なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、突如始まったサバゲー回。
勝敗を気にしなくてもよい、とのことからそれなりにゆるーい流れになるかと思われたのだが……。
「おらぁっ!!焼け死になさいっ!!!『
「あぶなぁっ!?」
「避けんなちゃんと当たりなさい!大丈夫よ実際には死なないから!!」
「いや、燃やされながら串刺しにされるのは普通に怖いよ!?」
「うわぁ……」
うん、そんな建前どこ吹く風というか。
滅茶苦茶ノリノリで技をぶつけ合う人々の姿が、そこかしこに見受けられたのでしたとさ。
「何を以て貴様の不義理に報いようか?」
「うわぁ前衛アーミヤさんだ!?魔王だこれ!!」*2
「来て下さいバハムート!それからアルバコア!!」
「るっ!!なのか真面目なのか、どっちかはっきりしてくれぇ!!」*3
「行くプリ♡可愛いは正義プリ♡」
「うわぁ壊れた方の雪泉さんだぁ!!?」*4
「…………うわぁ」
「なぁ、もしかして俺もあんな感じにやらなきゃダメか……?」
「クラインさんはそのままでいて!?じゃないと私がツッコミ過多になる!!」
さて、改めてうちのメンバーを見てみると……ははっ、なんだこりゃひでぇ(真顔)
どいつもこいつも無茶苦茶やってやがる。
戦場なんてみんななにかに酔っ払ってなきゃやってられない*5、なんて話があるが、正に今のみんなは酔っているとしか言いようがないだろう。
その点、アーミヤさんはまだマシなのである。……いやまぁ、前衛モードで相手に斬りかかってる時点でなにもマシじゃないんだけど、他の面々を見ると相対的にマシになってしまうというか。
だってほら、見てみなよみんなの様相を。
ルリアちゃんは設定ジョブが召喚士になってるせいか、ゲームと同じく星晶獣を召喚して戦ってるが……なんというかこう、どうも『るっ!』成分が抑えきれていないのか、何故かお空のお魚召喚してるし。*6
……これで斧ビィ君とサタンが揃ったら完全に『るっ!』である。*7
生憎(?)その二人は居ないので抑えられてるみたいだが……これで比較的マシな方、というのだから救われない。
そのお隣、雪泉さんに関してはもはや頭を抱えるしかない状態である。
……ええと、確か正義というものに迷いを抱き、その真実を掴むためあれこれと迷走した結果『可愛いは正義』なんて言葉にたどり着いた結果があれ、だったか。
ふりふりの服装に身を包み、謎の語尾をくっ付けながらぶりっ子ポーズしてる雪泉さんは、もはや正義とかなんとか以前に正気を疑うべき状態となっている。
それに比べればまぁ、相手に宝具ぶっぱしてるだけのぬのなんと穏当なことか。……いやまぁ、相手の言うようにダメージは無くとも磔刑にされて燃やされるとか、普通に精神的視覚的ダメージがエグいわけなのだが。
……で、結果的に残ってしまったクラインさんだけが癒し、という状況になったわけなのだけれど……ううん、とはいえこのまま普通にしていては検査が終わらない。
ゆかりんの説明していた通り、このサバゲーは
それは裏を返せば、運動量が足りていない場合追加ゲームを投げられる可能性がある、ということでもある。
……要するに延長戦が延々と組まれる可能性がある、ということになるわけで。
それを回避するには、私たちもあの狂気の沙汰に突っ込むしかない、ということになるのだが……。
「……ふふふ、素面でついていける気がしない……」
「ああ確かに、あのノリで殴りあってるとこに突っ込むのは勇気がいるわな……」
思わず涙目で弱音を吐く私である。
……うん、さっきまでは問題児がこっちだけ、みたいなことを言ってたけどね?
「よーし、みんな吹っ飛ばしちゃいますねー!」
「うわぁ!?メイプルだぁ!?」
「ひぃーっ!!?単なる映像だってわかってるけど、怖いもんは怖いっ!?」
例えば、そこにはマシュではない他の盾使いの子が居て、その大仰な盾からなにやら名状し難き触手をびったんびったん召喚していたりだとか。
「なにかわからんがくらえっ!!」
「なんの、五メガネ!!」
「なにぃっ!?なんだか分からんがくらえっ!!!」
「なんのっ、わりばし!!!」
「ぎゃああああっ!!!?よくわからんぶつかり合いによって爆発的なパワーがそこらにー!!?」
例えば、謎のアフロヘアーと奇抜な格好の男の二人がぶつかり合った結果、周囲の人々が大仰に吹っ飛ばされたりだとか。*8
「ぎゃああああーっ!!?流石クーガーの兄貴は速いーっ!!?」*9
「なんと、こっちも負けてられないな、タマ!」
「いやおかしいやろあれ?!一応生身やろあの人?!うちらより速いんやけど!?」
……まぁうん、一目見ただけでわかるような混沌が繰り広げられているわけでね?
これでもチーム分けして一戦の参加チームは四つに制限して……と気を使っているのである。気を使った結果こうなのである。
そりゃもう、笑うしかないと言うべきか。……これに混じろうと言うのであれば、生半可な覚悟では足りないというか。
思わずはぁ、とため息を吐く私である。
勝ち負けに
「……ふふふ、こうなったら私たちも狂うしかないかもだね、クラインさん……」
「おいしっかりしろキーア嬢ちゃん!!?それ絶対あとで後悔するやつだぞ!?」
これはもう、私たちも大いに狂うしかないのでは?……とぐるぐるおめめで宣う私なのであった。……これはもうだめかもわからんね()
「……貴方達は馬鹿の集まりなのですか?」
「面目ない……」
で、その結果がこれである。
怪我の出ないように調整されたサバゲーは、初戦から大混戦。
確かに相手に怪我はさせなかったものの、ヒートアップした患者達は自分のスペック的限界を考慮せず無茶苦茶動いていたため、そのほとんどが筋肉痛でダウンしていたのであった。
これには流石のナイチンゲールさんも呆れ顔である。
まぁ、この流れで怪我でもしていた日には、それこそ殺してでも治療されていただろうから、こうしてベッドに簀巻きにされるだけで済んでいるのはわりと幸運なのだが。
「健康診断を受けに来ているのに、却って体を壊していたのでは意味がありませんよ?」
「いやホント……面目ないです……」
……代わりにお二方からのお小言を貰う羽目になってるからトントン?まぁうん、そうねぇ……。
なお、身体測定に必要なデータは大体取れたため、これ以上サバゲーを続ける必要性はないとも言われたが……決着も付かぬままに解散させられることほどストレスの溜まることもない、と医者達を説き伏せて続きをさせて貰えるように頼んだ
「まぁ、流石に明日や明後日にすぐ、ってわけにも行かねぇから、実際に続きが始まるのはそれよりあとってことになるがな」
「ううむ、いいやら悪いやら……」
で、結果的に私たちの所のグループが一番白熱したこともあり、そこに参加していたメンバーはみんな仲良く病室送りになっていたり。
……部屋の数が足りてなかったため、チームメイトはみんな同じ病室に突っ込まれるという雑対応だが、「なにか、問題が?」とナイチンゲールさんに見つめられては、みんななにも言えなかったのであった。
あとあとから、あれ単に「狭くないですか?」って聞いてただけ、って気付いたんだけどね。
「まぁその辺りの話は置いといて。……で、次の対戦どうする?今回と同じくみんな好き勝手に動く?」
「ええと……その、流石に作戦は立てるべきかと」
「ほう、アーミヤさん。その心は?」
「……後々の被害を抑えるため、と言いますか」
で、ベッドに簀巻きにされてる以上、できることもそう多くないわけで。……いやまぁ、単なる筋肉痛にここまでする必要性はなくない?……とツッコミたくもあるけど、それをナイチンゲールさん相手にする勇気はないというか。
ってまた話がずれたので元に戻すと。
一応サバゲーが続くとなった以上、目指すは優勝というのは私たちの共通認識である。
散っていった
そんなわけで、話題となるのは次回以降の作戦について、である。
今回はみんな好き勝手に動いていたが、これに異を唱えるのはアーミヤさん。……曰く、各自勝手に動いた結果が今の惨状なので、次回はある程度秩序だった行動を心掛けるべきだ、と。
まぁ確かに?個人の戦力が高いがゆえに、前回はなんとかなったけれども。
それが次回も通用するか、と言われると答えは否である。
……うん、ぶっちゃけると初戦の相手、気迫こそ凄かったけど実力的には普通に格下だったからね、言い方悪いからあんまり言いたくはないけど。
「奇抜な動きや技で周囲を翻弄することはできていましたが……言ってしまえばそれだけ、でしたね」
「うむ、いくら拡張現実と言えど、設定された攻撃力とかは本物のそれを参考にしたものだからねぇ」
「道理で、手応えがないはずです」
鼻を鳴らすぬや雪泉さんが言うように、初戦の相手はインパクトこそ強かったものの、その実力自体はなりきり郷の平均層、と言った様相であった。
それもそのはず、ここにいる人々のほとんどは、戦闘行動を生業としていない人ばかりである。
これは、原作のキャラが
すなわち、郷の大半の人々は精々サバゲーレベルの人ばかり、ということ。
……そりゃまぁ、相手にならないはずである。
さっき目立つ人として挙げたキャラ達も、いわば上澄みのようなものであり、その上澄みばかりでチームを組んでいるような私たちにとっては、正に赤子の手を捻るが如く……だったというわけだ。
……まぁ、そうなるとゆかりんが言っていた『戦力比は平均してある』という言葉が嘘なのか、ということになってしまうのだが……それには理由があった。
「戦力を算出するためのデータが、私たちに関しては全然無かったですからね……」
「それなー」
そう、このメンバーの中で、強さの指標を運営側が持っていたのは私ただ一人なのである。
それ以外のメンバーに関しては、一番新しいデータが
そりゃまぁ、適切なチーム分けにならないのも宜なるかな、というわけだ。
とはいえ、それだけで無双できるほど甘くない、というのも確かな話。
「なにせこれから戦うチームには、マシュやシャナが含まれてるところもあるわけだからねぇ……」
「ぜ、前途は多難ですね……」
なりきり郷最強格の存在達が振り分けられた、まだ見ぬ強敵達。
そんな彼らを幻視しながら、私たちは今後の作戦について議論を重ねていくのであった……。