なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、この健康診断がこれ以上引き伸ばせない理由、というものがゆかりんの口から説明されたわけなのだが。
とはいえ、それはあくまでも上の人達の都合というやつ。……つまり、部下側がそれを考慮して動く必然性は皆無、というやつなのである……!
「なに!貴様、それは!」
「君の話は嫌いではなかったがね!だが社会は、それを許容するほど甘くはない!」*1
(……え、なんですかこの茶番?)
(しっ、こういう時は迂闊に触れちゃダメですよアーミヤさん。私は詳しいんです)
(慣れきってますね……)
その慣れは多分宜しくないやつ。
……とまぁ、ひそひそ話すルリアちゃん達に脳内で小さくツッコミを入れつつ、驚愕する(※フリです)ゆかりんに相対する私である。
だってほら、一応ここで反抗しておかないと、流れのまま多数対多数の大規模戦闘させられる羽目になるからね!
……別に逆らってもやらされるだろうって?それに対して従順だったか反抗的だったか、ってのは後の評価に繋がるものだから……。
無論上司からの評価ではなく、のちの歴史家達からの評価、というやつだが。*2
そんなわけで、とりあえず反抗したという証を欲した私はというと。
「……この話を呑まない場合、貴方も医療スタッフ側として互助会への出張が発生
余計にめんどくさい話に突っ込まれる予感を覚え、即刻寝返ることにしたのでしたとさ。……この話はここで終わらせておくべきだ!()
「まぁ、別に反抗しようとしまいと、結局貴方が向こうの出張に巻き込まれるのは確定事項なんだけどね?」
「ウソダドンドコドーン!!」
向こうの人達って、貴方に対してちょっと崇拝じみた感情抱いてる節があるし……。
だったらそれを活かして、向こうの検査を円滑に進める義務があるんだし……。
みたいな言葉と共に、結局これが終わったあとの延長戦を告げられた私ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
私はただいま夕日(ではない)に向かって「ちくしょーっ!」と叫んでる真っ最中です。……土佐犬出る?
「ハジマリハゼロwwwオワリナラゼッwww」*3
「……おめぇさんは余裕なのかそうじゃないのか、端から見てるとまったくわからねぇな……」
「余裕なんてまったくないです……」
「うわぁいきなり落ち着くんじゃねぇ!?」
「っていうか溶けてます!?なんですか私よりよっぽど『るっ!』じゃないですか!?」
「落ち着いてルリアさん、貴方までそっちに行かれると私どうしようもなくなります……」
対戦中に使うと怒られるけど、こうしてなんでもない時に使うのは問題ないよね!
……って感じに、液体化してぐねぐねしてる私にあちこちからツッコミが飛んでくるが、キーアん気にしない!……ルリアちゃんの横に居る時はドラゴン形態にでもなっとけばいいかな?*4
とまぁ、半ばやけっぱちになってる私に
「っていうか、私にツッコミ役を投げるの止めてくださいます?バーサーカーなんですけど。アヴェンジャーなんですけど私?」
「そういう台詞は
「無茶言わないでよ!?」
あれに勝つとか、更なる色物になれって言ってるようなもんじゃない!……と叫ぶ
ああうん、そういう人達にはあとでたっぷり教えてあげるから、と一度話題を切って。
改めて、話を戻すと。
……向こうの娯楽が長らく『マジカル聖裁キリアちゃん』だった、というのは以前から語っている通り。
そのせいということかのか、なんというか向こうの人って『キリアちゃん推し』みたいな人がわりと多いのである。
初めて向こうに行った時に、その片鱗を見せていたのはハジメ君くらいのものだったけど……。
「何度かお邪魔してるうちに、『あのー、もし迷惑でなかったら、なんですけど……サインとか、貰えます?』みたいな話を聞くことが増えてきてね……」
「あーうん、『逆憑依』組からしてみると、アンタの特殊性ってのもどことなく感じられちゃうのかもね……」
何度か向こうで仕事をしているうちに、それなりの頻度でサインやら握手やらを求められるようになっていったのだ。
……『逆憑依』って時点で、本来ならそれは変な話なのだが……彼らはこっちと違って、最初のうちは
端的に言ってしまえば『ドラマ』みたいなもの、と言うべきか。それも、ノンフィクションの類い……みたいな?
その中で、『キリア』という存在は分かりやすく『フィクション』であった。
なにせ、作品そのものが
その中の主人公が、実際に実体を持って歩き回っている……その事実がもたらす衝撃がいかほどのものだったのか、そこを正確に測ることはできない。
できないが……こちらが思っている以上に驚いた、ということは間違いないだろう。
感覚的には、『アニメやゲームのキャラクターに実際に遭遇した』、となるのだろうか?
……いやまぁ、他のキャラだって厳密にはそうなのだが、自分を転生者だと思っている状況下で、明確に作り物だとわかる人物が目の前に現れた時の感想、なんてものが容易に想像できるわけもないというか。
ともかく。
こっちが思っている以上に不可思議な存在であった『キリア』という少女が、向こうでカルト的な人気を持つに至る土壌というものは、最初から揃えられていたというわけである。
それが、
「まぁ、『逆憑依』で持ってきてる外の姿は、実際にどこかの世界で実在している彼らのそれ……みたいな感じだから、正確には完全に作り物なのって私だけなんだけども」
「それにしたって、本当にアンタが作り物なのかもわからないわけだから、言うだけ無駄って感じもするけど」
「まぁ、せやねぇ」
その辺りはまぁ、『逆憑依』自体の本質やら真実やらが明らかにならない限り、あくまで憶測の域を出ないのも確かなのだけれど。
……ともあれ、『キリア』ないし『キーア』が他の『逆憑依』と違う、というのは私だけ出典がオリジナル作品である、ということからも明白。
その辺りの差異とでも言うべきものが、どうやら一種の魅力として受け入れられているようで、結果として向こうの人達は地味に私のファンが多い、ということになっているのであった。
……ベビロテでアニメが流され続けているのが理由、というところは否定しない。
「最近でも最初の路線と変わらず、色んな世界とコラボしてるみたいねぇ」
「パルデア地方にポケモン探しに行った日には、新規アニメでサトシが降板したのと合わせてなんか話題になってたわね」
「というか、サトシが居なくなったって事実の方がビックリだよ、私」*6
まぁ、なんやかんやで二十数年もずっと主役やって来たのだから、そろそろ交代すべきってのもわからないでもないのだけれど。
……え?その割にはピカ様は続投してる?……ほら、声は同じだけどキャラとしては別物だから……(震え声)*7
ともかく。
向こうに行く時に、私……もといキリアが同行してくれると、あれこれスムーズに済むのは間違いない話。
なにせ、密かにモモンガさんまで私のサイン持ってるのである。……トップがそうなのだから、配下扱いみたいなものの住人達にも十分通じるのは明白であるだろう。
……まぁ、その扱いに私が耐えられるのか、みたいな部分はなくもないんだけどね!
肉体労働の後に待つ、精神的な疲労を約束するお仕事の確定に、思わず頭を抱える私なのでしたとさ。