なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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わりと登場頻度が高いのは多分お気に入りなのでしょう

「……ん?つまりわし、大人気とな?」

「いきなりなにを言うとるので?」

「いや、なんか持て囃されておる気配を感じたでな」

 

 

 わしってぷりちー?*1

 ……とかなんとか宣うミラちゃんにデコピンをお見舞いしつつ、道を歩く私たちである。

 

 今回のメンバーは私とミラちゃんの二人。

 ……他にも捜索のため外に出た人員はいるものの、チームとして纏められたのはこの二人となっている。

 理由は、私たち二人が一番索敵範囲と対応範囲が広いから。……そうだね、いつも通り遊撃班ってやつだね。

 ミラちゃん本人的には、「わしにばっかり仕事が回ってくるのおかしくね?」みたいな感じのようだが……古今東西の実力者系おじいちゃんを与えておけば、わりと機嫌が良くなるのも重宝されてる理由のような気がしないでもない私である。

 

 ……ほら、一番好きなのは今までと変わりなくダンブルドア氏とガンダルフ氏らしいけど、その他のおじいちゃんでもわりと問題無さげというか。具体的には山爺とか?

 いやまぁ、そもそも山爺ってば互助会所属のメンバーなのだから、最初の内は騒いでなかった辺り守備範囲外なのかなー、って思ってたんだけどね?

 

 

「……ぬ?ここって山爺殿も所属しておられるのか?」

「え、会ったことないん?」

「全く知らぬ。影も形も見たことがない」

「ええ……?」

 

 

 ……というような感じで、自分と同じところに彼が所属しているという事実を知らない様子だったのだ。

 とはいえ、よくよく考えたらそれも仕方のない話。

 彼らは『泥身(ザ・ヴァニティ)』──本体達が『逆憑依』を拒否し、姿と力だけこちらに送り付けたタイプの存在である。

 それを自覚し、この一連の騒動がまだ嵐の先触れ程度でしかないと悟った彼ら『目覚め』は、基本的には静観を決め込むことにした。

 それは、後々に襲い来る本命に対して対抗するための力を蓄えるため、みたいなものであったが……それはともかく。

 

 そうして彼らが姿を隠していた、というのは本当の話。

 そして、水銀さんやマステリはともかく、山爺が彼らよりもなお深く身を隠していた、というのも本当の話である。

 ……原作からすると、敵方の総大将と立場が入れ換わったかのような状態*2だが、ともあれ彼の存在を認知するのが難しくなっていた、というのは確かだろう。

 

 ゆえに、例え同じ組織に属していたとしても、彼のことを知らなくてもおかしなことはない、というわけである。

 ……彼の存在を知っていた私も、その時に話題に出すまでは彼のことを他人に話したことも無かったしね。

 

 そんなわけで、彼のことを知らせたその日に、ミラちゃんは颯爽と山爺に握手とか色々求めに行った、というわけである。

 なお、当人はとても困惑していた。……『泥身』である彼は明確に本人とは断絶しているから、本人扱いされるのは困る……みたいなあれだろう。

 まぁ、ミラちゃんに言わせれば『本人から託され、かつ本人に恥じぬように過ごしておるのであれば、それは最早本人のようなモノではないかのぅ?』ということになるらしいが。

 ……それを聞いた周囲の面々が『目から鱗』*3って感じに驚いていたのは記憶に新しい。

 

 ともあれ。

 そうして新たな老人強キャラとの接点を得たミラちゃんはメンタルの安定度が高まり、それに合わせて仕事を頼まれる頻度も上がっていった……というわけである。

 そうして仕事の頻度が高まればキャラクターとしての再現度も上がり、更に実力が上がって複雑な仕事も任されるようになり……と、まぁ言ってしまえば仕事のステップをスキップ混じりに駆け上がっているような状態になっている、というわけだ。

 ある意味、こっちでのレベル五の扱いに近くなってきているというか?

 

 

「うむぅ、わしとしてはそこまで大それたことはやっておらんのじゃがのー」

「……この間のお仕事の時、新たに生み出したのはなんだったっけ?」

「む?この間の仕事?わざわざお主が口頭に持ち出すとなると……この間の【鏡像(ドッペル)】討伐の時のやつか?ええと確か……ダンテのやつも一緒じゃったから、奴の武具を真似た精霊を呼び出したんじゃったか……?」

「──うん、そういうことやれる時点で君も大概だと思うよ私」

 

 

 ……いや、自分と相手の原作を思い出せお主。

 ダンテ君の武具ってことは、どう考えても悪魔やんけそれ。それをどうやって精霊として召喚したし貴様。

 っていうか、そもそも『逆憑依』で【継ぎ接ぎ】経由せずに他作品の技や武器を使えるようになるのはかなりレアケースだっつーの。

 ……などと述べるものの、本人はよくわかってない様子である。うーんこの無自覚天才……。

 

 まぁともかく。ミラちゃんもいつの間にかよく分からない領域に上がってきていた、ということだけ分かればそれでいいよ、うん。

 そして実力者になったからには、仕事はさらに忙しくなっていくんだろうなってことも。

 

 そう返せば彼女は、「忙しいばかりなのは勘弁なんじゃがのー」と、呑気な感想を漏らすのであった……。

 

 

 

 

 

 

「さて、世間話はそれくらいにしておくとして。わしらは今回何処を目指しておるんじゃったかのぅ?」

「んー?……私ら二人じゃないと困るような相手のところ♡」

一気にやる気が失せてきたんじゃが?

 

 

 はてさて、他愛のない世間話はこれくらいにしておくとして。

 いつの間にか実力者として周囲から太鼓判を押される*4ほどに成長したミラちゃんと、最初から最高戦力扱いされて死ぬほど酷使されている私の二人が揃って行動しなければならない理由、というものについて改めて触れていきたい。

 

 無論、最初に述べたように他の面々を手助けする……みたいな、ある種の遊撃役を求められているというのも決して間違いではない。

 ……ただ、単に遊撃役として運用するのであれば、私たちをわざわざ一緒のチームにする必要もない、というのも間違いではない。

 なにせ私ら、分身とか軍勢とかを使って人海戦術めいたこともできるタイプの人達だからね。

 一人で一チーム以上の人手を動かせるから、より広範囲を手助けしたいのなら個別に運用する方が遥かに効率がいいのだ。

 

 それをせずに、敢えてこの二人でチームを組ませている理由。

 それは、遊撃役として方々を回る中で、この戦力を一度に注ぎ込まないと話にならないような相手が出てくる可能性がある……ということになる。

 

 なんとも物騒な話だが、それでも『誰を仮想敵にしているのか?』を聞けば、きっとみんな納得するはずだ。

 では一体誰が仮想敵なのか?……というと。

 

 

「まさかの五条さん、なんだよねぇ」

「ふむふむなるほど五条のやつめが……五条のやつめが!?

 

 

 おおっと、ノリツッコミみたいなテンション。

 ……そう、今ミラちゃんが驚いたのも無理がない相手。

 それが、今回私たちが一番の危険人物──仮想敵として警戒している相手、五条悟なのであった。

 つまりはあれだ、『五条悟を処刑せよ』みたいな?*5

 

 

「……そのフレーズじゃと、もう一人の無下限使いなり六眼使いなりが沸いてこぬか?」

「お望みならそのポジションやってもいいけど?」

「その目隠しどこから引っ張ってきたお主?」

 

 

 んー?そろそろみんな大好き2Bちゃんとか9S君とか来るんじゃないかなー、と思って用意しといたアイテム……みたいな?

 実際、あの二人に五条さん混ぜるとわりと馴染むんだよね、キャラ造型が結構近いから。

 ……などという与太話は置いとくとして。

 

 ともかく、今回の脱走話において、一番の警戒対象になっているのが五条さんである、というのは間違いない。

 ……最初の内は率先して他の面々の対処に当たるために飛び出した、のだと思われていたのだけれど、よくよく飛び出したタイミングを見ると()()()()()()()()()、というのが今回の警戒理由である。

 

 え?なんで一番に出ていったら警戒されるのかって?

 そりゃ勿論、あのタイミングで外に飛び出す理由がない……ってのが一番大きいというか。

 

 

「あー……連れ戻すべき相手もおらぬ内から外に出ていた……ということは、それはすなわち()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……ということであっておるかのぅ?」

「うん、ミラちゃん大正解。……って言っても、そんなに難しい話でもないけどね、これ」

 

 

 唯一難しい点があるとすれば、基本的にここの五条さんはあれこれ言いつつも仕事に関しては結構真面目だった、ということだろうか?

 そんな彼が真っ先に飛び出したのだから、いち早く脱走者を見つけたのだ……と勘違いしてしまうのはそう変なことではない……みたいな?

 まぁ、時系列を冷静に整理すれば、色々とおかしいことには気付けてしまうわけだけど。

 

 そうなると問題なのが、彼が()()()()()()()()()()()()()?……という部分。

 過去のことを聞いて……というのが第一候補だが、性格の基盤が五条さんになっている以上、そこまで動揺を誘うものなのか?……みたいな疑問はなくもない。

 なくもない程度なのは、表に出さないだけで結構ナイーブなところがあるから、というのが一因だったりするが。

 原作の彼、親友の闇落ちに結構心を痛めてたりしたしね。

 

 なので、飛び出した真実如何によっては、彼が短絡的な行動に及ぶ可能性は零ではない。

 ……ただ、零ではない彼が起こす行動を止められるか?……と言われると、正直その場に居合わせてギリ、みたいな感じがするというか。

 

 そういうわけなので、できればなんにもせずに思い止まっていて欲しいなー、ついでに見付けやすいところに居て欲しいなーと思う私なのでありました。

 ……他力本願過ぎる?事件発覚時点で探しに行けたなら良かったんだけど、ねぇ?

 

 

*1
『かわいい』という意味合いの『プリティ(pretty)』が訛ったもの。人によっては『みやびちゃんぷりちー!』なる台詞を思い出す人も居るかもしれない。もしくは『妖怪ウォッチ』においてジバニャンなどが所属する種族、『プリチー族』などか

*2
『千年血戦篇』における敵対者・『滅却師(クインシー)』達がどういう状態で期を窺っていたか、ということから。彼らは影に隠れていたが、ここの山爺も基本的に日の下には出ていない

*3
何かが切っ掛けとなり、急に視界が開け物事を理解できるようになったということ、その状態。由来は『新約聖書 ―使徒行伝・九』内の説話から。救世主の奇跡により、盲目の男がモノを見えるようになるのだが、その時の文章に『男の目から鱗のごときモノが落ちて目が見えるようになった』と記されている。この男は元々救世主を迫害する立場だったのだが、奇跡によって目が見えるようになった為『回心した』という風に記されている。その為、古い使い方では『誤りを知り、迷いから覚める』という意味合いで使われていたのだとか

*4
人物や品物の品質を保証する言葉。『太鼓のように大きな判子』を押すことで品質を保証している、ということになるようだ。また、『太鼓判』そのものは判子のことではなく、かつて武田信玄公が自国の貨幣として流通させた『甲州金』のデザインに、今の硬貨と同じように特徴的な絵図(丸印)を装飾させたが、その装飾こそが金貨の価値を証明するもの=太鼓判である、とする説がある(その装飾が削れていると金貨としての価値が認められない=金貨を削って金を取られないようにする為の手法)

*5
BLEACHの映画三作『The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』におけるキャッチコピー『日番谷冬獅郎を処刑せよ。』から。わりと衝撃的なフレーズ

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