なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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幕間・人々はまた、明日を夢見る

「うーん、悲喜交々……」

「色んな方が集まっていらっしゃるので、そこで繰り広げられる人間模様も様々ですね……」

「BBちゃん、ここで繰り広げられてるやり取りだけで、ご飯三杯イケる*1ような気がします~」

 

 

 背後に立っていたモモンガさんに、マッキーが悲鳴をあげたのち、一通りのお説教が終わったあと。

 彼からもお返しの紙袋を頂いた私は、マシュ達を引き連れて他方への挨拶を続けていたのだった。

 

 そうして近付いたとあるテーブルの一角では、次のようなことが起きていたわけで。

 

 

「……いやだからよー!?俺が甘いもんをお返しに選ぶわけなくねー!!?そんなの自分で食べるに決まってるくねー!!?」

「ええまぁ、わざわざ千里眼で確かめずとも察せられた未来でしたとも」

「じゃあなんで俺椅子に縛られてんのォォォォ!?これ、逃げられないようにしてるってことだよねェェェェ!!?」

「えぇえぇ、わかってました、わかってましたとも。……ですのでお望み通り、食べても食べても食べたりないほどに食べさせてあげようと思いましてね?」

「ヒェッ」

「安心して下さい銀時君。ちゃーんと、貴方の好みそうな甘いものを中心にピックアップしていますので♡」

「そ、それはなんにも安心できなもがっ!?」

はーいたーんと召し上がれー♡」

「あがががが……」

 

「せんぱい、あれは……」

「しっ!マシュ、人にはどうにもならないもの、というのが往々にして存在するの」

「え、ええと、それはつまり……?」

「わしらには救えぬものじゃ」*2

「……ダンブルドアさん?人の台詞取らないで欲しいんですけど?」

「ふぉっふぉっ。なに、年寄りの冷や水というやつじゃよ」*3

「絶対使い方おかしいですよそれ!?」

 

 

 ……うん、これは処刑か拷問かな?

 みたいな光景がとあるテーブルにて繰り広げられていたわけなんだけど、正直これに関しては自業自得以外の何物でもないわけで。

 途中横合いからダンブルドア氏が口を挟んできたけど、まさしく「私たちには救えぬもの」でしかないのだった。

 

 ……なので、懸命なマシュ・キリエライト氏に置かれましては、横のもう一人の後輩(BBちゃん)みたく見世物扱いする……まではいかなくてもいいけど、まぁそれくらい軽い印象で見て貰っても全然構わないんじゃないかなー、と思う私なのでありました。

 ……え?人死には洒落にならない?ゆかりんが生死の境界をあやふやにしてるから大丈夫大丈夫。知らんけど。

 

 まぁ、仮に死んだとしても完全にギャグシーンなので、ちょっと目を離した隙(具体的には次のページくらい)には元に戻ってるだろうから大丈夫大丈夫。

 ……なになにBBちゃん。『だから懲りないんじゃないんですかぁ~?』だって?さっすが、原作で全然懲りてなかった人は言うこと違うねー。

 

 なんでそこで原作のことを掘り返すんですかぁ、とこちらを()()()()殴る*4BBちゃんを適当にあやしつつ、ダンブルドア氏に別れを告げて別の場所に向かう私たちである。

 

 さて、次のテーブル上の人間模様は、次のような感じなのであった。

 

 

「トレーナーさん、あーん」

「いやそのだな、マックイーン?」

「ほらモモンガ、あーん」

「……いやシャナ、待ってくれないか?」

「待ちませんわ、あーん」

「……なんなんだこの状況!?」

 

「……なんですかあれ?」

「折角のパーティなので、肉体あり状態になってみたモモンガさんと、ここぞとばかりに気になる人にちょっと構ってみてる二人の図」

「えぇ……(困惑)」

 

 

 先程とは売って変わって、一件静かに進行しているその場でのあれこれは、しかしてさっきのテーブルでのそれとは違い、どうにも見えない火花がバチバチと音を立てているかのような緊張感。

 ……具体的には、久しぶりに人間モードに変身しているモモンガさんに対し、その両サイドからマッキーとシャナの二人があれこれと料理を選んでは、彼の口に運ぶ光景である。

 

 うん、構図的にはさっきの銀ちゃんのとこと、大して変わんないんだけどねー。その内容がねー。

 まぁ、火花がバチバチ……とは言ったものの、その言葉を聞いてみんなが想像したであろう状態とは、実際には違ったりするのだが。

 ……え?じゃあどういう意味なのかって?それはねー……。

 

 

「お前、最近働き詰め。寝る気がないのなら、栄養くらい取っておくべき」

「いや待てシャナ、確かに私は今肉体を持ってはいるが、別に食べたからと言って栄養になるわけでは……」

「食事は心の栄養を補給するモノでもありますよ、ね。いいから、美味しいもの沢山召し上がってくださいまし」

「ま、マックイーン!私は君のように大食いではないから、そんなには食べられなもがっ!!」

「い・い・か・ら、お食べになってくださいまし!」

 

「……もう一度聞きますけど、なんですかあれ?」

()()()()()()、って言ったでしょ?お世話対決してるようなもんだよ、あれ」

 

 

 BBちゃんの唖然としたような問い掛けに、呆れを含めた答えを返す私である。

 

 ……まぁうん、モモンガさんって原作でもそうだけど、睡眠とか食事とかの必要性がない体になったこともあって、微妙にオーバーワーク気味なところがあってねー。

 で、こっちでもその傾向は大して変化してなくて、それゆえ彼と付き合いの深いマッキーは言うに及ばず、最近彼の近くに居るようになったシャナにしても、見てると自分のことを省みる切っ掛けになるくらいには()()だったわけで。

 

 ……結果、「この人を休ませようとするのなら、一人では足りない」みたいな連帯感が生まれた結果、二人してあれこれ構うようになったというわけである。

 なので、あれは実際には「どっちがモモンガさんを甘やかせるか?」的な勝負事形式にすることで、モモンガさんの逃げ場を封じる高度()な作戦なのだ。

 

 

「……勝負形式にする必要、あります?」

「ああしないと普通に断られちゃうからね、世話焼くの。()()()使()()()()()()()()と認識させることで、断り辛くさせる効果があるんだよ」

「えぇ……(更に困惑)」

 

 

 単に自身に向けられただけの好意ならば回避も容易だが、それが自分を挟んでの競争である、となればまた別の話。

 止め時がわからず慌てふためいている内に、まんまと二人は目的を果たしているという次第である。

 ……これが競争は競争でも「恋の鞘当て」レベルになると、流石にモモンガさんも無理矢理止めに掛かるため、所詮はじゃれあいレベルで留まっているのも二人の妙技(?)だったりするのかもしれない。よくわからんけど。

 

 まぁそんなわけで、実態としては「モモンガ甘やかし隊」以外の何物でもない光景を後にして、次のテーブルに向かう私たちである。

 ……え、止めないのかって?ウマに蹴られたくないんでね、放置が一番だよ、うん。

 まぁ、さっき食べ過ぎ云々言われてたはずのマッキーが、いつの間にかモモンガさんへの餌付けに移行している辺りに疑問がなくもないけど、それはそれというか。

 

 

「さーて、次のテーブルは、っと……お?」

 

「……にしてもキリの字、やっぱ似合ってんなぁ」

「止めろってクライン。流石に慣れたけど、改めて言われると落ち込むんだぞ色々と……」

「おっとすまんすまん。……で、アスナちゃんはなんであんなことに……?」

「声繋がりって怖いよな……。そういう意味では、クラインがなにも混じってないの不思議だったりするんだがな」

「あー俺?……まー、そもそも巻き込まれただけにちけーからな、俺の場合」

「なるほどなー……」

 

「……ええと、キリトさんとクラインさんのお二人ですね。何処と無く哀愁が漂っている気がするのは……」

「奥の方見れば理由がわかると思うよ」

「ええと……あー、なるほど。よーくわかりました」

 

 

 次に立ち寄ったテーブルでは、原作でも女顔云々の弄り弄られをしていた、キリトちゃんとクラインさんの姿があった。

 今のキリトちゃんはすっかり美少女のため、クラインさん的には言及しないではいられなかった、みたいな感じだろうか?

 まぁ、キャラがキャラなのでそこまでねちねちした話にもならず、カラッとした感じで終わったようだが。……問題は、ここから少し離れたテーブルで繰り広げられている、女子二人のやり取りにあった。

 

 

「ふふふ、流石っすねアスナ!ならこれはどうっすか!!」

「負けないよクモコちゃん!これをこうして……こう!!」

あー!!?まさかそんな逆転の手がーっ!!?」

 

「……クモコさん、すっかりお元気になりましたね」

「そうだねー。……それはそれとして、現実逃避は止めよう、マシュ」

「…………見なかったことにしませんか?」

「私もそうしたいのは山々だけど、これに関しては触らないでいる方があれだから、ね?」

「……()()の気持ちが今ならわかるような気がします……」

 

 

 そこで繰り広げられていたやり取り。

 それは、なにがどうなってそうなったのかよくわからないが、五人に増えて飛び回るアスナさんと、それを迎え撃つ()()()()()クモコさん(ver.ユウキ仕様)。それから、

 

 

「わ゛ぁ゛ーっ!!も゛う゛や゛だーっ!!!」

「わぁ……」

「BBちゃんが血を吐いた!?」

 

 

 その奥で、何故かアン・インカーネート・オブ・ザ・ラディウス……ぶっちゃけるとラスボス○子みたいなことになっているエリちゃん。

 ……察するに、ハロウィン番外編みたいななにか、のようで。

 

 思わず白目を剥くFGO組に発破をかけ、事態究明のために動く私なのであった。……え?なんで今回気楽そうなのかって?単になるようになれーっ、と開き直ってるだけですがなにか?

 

 ……なお、エリちゃんの暴走を止めたあと話を聞いた所によれば、パーティと聞いてやって来たエリちゃんと、クモ状態で燻っていたクモコさんがこの会場で出会った結果、どこからともなく転がり込んで来た聖杯の欠片によって変化した『エリザベート・バートリー【ラスボス】』と『クモコさん(ver.ユウキ)』に対し、それを見て事態の収拾に動いたアスナさんを遠い目で見つめる男達二人、という珍妙な光景が具現化したとかなんとか。

 

 ……二人が手伝ってなかった理由?単にアスナさん五人の時点でオーバーキルだったからですね、はい。

 決して唐突に五人に増えた彼女に対し、クラインさんがキャパオーバーを起こしたわけではないです、はい。……欺瞞!

 

 

*1
慣用句の一つ。『いっぱい食べられる』ということから、『大好物』を意味する。因みに、日本語における『三』は()()()()『いっぱい』の意味があるらしく、ここでの『三杯』は具体的な数値ではないのだとか

*2
『ハリーポッター』シリーズにおけるダンブルドアの台詞。謎の世界に迷い込んだハリーに対し、痩せ細った赤ん坊のような姿のヴォルデモートを指して死んだはずの彼が述べたもの。わりとシリアスなシーンなのだが、ネットでは個々人の思う『救えないもの』への大喜利に使われることが多い

*3
若い人の真似をして冷や水を飲み、お腹を壊す老人の姿から、『歳を弁えず若い者の真似をして痛い目を見る』ことを意味する言葉。なお、飲むだけではなく浴びるパターンもあるが、どちらにせよ老体は労るべきである

*4
「改めて自己紹介だ。俺は黒く、赤く、青く、白く───今なお生きる『死』そのもの。【ヤヤウキ・テスカトリポカ】!」×2「ゲェーッ!!?ポカポカシステム!?」

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