なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……本当は聞きたくないんだけど、詳しい話を聞かせて貰える……?」
「詳しい話もなにも、二人で一つの【星の欠片】になった、みたいな話だと思って貰えれば。実際、【終末剣劇・潰滅願望】って武器型の【星の欠片】だからねー」
以前『神断流』に近いものである、みたいなことを言ったと思うが。
真実、【レーヴァテイン】という【星の欠片】はそれそのものが意思を持つ、というよりは扱うものに世界を滅ぼす権利を与える、というものに近い。
世界を滅ぼす必要が出てきた時に、それを確実に行う力を与える……みたいな?
そういう意味では、【星の欠片】の中では少々特殊な立ち位置のモノになる、ということは間違いないだろう。
なにせ、『世界を滅ぼす』ということを積極的に行うもの、ということになるわけなのだし。
「他の【星の欠片】はあくまで降臨条件だけど、これの場合は寧ろそれこそを目的としているから……みたいな?」
「そうそう。ついでに言うと、『滅び』を司ってるけど別に悪者とかではない、みたいな?」
(´^`)「どういうことだし?」
「滅ぶべき時を見失ったものに滅びを与える、みたいな性質もあるってこと」
そもそもの話として、全て形あるものはいつかは滅び去るものである。
それが一体いつやって来るのか?……という部分に違いがあるだけであって、等しく全てのものはやがて滅びる定めにあるのだ。
それを人は厭い、永遠を求めたりするわけだが……本来訪れるべき時に訪れなかった『滅び』というのは、とく歪みを抱えていくものである。
「分かりやすく言うと、キングハサンみたいなもの*1……ってことになるのかな?死なないものに死を与えるもの、みたいな?」
そういう意味では、【星の欠片】に対しても使えるもの、ということになるのだろうか?……まぁ、そもそも【星の欠片】は極小の輪廻、一つの死如きではその転輪は止まらないわけだが。
……なんかイキってるみたいになりそうなので、そっち方面の話は一先ず置いとくとして。
ともかく、【レーヴァテイン】という【星の欠片】がもたらす『滅び』は、別に悪いものではない。
なんなら、これを振るうものに世界の悪意を全て押し付けられる……という意味では、ある種の救いであるとも言えるだろう。
「どういうこと?」
「確かに『滅び』を司るものではあるけど、別に望んで滅ぼしてるってわけでもないのよ。滅んどいた方がいいタイミングで滅べず無理矢理延命してるような世界相手だと、安楽死的な要素も強くなるし」
滅びの要因とは、基本的に内から漂うものである。……自業自得の末路、とでもいうべきか。
とはいえ、それがどれほど自明の末路であるといえど、それで「はい、そうですか」と滅びを受け入れられる者はそうはいないだろう。
なんとかならないかと足掻きに足掻いて、無理矢理に世界を延命することもままあるはずだ。
……だが、それらは本来の定めを無視しているもの。
どこかで無理が出てくることもまた必定。その時、人は必ず「こんなはずじゃなかった」「誰のせいなんだ」などと叫び出すはず。
……元はと言えば『死にたくない』という、決して悪とは言えない願いから行った行為だというのに、それを今際の際に責められるのは大変な苦痛だろう。
そういう時に現れる【レーヴァテイン】の所持者は、言うなればそれらの罵倒・批難を浴びせかける丁度いい相手、ということになる。
元々は自業自得、楽に逝ける時に逝けなかった罰……みたいなものとはいえ、その行為に悪意がない以上、それを殊更に責めるのもまた違うだろう。
つまり、その時の彼等は『恨んでもいい相手』として運用されるのである。
そういう意味では、憎まれ役の一つとも言えなくはないだろうか。
「……なんというか、大分あれな感じの技能なのね、それ」
「おおっと、この時点で引いてるとこの後が酷いZE☆」
「まだなんかあるの……?」
「あるよー。あらゆる滅びの集合って言ったでしょ?つまり、この【星の欠片】には
「うわっ」
そして、この『憎まれ役』という役割。
この延長線上に当たるものとして、この【星の欠片】が司る『滅び』の形が二つある。
それが、長期連載作品の最後──なにもかもを解決してハッピー
……この二つは、場合によっては続きが生まれる可能性もあるため、滅びと言いつつ凍結の方が概念的には正しかったりするが……ともかく、そういったあらゆる物語の終端を『こいつらのせいにできるもの』みたいな属性を持っている、ということになるのである。
「君の好きな作品が未完に終わったのも、実は【レーヴァテイン】のせいだったんだよ、って責任転嫁できる……みたいな?まぁそういうわけで、わりとお労しい感じの【星の欠片】なんだよね、【レーヴァテイン】って」
「悪役扱いされるのが美徳、みたいな感じだもんね。説明を聞く限りは」
はてさて、そんな感じで『こいつのせいだ』枠である【レーヴァテイン】。……オルタと微妙に相性がいい、ということに気付かないだろうか?
「あー……聖女ではなく魔女を標榜するのだから、それこそ『こいつのせい』みたいな扱いは望むところ、みたいな?」
「そうそう。そこら辺の相性の良さも、今のオルタの状態に直結してるってわけでねー」
「ぴかっちゅ……」*2
そう、本来存在しない聖女の反転存在として、魔女──悪を標榜するオルタは、この
ともすれば、端からオルタ相手に発症してればわりと安定してたんじゃ?……と錯覚しそうになるくらいには。
無論、中身に人のいる状態の彼女に【星の欠片】混じりの【複合憑依】が起きた場合にどうなるか?……みたいなことを考えた時に、絶対に大丈夫だったとは口が裂けても言えないが……こうして、別個に確立した【星の欠片】の安定剤として選ばれる分には、そう問題があるわけではない……というのは確かだろう。
結果として、世にも珍しい【星の欠片】が使える創作のキャラクター、としてオルタは新生したわけなのであった。
……良かったねオルタ!【レーヴァテイン】とか中二病御用達だぞ!(精一杯のフォロー)
「ふざけんじゃないわよいらないわよこんなの……」
「はっはっはっ。……まぁ、ともすれば自分も溶けてた、みたいなものなんて使いたくないし持ちたくもないよねぇ」
まぁ、当のオルタは机に突っ伏して、ぐちぐちと文句を垂れていたわけなのだが。
……五条さんの言う通り、ともすれば死ぬより酷い目にあっていたかも、みたいな感じなのだから仕方のない話なのだが。
(´^`)「そうなんだし?」
「【星の欠片】自体が他の能力と──ともすれば『逆憑依』そのものとも相性悪い可能性が高いからね。私はまぁ、たまたま上手く行ってるけど……元々の人間部分まで溶け落ちる、なんて可能性は普通にあったわけだし」
(´´^`)「滅茶苦茶ヤバかったし……」
なにせ【複合憑依】という枠組みそのものを溶かしに掛かるレベルである。
それを思えば、ジャンヌ・オルタとしての姿を保てているだけで儲けもの、くらいの話というか。……まぁ、彼女に触れてきた【星の欠片】が武器系の、自分の意思を優先するタイプのモノでなかった、というのもプラスに働いているのだろうが。
これが精神系のやつとかだったら、下手すると思考や存在まで溶けて半ばヤンデレみたいなものになっててもおかしくないというか、それの方がマシというか……みたいなことになってかもなわけだし。
まぁ、そういうのは全部今だから言える例え話、くらいのものにしかならないわけだが。
「そういうわけで……多分だけど、その右手の紋章──令呪っぽいのは、ジャンヌと貴方の繋がりを示すモノであり【レーヴァテイン】を呼び出すための鍵、みたいなものだと思うよ?」
「これがぁ?」
「そうそう。こう、魔力を集中するイメージで念じてみそ?」
「ん、んんー……ってうわでた!?」
そんなわけで、気を取り直して。
個人の世界も世界は世界、恐らく彼女達の【レーヴァテイン】は固有結界を改造したものになるだろう、という予測から武器を取り出させてみた私は、予想通りオルタの剣が妙にメカメカしい外見になっていることを確認し、先ほどまでの話が事実であることを確認したのであった。
……それから、その内オルタ達を『あのお方』の元に案内しなければいけないな、とも。
「え゛」
「そりゃまぁ、新人だからね、二人とも。……安心して、別に悪い人ではないから。【星の欠片】にしかわからないプレッシャーとか飛ばしてくるけど」
「……いやなんだけど!?アンタの創作の世界に巻き込まれたくないんだけど!?」
「まぁまぁオルタ。大丈夫です、お姉ちゃんも一緒にいますから」
「やっと喋ったかと思えば、アンタはアンタでマイペースね!?」
なお、トラブルがまだ終わってないことを悟ったオルタはというと、これから待ち受ける
……ゆかりん?この話をどうやって報告しよう、と頭を抱えてますがなにか?