なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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足で稼ぐにしても限度がある

「んー、結局地道に原因究明するしかない、ってことかぁ」

「捜査に近道はない、ということじゃのぅ。まぁ、戦力的には潤っておるわけじゃし、ここは一つ人海戦術で探すのがよいのではないか?」

「人海戦術、ねぇ?」

 

 

 楽して真相にひとっ飛び、とはいかないことが判明したわけだけど、そうなるとミラちゃんの言う通り真面目に歩いて探す、ということが一番になってしまうわけで。

 ……いや、私ら探偵かよ、と思わず愚痴も溢れようものという感じの私である。

 いやまぁ確かに、ミラちゃんの言う通りなんだけどね?

 それでもまぁ、これから面倒事が待ち受けていること確定なのだから、ある程度楽くらいしたかったという気持ちが湧いてくるのも仕方がないというか。

 

 

「まぁ、そこを愚痴っても仕方ねぇだろ。……んで?人海戦術っつっても、なにをどう探すつもりなんだ?」

「ううむ、そうじゃのぅ……一つ聞くがキーア?」

「んー、なぁにミラちゃん?」

「お主らは、この列車……もとい元となった列車(エメ)に乗った時、どういうことを目的とし、どういう動きをしておったのかのぅ?」

 

 

 そんなテンションさげさげ状態の私に対し、主人公の一人としてリーダーシップのあるハセヲ君が声をあげる。

 

 いやまぁ、ここにいるのは一部を除いて主人公ばかり・つまり主人公大集合空間なので、別に彼だけがリーダー適性があるってわけではないのだけれど。

 ……キリトちゃんはそこまで仕切りたがりってわけでもないし、クモコさんについては言わずもがな。

 ミラちゃんやアグモンも似たようなものなので、そう考えてみると確かに彼が一番の適役のような気がしてくる私なのだった。

 

 で、その発言を受けて声をあげたのがミラちゃん。

 彼女はハセヲ君の言葉を聞いたのち、そのまま私の方に疑問を投げ掛けてくる。

 ……ふむ、あの時どういう動きをしていたのか、ねぇ?

 

 

「ええと、元々あの列車に乗った理由は、銀ちゃんがニブニブの実の能力者の全身ニブニブ人間だったからなんだけど……」*1

「なるほど、ニブニブ」*2

「ニブニブねぇ……」

「……え、なんでみんなして俺の方を見てくるんだ?」

「自分の胸に聞いてみたらどうかな、キリトちゃん」

 

 

 そもそもの発端は、バレンタイン間際に銀ちゃんが自身の周りにいた乙女達の純情を弄んでいたから、ということになるわけだけど。

 そのことを思えば、今回もそれに近い話を発端にして、どう動くのかを考えた方がいいのかなー、などと思う私なのであった。

 

 ……いやまぁ、更に理由を深掘りしていくと、私がチョコを作るか否かみたいなところにまで行き着いてしまうんだけども。

 そっちに関しては前回とは違って作るつもり、という風に結論を出している時点で既に終わった話なので、起点にするのならその次・誰か鈍いことをしている人に焦点を当てるというのが良いのでは?……ということになってくるわけなのである。

 

 で、そういうのに該当しそうでかつ、私以外の誰かを起点にするとなると……端目から見ると、男性二人(ブルーノちゃんにハセヲ君)女性一人(アスナさん)を侍らせてるハーレム野郎・もといハーレム女になっているキリトちゃんが、一番当てはまってるんじゃないかなー?……とみんなの視線が集中してしまった次第なのでありましたとさ。

 

 ……いやまぁ、彼女がそういう人じゃないってのは、みんな知ってるわけだけどさ?

 なんにも知らない周囲の人達が見た時にどう思われるか?……ということを突き詰めると、現状一番銀ちゃんのポジションに近いのはキリトちゃん、ってことになるというか。

 

 

「……酷い風評被害では?」

「そりゃまぁそうだけど。……まぁ、あくまでも騒動の着火材として使うため、ってことで……ね?」

「……はぁ、わかったよ。俺達がよろず屋メンバー相当の人員ってことだな?」

「いやー、キリトちゃんは話が早くて助かる!」

 

 

 そんなやり取りののち、キリトちゃん達ご一行様が銀ちゃん達よろず屋ポジションに当てはめられる、ということが決まったのだった。

 ……いやまぁ、決まったと言っても別になにか目に見える変化があるわけじゃあなくて、そういう前提として動こうね……みたいなある種のお約束的な意味でしかないわけだけど。

 でもこう、そういう意識をちょっとでも持っておけば、これから起こるだろうことに影響を与える十分な切っ掛けになる、ってのも確かな話でね?

 

 ともあれ、話を戻して。

 私があの時エメに乗ったのは、そもそも銀ちゃん達よろず屋メンバーに、なにかしらの進展をもたらそうと思ってのこと。

 それが明確に変化したのは、そこで出会った別のメンバー達の持ちあわせていた属性によるもの、ということになるわけで……。

 

 

「その次、と言うと……」

「そこからはミラちゃんも知ってるだろうけど……コナン君っていう、こういう環境に放り込むには特大過ぎる爆弾が居た、ってのがポイントだね」

「あー……」

 

 

 で、その原因と言うのが、コナン君以下数名の所属するなりきり郷探偵団……ということになるわけである。

 追い討ちで金田さんも居たけど、彼は正確には別の問題なのでここでは割愛。

 

 件の探偵団のメンバーは、コナン君に蘭さん・それからライネスにバソに鬼太郎君にしんちゃん……という個性的な面々。雑に纏めてしまうと、こういう特殊な列車に乗せたらなにかが起こりそうなメンバー、ということになるだろうか?

 

 特にコナン君と、それから鬼太郎君としんちゃんの三人は、それぞれが主人公であること・それが子供向け作品であることから、わりと頻繁に劇場版のような特殊なストーリーが存在する……ということで、豪華特急なんて特殊な背景とは混ぜるな危険、みたいな感想が浮かんでくるタイプの存在。

 ……そりゃまぁ、私もバレンタインがどうのこうの、なんて気分が吹っ飛んでしまうのも然もありなんというか?

 

 

「その辺り、今いるメンバーで当てはまりそうなのは……」

「アグモンそのものがどうこうってことはないけど、デジモンと列車って組み合わせだと普通に該当する映画があるな」

「あー、デジモンテイマーズか……」*3

「その程度の繋がりでいいのなら、デュエリストなんてまさにってやつじゃないか?丁度列車テーマなんてモノもあるし」*4

「んー、よろず屋メンバーと探偵団メンバーが被るのはどうなんだろうね?」

「あっ、そういえばそうか」

 

 

 で、彼らに当てはまる人間が誰なのか、という話になってくるのだけど。……子供向け作品の主人公、という面ではアグモン君が当てはまって来たり、はたまた列車が関係しそうという話から、そういうカテゴリのある遊戯王OCG・更にそれに関連する人物ということで、ブルーノちゃんもといアンチノミーさんが候補に上がったりしたのだけれど……。

 アンチノミーさんはキリトちゃんがよろず屋メンバーに当てはまる、となれば該当メンバーの一人になることが目に見えていたため、役割被りになりそうなのがどうなんだろう?……みたいな話に。

 いやまぁ、現状は人数が足りてないってのも確かなので、要素を被せるのも悪くはなさそうな気もするんだけど……。

 

 

「んー、厳密に再現する必要があるかもわからない、って感じかなー」

「まぁ、起こるかも知れぬことを()()()()()()()()に変えてしまう危険性もあるしのぅ」

 

 

 そもそもの話として、私たちは別に騒動が起こしたいわけではない。なにも起こらないのであれば、それはそれで別に良いのである。

 じゃあなんで状況を整えようとしているのかといえば、そうしないと閉め出される可能性もあるから、というところが大きい。

 

 もし仮に、この列車の運行目的がお題目通り──言うなれば単なる鎮魂のためであったのならば、私たちのやっていることは完全に余分なことである。

 ともすれば、この電脳世界に悪戯に魔列車などを呼び込むこととなりかねず、更にはそこから夏油君に変な迷惑が飛んでいく……なんて可能性もなくはない。

 再現なのだから、かつての人員の中で代えの利かない部分はそのまま呼び出される……なんてこともありえなくはないだろう。

 

 だがもし、これが誰かがあの時の事件を再演しようとしているのであれば。……前提条件となる『当時のメンバーに相当する人員』が揃ってない場合、まとめて蚊帳の外にされる可能性があるのである。

 なにせ再現である。……()()()()()()()()()()()()という疑問はあれど、その術式がまともに機能している限り、関係ない人間が閉め出される可能性は少なくない。

 

 その辺りの危険性を思えば、最低限属性くらいは揃えて閉め出されないように備える、というのは当たり前の対策ということになってくるのだった。

 

 言うなれば、主体がどちらにあるのかという問題。

 こちらが再現しすぎるのが悪いのか、はたまた相手が再現させる気がないのが悪いのか。……どちらがより悪いのかは、現状見渡すことはできない。

 ゆえに、私たちは最低限の備えをするしかない、ということになるのである。多くを求めれば船は沈み、反対にあまりにも持ち運ばなければ国は飢えるのだから。

 

 ……まぁ、小難しいことを抜きにすれば、人数くらいは合わせたかったというのが本音になるだろうか?

 

 

「まぁ、一番いいのは変に再現し過ぎず、最低限数合わせしておくことじゃろうしのぅ」

「とりあえず列車から下ろされなければ、あとから幾らでも帳尻合わせはできるからね」

 

 

 なにせコナン君も言っていた通り、列車とは動く密室。……密室であるならば、それはその中にいなければ内部の情報を明確に把握できない、と言っているも同じ。

 雑にシュレディンガれるということなので、可能ならば密室内に待機しておきたいと思うのはごく自然なこと、なのである。

 

 とまぁ、理論武装はこれくらいにしておくとして。

 

 

「……実際どうする?このまんまで良いと思う?」

「なんで私に聞くんですかぁ~?!お好きにすれば良いと思いますぅ~!」

 

 

 実際これで良いと思う?……とドトウさん(マッキー)に尋ねてみたところ、彼女はかなり投げやりな答えをこちらに返してきたのだった。……デスヨネー。

 

 

*1
『ONE PIECE』より、悪魔の実の能力者の説明文から。代表例は『ゴムゴムの実の全身ゴム人間』だが、現在では『ゴムゴムの実』なんてものは存在しない、ということになっていたり

*2
なお、たまに動画サイトのコメントなどで『ニブニブニブニブ……』などと記されていることがあるが、これは『ゴゴゴゴ……』の打ち変えのようなもの。『祝』を『ネ兄』と書き記すようなものであり、別にナイフが迫っていたりするわけではない

*3
『デジモンテイマーズ 暴走デジモン特急』のこと。なお次作である『デジモンフロンティア』ではトレイルモンという電車型のデジモンが登場するし、そもそも初代デジモンの時点で、現実に帰る時に電車に乗ったりしていた。デジモンと電車は意外と繋がりが深いようだ

*4
『遊☆戯☆王ZEXAL』期に登場したテーマの一つで、機械族・地属性モンスターが多く属する他、レベル10・ランク10のモンスターもまた多い大型テーマ。使い手である神月アンナのとある一部分がとても大きいことでも有名

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