるってことで」

「でた、せんぱいのケセラ・セラです!」

「そうやって後回しにするから、後々酷い目に合うんじゃないのー?」

「ええぃ、せからかしか貴様ら!私はもうキャパオーバーなんだよ、もうこの後は寝正月にしたいのー!!」

「そうは問屋が卸さないわキーアちゃん!聞けば貴女、いつの間にか一児の親になったとかなんとか!」

「言い方ァ!!」

「あ、ということは貴女が私のおばあちゃん、ってことになるのね?これからよろしくね~♪」

「まぁこれはご丁寧に……挨拶もできるいい子みたいだから、おばあちゃんがお年玉をあげましょうねー」

「わーい♪」

「いやちょっと待った、なにをあげるつもりだアンタ?!」

「ん?なにって……お年玉(おほしさま)よ?」

「気のせいじゃなければなんか変なルビになってるよねそれ!?」

「あ、月はやめてねおばあちゃん。私、別に真祖のお姫様そのものではないし、経歴参照元(グラブル)的に月って聞くとなんだかいやーな気分になってくるからっ」*1

「んー?じゃあそうねぇ。火星とかにしておきましょうか?入植先としては結構いい感じよ?まぁ、フラグ立てミスるとGが湧いたりするけど」*2

「勝手に話を進めるのやめなさいよ!?」

 

 

 なお、ご覧の通りこのぐだぐだは後々にまで波及することとなるのでした。

 ……いや、今の火星には既に住んでる人が居るからね?!あそこルイズ達の世界と合わせ鏡になってるみたいだし!!*3

 

 

 

 

 

 

「……え?その流れで今年の初詣は火星旅行にしよう、ってことになった?なんで???」

「いや、場のなり行きというか……」

 

 

 表面上は今まで通り単なる火星に見えるのに、中身は大分空想からの浸食が進んでいる……という部分に、新人達がわりと興味を示したせいというか。

 あとはまぁ、久しぶりにアカリちゃんとかアリシアの様子を見たくなったというか……。

 まぁそんなわけで、凄まじく突拍子もない火星旅行が決定した、というわけなのでありました。

 

 ……で、現状地球~ハルケギニア(火星)間の移動方法は、私の部屋の衣装箪笥の奥にある世界扉によるそれしか存在しないので、全員でぞろぞろと突入して向こう側の接続先であるビジューちゃんの部屋の衣装箪笥から飛び出し──そこで、主の居ない部屋を掃除していたルイズと鉢合わせた、というわけなのである。

 

 無論、なんにも知らされていなかったルイズは、突然現れた私たちの姿に驚いて腰を抜かし、そのまま叫び声をあげそうになったので、慌てて私がその口を塞いで──自室を掃除していたキュルケがその物音を察知して部屋の外までやってきてしまったため、なんとかごまかすために私がビジューちゃんの姿を久しぶりに取ることになった……というのが、ここまでの一連の流れである。

 うーん、短時間にあれこれ起きすぎじゃないかな?(白目)

 

 無論、いきなり帰って来た(本来ならまだ王都に居るはず)ビジューちゃんの声がしたことに、キュルケが訝しむような声をあげていたが……そもそもこのごまかし自体が、他の面々が隠れるまで時間を稼ぐためのその場しのぎでしかないので、焦れて彼女が突入してくるのもある意味想定内だったりするのであった。

 

 そのあとは、突入してみたところ本当にいた知り合いにキュルケが目を丸くし、つられてやって来たタバサが「ウケる」と何故か真顔で発言して周囲を驚かせ──。

 まぁ、そんな感じでこちらでの日常を垣間見せたのち、キュルケが「まぁ、久しぶりの休みなんでしょ?だったら私達はお暇させて貰うわね。ごゆっくりー」と気を利かせて出ていってくれた、というのがさっきの話。

 

 ……あの分だと、私がビジューだけどビジューじゃない、ってことには気付いているんだろうなーと苦笑いをしつつ、一時退避していた他の面々にもう大丈夫だと合図を送ったのであった。

 

 で、改めて他の面々も顔を合わせ、挨拶をすることとなったのだけれど……。

 

 

「……うーん、そっちのサブカルについては、こっちに流れ着いてくるものが少ないからよくわかんないけど……ポケモンっていつからそんな『使えるものならなんでも使う』みたいな感じになったの?」

「え、わりと最初からでは?」

「え?」

「え?」

 

 

 彼女が一番に気にしたのは、フレンズポケモンのパオちゃん。

 ……いやまぁ、彼女ってば色々混じってる【複合憑依】なので、正直単なるポケモンとしては参考にならないどころの話ではないのだけれど……なんでも使う云々の話に関しては、そもそも初代の時点でいでんしポケモン(ミュウツー)とかがいる辺りわりと大概じゃないかなー、とかなんとか思ってしまったり。

 

 そんな、なんか変なジェネレーションギャップ的なものを感じつつ、一通りの自己紹介を終えた私たちは、次になんでこの世界にやって来たのか、という理由を聞かれて──冒頭の話に繋がる、というわけである。

 まぁ、正月なので変わったことがしたかった、とかじゃないかな、多分。

 

 

「へー、なるほどなるほど……貴女もまた、随分と数奇な運命を背負っているのね」

「ちょ、ちょっとキーア、なにこの機械?ラジコンヘリ?バグ?」

「後者に関してはハルケギニア滅ぼす気かってならない?」

 

 

 人間だけを○す機械としては、わりと大概だよねあれ?*4

 ……みたいな話は置いとくとして。今回はいつものうちの面々だけではなく、同行者として侑子も付いてきていたりする。無論先日のドローンで。

 

 で、早速彼女は第一村人ならぬ第一魔法使いのルイズの周囲をびゅんびゅん飛び回り、その姿を観察していたわけなのだけれど……ここでもまぁ、微妙なジェネレーションギャップを感じることとなったと言うか。

 ……いや、バグも大概だけどラジコンヘリて。昭和のおっさんじゃないんだから、もっとこう……なんかあるやろ?

 

 ……ともかく、今回侑子が付いてきているのは、単にこっちのお酒とかが気になったから、ということが大きいらしい。

 無論、一つ次元を挟んだ位置にあるハルケギニアにおいて、ドローンがキチンと動くのか?……というデータ取りを琥珀さんに頼まれた、という部分もなくはないのだが。

 まぁ、本人が乗り気だった、というのが一番大きいのもたしかなのだけれど。

 

 ともあれ、わりと大人数でお邪魔することになったので、ルイズには悪いのだけれどちょっとごまかすのを手伝ってほしいというか……。

 

 

「いやそもそも、なんでごまかす必要性があるのよ?」

「いやー、ビジューちゃんに見付かったらあれこれ言われそう、というか……暫く放置してた形になるし」

「……そりゃまぁ、そうね。こっちとそっちでは時間経過にズレがあるみたいだけど、それでも放置されてた時間が短い、なんてことも無いわけだし」

 

 

 無論、ルイズからは『なんで?』と問い詰められることとなったわけだけど……そりゃもう、こっちはこっちで大変だったけど、そっちもそっちで大変だっただろうから、と言うしかないというか。

 ……まぁうん、ビジューちゃん一人でもなんとかなるように、色々仕込んではあるのだけれど、それでもまぁ一人に掛かる負担が大きすぎる、というのも確かな話なわけで。

 

 ただ、こうして私が新しい【星の欠片】として認められてしまった以上、下手にビジューちゃんに指導とかすると彼女まで【星の欠片】になってしまいそう、みたいな危険性もなくはないというか。

 ……流石にそれはちょっと洒落にならないので、できればあんまり関わりたくない気分が強いのである。

 

 無論、それはいわゆる杞憂であって、彼女に師事をしてもなんの問題もない、という可能性の方が高いとは思うのだけれど……万が一・いやさ億が一にでも起きる可能性があるのなら、回避したいと意識してしまうのは無限使いの悲しき性、とでも言うか。

 

 ……実際、ビジューちゃんの【虚無】の使い方って、本来のゼロ使的なそれではなく、私たち【星の欠片】のそれに近いから、これ以上経験積ませるのはよくないなー、となるというか。

 まぁ、その辺りの見極めのためのキリアの同行、という面もあったりするのだが。

 

 

「うーむ、そうなると彼女の扱いってどうすればいいのかしら?キーアちゃんの義理の双子、とか?」

「わけわからんパワーワードを作り出すの止めない?」

 

 

 双子はどう足掻いても義理にはならんやろ、という無体なツッコミをしつつ、ちょっと早まったかなーなんて気持ちを隠しきれない私だけど、多分元気です()

 

 

*1
『グランブルーファンタジー』における勢力の一つ、月の民のこと。作中においては空の民より遥かに高度な技術力を持つ星の民達よりも、更に高度な技術力を持っているとされる。地の底にあるとされる幽世(かくりよ)、そこに住まうもの達とは敵対関係らしいが、過去改変による現実の変化を行える技術を持つ彼等と敵対している辺り、技術力としてはかなり隔絶しているようだ

*2
第二の地球になりうる星として、様々な作品でテラフォーミングを受けている火星のことをネタにした発言。実際に住めるようになるかは不明

*3
『ARIA』と混ざっているせいで、概念の紐付けが行われているとかなんとか

*4
『機動戦士ガンダムF91』における殺戮機械のこと。見た目は周囲に刃の付いた円盤、みたいな形をしているが、親機であるバグから小型のバグを放出し、地上に住まう人間を無差別に『処理』していくことができる。数が多すぎる為、まともに相手するのは困難であり、最悪子バグに侵入されると自爆までされることも。人の吐く二酸化炭素や体温を察知しているので、生身ではまず逃げ切れない

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