なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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戦え我らの希望の光

「うーむ、まさかゆかりさん達が優勝候補に躍り出るとは……」

「ある意味運営からの寵愛枠、って感じでしたね」

「新しいデータが取れるのはいいこと、とも仰っていましたしね……」

 

 

 はてさて、その日の夜。

 試合そのものは危なげなく勝ちを手にしたわけなのだが、それゆえにみんなの関心はゆかりさん達のチームに向けられていたのであった。

 ……え?一行で済まされる相手チームに悲しい過去?いやまぁうん、これで出番終了ってのは可哀想ってのもわかるんだけどさ?

 

 

これ以上他のチームの描写に尺を使ってられないというか……

「……なにかメタいこと言ってませんか、キーアさん?」

 

 

 はっはっは気のせい気のせい(震え声)。

 

 ……ともかく、手向け代わりに私たちが戦ったのはライダー達だった、ということだけ置いときますね()。

 いやうん、本当ならあんなあっさり負けるはずもない、って相手だったんだけどさ?

 

 

「まぁうん、変身制限とか能力制限とか、私たちに付いてる制限を鼻で笑うレベルで縛られてたからね、あの人達……」

「ご本人達が納得の上でしたから、特に問題はありませんでしたが……もしあれがなにかしらの映像作品だったのなら、私達は後から爆散させられる敵役のポジションでしたね……」

「あー、映画なら序盤でイキりながらライダー達をぼこぼこにする敵、ってやつだな」

 

 

 最終的にこっち側がぼこぼこにされる展開がセットの、と呟くクラインさんに頷く一同。

 

 ……そう、今回ライダー組に掛けられた枷というのは、それくらいに重いものだったのである。

 雑に言えばほぼ能力一般人レベルまで抑えられている、みたいな?

 

 よく考えてみればわかる話なのだが、ライダー組の戦闘スペックというのは大概意味がわからないモノになっている。

 無論、同じ特撮作品であるウルトラマンとかと比べると、大きさの規模などから結構な戦力差があったりするが*1……それでも、人型かつ通常の人間サイズの存在が持っていていい戦闘力ではない、というのは確かな話。

 

 成人男性のパンチ力の平均が百二十~百八十、キック力だとその二倍くらいになることを思えば、彼らの戦闘力が如何におかしいのか、ということは容易に理解できることだろう。

 ……強いキャラなら三百行くからね、それもキログラム(kg)ではなくその千倍であるトン(t)で。*2

 

 そんな攻撃力を持っているが、それがどの行動に掛かっている数値なのかわからない、というのも彼らの恐ろしいところである。

 ……なに言ってるのかわからない?ならこう言い換えよう、ライダーキックの攻撃力がトン換算なのか、通常時の蹴りの時点で安定してその攻撃力が出せるのかがわからない、ということだ。

 

 

「要するに、色々準備して繰り出す技の威力がそれなのか、はたまた何の気なしに繰り出す『ただの蹴り』がそれなのか、基本的に記載されてないから迂闊に攻撃させられないってことだよね」

「作中では基本的に生身の人に攻撃することはなく、あくまで怪人相手に殴ったり蹴ったりしてるだけですから、それがリアリティ重視にした時どんな事態を巻き起こすのかわからない……ということでもありますね」

 

 

 いやまぁ、ジャンプ力とかも合わせて記載されてることが多い辺り、多分そのライダーの出せる最高威力、ということだろうとは思うのだが……。

 明確に記載がない以上、通常攻撃がその威力であると仮定して制限しておかないと、危なっかしすぎてサバゲーなんてやらせてられないのだ。

 

 なりきり郷内では殺傷力のある行為は全て軽減される……とはいえ、トラックにぶつかられた時の速度でぶっ飛ばされてトラウマにならないわけでもない、というやつである。

 

 あと、一部の昭和ライダーとかならいざ知らず、純粋に殴り蹴りの肉弾戦のみで戦う、というライダーはそう多くない。

 みんななにかしらの武器を持っており、それを使っての攻撃が最大威力だと思われるパターンが多い、と言い換えてもいいだろう。

 ……それすなわち、彼らになにかしらの武器を持たせるのも微妙に問題、ということである。

 

 

「おもちゃの銃でも、彼らに掛かれば怪人撃破になんの問題もない……なんてことを思えば、武器の使用なんて尚更認められたもんじゃないですよね……」

「変化させなくても、自前の身体能力で振り回せばそれだけで相手を倒せたりするでしょうしね。……実際、その前の二戦に関してはそんな感じのスペックごり押しで勝ってたみたいですし」

 

 

 一部のライダーは、なんの変哲もない棒を変化させて自前の武器にする、みたいなこともできてしまう。*3

 そうでなくとも、人より遥かに高い身体能力で武器を振り回せば、それだけで鏖殺兵器の出来上がりである。

 ……そこら辺の事情を鑑みて、ライダー組に掛けられた制限はこの大会でもトップクラスのモノになっていたのだった。

 

 ……え?変身しなきゃ普通のスペックの人も居るでしょうって?そうじゃない人もいるから仕方ない。改造人間タイプの人は特に。

 

 

「……というか、多分一番大きい制限って頭脳面ですよね?彼らの場合、平気でIQ200とか越えてきますし……」

「反射神経とかも、普通のやり方じゃ制限し辛いところだからね……」

 

 

 あと、変身制限よりもなによりも厳しい制限だったのが、実は能力制限の方だったことも特筆するべき箇所だろう。

 なにせ彼ら、大抵の場合その道の権威と普通に会話できるような知能の持ち主、ということが往々にして起こりうるので。

 

 力だけが彼らの恐ろしい部分、と思って迂闊に突っ込むと、その豊富な知識と経験から罠に嵌められ、あっという間に全滅させられてしまうのである。

 なんなら『目がいい』とかみたいな直接攻撃系でない身体機能も普通なら縛り辛いし、そこら辺を活かされるだけでも対戦相手は大幅な不利を強いられるだろう。

 

 そこら辺はライダー側も重々承知だったようで、その辺りの制限をさせて貰うというゆかりんの言葉に、素直に従っていたのであった。

 ……まぁ、そこまでしてなお第二回戦までは普通に圧勝してた、という辺りに恐ろしさを感じないでもないのだが。

 

 え?じゃあなんで私達は特に苦戦もしてなかったのかって?

 

 

「制限ありの状態の戦闘で、既に健康診断的には必要な情報が集まってたこと、それからある意味愛弟子みたいなモノであるボイロチームが華々しく周囲の視線を浚ったこと、あと制限状態で勝てるほど私たちは甘くないと向こうが早々に試合を降りたことの複合……って感じ?」

「まぁ、不完全燃焼感は否めませんね」

 

 

 まぁ、簡単に言うと勝ちを譲られたようなもの、みたいな感じだろうか?

 そもそも全力を出せないのは百も承知で、代わりに自分達が支援した他のチームが頑張ってくれている。

 その上で、別に世界の命運が掛かっているわけでもないのだから、別に負けてもいいやという感じだったところが大きいというべきか。

 これに関しては寧ろ、健康診断なのに無駄にやる気を出している他の面々がおかしい、というべきかもしれない。

 

 ライダーは正義の味方、不要な争いはしないのだ!……みたいな?

 まぁ、一部のライダーファン達からは残念がられたが、彼らは普段彼ら用の場所でド派手な戦闘訓練を繰り返しているので、そっちを見て欲しい……みたいな言葉で納得していたわけだが。

 実際、変身なし武器戦闘なし特殊能力大半使用不可、みたいな状態だとライダー達の戦闘としての見応えは半減以下。

 それならちゃんとしてるところのやつを見て欲しい、というのはわからないでもないだろう。

 

 ともかく、そんなわけで私たちは悠々と?準決勝に駒を進めたというわけなのであった。

 ……語らないって言ったのに結局語ってるじゃん!嘘つき!!

 

 

 

 

 

 

「まぁここまで話したんだし、とりあえず他の要注意チームでも確認しておく?」

「へーい」

 

 

 結局長々と話してしまったので、そのまま流れで他のチームの考察に移ることに。

 現在第三回戦まで終了したわけだが、次が準決勝ということもあり、残すチームは私たちを含め四つにまで減っていた。

 

 

「まず一つ目、ゆかりさんとこの『ボイロチーム』。ここは運営からの後押しも強いから、なんだかんだで優勝候補よね」

「まぁ確かに。実際の戦闘力よりゲームとしての戦闘力が問われるから、技巧派の彼女達は強敵だと言えますね」

 

 

 まずはゆかりさんの所、『ボイロチーム』。

 ゲーム実況や小話シリーズなど、気軽に使える音声データとして様々な場面で利用されている……という下地を持つ彼女達は、その引き出しの多さゆえに手強い存在となっている。

 更に、それらの引き出しは決して付け焼き刃ではなく、既に熟達の腕前と言っても遜色ないもの。……決して侮ってはいけない相手だと言えるだろう。

 

 

「んでお次が、マシュの率いる『盾使いチーム』。盾キャラばっかり揃えてるけど、防御一辺倒ってわけでもない中々嫌らしいチームね」

「言い方ぁ。……いやまぁ、気持ちはわかるけど」

 

 

 そんなゆかりさん達が次に当たるのが、最強後輩・マシュの率いる『盾使い』チーム。

 文字通り盾を使うキャラで揃えた、シンプルなチームなのだが……構成員的には極悪と言わざるを得ない。

 

 なにせ、堅牢な防御を誇るだけでなく、攻撃面でも破格の能力を持つ人物達で固められているのだから。

 

 

「うーむ、恐れていたことが現実になった感……」

「一応、ある程度は制限が課せられるんでしょう?あの……」

「メイプルちゃんねー。……あの子の場合、構成スキルが大概ヤバいってのもあるけど……どっちかと言うと有利な状況を掴む運の方が怖い、みたいなところもあるしなー」

「それとあっちは……」

「パール()()だね。……おっと、さんを付けないで呼ばないように。あれ最早二次創作のパールさんだから」

「二次創作のパールさんとは……?」

 

 

 まず目に付くのが、みんな大好き()メイプルちゃんだろう。

 ついに本格参戦をしてしまった彼女だが、()()()()()()()()()()()()()()ため、基本方針は据え置きである。

 また、初心者ゆえの発想の突飛さも変わってないため、こちらが思い付きもしないようなわけのわからんことをして、滅茶苦茶な被害を生むことも容易に想像できてしまったり。

 

 ……なお、()()()()()()()()()()──すなわち防御が高く即死もさせられないような相手には弱い、という性質からマシュには頭が上がらない模様。*4

 まぁうん、上位互換みたいな性能してるもんねマシュ、普通に足も速いし。

 

 で、その横に立つのが盾使いとして(ネタ的に)愛されている人物の一人、鉄壁のパールさんである。*5

 ……貴重なワンピースキャラがこいつでいいのか、みたいな言葉があちこちから飛び出して来そうだが、自身の血を見るのが嫌、みたいな性質からかメイプルとは相性が良い模様。

 なんなら二次創作的いぶし銀キャラに魔改造されてることもあり、普通に戦力的にもやばかったりするのだった。

 

 なお、この二人にマシュを加えた三人組が『盾使い』チームなのだが。……人数が少ないのは、他の盾使いが捕まらなかったり他のチームを既に組んでいたりしたからとのこと。

 ともあれ、マシュ一人でもわりとお釣りが来る戦力であることは間違いなく、普通に優勝候補だと言えるのであった。

 

 そして、私たちを除いた最後のチームというのが。

 

 

「……まさか、ナルト君達が勝ち上がってくるとはねー」

 

 

 次の私たちの対戦相手である、ナルト君達の『お子さま帝国チーム』なのであった。

 ……意外な伏兵!

 

 

*1
仮面ライダーで宇宙規模の戦闘力を持つキャラは限られているが、ウルトラマンは元々が宇宙人なこともあってそこら辺は前提みたいな所がある

*2
なお、この単位がなにを示すものかもわからない、というあんまりな話もあるとかないとか。TNT爆弾換算だったりした場合、更に火力が上昇する可能性もある

*3
クウガやアギトなどが該当。手すりを槍にしたことも

*4
作中的には『火力が貧弱』と表現される。……あれで?と思う人もいるかも知れないが、純粋なDPSなどを考えるとトッププレイヤーならあれ以上の火力は普通に出せるとか。メイプルの場合はあれこれ準備してあれ、というところもあるので、単純な火力面を見ると弱い、ということになってしまう。極振り故の防御力であり、極振り故の低火力・低機動性と言うべきか。その為、彼女以上の頑強さに加え、速度・火力も申し分ないマシュは、わりと真面目に天敵と言えるかも知れない。あと明確に『痛みに弱い』という弱点があるのも、なんだかんだでトップではなくトップクラスであることの理由なのかも?

*5
『ONE PIECE』のキャラクターであり、かなり初期に登場した人物でもある。初期とはいえ、サンジ相手にほぼ完封を決めていた辺りわりと(そのタイミングでは)強い方の敵、ということになるか。そのキャラクターのネタ性などから、一部で変な人気があるキャラでもある。なお、自分の血を見ると錯乱してしまう為、痛いのは嫌なメイプルとはちょっと気が合いそうだったり

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