なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……そのまま勝てるかなー、と思ってたら、最後の最後にコナン君が復活して、そのままボールを巨大化。……止める暇もなかったからまんまと分断されちゃって、そのままだと個別撃破されちゃうって思って集まろうとしたら、そこを予め読んでたかようちゃんが自爆覚悟の禁じ手・四体合体バーストストリームで攻撃してきて、結果最後にコナン君だけが残って向こうの勝ちになったのよねー」
「あそこまでやっといて負けるんかい、って皆からツッコミが入ったのよねー……」
はてさて、エキシビションである決勝戦も無茶苦茶な流れで終わり。*1
今はこうして検査終わりのお風呂タイム、というわけなのであった。
……私達以外にも、他の面々達がそれぞれ大きすぎる露天風呂ではしゃいでいる最中である。……無論水着で。
なんで水着なのかって?お疲れ様会的なあれなので、男女問わず皆で一緒に入ってるからですよ?……この量の人間を受け入れて、まだ余裕がある露天風呂の広さもわりと大概だな???
「いやー、僕ってば今回ほとんど見てるだけだったけど……キーアさんの新しい手札とかも見れて満足満足~」
「……随分と楽しそうだね、五条さん」
「そりゃもう!本編でも久々の登場だから、これでテンション上げなきゃ嘘でしょ」*2
「……敗北フラグ」<ボソッ
「おおっと聞こえない聞こえなーい。悠仁が呪物ならなんでも取り込めるとか、呪術師は処理をミスると呪霊とか
「それ大分本音じゃない???」
そうしてゆかりんと二人でお酒を呑んでいたら、真っ先に近付いてきたのはかなりご機嫌な様子の五条さんだった。
……攻防一体の術式持ちの彼は、今回のサバゲーではあまり目立たなかった人物の一人である。
なんでかって?ある意味私と同じくらいに、あれこれと制限を受けてたからだよ!
まぁ、冷静に考えたら防御利用の無下限の時点で無理があるよね、というか。まともに防御を抜ける人がいないし。*4
「攻撃だけならまだなんとかなったかもだけど、防御の方はねぇ……」
「制限するのも難しいから、まったく使わせない以外の選択肢がなかったんですもの。仕方ないと思わない?」
無限をなにで割っても無限は無限──。*5
数式的な概念がそのまま服を着て歩いているようなものである以上、彼への縛りは極端なものにならざるを得ない。
そのため、彼は防御のための無下限の使用を制限され、結果としてわりとぼっこぼこにやられてしまっていたのであった。……具体的には一回戦落ちである。
……同じ無限系のキャラなのに、なんでお前はあれだけ頑張れたのかって?
私の場合は無限は無限でも、濃度の関係あるタイプだったから、かな?
「無限の濃さ、って部分で制限を受け入れる余地があるってのはわりとずるいよねー。まぁ僕の方も、原作の話が進めばそういう感じの強化が来る可能性あるけど」
「その前に、目の前に立ってる死亡フラグから粉砕しないとねー」
「夢の最強対最強だからな。俺としてもこれからの展開は見物、というやつだ」
「うわでた」
そうして五条さんと会話をしていると、横から加わって来たのが宿儺さんであった。
……他のみんなと同じように水着着てるの、冷静に考えるとギャグかなにかかな?……って気分になるなこれ。
なお、当の宿儺さんはこちらの視線を目敏く察知し、何故かポージングを決めてくれたのだった。
うーむ、ファンサービス精神旺盛……。
「ってか、なんでブーメランパンツなのさ?」
「声優繋がりという奴だ。ハードにロックに決めるぜ、brother?」*6
「まさかの無銘さん!?」
でもその四本腕でブーメランパンツなのは、どっちかと言うとカイリキーを思い出すと思うの。*7
……などと声を返せば、流石の宿儺さんも微妙な顔を見せたのであった。
「そういえば、波旬君は一緒じゃないんですね?」
「ああ、アイツなら一足先に上がって、今は風呂後のカレーの用意をしている筈だ」
「汗流したあとにもっかい汗を掻かせようとするの止めない???」
「おっと、モモンガさーん、こっちこっちー」
「む、むぅ。……良いのだろうか、この状況」
他の風呂へと移動する五条さん達を見送る私達二人。
ここ、露天風呂って体で色んなものが置いてあるから、普通に見て回る分にも楽しいんだよねー。
で、彼らと同じように中を見て回っていたのだろうモモンガさんとシャナの二人を見付け、こちらに呼び寄せたというわけである。
なお、モモンガさんはいつものローブを脱いだ姿……だと貧相なスケルトンと化してしまう上、下手するとその上に水着を着るというどこに向けたモノなのかわからない謎スタイルになってしまうせいか、いつぞやにも見た(恐らく)鈴木悟スタイルに変化していた。
ついでに言うと、隣のシャナは(何故か)白スク仕様である。……なかなかやるじゃない(ニコッ
「今日はサトルの慰安みたいなものだから。……男の人って、こういうの好きなんでしょ?」
「いや待て、それは誰情報なのだ……?」
「誰って……あれ、誰だったっけ?確か『気になる殿方がいらっしゃる?……貴方の容姿なら、これが最適ではないかと。きっとイチコロですわ』とかなんとか言われて渡されたような……?」
「……気のせいかなゆかりん、突然騒動の火種を投げ込まれたような気がするんだけど???」
「奇遇ねキーアちゃん、私もそんな気がするわ……」
なおその白スク、出所不明の危険物であった。
……そんな危ないものほいほい着てるんじゃないよ!?
とはいえ、今さら脱げとも言えない状況なのと、とりあえず変な影響は出ていないことを鑑みて、今回はスルーすることと相成った。
いやだって、ねぇ?替えの水着なんてほいほい用意できるようなものでもないし……。
あと、地味にシャナからのモモンガさんの呼び方が、『サトル』という本名呼びになっていた衝撃もあって、微妙に頭が回ってなかったというか。
「メジロと話し合って決めたの。サトルを休ませるには、二人で波状攻撃を仕掛けるしかないって」
「あー、ワーカホリックを直すための同盟が意外と進んでた、と」
「何故だ……」
まぁ、目を離すとすぐオーバーワークし始めるモモンガさんなので、そのくらいが丁度良いのかもしれない。
そんなことを思いながら、私はモモンガさんにもお酒を薦めるのであった。
「最後まで『いいのかなぁ……?』って言ってたわね、あの人」
「まぁ、サバゲーには参加してなかったからねぇ」
参加云々の話をするのなら、私の横でお酒呑んでるゆかりんも、選手としては参加してないのだけれども。
……ともかく、ある程度酒を呑んでべろんべろんになったモモンガさんを背負って、何処かへと去っていくシャナに手を振りつつ(シャナは平気そうだった。……え?幼児体型が酒呑むな?それ私の前で言う?)、改めて杯に酒を注ぐ私である。
「せんぱい、呑みすぎです」
「おおっとマシュ。やけ酒なので許してちょーだい」
「余計にダメです。なんで許して貰えると思ったんですか」
「ちぇー」
その杯を取り上げて行ったのは、我らが後輩マシュであった。
ほんのり顔が赤い辺り、彼女もお酒を呑んだのかと勘違いしそうになるが……なんのことはない、本編マシュと同じく場に酔っているだけである。
そんなわけで、ほんのりふわふわしたマシュは私達の隣に腰を降ろし、そのまま中空に視線を彷徨わせた。
露天風呂、と言い置いたことからわかるように、この階層は空のあるタイプの場所。
現在時刻に合わせて変化する空は、現在月と星の輝きが敷き詰められた状態となっている。
そんな星々を瞳の中に写しながら、彼女は静かに口を開いた。
「……準決勝では生憎の結果でしたね」
「そっちもねー。いやはや、強いなぁとは思ってたけど、まさかゆかりさん達が勝つとはねー」
「油断していました……まさかアキレウスさん級の移動速度を確保していたとは……」
「カブトとか
そう、なんと今回のサバゲー、私たちだけではなくマシュの方も準決勝敗退、という形で終わっていた。
新人組つよーい、なんて感想もほどほどに、三位決定戦でマシュと戦うことになる……はずだったのだけれど、思いの外準決勝で疲弊していたことと、決勝戦がエキシビションになることを総合して、三位決定戦はお流れになった。
……まぁ、あの試合のあとにもう一戦、となると他の人へ加算される追加運動量が洒落にならなくなるので、仕方のない面も大きかったわけだが。
その分、脱落メンバー全投入かつ制限全解除の決勝戦では、皆して無茶苦茶やることとなったのだが。
……脱落判定が出ても強制的に復帰させられるのはやりすぎだと思います。
ともかく、結果として戦うことがなかったため、マシュが不満を抱えているのではないかと思いもしたのだけれど……この様子だと、その心配はなさそうだ。
そんなことを思いながら、改めて空を眺める。
……手持ち無沙汰なのはいただけないが、こうして空を眺めるのも悪くない。
「お二人だけで良い空気にはさせませんよー!!」
「うわっとBBちゃん!?」
「あのー、もしもーし。私も居るからー、私も最初っから一緒に居るからねー?」
まぁ、そんなゆったりとした空気も、次の瞬間にはあっさりと溶けてしまうのだが。
そんな時間を楽しみながら、次々にやってくる人々との会話をも楽しむ私なのであった。
「貴方達はバカなのですか?」
「すみません……」
なお、騒ぎが大きくなった結果、ナイチンゲールさんに皆で怒られることになりましたが、なにも問題は……いや、問題しかねぇな、これ。