なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
『……ええと、つまり今の状況で五条さんを戦力としてカウントしようとするなら……』
「この雨を止めるのがまず大前提、ってことになるね。扱いが領域みたいなことになってる可能性大だから、必中どころか下手するとこっちの術式がしばらく使えなくなるかもだし。……いやまぁ、領域の押し合いで潰されるよりはマシだけど」
『そんなぁ』
はてさて、状況の打開策として派遣された五条さんだったわけなのだけれも。
……ジャンヌかカイオーガのどちらか単体、もしくはそこに【星の欠片】が混じってなかったのなら、特に問題はなかったのだろうけど。
よりにもよってそれらが全部盛りだったために役立たず……とまではいかないものの、単体で状況をひっくり返すには足りてない、という評価になってしまったのであった。
……まぁうん、【星の欠片】単体なら意外となんとでもなりそうにまで育ってる辺り、やっぱり単一作品の最強クラスに区分される人は違うなー、という感想にもなったんだけどね?
「なんとかできるって言っても、キーアさん相手とかになると足りてないんだけどねぇ」
「はっはっはっ。逆に私を単体でどうにかできるってなると、それこそ
(……イキってるように見えて、どっちかというとなんでやねんって言いたくて仕方ない、って感じねコイツ……)
なお、五条さん本人的には私の防御が抜けないのでは意味ない、と不満のご様子。
……既存作品で【永獄致死】をどうにかしたいのなら、それこそ空間・法則支配を完全にこなせて初めてスタートライン、みたいな感じだから仕方ないねあははは()。*2
……ゲッターと共に永遠の戦い、とかまったくやりたくないんですがそれは。*3
まぁ、その辺りの話はややこしくなるので投げるとして。
ともあれ、相手方に【星の欠片】があるとしても、本来それはピンキリ。*4
……モノによっては普通の技能でもなんとかなるはずなのだが、面倒くさいことに今のジャンヌは変化中のそれ。
確実性を期そうとすると他の【星の欠片】をぶつける、という最良の手段が取れず、かといって単純火力ではどうにも足りてない……という、なんとも微妙な状態に陥っていたのでありましたとさ。
唯一の救いは、当事者足るジャンヌが特に暴走もしてない……というところだろうか。
「つっても、変に刺激しすぎるとおかしくなるかも、なんでしょ?」
「一番わかりやすいのは、姉として完全に
(´^`)「今でもわりと大概なのに、この上があるという絶望だし……」
とはいえ、それもたまたま……といった赴きが強い。
特にこのジャンヌは、夏の彼女が基盤となっているもの。
……今は他の要素との中和によるものか、必要以上に姉としての主張をしてはいないが。
前にも触れたように彼女が変に暴走した場合、周囲の人間に認識性の姉災害*5をもたらす可能性が大なのである。
これのなにが恐ろしいって、方向性的にはビーストⅡ・ティアマトのそれとあんまり違いが無いってことだろう。
……すなわち、全人類の姉となった彼女が世界を海に沈める、みたいなあからさまにビーストの所業をし始める可能性がある、ってことなのだから。
よもやジャンヌがビーストに、みたいな驚きとそれが『姉』である、という若干のギャグ感によって世界は抗う間もなく姉に沈む……という最悪のシナリオ完成である。
まぁ、オルタ的には現状でも既にたじたじみたいだが。
なにせ彼女の横では、楽しそうに彼女にご飯を食べさせようとしているジャンヌが居るわけなのだから。
……洗脳とかして来ない分、実際のところは原作よりマシ?それはそう。
当のオルタもどっちかというと照れ隠し的なあれなので、そういう意味でも現状はまだマシな方だというのは間違いないだろう。
なので、できればこの状況を維持したまま、話を終わらせたいのだけれど……。
「それだと何日、いいや何ヵ月掛かるかわかったものじゃないんだよね……」
『ぜっったいどこかで無理が祟って崩壊するわよこれ?』
「ぴかっちゅ、ぴかぴー」*6
そのままを維持しようとすると、どうしてもこの
なにせこの雨、確かに穢れの浄化などの様々な利点を持っているものの……やはり
ジャンヌの聖女としての性質と、カイオーガの海の化身としての性質が混ざりあったがゆえの現象なのだろうが……ともあれ幾ら良い性質がある、でごまかすにしても限度はある。
このまま雨が降り続くのであれば、例え洪水などの大災害に発展せずとも、大雨ゆえの問題が積み重なってどこかで事故になってしまうことは容易に想像できる。*7
……雨として降ってくる時はともかく、降ったあとの水はわりと放置気味なので、それも仕方のない話なのだが。
「カイオーガって海の化身なんだよね?だったら、降ったあとの水もどうにかできそうなものだけど?」
「その辺りはまぁ、今のジャンヌが完璧じゃない、ってところが大きいんじゃないかな?あとはまぁ、本来のカイオーガだと『人の被害なんて知ったこっちゃねぇ』みたいなところもなくはない、というか」
「うーん、これだから神様ってやつは……」
その話を聞いて、五条さんから質問が飛んでくるが……それに関しては今のジャンヌが不安定であること、それからカイオーガというポケモンがわりと
確かに、カイオーガは雨を降らせ波を操るポケモンである。
となれば、降ったあとの水に関しても操れて然るべき、という予想は間違いではあるまい。
ゆえに、今の彼女がそれをできないのは……それこそ彼女の今の状態が不安定ゆえにその力を発揮できていないから、と見る方が正しいだろう。
この辺りは、反応が進めば自然となんとかなるものだと思われる。
それから『神らしい神』という話の方についてだが……元々、神というのは人の手の届かぬもの──自然現象などを人の理解の範疇に落としたもの、という場合が多い。*8
そしてそれは、病魔などと同じく
あくまでも未知であることの恐怖から逃れるためのものであって、相手を制御する術を得たわけではないのである。*9
ゆえに、人の手でどうにもできない自然現象は、それを神の怒りという形で認識することになり。
つまり、神の気ままは自然の流れ、それを論じることに意味はなく人はそれをただ受け入れるしかない、ということ。
傍若無人な神に振り回されるが人の定めであり、それを嫌だと願ったところで、人に取れる手段などないということである。
そういう意味で、カイオーガというポケモンはとても神らしいポケモンだと言えるだろう。
自然の権限として、時に穏やかに・時に激しい海を象徴する彼は、その気ままさのままに人へ恩恵と被害の両方をもたらしていく。
そこに人への気遣いはなく、あくまでも人が勝手に『恩恵だ』『被害だ』と述べているだけ。……まさに神らしい神、というわけである。
ただ、そんな神らしい神に宗教従事者であるジャンヌが混ざっている辺り、どうにも話はそんなに簡単でもなさそうなのだが。
「……んー、せめて『神断流』が使えればなー」
「……ああ、理不尽な神に対して特攻、なんだっけ?」
……それはそれとして、この話をしているとどうして『神断流』が使えないのか、みたいな気分になってくる私である。
いやまぁ、これもこれでしっかりと【星の欠片】だから、ってだけなんだけどね?
でももし使えたのなら、相手の回避とか全部無視れるし体力も一瞬で削れるのになぁ。
……まぁ、言っても仕方ないのだが。
なんてことをぼやいていると。
『……もしかしたら、なんとかなるかも?』
「「「「「え?」」」」」
暫し考え事をしていたゆかりんが、そんなことを言い始めたのであった。……なんか嫌な予感がするぞー。