なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「こうなってくると、さっきまでに看破した中身が本当にあっているのか、ということになってきますね……」
いやまぁ、流石に目の前の相手はルリアだと思うのですが、とはXの弁。
武器による攻撃を行わず、爆弾などの投擲物で戦うその姿は、なるほどどことなく黒髭を思い起こさせるものである。
しかしそれが、まともな攻撃手段を封じられているがゆえの悪あがき……だとするのであれば、それに当てはまるのは恐らくルリアのみ。
ゆえに、言動の拙さを抜きにしても、彼の中身こそがルリアであるとあたりを付けていたのだが……ここへ来て、そういえばキーアってなんでもありだったな……ということを思い出させられる羽目になったのであった。
以前にも何度かあったが、こうして不特定多数の人間と競うような状況に放り込まれた場合、キーアという人物にはこちらが引くほどに様々な制約が施されることとなっている。
それが何故かと言えば、基本的に彼女は
Xの知識からそれを仮に認定するのであれば、彼女のそれはほぼ
……Xに設定された『無を食い破る力』*1が実際にそのままの意味であるならば、意外とどうにかなりそうな気もするが……彼女がなにより恐ろしいのは、大抵のハードルを潜り抜けてしまう小ささの方にあるだろう。
(一定量の出力を感知した場合に、それを無効化する……みたいな装置ですと、まず間違いなく抜けてきます。そうでなくとも屁理屈を捏ねて裏道を通ろうとする相手ですから、今回もルールの隙間を付いていると思っておくのが正解でしょう)
雨垂れ石を穿つ*2、を地で行く存在であるキーア。
そんな彼女がすることは、基本的にこちらへその前兆を伝えることはない。
そんな彼女に真っ当に対抗しようとすれば、こちらが反則になる可能性は大いに高い。
なにせ、何処から飛んでくるかわからない。未来視に当たる千里眼持ちの桃香でもわからないのだから、それを完全に対処しようとすれば、ほぼ間違いなく
無論、そんなことをすればやり過ぎ、ということで反則を取られるだろうし、そこまでしても『あ、それ一応物理技でしょ?ってことは最小単位は原子で、原子は丸いから完全に密着はできないよね?……はい、すり抜けまーす』とかやって無傷、とかしかねない恐ろしさが彼女にはある。
……いやまぁ、実際にそんなことができるのかどうかは知らないが。
でも量子論的な存在であることは間違いないので、その時その場に居ませんー、みたいな確率回避は普通にしてきそうではある。
なお、この辺りの話をキーア本人が聞いた場合、『マイナス一秒に装備を装着、とかできるXちゃんに文句を言われる筋合いはないんですけどー?!』とかなんとか言われるのは秘密である。
隙を見てひみつミニアド投擲とかしてきそうなんだけどあの人、と密かに戦く私ですが、皆様如何お過ごしでしょうか?
私は現在、みんなが戦ってる中で流れ弾に当たらないように必死で避けてる最中です()
……いやこれ、真っ当に狙うと避けられるから他の人への攻撃が偶然当たるのを狙ってる、とかでしょ絶対!
まぁうん、確かに今回私に課せられている制限的に、滅多なことができないのは本当。
さっきの宿儺さんを倒せたのだって、この試合があくまでもサバゲーだから、というところが大きい。
……どう言うことかというと、
私のような【星の欠片】が、本来は無数の欠片──原子より遥かに小さな粒である、というのは何度も説明している通り。
いやまぁ、本当に粒だと物理学的には宜しくないので、ここにある分には
ともかく、私という存在は人間を構成するという六十兆の細胞、ひいてはその細胞を構成する原子の数に、更にその原子を構成する素粒子、その素粒子の中の……みたいな感じでカウントしていった最小単位、【星の欠片】の数はまず間違いなく数えきれるようなモノではない、ということになる。
そして、【星の欠片】はそれそのものが一つの生命体としてもカウントできる。……と、なればだ。
それぞれが仮に一ダメージでも相手に与えられるのであれば、総数のダメージはそれこそ天文学的なものになる、というわけである。
あとはまぁ、単純な話。
削岩機の如く、攻撃を当てさえすれば、例え相手の体力が無尽蔵にあろうとも一瞬で削ることができるというわけである。
……まぁ、一個一個全部私自身な上に、本来【星の欠片】が攻撃なんてしたらそれはほぼ対消滅みたいなもんなので、想像を絶するような苦しみを味わわなければいけない、なんてことになるわけなのだが。……その辺りは『あの方』様々である。
まぁともかく。
いわゆる格上向けジョーカーみたいな攻撃ができる、というのが今の私の状況なわけだが、それに附随する問題というのもそれらの問題とよく似通っている。
「遠くから攻撃されてるから、こっちの攻撃当てらんねぇんだよなぁ!?」
「……まぁ、私たちでもそういう対処を取るでしょうからね、普通に」
「ちょっとー!!?どっちの味方なのさグリーン!?」
そう、どんなに攻撃力の高い武器であれ、当たらなければ意味がないのである。……ふっ、認めたくないものだな、ジョーカーの使い辛さというものを……。
まぁ、攻撃力に加え回避力も高いのでなんとかなってるわけだが。
とはいえ機動力はないので、相手に近付けないんだけども。……なんでもありならそれこそこっちも遠距離攻撃仕掛けるんだけど、今回に関しては私
「
「話題に出したの私だけど、これって最近の人に通じるのかなぁ……」
近くを他の参加者と切り結びながら抜けていくクラインさんに話し掛けつつ、飛んでくる流れ弾を避け続ける私であった。
はてさて、私の回避というのは基本的には被弾をライフで耐えるタイプのモノである。
どんな特殊かつ強力な効果を持つ攻撃であれ、それを更に強力な【即死】効果に書き換え、それをガッツで耐える……みたいな感じがわかりやすいだろうか?いやまぁ、ちゃんと説明するならもっとややこしいんだけど、ややこしいだけなのでわかりやすさ優先の説明というか。
ともあれ、真っ当に攻撃される分には大体無効化する、というのは本当の話。……なのだが、実際はこれも今回使用禁止にされている。
まぁうん、これが許されるなら私ってば、『表記上のライフ分のガッツが付与されてる』みたいなもんになるからね、しゃーないしゃーない。*4
なので、今回は受けて耐えるのではなく、ちゃんと回避するようにしたのだが……これにも制限が掛けられていた。
いわく、正面戦闘ならそのまま能力で避けていいが、流れ弾に関しては
……うん、確率回避していいのはあくまで誰かとちゃんと戦闘してる時だけで、それ以外はスキルなしでちゃんと回避判定を触れ、ということになるわけなのだが……これがどれほど理不尽か、というのは言うまでもないことだろう。
なにせ、どいつもこいつも普通に戦闘しながら、バンバン流れ弾を飛ばしてくるのである。
つまりは四方八方から攻撃が飛んでくる、ということになるわけで。
……いやまぁ、殺気の察知とかまでは制限されてないので、ある程度は背後からの攻撃も避けられるけども。
それでもこれ、命のやりとりのない単なるお遊びだからね、そりゃ込められている殺気も薄いから、察知しにくいのなんの。
まぁ、私が【星の欠片】──本来はなにもかもを仰望するモノであるため、ほんの僅かな殺気でもわりと察知できてるところはあるのだが。
「……うわぁ、本当に当たらないや。ここまで当たらないのは凄いを通り越して最早キモいです」
「こらーっ!!そこの桃香さん!?あまりに当たらないからって精神攻撃に移行するのは卑怯だぞー!?」
「そう言いながらやっぱり避けてるじゃないですか。なんですか、表面上と内面を切り離せる感じなんですか?うわぁ……」
「止めろー!!どん引くなー!!」
まぁ、向こうもその辺りを察知して、手を変え品を変え攻撃してくるわけなのだが。
……扱いとしては片手間に攻撃されてるだけなのに、なんでここまで酷い目にあわなきゃいけないんだろうね、私。
え?実質この戦場のトッププレイヤーなんだから、使えるものはなんでも使って叩き潰すのは寧ろ礼儀みたいなもの?……やだ、みんなバーサーカー過ぎるでしょ……。