なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、ゆかりんからあれこれと説明されたけど、私たちがやるべきことは大して変わらないわけで。
……いやだってさ、大規模戦闘をするって言っても、それって決勝戦まで進んだらの話……ってやつだから、こうしてまだ準決勝すら終わってない時点で、あれこれ騒いだとしても仕方がないっていうか?
あと、そもそもこの後の準決勝自体本当に勝てるかどうかもわかっていないのだから、このタイミングで勝ったあとの話をするのも不誠実だろう……みたいな意味合いでもあるかも?
まぁそういうわけで、一先ずは目の前の準決勝に向けて気合いを入れ直そう……という話になったわけなのでございます、はい。
「ええと、それじゃあ改めておさらいするけど……これから私たちが対戦する相手は、かようちゃん達が率いる『お子さま帝国チーム』。主要なメンバーはかようちゃん&れんげちゃんで、それを筆頭にイッスン君やナルト君、それからうちのビワにコナン君とかを含めた六人チームだね」
「わりと豪華・且つ少数精鋭のチームなのですね?」
「まぁ、全部で十人近く集まってたチームがあったことを思えば、十分少数精鋭側かな……?」
と、言うわけで、試合前のブリーフィング*1である。
今回私たちが対決する相手は『お子さま帝国チーム』。
かようちゃんを筆頭に、チーム名通りの子供達が複数揃った集まり、ということになるのだけれど……。
構成メンバーが子供で揃っているからといって、決して侮ってはいけない相手であることも確かなのであった。
「……ビーストから零れ落ちたって肩書きの人が、二組も居るのが恐ろしいんだよなぁ」
「ええと……確かイッスンさんとかようさんの二人が、噂の人達ってことになるんでしたっけ?」
「そうそう。……ここに居ないクモコさんとキアラさんに関しては、こっち所属じゃなくて向こう所属だから今のところ考慮する必要性はないねぇ」
現状、獣から零れ落ちた存在として確認されているのは四組。
……予想が正しければもう一人、銀ちゃんのところに疑わしい人物がいないでもないのだが……彼女に関しては実際にはビーストとして顕現はしていないのだと思われるため、ここでは除外。
そもそもの話、件の人物は既に敗退済みだし。
……その割には、原種発生後の獣の連鎖顕現が起こっているような気もするって?あれだよあれ、それは多分気のせいってやつだよ()。*2
──話を戻して。
元となるモノが元だけに、戦闘能力的に警戒しておいた方がよい……という扱いになる人物は四組存在するわけだが。
そのうちなりきり郷所属扱いになっているのは『かよう&れんげwith二匹の従者』組と『イッスン』の二つ。
……クモコさんに関してはわりと所属が怪しいが、一応本籍に関しては互助会側なのでここでは割愛。
それと、最近加わったセラピストの方のキアラさんも、明確に向こう側の人物であるため除外。
ゆえに、この場で警戒の必要な人物という区分ではこの二組に絞られる、ということになる。
「そこら辺考慮すると、しんちゃんがあのチームに混じってないのってわりと有難いんだよね……」
「獣と勇者が同陣営、ってなると概念的に強くなってしまうものね」
「……え、しんちゃんさんもいらっしゃるんですかここ?」
「そうそう、居るのよあの子。……まぁ、そこまで乗り気じゃなかったみたいで、初戦で敗退してるんだけど」
そこまで考えて、しんちゃんが『お子さま帝国チーム』に加わってなくて良かったなぁ、と思考が飛んだ私なのであった。
……随分思考が飛んだって?いやだって、ねぇ?
正直、彼がやる気になってたらわりと危なかった、と言うのは決して間違いではないだろう。
無論、今のあのチームが警戒に値しないわけではなく、寧ろバリッバリに警戒すべき相手であることも間違いじゃないけど。
獣単体の場合と、それを補助・ないし補強できる相手と一緒にやって来る場合を考慮すると、前者の警戒レベルが一つ下がるのは仕方のないことというか。
まぁ、彼以外にもやる気だったらヤバい面子、なんてものは幾らでも転がってたわけなんだけども。
同じく初戦敗退してるダンテさんとか、はたまた五条さんとかがいい例である。
「まぁ、あの辺りはこの流れを読んでた、って可能性もあるんだけど」
「流れ、と言いますと……」
「ここまで頑張っても、決勝戦でおかわりが飛んでくる可能性」
「あー……」
まぁ、彼らがやる気がなかった理由、というのが今の展開を予測していたから、という可能性もあったりするわけなのだが。
……それが面倒臭さからか、はたまた大規模戦闘になる決勝の方が楽しそうだったからか、という違いはあるだろうが。
その辺りは決勝戦で嫌となるほど確かめさせられるだろうから、今は脇に置いておくとして。
改めて、『お子さま帝国チーム』の戦力分析に話を戻すと。
チーム名に肖ってしんちゃんまで加わっていた場合、それこそ手の付けられない相手となっていただろうことは間違いない。
それを思えば、現状のあのチームの警戒レベルは一つ下がるが、かといってそれがこちらの勝ちを約束するものか?……と言われると微妙というか。
「……そもそもの話、なんでしんのすけ?ってやつが居るか居ないかを警戒してるわけ?一応、アイツらってビーストの残り香なんでしょ?だったらそれ相応の警戒は、普通にしてしかるべきだと思うんだけど」
「答えは今
「はぁ?」
「あ、なるほど。
「……はぁ?」
そこまで語って、今一警戒してるのかしてないのか、どっちなのか判別し辛いというツッコミが
……それに関しては何度も口にする通り、
なので、もう少し踏み込んだ答えを述べると。
かようちゃん達はあくまでも
……これに関しては、しんちゃんの特異性が関係していたりもするわけだが。
「しんちゃんってば、基本的には主役側だけど。……同時に、人以外のモノとも仲良くなれる素質持ちなのよね」
「……それで?」
「彼が適切に関わった相手っていうのは、本来のスペックより遥かに優れた結果を出すことがあるわけでね?……そこら辺拡大解釈すると、彼って
「……あー、もしかして?」
「そういうこと。しんちゃんが獣の残り香と手を組んだ場合、
「うわぁ」
そもそもビーストとは、人類愛より生まれたモノである。
……それは裏を返すと、発生の原因そのものは
つまり、圧倒的善属性であるしんちゃんと接触すると、変な化学反応を起こしてビースト時のスペックを発揮したりする可能性がある、なんて話になってしまうのだ。
これ、普通なら『かつての敵が頼れる味方に!?』的な話になるので、喜ばしい話題ということになるはずなのだけれど……。
ここで想定するのは、相手が敵の場合。……つまりいつぞやかの『ネガ・シンガー』だの『ネガ・シンクロニシティ』*4だのを再現できるレベルまで強化されたかようちゃんだのイッスン君だのと戦わされる可能性があったわけで。
それを思えば、獣の
……まぁ何度も言うように、以前の獣パワーが使えないだけであって、決して甘く見ていい相手というわけでもないのも確かなのだけれど。
じゃあなんでここでこんなにしつこく語ってるのかって?
「……決勝戦でそっちパターンになる可能性があるからです……」
「あっ」
言うなれば、これから私たちが戦う相手はシナリオボス。
設定面的には確かに強敵だが、それでも勝てるように調整はされた相手、という風に解釈することもできる。
どっこい、決勝戦では事前の宣言通り、敗退したメンバーも加えての大乱戦となる予定である。
……と、いうことは。
そう、誤解を恐れずに言えば、後から高難易度クエストが飛んでくる可能性が高いので、今のうちに警戒しておけ、ということになるのであった。
……言い方を変えれば、その辺りの予兆的なモノをこの対決で掴んでおけ、みたいなことにもなるか。
「決勝がお祭りみたいなことになるのが決定してるから、素直な対決になるのもこの準決勝まで、ってことになるのも理由の一つかな。……こっから先、今までのようなノリで挑むと酷いことになるぞって警告と、今のうちにここまでの空気を噛み締めておけよって忠告?」
それと、そうして緩んだ気持ちのところを見計らって、足元掬ってくる可能性もあるぞ……みたいな言葉も添えつつ、これから始まる準決勝がわりと波乱になる可能性を示す私なのであった。
……話がとっ散らかった?まぁ、こうでもしないと今の私たちの複雑な状況がわからない、みたいなところもあるので……。