なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はて、日付は過ぎてイベント当日。
結局守秘義務やらなにやらで、当の新作の情報はなにも得られることのないまま、当日を迎えてしまったわけであるが……。
「……まぁ、なるようにしかならないやーね。向こうの人ももう来てるだろうし、とりあえず挨拶しに行こうか?」
「はーい」
正直、ここまで来るともはや当たって砕けるしかないというか。
……そんな感じで控え室に向かった私たちは、そこで互助会から出向してきた、今日の同僚達と顔を会わせることとなったのだった。
「にょわー☆互助会から来たきらりだにぃ、みんなよろしくにぃ☆」
「なるほど、せんぱいの予想通りというわけですね。私はマシュ・キリエライトです、今日は宜しくお願いしますね」
「おおー、マシュちゃん!キーアちゃんから話は聞いてるよー☆よろしくにぃ☆」
そんなわけで、向こうのメンバー一人目は、予想通りきらりんであった。
アイドルとしてイベント対応の経験もあるであろう彼女の参戦は、とても心強いと言えるだろう。
そう確信しつつ、マシュと握手をするきらりんを眺める私であ……ん?こっち見てる?
「えっとぉー、こっちの方は……?」
「あっ、そうですね、他の方のご紹介もするべきでした。……ええと、こちらからやった方が宜しいでしょうか?」
「んーん、こっちからすゆよー☆えっとねぇ、まず私でしょ、それからそれからー」
「……挨拶くらい自分でする」
「おおっとぉ、じゃああやなん、よろしくねー☆」
「……あやなん。よろしく、ぴーす」
「…………うん、私が悪かったから普通に挨拶してね、綾波さん」
「わかった」
……き、きらりんが標準語を喋ってる……!?
思わず驚愕する私たちであるが、まぁきらりんって礼儀とかしっかりとしているタイプでもあるので、やろうと思えばできてもおかしくはない、か。
……まぁでも、どうにも例のネタを思い出してしまうのは仕方のない話というか。*1
ともあれ、きらりんに紹介されて出てきた一人目は、これまた予想通りの綾波さん。……キャラの年齢的には中学生だったはず*2なので、ここに連れて来て良かったのだろうか、みたいな考えもなくはなかったのだが……。
「大丈夫。一応中の人的には成人済み。それと、私が居た方がウケがいい」
「まぁ、あやなんなら塩対応でも許されるかなー、みたいな?」
「……ああ確かに。綾波さんは無表情、みたいなイメージが強いですからね……」
アニメキャラクターとして、有名な人物は?……と訪ねた時、子供向け作品を除けばそれなりに高い位置に上がってきそうなのが、ここにいる綾波さんである。*3
……そういう意味で、寧ろ出せるのなら出しとく方がいい、みたいな考えもわからなくもないのであった。
まぁ、とりあえずプラグスーツ着とけば喜ばれる、みたいな簡単さもありがたい、みたいなところがあるのも確かなようだが。
これがきらりだとー、なにを着せようか困っちゃう……とか言われちゃったの、とはきらりんの言である。*4
「でもその……ボディラインが出るの、ちょっと恥ずかしくありませんか?」
「……それはそっちも同じでは?」
「うっ」
「マシュちゃんもぉー、あやなんの系譜だもんねー☆」
なお、プラグスーツって恥ずかしくない?……みたいなマシュのツッコミは、お互い様では?……みたいな綾波さんの言葉によって虚しく撃墜していたのであった。
……まぁうん、体のラインが出る云々の話をするなら、わりと五十歩百歩だしね、この二人……。*5
ともあれ、一人目である綾波さんの紹介が終わり、次は二人目の紹介と言うことになるのだけれど……。
「はじめましてー、お二方!」
「……金髪のお嬢さん?」
「ええと、どなた様でしょうか……?」
元気に挨拶をしてきたのは単なる女子高生、みたいな感じの少女が一人。……えーと、誰?
一目見ただけでは誰なのかわからない、言い方を変えると普通の一般人みたいな感じの彼女に、思わず私たちは首を傾げてしまう。
隣のきらりんに視線を向ければ、彼女はただニコニコとしているだけで、こちらに説明をするような様子はない。
……つまり、自力で彼女が何者なのかを当てろ、ということなのだろうか?
ということは、ある程度有名なキャラになるのだろうか、この少女。
……見た目的には普通に私服を着ている単なるギャル、って感じでしかなく、該当するキャラがパッと思い付かないのだが……。
「えーと、喜多川さん……ではないな、目の色とか全体の雰囲気が違う」*6
「九条さん……でもなさそうですね。髪の色こそ合致していますが、先程の喋り方や目の色・髪型などが違います」*7
マシュと二人、金髪キャラを挙げていくものの、そのどれにも合致しない感じ。
というか、金髪碧眼というとわりとポピュラーな属性だが、逆にそれが普通の格好をしているせいで該当キャラを判別し辛くしているというか。
そうして数分間、あれこれとキャラクターを挙げてみたものの、該当するモノは見当たらず……。
「……参った!これはわからん!」
「はい、降参です。諸星さん、この方は一体どなた様なのでしょうか?」
「……んっふっふー、確かにわかり辛かったかなー?でもでもぉ、名前を聞けばきっと二人とも『あーっ!』ってなると思うにぃ☆じゃあ、挨拶お願いできるぅ?」
「大丈夫ですよー。えっと、私はマナと言います。……でも、これだけだとわからないと思うのでー……」
結果、降参した私たちは、きらりん達の対応を待つことに。
そうして明かされた名前は『マナ』だったのだが、やっぱりそれだけだとよく分からないというか。
……そんなことを思っていた私たちは、彼女が次の瞬間変化したものに、思わず『あーっ!』と声を挙げていたのであった。
「──はい、変身完了!これでわかりますかね?」
「ぶ、ブラック・マジシャン・ガールだこれ!?」
「なるほど……そういえば元となったとされている人物の名前がマナ、でしたね……」
そう、一瞬の輝きののち、現れたのは皆さんご存じ、ブラック・マジシャン・ガール。
特徴的なその服装と合わさり、ようやく彼女が誰なのかを認知した私たちだったのだが……いや、わからんて!そもそもブラマジガールを金髪碧眼って認識したこともないし!言われりゃ確かにそうなんだけども!!
思わずクソぅと唸る私の前で、ブラマジガールことマナちゃんは、クスクスと笑みを浮かべている。
……まぁうん、確かに彼女も一目見ただけでそれだとわかる、わりと有名どころのキャラクターであるのは間違いないだろう。……あと、服装の際どさも綾波さんとタメを張るというか。
「あ、あはは……一応これ、レオタードなんですけど……やっぱり過激ですよね……」
「一応一枚ストッキング付けてるけど、人前でするには結構勇気がいる」
「んー、うちはわりとそこら辺大切にされてるとこがあるからー、ちょっと共感し辛いにぃ……」
なお、マナちゃん自身もそこら辺は気になっているとのこと。……まぁうん、確かにこの格好はねー……。
まぁ、普通のコスプレと同じように、目立たないストッキングを一枚履いてはいるとのことだが、だからといって恥ずかしくないかと言われればそうでもない、という感じのようで。
……というか、よくよく考えると今のって早着替えなんです?
「まぁいいや、どんどん続けていこー」
「はぁい。じゃあ三人目、行っちゃおっかー☆」
まぁ、無茶苦茶気になるってわけでもないので、今回はスルーするが。
そんなわけで今度は三人目(きらりん含めると四人目)の紹介である。
ここまで服装が特徴的なキャラが続いたが、この分だと他のメンバーも似たような感じなのだろうか?
……そんなことを思っていた私たちは、続いて現れた人物に驚愕することになったのであった。
「……よもやこのような機会がありましょうとは。つくづく、この世の不思議というものを感じざるを得ません」
「………………」
思わず無言になるのも仕方のない話。
唖然というか驚愕というか、とにかく思考が固まってしまうのは既定路線というべきか。
なにせ私たちの目の前に現れた、件の三人目というのは。
「──不肖、殺生院キアラ。此度はこんぱにおん?とやらのために、罷り越してございます」
「──た、」
「た?」
「対ビースト戦用意ーっ!!」
「まぁ」
まさかの、殺生院キアラであったのだから。
……いや、普通にビーストやんけ!!なんでおるねん!!
A D V E N T B E A S T?
人類悪 顕現?
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