なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「あーなるほど、確かにねぇ。必中云々の話をするのなら、確かに僕に話が回ってくるのはある意味で筋……ってことになるわけだ」
「……そういえば領域展開中って、術式必中になるんだったね……」*1
「その方が……」
はてさて、次の日の朝のこと。
相も変わらず雨は降り続けているわけなのだが、その雨中で佇むジャンヌはといえば、少々緊張したような面持ちでこちらを見つめていたのであった。
……それもそのはず。その視線の先にいたのは、ゆかりんの提案によって別所(なんと東北の方にいたとか)から呼び寄せられた男性──現代最強の呪術師、『五条悟』その人だったのだから。
いつの間にか領域展開まで使えるようになっていた五条さんだが、そもそも『呪術廻戦』における『領域展開』とは、自身の術式が
……現代術師だと『必中』に加えて『必殺』、なんて性質を持っていたりする*2が、五条さんの
……え?『必殺』を当てるのは良くないんじゃないかって?
いやいや、これがこと『ポケモン』相手だと、そうでもないのである。
「そうなの?」
「『つのドリル』とか『じわれ』とか『ぜったいれいど』とか、ポケモンに存在する一撃必殺技*3って
「……あー、『逆憑依』の再現バランス的には、そうなるのか……?」*4
世の中のゲームには、『一撃必殺』*5と銘打たれた技が五万と存在しているわけだが、勿論それはポケモンというゲームにだって存在している。
……存在しているけれど、ゲームシステム的にそれは
これがポケモンの特殊なところで、世の中の大抵のゲームは『相手を倒す』ことが文字通り『相手の命を奪う』・もしくは『その一歩手前まで相手の命を削る』というものであることがほとんどなのに対し、ポケモンのそれは『一時的な行動不能』状態にさせるものに止まるのである。
同じ『ひんし』という言葉でも、他の作品のそれが文字通り『死に瀕している』ことを指すのに対し、ポケモンのそれはあくまでも『戦闘不能状態』の別の言い回しに近いというか。*6
……まぁ、その辺りの違いが浸透していない初代の方では、『瀕死のポケモンに秘伝技を使わせる鬼畜トレーナー』、みたいな捉えられ方をされることも多かったのだが。古い四コマとか探せば出てくるだろうし。*7
なお、
とりあえずここで重要なのは、仮に必殺となるような技を使っても、ポケモンの要素を含むジャンヌ・アクアに対しては『ひんし』になるだけで済む可能性が高い、ということだろう。
なので、『いいのかなー?』みたいな顔をしている五条さんにおかれましては、普通に使っていただければ問題ない……みたいな言葉を返す私なのであった。
「うーん、暗に『私は巻き込まれても大丈夫』って言ってるぞこの人」
「実際には全然大丈夫じゃないんだけどね。無限回死んでも負けない、的なやつなだけで」
なお、当の五条さんはご覧の通りの表情である。
……え?わからん?苦笑いだよ苦笑い。『必殺』って言ってるのに意味なさげなのが間近に居るよ、的な意味の。
まぁ、私達【星の欠片】に関しては、一定量の深度を持つ場合【永獄致死】──あらゆる物事を
元々世の中のあらゆる能力に対してどう対処するか?……みたいなひねくれた考えから生まれた
なお、ジャンヌ・アクアに関しては彼女を構成しようとしている【星の欠片】が、一体どういったモノなのかをまったく判別できていないため、彼女が【永獄致死】まで至っているかは微妙に謎である。
……まぁ、普通にダメージとか与えられていた辺り、普通にそこまでの深度ではないとは思うのだが。
っていうか仮にもしその深度にいるとすると、カイオーガ&ジャンヌの相乗効果で伸びた
「……なにそれ」
「いやまぁ、ちゃんと機能してる【永獄致死】なら最大体力『1』固定の無限ガッツになると思うんだけど、今の混じってるジャンヌに発露した場合は、機能が落ちて総体力を回数に変換したガッツになるんじゃないかなー、というか」
「……おっかしーな、なにそのチートって聞こうとしたのに、元々の性能を考えると明らかに弱体化してるのがわかるんだけど」
「そもそもこれ、一定深度の【星の欠片】だと標準装備だからね」
「かんっぺきにクソゲーじゃんそれ」
はっはっはっ。一応ガッツが発動すると相手に経験値が入るので、どっちかというと殴れば殴るだけレベル上がるサンドバッグみたいなものなんだけどね。
……え?ジャンヌに想定したのとは違って、そっちの無限ガッツは『stay_night』のバーサーカー戦みたく、与えるダメージが高いと貫通処理が入るだろうって?*9
で、結果として本来与えるダメージ分の回数ガッツを削った扱いになり、それによって加算される経験値も阿呆みたいなことになるって?
さらにさらに、その経験値には型月でいうところの『ヒュージスケール』*10効果付きなので、真面目にバグったくらいのレベルアップを果たしたことになり、最終的に今の位相にいられなくなるだろうって?
はっはっはっ。……大正解です(真顔)。
なにがあれって、きちんと機能してる【永獄致死】には上限が一切ないのがね。
なんならダメージのないスキルとか行動とかも全部、
チートMODでも突っ込んだのかな?もしくはグロウアップグロウ?
……【星の欠片】にまともに相対するのがどれだけ馬鹿な選択か、という話である。
まぁ、その辺りの話は長くなるので置いておくとして。
ともあれ、相手の体力を全損させるのが最優先のこの状況、一撃必殺かつ必中持ちの五条さんが適任、ということは言うまでもない。
なにせジャンヌの厄介な性質──確率回避と膨大な体力の両方を無視できるのである。
その相性の良さは、まるでソシャゲの特攻ガチャの如しだろう。
「……まぁ、お陰さまで他の面々には話し掛けて貰えてないんだけどね、僕」
「私はともかく、他の人らは普通に『無量空処』なんか食らったら死ぬからね、仕方ないね」
なお、そのために他の
……バッファーならともかく、アタッカーは特攻前提だと役にたたないからね、仕方ないね。
まぁ、今回の五条さんの場合は『無差別』特攻アタッカー扱いなので、バッファーも一緒にはいられないんですが。敵味方識別MAP兵器*11になってから出直してください、みたいな?
そのせい、というわけではないが。
今回新しく加わったルドルフとか、一応今のところ味方なニャースとかとは話せていない五条さんである。
「唯一話せそうなジャンヌちゃんは、これからボコる相手っていうねー」
「え、えと。す、すみません?」
「謝られても困るなー、調子狂うし」
攻撃するんなら、後腐れない相手の方がいいし。……と言いながら、領域展開の準備をする五条さんである。
……以前の彼の『無量空処』は、未熟な状態であったために効果が変質していたが。
今の五条さんはあれから修行を積み、ほぼ原作のそれと遜色のない効果のものへと進化を遂げていた。……まぁ、本人的にはまだまだ、らしいのだが。
外から見る分にはなにが違うのかさっぱりなので、その辺りは本人的なこだわり、という話でしかないのかもしれない。
ともあれ、相手にそれを阻止する意思がない以上、領域展開は恙無く完了し。
世界は瞬く間に、無限の知覚の中へと放り込まれることとなったのであった。
……なったんだけども。
「……ええと、あれ?」
「んん?」
「???」
術師ゆえに問題なく動ける五条さん。
自身のスペック任せで無理矢理動いている私。
──そして、
……いや、ホントになにこれ?