なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「えー、あの爆発のあと、爆心地から見付かったジャンヌは真っ黒焦げになりつつも五体満足。……体力だけが全損した状態で見付かりました。ポケモン的に言うのならきぜつ・
はてさて、ところ変わってなりきり郷・
今回別所で救助などを行っていたメンバー達への説明も兼ねたお疲れ様会の最中、先の騒動の原因とも呼べる者の居る場所で、一体なにが起こっていたのかを解説し終えた私たちは。
語り終えたと同時に飛んできた、周囲からの拍手にどうもどうもと頭を下げていたのであった。
……で、今回の一番の功労者たるオルタはなにをしているのか、と言うと……。
「はい、本当によく頑張りましたねオルタ。お姉ちゃんがおいしいご飯を食べさせてあげましょう」
「……いや、別に自分で食べられるわよ、これくらい」
「……」<ジッ
「……ああもうわかったわよ!大人しく口開ければいいんでしょこのクソ聖女様!!」
「む、言葉遣いが荒いのは良くありませんよ、オルタ。健全な精神は健全な日常にこそ宿るのです。そんな言葉遣いでは、立派な淑女になんてなれっこ有りませんよ?」
「ああもう、ああ言えばこう言うわねアンタホントに!?」
あのように、ここにやってきたジャンヌ──正式にジャンヌ・アクアとして成立した彼女に、あれでもかこれでもかとお世話をされている最中なのであった。
……え?妹扱いされるのは御免だ、みたいなことを言ってなかったかって?
その答えに関しては、彼女の右手を見て頂ければわかると思う。
「名誉の負傷……でしたか?確かオルタさんが最後の攻撃を務めたとか。……やっぱり、その時に?」
「業腹だけど……まぁ、そんな感じよ」
彼女の近くで話を聞いていたルリアちゃんが、その右手の
……そう、現在彼女の右手は使用不可能状態に陥っているのである。
そしてその理由の一端はジャンヌにもあるため、こうして甲斐甲斐しく世話を焼いている……というわけなのだった。
「負傷の理由がジャンヌさんであること。それから、実際に不便を強いられているのも事実……という二点から、素直に相手の施しをお受けになっている……ということですか?」
「まぁ、端的に言うとそういうことになるね。右手が使えないのは本当のことだし、その理由(の一つ)がジャンヌにあるから、相手の謝意を無下にもできない……みたいな感じ」<シャイッ☆
「なるほど……ところで、今なにか不自然な間がありませんでしたか?」<シャイッテソウイウイミジャナイトオモウンダガ?*1
「気のせい気のせい」
隣で今回の追加メンバーの一人・ションボリルドルフとオグリのやり取りを眺めていた雪泉さんが、話の内容に興味を持ったのか近付いてくる。
彼女の予測は、概ね正しい。
オルタの負傷は、ジャンヌを助けるための最後の一撃によるもので、いわば一種のバックファイア*2によるモノ、とも言える。
それゆえ、ジャンヌ側は負い目に感じているし、オルタ側としては「はぁー?結果として助かっただけであって、私はこの聖女様をノックアウトしただけなんですがー?」……という主張が微妙に通り辛いこともあって、結果なし崩し的に彼女のお世話を受け入れているのであった。
とはいえ、それだけならば彼女が素直にジャンヌの介護を受けている、という理由としては少々薄い。
本人が勤勉、かつ姉たるジャンヌに警戒心の高いオルタであるからして、そのような状況に追い込まれればまず間違いなく
じゃあ、そこを埋める理由があるのではないか?……となるのは自然な話。
とはいえここに関しては
まぁそんなわけなので、ほんのり他の理由があることを匂わせつつ、のらりくらりと躱す完璧で究極ではないキーアさんなのでした。*3
「……やったか?」
「お約束のフラグを立てようとしてんじゃないわよ!?」
はてさて、時間は遡って全員協力の合体攻撃の直後の話。
爆発する要素どこかにあった?……みたいなツッコミもそこそこに、爆煙の向こうを見ようと視線を凝らす私たちである。
いやね?
まぁそんなわけで、微妙に爆発したあとのジャンヌの様子がわからなくなっているのである。……思わずみんなのジト目が
なによなんなのよ文句でもあんの、と声を荒げる
……ここまでくると、先ほどまで騒いでいた
そう、爆煙だと思われていたものはいつの間にか、空に満ちていたはずの曇天と入れ換わっていたのである。
「え、なにあれ。クラッコ?」*5
「別の問題を引き寄せようとするんじゃないわよ。……でもまぁ、尋常な話ではないのは確かだね」
その不気味な光景に、他の仲間も私と
……今のところ、向こうがなにかをしてくる気配はないが……最悪の場合、ここから第二ラウンドが始まってもおかしくはない。
そうして皆が警戒する中──一人だけ、前に進み出る者がいた。
「にゃにゃ。上手く行ったようでにゃによりですにゃ」
「……ニャース?ってことはまさか、これはアンタの仕込んだ罠ってこと?!」
「ぴっかっ!!」*6
「違いますにゃ」
「そう違うのね!じゃあアンタを倒して……なんですって?」
「ぴか?」*7
それは、唯一この一団の中で別の場所の所属であるニャース。
そんな彼が、意味深なことを言いながら進み出て来たことに、一部のメンバーが過剰反応を示すが……別に彼が仕込んだことではない、と聞いて肩透かしを食らったような顔をしていたのだった。
とはいえ、現状なにが起こっているのか?
……ということを知っていそうなニャースが出てきた以上、これが向こうにとって都合のよい状態である、というのは間違いなさそうではある。
「にゃにゃ。別ににゃー達にばかり都合のよい状況、というわけでもにゃいのですにゃ。彼女がこっちに参加してくれるのが最良にゃのにゃらば、これに関してはそちらにお譲りする……みたいにゃ感じににゃりますし」
(´´^`)「なに言ってるかよくわからないし……勿体ぶるのは止めて欲しいし……」
「じゃあ、こう言い換えますにゃ。──いわゆる
(´´^`)「うぃんうぃん……?」
ただ、ニャース自身に言わせれば、別に向こうばかりが得をする状態ではないとのこと。
……今までの話の流れからすると、ジャンヌの不安定さが解消されたあとはこっちに任せる、というのがそのままこっちの得、ということになるのだろうか?(そんなの得じゃないわよ、と喚く
だがニャースは首を振り、それだけではないことをこちらに示してくる。……ふむ、ジャンヌの加入だけではない、と?
「にゃー、そうですにゃ。賢明な虚無姫……もといキーア様にゃら、そろそろ気付いてもおかしくはにゃいと思われますがにゃ?」
「……
「お見事」
そして、彼がそろそろ気付いてもおかしくない、と述べたことにより、私はその理由に思い至る。
……なるほど、この状態自体が都合が良いのか。
「……いや、勝手に納得してんじゃないわよ???」
「んー、じゃあこう言い換えようか。──おめでとう
「は?……いや、なに言ってあっつう!!?」
Σ(´・д・)「一体なんだし?!」
私がニャースの言葉に確信を得たと同時、さっぱり状況のわかっていない
言葉通り、
してやられたなぁ、と思いつつ、最早私にできることはないのでどうにでもなーれー、なテンションである。
まぁ、私が慌てないからと言って他も慌てないわけでもなく。
「あっつ!?でも痛くない!?でもあっつい!?」
「ぴ、ぴぴぴぴぴかっちゅちゅちゅ」*8
「え?なに?!爆発するの!?オルタちゃん爆発するの!?」
「いやーっ!!?」
「あっはっはっは。なんだこれー()」
「それでは、お約束として言わせて頂きますにゃ」
「ほ、ほああああああ!!?」
「にゃんだかとっても、
「みぎゃあーっ!!?」
そうして巻き起こった爆発によって飛んでいったニャースは、そんな感じの言葉をこちらに投げながら空の向こうに消えていくのであった。
……言いたいことは色々あるけど、一つだけ。
いや、劇場版かいっ!!*9