なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「そういうわけで、私の気分転換に付き合うといい!」
「突然連絡してきたと思ったら、また急な話だな……」
「いやまぁ、こっちも暇だったしいいんだけどな!」
そんなわけで。
あれこれとストレスのたまる日々を忘れるために、男共?を呼び出した私である。
……え?疑問符が付いてる理由?そりゃもうキリトちゃんが混じってるからですが?
そんなわけで、今日呼び出したのは顔見知りの男性陣何人か。
……呼んだけど都合が悪いとかで居ない人もいるのだが。具体的には銀ちゃんとか。
「あれに関しては、単に暑い中あれこれしたくない……ってだけの気もするけどな」
「一理どころか百里ある」
「……そこでその主張を認めると、お前さんが俺らを炎天下の中連れ回す極悪人……ってことになるんだがいいのか?」
「お?この程度で炎天下とは笑わせますねぇ。見てご覧なさいよこのなりきり郷の外の
「……いや悪かったから。謝るから端末押し付けてくるんじゃねーよ……」
まぁ、銀ちゃんは単に「このくっそ暑い中で遊んでられるかぁ!!」とかなんとか言って、部屋に引きこもってジャンプ読んでるだけだと思うのだが。
で、暫く経ったら桃香さんかゴジハム君辺りに「真っ昼間からクーラーの効いた部屋で休んでるんじゃありません」とかなんとか言われながら追い出されるのである。
……昔の夏の風物詩みたいなもんだったなぁ、昼間にクーラーは勿体ない、みたいなの。*2
今それを
そう考えてみると、この数十年で真夏の気温ってバカみたいに上がったんだなぁ、と思わずしみじみしてしまう私である。
なおさっきの銀ちゃんところの話の続きだが。
なんでXちゃんは追い出し組に入ってないのかと言うと、
「はっはっはーっ!謎のヒロインXX参上!どうです銀時君も、夏の暑さが辛いのなら水着になるというのは!」
「いや止めてくんね?お前みたいなのが着るのと違って、銀さんみたいなおっさんが往来の目の付くところで水着なんて着てたら、普通に通報されて普通にしょっぴかれるだけだっつーの!」
「?ここはなりきり郷なんですから、服装の奇抜さ卑猥さ程度では取っ捕まったりしませんよ?」
「あーそうだった!!ここ色んな世界観混じりまくってるから、外での常識とか通じないんだったー!!でもやっぱり俺が水着ってのはなし!!俺別にソシャゲとかに出てねーから!いつでもどこでも水着で動き回るようなキャラじゃねーからー!!」
「ほぅ、水着でないのなら構わないのですね?」
「…………はい?」
「ふっふっふっ、声繋がりで
「ゲェーッ!!?ブーメランパンツwithサンタ帽子とつけ髭ぇーっ!!?」
……とまぁ、そんな感じで普通に真夏の暑さに適応しているから、だったり。
実際、公式のソシャゲが存在する……みたいな作品の場合、ガチャキャラがどれだけ実装できるのか?……というのは割りと死活問題。
FGOやグラブルみたくキャラを増やし続けられるのならともかく、限られたキャラしか使えないような作品の場合は、とにかく同じキャラのバージョン違いを用意し続ける……みたいなことをしないと苦しいだろう。
そうなると絵面的に問題になるのが、服装がTPOと噛み合わなくなる……というやつである。
特に、普通の状態はそこまで強くもないが、特定の服装の状態だと無双するほどに強い……みたいな感じの場合、真夏の炎天下の中着込んだサンタが走り回ったり、はたまた真冬の極寒の空の下、布一枚二枚程度しか纏わぬ水着キャラ達が敵を殴って回ったり……という、なんというかちぐはぐな世界観が構築されることも稀にある、というわけである。
なんなら、公式のゲームではなくコラボ先なのに水着などの別服装がある*4……みたいなパターンもあるというのだから、TPOを無視した服装の問題、というのはかなり根深いモノがあると言えるだろう。
とはいえ、悪いことばかりでもない。
現実……もとい、普通の場所でやるならともかくとして、場所として特殊ななりきり郷内であれば、そういう問題についての共有は終わっている。
……つまり、年がら年中水着やサンタ服で動き回るものがいたとして、誰も問題にもしないし殊更に注目もしないというわけである。
従って、暑いんだから水着で行動する……みたいなのは寧ろ日常茶飯事。
服装のあれこれで文句を言うのは素人みたいなもの、ということになるのだ。
なんなら、Xちゃんの場合は「ロボです」と言い訳することも可能なので、なおのこと咎めにくいし咎められないのだ。
……まぁ、巻き込まれる銀ちゃんに関しては御愁傷様、だが。
「…………」
「なんでそこで目を逸らしたし、キリトちゃん」
「いやほら、例のゲームのお陰で俺ってば、こっちの姿にも一応服装が一通りあるから……」
「あー……アスナさんに誘われたんだね、プール行こーみたいな感じで……」
なお、銀ちゃんところとは別に、誘ってくる身内がいるキリトちゃんは微妙な顔をしていた。
……彼女が言ってるのは恐らく例のソシャゲ──コードレジスタでの長髪の方のキリトの水着のことだろう。
ただあれ、見た目は確かに女の子だけれども中身はGGO仕様……つまり男性なわけで。
そこを踏まえると、流石に今のキリトちゃんに着せるには色々と憚られるというか……え?プライベートビーチ的なところで二人だけで泳ごうとかなんとか言ってた?……あっ(察し)
……割りとあの人色ボケだよなぁというか、なんやかんやで他の女の子相手に結構ヒーローしてたりするから
「……そ、そういえばハセヲ君の方は、アルトリアもといリリィに誘われたりとかはしなかったの?」
「んぁ?……いや、この間来たばっかりのジャンヌとかに色々と世話を焼くとかなんとかで、暫く遊びには行けません……的なメールなら来たが……」
「ほほう」
で、話題を変えるために話を振ったのがハセヲ君。
彼もまぁ、リリィに引っ張られてあちこち連れ回されたりしている身なのだが……そこにあるのは恋愛感情というよりは親愛……雑にいうと姉と弟のそれみたいな感じなので、キリトちゃんみたいなアレな感じはないのであった。
……いやまぁ、原作のハセヲ君を思うと、なんか不思議な気分になるのだが。
「……んだよ不思議な気分って」
「ゲームシステム的にやれないだけで、本編のハセヲ君ってペルソナも真っ青の複数股野郎みたいなもんなのに、よくもまぁここでのハセヲ君は大人しいもんだなぁというか」
「……おい、ここはキレていいところだよな?」
「どうどう、ハセヲどうどう」
その辺りのことを正直に話したところ、こめかみに怒りマークが見えるくらいに
……まぁ、今の彼には関係ないことでもあるので素直に謝って、最後の一人を待つことにしたのであった。
「……しかしまぁ、ブルーノが来れなかったりクラインが来れなかったりした結果、アイツが来ることになるとはなぁ……」
「色々とまぁ、ビックリする話だが……まぁ、なくもないのかもな、今だと」
で、その一人を待つ間、特に話すこともないので必然、会話の内容はその最後の一人についてのものになっていく。
いつものメンバーが大抵来れないとか無理とかで欠席したため、たまたま連絡先を持っていたその人
なおこの時、私たちはそれぞれの判断が逆だと思っていたため、思わず顔を見合わせたりしている。
それくらい、こういう集まりには参加しないような相手だと思われていたわけなのだが……なにか心変わりがあったのか、誘われなかったので今まで出てこなかっただけなのか。
その辺りが話題の中心となり、白熱していく会話が続きに続き……。
「おーい、お待たせー……って、なになになんの話?」
「いやねぇ、今日一緒に行動することになるもう一人の話……って、ん!?」
「おー、なるほど俺の話かー。……それって俺が聞くのよくないんじゃねーの?」
「「んんん?!」」
「……ん、なんだよみんな、俺の顔見て不思議そうに。それともなにか?こうして威圧感のある姿を見せた方が良かったか?」
「うぁぁぁ宿儺だぁ!!?」
「す……宿儺が街を練り歩いてるッ!」
「……いやどういう反応だよ、それ」
ふと掛けられた声に、思わず普通に返答をしてしまい……その声が
なにせ、そこにいたのは一人の青年──別に腕が四本合ったり、目が四つ合ったり、口が二つあったりするわけではない、普通の青年。
故にこそ私たちは呆気に取られ、思わず彼に視線を向けて……その見た目にそぐわぬニタリ、とした笑みを浮かべ、いつもの彼の姿──宿儺さんの姿になったことに、私たちは思わず悲鳴を挙げることになったのであった。
……それ虎杖君じゃねぇの!?