なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
(──まぁ、本当に彼女の認知の外から来るものなら、の話だけど)
──とはいえ、この辺りの話はあくまでも
初手で切って捨てた説──『星女神』様が
とはいえ、その辺りは口に出さない私。
それが正解の場合は、彼女がわざわざ見逃していて・尚且つ自分の風評が悪くなることも厭っていない……ということになってしまうため、どう考えてもそっちのパターンの方が面倒臭いというか、嫌な予感でいっぱいだからだ。
いやまぁ、【星の欠片】が今更自分の風聞を気にするか、って話でもあるのだが。
とはいえこの辺りは指摘する方が不適切、ということに間違いはなく。
ゆえに、このまま穏便に話を終えることにした……というわけなのでしたとさ。
……穏便とは?みたいな疑問は受け付けません。
──私から言えることはそれくらいかしら。……ああ、あとはこれを──
「……これは?」
はてさて、げんなりしている二人に気を取り直すように、とばかりに手を叩いた『星女神』様。
その音につられて顔を挙げた琥珀さんに対し、彼女はどこからか小さな物体を取り出して、彼女の手元にゆっくりと飛行させたのだった。
で、そうして飛ばしたものがなんだったのかと言うと。
──『星因』……と言ってもよくわからないでしょうから、まぁ記録媒体だと思えばいいわ──
「はぁ、記憶媒体……?」
「それ一つで1クエタ*1バイトくらいは余裕で保存できるわよ?」
「……はい?」
「因みに通信速度は100
「頭沸いてらっしゃいます???」
なに言ってるんだこいつ、みたいな顔をしている琥珀さんだが、無理もない。
なにせ今『星女神』様から渡されたモノは、見た目的には普通のUSBメモリに過ぎないにも関わらず、その実態は【星の欠片】由来の技術でいっぱい……という、ともすれば嫌がらせとすら思われかねないものだったのだから。
具体的に説明すると……
因みに、
……まぁ要するに、今の科学技術的には絶対に届かない範囲のアイテム、みたいな?
そりゃまぁ、そんなもんをポンッと渡されても困るというか、下手すると危険物以外の何物でもないので嫌な気にしかならないだろうなー、というか。
「……危険物?それって中になにかやべーもんでも入ってるのか?」
「いやいや、そうじゃなくて。このレベルの記録媒体だと、
「……どういうことだ?」
「雑に言ってしまいますと、現行の記録媒体の容量として一般的な単位──テラの1018倍の容量、ということになりますからね。更には話を聞く限り、通信速度もなんらかの方法で加速させているということになりますから……もしこれに使われている技術が再現出来た日には、それこそ世界が変わると言っても過言ではないでしょうね」
「……そ、そんなに?」
「そんなに、です。……光ファイバーの通信速度の理論限界がおよそ250Tbpsなんですから、それこそ桁違いなんですよこれ」*4
今琥珀さんが語ったように、現状のメモリーやデータの通信速度からすれば、このメモリーのそれらは破格の一言。
現行の技術において、恐らくは一番データを保存する量が大きいモノだと思われる『DNAストレージ』*5は、一グラムのDNAにおよそ200Pバイトのデータが保存できる、とされている。*6
USBメモリの大きさなんて、精々十グラム程度のモノだと考えれば……このメモリがどれくらいおかしいのか、というのもなんとなくわかるだろう。
というか、『DNAストレージ』は未だ研究段階の代物。*7
現行で実用化されている大容量メモリとなると、磁気テープによるモノになる*8わけだが……そっちは最高でも600Tバイト*9くらいだし、HDDやSSDに関しては先ほど述べた通りである。
……どういう原理なんだ?くらいの疑問は持って然るべきだし、仮に再現できるのならそこら辺の技術を研究している会社を全部廃業に追い込めることになるわけだから、そりゃまぁ触りたくねぇってなってもおかしくはないというか。
……まぁ、今回の話で一番あれなのは、この超絶メモリーがさっきまでの話のお詫びに渡されたものに近い、ということだろうが。
これ一つで国家予算が幾つ吹き飛ぶのか、みたいな価値のあるモノがポンッと渡されたわけなのだから、そりゃまぁ『もしかして私死ねって言われてます?』みたいな顔になるのも仕方ない、というか?
なお、実際にはもっとやベーモノが中に収められていたりするのだが。
「この上まだ厄ネタが待ってるんですか……?もう私見なかったことにしてこれをしまっておきたいんですが……」
「止めといた方がいいと思うわよ?なにせそれ、さっきまでの検査結果とかのデータが入ってるみたいだから」
「ゑ?」
「メモリ側に補助システム入ってるから普通のパソコンでも確認できるのがいいところだよねー」
「ゑ゛?」
──あと、その辺りの解析に使えそうなプログラムとかも入れておいたから使ってね?──
「……上条さん、あとはお願いします。……きゅう」
「待って!!?俺をこの場に一人にしないで!!?」
いつの間にか厄ネタを察知して逃げたライネスとピカチュウ。
そのため、この場には私たち【星の欠片】組と、哀れな被害者……もとい、検査を受けた二人だけしかおらず。
そんな中、情報の洪水によってキャパをオーバーした琥珀さんが意識を投げ出し、結果として上条さん一人だけが取り残される形となっていたのでしたとさ。
うーん可哀想(他人事)。
……え?ゆかりん?かなり最初の方で気絶して、今はアザラシみたいに横たわってますけどなにか?
「……ええと、それから一体なにが……」
「え?聞きたいのマシュ?ここからなにが起きたのか、恐ろしくもおぞましいことが起きたのか、子細を端から端まで聞きたいのマシュ?」
「そ、そこまでは言ってません!」
はてさて、日付は変わって次の日。
説明会を前日に控えた火曜日……というわけなのだが、生憎?と、『星女神』様はこの場にはいない。
なぜならば、ちょっとこの場所を見てみたい……と彼女からのお願いを受けたキリアがエスコートを行っているから、である。
……流石にずっと引っ張り回されてちゃ気も休まらないでしょう、ということで私は同行を免除されたわけだが……正直こっちの見ていない場所でなにをしてるやら、的な感覚からあんまり落ち着いてられない感じである。
なので、マシュに前日までのあれこれを解説しているのだが……これが中々。
改めて口にしてみると、短いながらあれこれ有りすぎたというか?
そもそもこれ、あくまでも前座なんだよなぁと胃が痛くなってくるというか。
……あとはまぁ、比較的真面目な話ばかりしてたのでいい加減適当な話をしたいというか()。
そんな気持ちが多重に積み重なった結果、半ば愚痴めいた話が続いたというわけなのである。
なお、だからといってマシュを巻き込みたいとは思わない私なのであった。
彼女には荷が重い……みたいな部分もなくはないが、どっちかと言うと真面目キャラにシリアス成分が混ざると引っ込みが付かなくなる、みたいなところの方が大きいというか?
「……まぁ、私がその場にいたらもっと色々と質問をしていたかもしれませんが」
「でしょう?ただでさえ本番前なのに、今の時点で濃ゆいもの投げ込まれても対処できんよ……」
やはり、どこまで行っても『まだ本番じゃない』ってのが大きいというか。
そんなことをぼやきながら、今ここにはいない二人へと思いを馳せる私なのでありましたとさ。