なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、思いの外一つ目の話が長くなってしまったが、気を取り直して。
現状一番有効そうである『神断流』を、一時的にゆかりんの『境界を操る程度の能力』にて【星の欠片】以外のモノに偽装する、という案が持ち上がったわけなのだが。
……無論、それだけで上手く行くほど話は甘くない。
単純にごまかすにしても、『なににごまかすのか?』という部分が立ち塞がってくる。
……『神断流』が
言うなれば、その属性そのものが相手の特殊性を貫通する理由となっているから、なのである。
さっきの網の話をするのなら、相手の操作できない小ささのモノであるがために
ゆえに、迂闊に【星の欠片】であることをごまかしすぎると、効果が著しく落ちてしまう可能性が高いのである。
雑に説明するなら、洗濯洗剤を薄めて使うことで洗浄力が落ちる……みたいな?
そんなわけなので、単純にゆかりんに操作させても、今回私たちが求めるものは作れないのでは?……みたいな部分もあったのだが。
「それをクリアする策は二つ。一つは、ゆかりんの操作を補助する人員を一人用意すること」
「本来そんなことできる人はいないんだけど……
「そうだねぇ、ゆかりんの隣にお一人様ほどいるねぇ」
それを解消するため、さらに二つの策を投入することとなった。
そのうちの一つが、彼女の操作を補助する人員を追加する、というもの。
……これに関しては、『境界』というあやふやなものを
そう、私こと『キルフィッシュ・アーティレイヤー』と『五条悟』の二名である。
私については言うに及ばず、五条さんもまた『六眼』という特殊な目を持っているため、その辺りの問題はクリアできるだろう。
ゆえに、この二人の内どちらかを補助に付ければ確実性が増す、ということになるのだが……見るだけではなく一緒に弄ることもできる点と、五条さんには別の役目を当てたいという二点から、今回は私の方が補助役に抜擢されることとなったのであった。
これにより、【星の欠片】としての効力を極力失わせないようにしつつ、細かな調整まで行えるようになったわけなのだが……とはいえ、それだけで上手く行くほど甘くはない(二度目)。
相手の【星の欠片】としての性質を刺激しないようにしつつ、されど【星の欠片】としての特効性は保持したい……となると、どうしても単なる調整では賄いきれない部分が出てくる。
そこを解消するため、もう一つの策が重要になってくるのだが……ここではその説明は後回しにして、別の部分の解説に回りたい。
相手に有効な攻撃を用意する、という部分はどうにかなりそうなことがわかったが、とはいえそれだけではまだ足りてない。
──そう、どんな強力な攻撃であれ、当たらなければ意味がないのである。
特に、今回の相手であるジャンヌ・アクアは、その類い稀なる回避力により、こちらを苦しめてきた相手なので尚更のことだろう。
……本来であれば、その辺りを上手いこと貫通する役として選ばれたのが五条さんなわけだが、今回の騒動ではいまいち本領を発揮できないでいた。
「だけどそれは、裏を返せばこうとも言える。──
「いやはや、贅沢すぎる使い方だねぇ、ホント」
しかし、それは見方を変えれば
ゆえに、今回彼に用意された役目というのが、相手の領域の中和という大仕事なのであった。
……ポケモンの天候に『すなあらし』というものがある。*1
文字通りに砂嵐の巻き起こる状態を指すものだが、これに関連する特性として『すながくれ』というものがある。*2
これは砂嵐に身を隠すことにより、相手からの命中率を下げるというモノなのだが……これと同じことが、目の前のジャンヌにも起きているのではないか?……という予測が持ち上がったのだ。
本来、カイオーガにそのような性質は無いのだが……
……という可能性に思い至り、あれこれと確かめてみた結果それが正解である可能性が非常に高い、ということがわかったのだ。*3
つまり、オルタ以外の攻撃が極端に当たりにくかったのは、雨という環境下で
すさまじくマッチポンプ感漂う仮説*4だが……もし仮にこれが正解である場合、この大雨が降り続く限り彼女達の再現度は高いままをキープし、本来防御貫通するような攻撃もダメージカット対象になり、かつ回避率も依然高いままを維持し続ける……という、こちらにとって都合の悪すぎる状態が続く、ということになってしまう。
そしてこれの面倒臭いところは、大雨の影響範囲が広すぎるためにそのバフを無効化し辛い、というところにある。
天候を操作することの難しさは、以前述べた通り。
されどその難しいことを完遂しない限り、下手をすると与えたダメージの回復までしだす可能性がある……ともなれば、どうにかしてこの雨を止める方法を考えるべき、ということになるだろう。*5
が、しかし。
この雨を止める、というのはそもそも今回の大目標。それが達成されている時点で話は終わっているのである。
一応、ごく狭い範囲の雨を止めるだけならば、私にもできなくはないが……少なくとも『神断流』の調整もしながらそっちの調整も、などというのはキャパオーバーである。
「そこで僕、ってわけだね。……いやホント、贅沢すぎるでしょ今回の作戦」
「それくらいやんないと突破口が見えないってことだからねぇ」
ゆえに、今回あんまり良いところのない五条さんに白羽の矢が立った、ということになるのであった。
……いやホント、贅沢な使い方だねぇ。