なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……とりあえず、姉って一体なんなのよアンタっ!!」
「あいたっ!?痛いですよオルタ!?というかなんで殴るんですか?!」
「そんなん決まってるでしょ!アンタを直すためよ!!」
「クレイジー・ダイヤモンドかなにかですかっ!?あっ、でもなんとなく、これについては受け止めた方がいい気がします!他の方のとは違って!!」*1
「……(げっそり)」
はてさて、戦闘が開始して暫くのこと。
……実はちょっと、ダレてきてしまった感じの私たちである。
いやまぁ、
前回も述べたように、このジャンヌ・アクアは防御方面の固さが尋常ではない。
なにせ人間城塞と呼ばれるほどに固いジャンヌと、ゲンシカイキでスペックが大幅に上がっているゲンシカイオーガの混ざりものなのである。
そりゃまぁ、互いが属性反発作用*2でも起こしているのならともかく、相乗効果で固くなるのはある種必然的というか。
ついでに言うと、どうにも悪名高い『ポケモンGO』におけるレイドボスの時のカイオーガの要素も、それとなーく混ざっているようで。*3
その結果……なんと攻撃を避けるのである。それも結構な頻度で。
……一応、
結果、まともなヒットもほとんどない上に、そもそもの体力も高い……という二重苦により、対ジャンヌ・アクア戦はとんでもない長期戦の様相を見せていたのであった。
唯一良かったことがあるとすれば、殴っているうちに反応が進んだのか、人格が安定し始めたことだろうか?
おかげさまでここから『逃げる』ことを選ぶことはなくなっただろう、というのはとても大きい。【星の欠片】的にも受けるのが正解だろうから、さらに反応が進めばこっちの攻撃を避けるのも止めてくれるかもしれない。
……え?レイドの時のカイオーガの当たらなさを受け継いでいるのなら、そもそも避けようと思って避けているわけじゃないんだから意味がない?……あーあー聞こえないー。
……いっそのこと、
どうしてか、私の第六感が『それは止めておけ』と伝えてくるため、その手段は取れないでいた……とも付け加えておく。
ともかく、ちまちま殴り続けるしかないこと、それから変わらず雨が降ってて正直寒くなってきたことなどから、
(´´^`)「尻尾もびしゃ濡れだし……滅茶苦茶疲れたし……」
「ぴっかちゅ、ぴかぴか……」*4
「まともに当たったのも最初の一回だけ、それ以降は電気なのにカス当たりばっかり……ってんだから、いやになっちゃうよねー」
「ほら、見てくださいよオルタ!皆さん休んでますよ!?私達も休みませんか!?」
「ええそうね休んでやるわよアンタを沈めてからね!ところで私、
「それはほら、私にはあれが付いてますので!」
「あれ?」
「あれですよあれ、
「……わかった、アンタはやっぱり燃やすわ!!」
「なんでですかーっ!?」
……ダメージ低いと思ったら、全マスターが嫌いなものに挙げるだろう相手のバフ一位の『特殊耐性アップ』まで付いてたんかい。
遠くから聞こえる二人のやり取りを聞きながら、私たちは顔を見合わせ、大きくため息を吐くのであった。
「FGOのバフって、よくよく見ないと酷い目にあったりするよね」
「あー、相手が固いという触れ込みだったために防御無視を持ち出したが、実際は『ダメージカット』による固さだったため意味がない……みたいなやつだな」*7
「……いや、なんの話してるのよアンタ達?」
ある程度戦闘時間が経過した頃。
こりゃダメだ、今日中に終わるもんじゃねぇ……と
結果、何故か彼女を伴って、近くの料理屋に入ることになった私たちである。
……いやまぁ、相手に交戦の意思がないのだから問題ないと言えば問題ないが、一応敵対?している相手同士がご飯を食べてるとはこれ如何に。
「にゃー、姉御は色々細かく考えすぎにゃのですにゃ。腹が減ってはにゃんとやら、腹ごしらえは戦士の仕事みたいにゃものですにゃ」
「はい、ニャースさんの言う通りです!……いえまぁ、私が殴られ続けている意味は、未だによくわからないのですが」
「……わからんのはこのメンツだよ(白目)」
意味がわからんと言えば、もう一つ。
そこでジャンヌの横にちゃっかり座っているあの時のニャースも、意味がわからないことの一つであった。
……こっちが戦闘中に、忽然と姿を現した彼はこちらとジャンヌを見るなり、そそくさと近寄ってきて、こう言ったのだ。
「にゃー、猫の手も借りたい、というやつではにゃいですかにゃ?」
「……はい?」
……彼の目的がよくわからないが、どうやらこっちを手伝ってくれるらしいとのことだったため、有り難くその手を借りることに。
……任務を失敗できないというのなら、それこそこの戦闘が終わるまではこっちを裏切ることもないだろうし。
そういうわけで、半ばなし崩し的に共闘状態となったわけなのだが。……このニャース、こっちが思っている以上にサポート上手であった。
どうやら
その有能っぷりは、思わず攻撃されている方のジャンヌまで拍手してしまうほど。
……照れたように頭を掻くニャースにちょっと癒されたが、結果ジャンヌも
まぁともかく、すっかり一同に馴染んでしまった彼は、こうして夕食への移動にもほいほい付いてきたのであった。
……いや、ええんかい?
「にゃにゃ、そういえばにゃーの目的について言ってにゃかったにゃ。不思議そうにゃ顔をされるのも仕方にゃいにゃ」
「目的?ニャースさんは、なにかすることがあってここに来たんですか?」
「そうだにゃ。別に隠す必要性もにゃいからバラすけど……にゃーはあにゃたをスカウトに来たのにゃ」
そうして問い掛ければ、彼は特に悪びれた様子もなく、自身の
それによれば、どうやらこちらの予想通り、彼はジャンヌを自身の組織に加えるためにやってきた、ということになるらしい。
ただ、それは『そうなればいいなー』的なモノ──いわばサブターゲットであり、メインターゲットは別のモノだとのこと。
「にゃ。一番の問題はやっぱりこの雨にゃのにゃ。これが降り続けるのはこっちとしても宜しくにゃいので、それを止めるのが最優先にゃのにゃ」
「……ってことは、無理にジャンヌを連れていくつもりはない、ってこと?」
「寧ろ姉御が保護してくれるのにゃら、こっちとしても願ったり
そこまでキャパが多いわけでもにゃいからにゃー、と笑うニャースの姿に、思わずため息を吐く私である。
……まぁ、ジャンヌ戦のあとにエクストラバトルが発生する、とかよりはマシか。
「……え、なに。もしかして終わったあとコイツ見逃す気?」
「まぁ、こっちとしては良いように使いっぱしりにしてるだけだからねぇ、今のところ。……流石にこれで捕まえる、となると恩知らずどころの話ではないというか」
「にゃにゃ。恩に感じて貰えたにゃら、手伝った甲斐があると言うものですにゃ」
こちらがニャースを見逃そうとしていることに気付いた
そう返したところ、現状一番サポートして貰っていた
……まぁ、ニャースの『してやったり』みたいなほくそ笑みを見てると、見逃していいのかちょっと不安になる……というのもわからないではないが。
ともかく、何故か敵味方入り交じっての夕食は、終始和やかなままに過ぎていくのであった……。