なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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幕間・たぬき、それは君が見た光(?)

「うおおおお行けーっジャスタウェー!!」

「なんの行けゴルシ!芦毛なら誰でもいいやつとかぶっ飛ばせー!」

「格ゲーにもなってるのかコイツら……」

 

 

 画面をところ狭しと跳ね回るたぬき達を眺めつつ、周囲を見渡す私。

 

 ……意識して見てみると、たぬきゲームの多いこと多いこと。

 基本的には通常のキャラがたぬきに差し変わっている、という感じの作品ばかりであり、正直たぬきである必要性がない気もするのだが……その辺りは元からそうなのでツッコミを入れるだけ無駄というか。

 まぁでも、流行りものになにかしらのパロディネタが氾濫する、ってのは昔から繰り返されてきたものの一つだから……。*1

 

 

「二次創作でも多いもんね、感動したシーンを好きなキャラでやってみる……みたいなの」

「そうそう。そういうのが繰り返されて、やがてまた新しい作品ができる……みたいな?」

 

 

 創造は模倣から始まる、みたいな?

 ……そんなわけで、溢れるパロディたぬき達の中から、選び出したゲームがこちら!

 

 

「『ジタバタタヌキ えくすとりーむばーさす』……って、結局エクバじゃねーか」

「ゲームスピードが本家より遥かに遅い*2から、比較的初心者向けだよ」

「ジタバタしてるからってことか……?」

 

 

 そう、ハセヲ君が突っ込んだように、エクバのたぬき版である。

 ……一部たぬき素材のあるガンダム達*3がそのまんま出てたりするが、流石に本家ほどの速度はない模様。

 あと、ゲーム内意志疎通システムにスタンプが採用されているが、それらが全部たぬきになってたりする拘りようである。*4

 

 ……え?さっきツッコミ損ねたけど、そもそもデジタル筐体だと増えたルドルフとか関係ないのでは、ですって?

 ノンノン、君はルドルフをなんだと思っているのかね。電子の世界にだってすでに侵攻済みだよ()*5

 

 

「……ん?ってことはもしかして、このゲームって本当は単なるエクバ……」

「さー!とりあえずなに使おうか!一応初心者におすすめなのはオーソドックスなミホノブルボンだけど!」

「お、おう?」

 

 

 ……キリトちゃんが気付いてはいけないところに気付きかけていたので、軌道修正。

 とりあえずゲームを楽しむ、という方向に誘導した私は、初心者である彼女に懇切丁寧に説明をしてあげるのであった。

 

 さて、では一騎目であり初心者にも使いやすいキャラ、ミホノブルボンの説明だが。*6

 元ネタであるウマ娘でのミホノブルボンは、彼女のさらに元ネタである競走馬のミホノブルボンにつけられた、とある異名を強く押し出したようなキャラ付けをされている。

 

 それが、馬に対して付けるには些か奇妙な感じのする『サイボーグ』というもの。

 これの由来は、元馬の正確無比な『逃げ』の技術にあるのだとか。

 

 

「まるで機械が仕事を繰り返すかのように、まったく崩れないペースで走り続けるその姿から、『サイボーグ』なんて異名が付いたってわけだね」

「へー」

 

 

 長距離を走るとなれば、多少はペースの乱れが生じるもの。

 ところが、当のミホノブルボンは徹底的に同じペースで走り続けられたのである。

 ……まぁ、流石にコンマ単位ではぶれていたりもしたが、それでも生きた馬が見せる走りとしては驚異的。

 ゆえに、ミホノブルボンは称賛を込めて『サイボーグ』と呼ばれたのだとか。

 

 で、ウマ娘としてのミホノブルボンは、その『サイボーグ』という異名からキャラクター性を広げられており。

 いわゆる綾波系──無機質で無感動な、ロボットのようなウマ娘として設定されているのだ。

 ……いやまぁ、あくまでも基本造形がそうってだけで、正確には無感動なのではなく表情に出辛いだけであったり、『サイボーグ』と呼ばれることを逆手にとって、ロボットネタを繰り出すお茶目なところがあったりと、単なる無表情キャラというわけでもないのだが。

 

 まぁでも、原作がそうだとしても二次創作では特徴が誇張される、みたいなことは日常茶飯事。

 結果、たぬきとしてのミホノブルボンもまた、ロボット(ちから)*7が高めのキャラになっているわけである。

 

 

「……なるほど、だからなんかガンダムっぽいんだな、こいつ」

「おっちゃんを元にしてる、みたいなものだからね。基本にして基礎のキャラを原型にしてるから、癖がなくて使いやすいってわけ」

(おっちゃん……?)*8

 

 

 エクバもといタヌバにおけるミホノブルボンは、そのキャラクターの基本造形をガンダム──いわゆる初代のガンダムのそれを元にしている。

 

 そのため、遠距離にビームライフル・近距離にビームサーベルと言った基礎的な武装から。

 シールドを構えての突撃、敵の速度を低下させる投擲武器・ビームジャベリン、射撃を打ち消すハンマーなどなど、実に多彩かつ種類の多い武装を持ち合わせる扱いやすい機体として……え?原作の方のおっちゃんは確かに万能機系ではあるけど、決して扱いやすいタイプではないって?

 

 ともかく、戦場を選ばず一定以上の戦果を出せる機体、ということは間違いない。

 元のおっちゃんと違い、使い手の技量が足りてなくても成果は出せるタイプなので、初心者から上級者まで幅広くおすすめできる名機体……もとい名たぬきと言えるか。

 まぁ、個人的にはミホノブルボンがビームライフルとか振り回せてるの、わりと不思議であったりするのだが。

 

 

「そりゃまたなんでさ?」

「本人が超機械音痴だから」

「……そんなに?」

「そんなに。触れた機械は必ずご臨終する、ってレベル」

「それは……なんとも」

 

 

 なにせ彼女、サイボーグなどと呼ばれるわりに極度の機械音痴なので。

 触れただけで壊す可能性があるレベルなのは、中々居ないだろう。

 

 

 

 

 

 

「さて、一先ず幾つかおすすめを挙げたけど……どれ使う?」

「いや、ツッコミ処が多すぎるんだが?」

 

 

 あれから暫く時間を掛けて、オススメのキャラクターを紹介し続けたわけなのだが……それを聞いた面々は、なんとも言えない顔で筐体を見つめていたのであった。

 それは何故か?……まぁ、恐らくは紹介されたキャラ達のツッコミ処の多さが理由なのだろうが。

 

 というわけで、ざっと振り返ってみよう。

 まず一番最初がミホノブルボン。これはガンダムを元にしてるのでオーソドックスで使いやすい。

 次はヒュッケバイン(白)。こちらも比較的使いやすいタイプの機体で……。*9

 

 

「そこだよ!!なんでガンダム元ネタゲームにヒュッケバインがいるんだよ!教えはどうなってんだ教えは!」

「……?これはガンダムVSガンダムじゃなくて、たぬきVSたぬきですが?」

「そうだったなクソッタレェッ!!」*10

 

 

 うん、ノリツッコミありがとうキリトちゃん。

 ……そう、二つ目の時点で引っ掛かっていた、というわけである。

 

 ヒュッケバインのは、スーパーロボット大戦シリーズにおけるオリジナル機体の一つ。

 その見た目は、藍ないし紺色のロボット……といった感じなのだが。

 ツインアイにV字のアンテナ、特徴的な顔……などなど、どこぞの人の言葉を借りれば「目が二つついててアンテナはえてりゃマスコミがみんなガンダムにしちまうのさ」、的なことを言いたくなるような造形をしたいるのである。*11

 なんなら、ガンダム作品に多く関わるデザイナーである『カトキハジメ』氏のデザインだったりするし。

 

 ……それが理由ということなのかは不明だが、一時期映像作品や立体物に恵まれない時期が続いたこともある。*12

 今ではその辺りは解消したのか、普通に立体物も増えてきたが……流石にガンダム元ネタの作品に出てたら突っ込まざるをえなかった、というやつだろう。

 まぁ、たぬきとして存在する以上、普通に出てきてもなにもおかしくはないのだが。……でもそのトリコロールカラー*13は許されな(ry

 

 話を戻して。

 二つ目の時点でツッコミ処満載だったわけだが、三つ目も中々である。

 そういうわけでオススメ機体三機目、圧倒的火力で必ず相手を一騎は打ち落とすとされる『宇宙戦艦ヤマト』を……。*14

 

 

なんでだよ!!?仮にもロボットものが元ネタだろこれ?!」

「なんでと言われても、たぬきとしての素材があるからとしか……」

「ああくそ、無駄に美麗な素材用意しやがって!!」

 

 

 ……うん、そりゃまぁ突っ込むよね、というか。

 一応、元ネタのエクバにだって巨大なキャラ、というものは存在する。

 ミーティア装備のフリーダムやジャスティス、サイコガンダム系列やビグザム、それからデビルガンダムなどなど……。

 だが、それらは大抵プレイヤーが使えるものではなく、ボス専用機体であることがほとんど。

 そういう意味で、この『宇宙戦艦ヤマト』は色々と規格外というわけである。

 

 なにせこのゲームの中でも最大級の大きさ、かつ火力も最高峰。

 ……一応、最大火力の武装である『波動砲』を使うと、その時の体力に関わらず撃墜扱いになる、という強さ調整が施されてはいるものの……。

 それを使わずに攻撃することも可能で、そっちだと圧倒的な体力と防御力で凄まじいまでの塩試合に持ち込むことができるともなれば、作品を間違えているとしか言いようがないというか。

 

 まぁ、だからこそ初心者にも扱いやすい、みたいなところもあるのだが。

 やることとっても単純だし、なに食らってもスーパーアーマーだから相手の動きを見ることもできるしね。

 でも大会とかだと出禁になるのはご愛敬()。

 

 ……さて、三機目の時点でもうお腹いっぱいかも知れないが、この解説はまだまだ序の口。

 フェルシー&ウインディ*15のペア機体とか、どう見てもモスラ以外の何者でもないオベロン・ヴォーティガーン*16とか、意味不明なキャラはたくさんあるのだ。

 特にモスラの方は常にホバリングしてるから一部のキャラは詰み相性になる、なんて特徴もあるぞ!調整しっかりしろやクソァ!*17

 

 なお、これらの説明は全て受け売りである、ということを最後に記しておきます。

 流石だなマシュ、でもなんで知ってるのマシュ。ヘビープレイヤーなの?……え?クリスに誘われてわりとやってた?クリスェ……。

 

 

*1
コロナの時に流行った『りんごの子』こと辻野あかりなどが該当。単なるパロディではなく、そこからさらに発展させたものが流行るのも同じか

*2
四方八方を飛び交うビームや攻撃・機体を見る必要もあり、ゲームスピードはかなり速い

*3
有名なのは『バエル』や『エアリアル』辺りか。他『ウィング』や『ダブルオー』なども存在する

*4
そういうゲーム共通の悩みとして、謝罪用スタンプが煽りに使われる、などということもある模様。煽り ダメ絶対!

*5
(´´^`)「画面に入るくらいわけないし……」

*6
たぬきだとほとんどガンダム扱い。飛行モーションも廃熱モーションもあるよ!

*7
『聖戦士ダンバイン』などに登場するエネルギー、『オーラ(ちから)』から。『りょく』とは読まない

*8
元々はとある掲示板由来(たぬきの元ネタと同じところ)の、RX-78-2ガンダム……いわゆる初代のガンダムに対しての呼び名。ガンプラを使ったネタジオラマにおいて、ガンダムの立ち位置が大抵歳上のおじさん的なものだったから広まったネタ、とも。初代を知る人も基本的におっちゃん・おばちゃんと呼ばれるような世代だから、ということもあるようだ。そこから、最近の作品のガンダム達におっちゃん的絡みをしている姿が目撃されるようになったとかなんとか

*9
『スーパーロボット大戦』シリーズのオリジナルロボット。見た目がガンダムっぽいが、設定的には『パーソナルトルーパー』と呼ばれる分類のメカ

*10
『教えは~』から『クソッタレ』までは、いわゆる『ワッカ構文』と呼ばれるもの。FFⅩのキャラクター、ワッカがとある場所で発した台詞が元ネタ

*11
漫画版『機動戦士クロスボーン・ガンダム』の一話に登場する台詞。因みに、昨今ではこの特徴に当てはまらないガンダムも何機か存在する(わかりやすいのはGルシファーなどか。反対にその特徴に当てはまっているがガンダムには見えない、という『ガンダム・グシオン』なんてのもいる)

*12
いわゆる『ヒュッケバイン問題』。公式もネタにしているのか、とある作品では全てのヒュッケバインが撃墜の憂き目にあうことに……。異名の『バニシング・トルーパー』もリアルになってしまった

*13
いわゆるガンダムカラー。白・赤・青のことで、フランス国旗にも使われている。なお、本来の『トリコロール』とは『三色』という意味なので、これ以外の組み合わせでも問題はない

*14
『宇宙戦艦ヤマト』シリーズにおける旗艦。ロボットじゃないけど『スーパーロボット大戦V』に登場したことで話題をかっ浚ったりもした

*15
見た目がなんとなく似ているフェルシー・ロロとシンコウウインディのペア。ウインディの方は同名のポケモンとのペアもある

*16
たぬき動画に出現する怪生物。躍動トリオの中ではキャストリアだけちゃんとした素材があるので、寧ろ彼女の方が例外なのかも

*17
1994年にSFCで発売された格闘ゲーム『ゴジラ 怪獣大決戦』におけるモスラの話。このゲームでは空にいる敵への攻撃手段が乏しく、ずっと飛んでいられるモスラは一部のキャラを除けばかなりの強キャラになっている。格闘ゲームにおいて飛ぶやつが強いのはお約束である(格ゲー版『ジョジョの奇妙な冒険』におけるペットショップなど)

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