なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……なぁ、めっちゃくちゃバレてないかこれ?」
「あー、キーアさんならもうアタリを付けててもおかしくはない、かも?」
「いや笑いながら言うことじゃねぇぞ?!オレ戦闘はからっきしなんだからな!?」
「いやいや、そういうのは心配しなくていいよ。隠れてるのが見付かったのなら、そこから先はもう足の速さの問題だから」
「いやまぁ、オレに被害が飛んでこないならなんでもいいけどよ……」
さて、今の五条さんには協力者が居る、ということがほぼ確実となったわけだが。
……恐らく、その相手というのも『星女神』様の差し金だろう。
「え、つまり五条のと一緒にいる相手は【星の欠片】の誰か……ということになるのかのぅ?」
「ああいや、差し金っていうのはそういう意味じゃなくてね……」
「むぅ?」
ああうん、今のは私の言い方が悪かった。
首を傾げるミラちゃんにごめんごめん、と片手をあげるわたしである。
……確かにこの言い方だと、『星女神』様が助っ人を用意したみたいに聞こえるもんね。
実際にはそういうわけではなく、互いに求める能力を持つ相手を引き合わせた……いわゆるマッチングアプリ*1みたいなことをした、ということになるわけなのだが。
「……なんというか、いきなり俗な話になったな」
「わかりやすい話の方がいいでしょ?変にあれこれと語るよりかは」
「まぁ、それはそうだが」
こちらの言葉に、微妙な表情を見せるサウザーさん。
とはいえ、変に小難しい話をされてもわかりにくい、というのも事実だろう。……え?お前が言うな?うるせーやい。*2
ともかく、自身の成長を望んだ五条さんと、そんな彼の目的を果たす能力を持ち、かつ彼と組むことで当人の望みも叶うような相手……というのを、『星女神』様は他の人の質問に答えながらピックアップしていたのだろう。
そうしてそのうちの一人と引き合わせ、その場で『彼と共に行動すれば貴方の願いは叶う』というようなことを述べた……というのが私の予測である。*3
まぁ、あくまでも私の勝手な予測なので、細かい部分に関しては間違っている可能性もあるだろうが……でもまぁ、大枠では合っていると考えていいと思う。
……え?なんでそんな風に断言できるのかって?そりゃ勿論……勘、かな?
「いや、勘て」
「とは言うが、キーアの勘はわりと馬鹿にできぬがのぅ。その辺りの嗅覚は流石というべきか……」
「堪に頼ってなんとかして来た、って場面が多すぎるからねー私」
困惑するサウザーさんに対し、ミラちゃんは得心したように頷いている。
まぁそんな感じなので、虫の知らせに関しては全面的に参考にするように努めているんだよね、私。
……なんてことを語りつつ、議題はこれから私たちが取るべき行動についてのものへと変化していく。
なんとなくだけど、向こうはこちらにバレないようにしながらもこちらを観察できる位置に待機している……という可能性が高いように思われる。
「その心は?」
「相手側が半ば痺れを切らし始めてるのと、
先ほどから述べているように、これは五条さんが今より強くなるための試練の一種である。
……まぁ『星女神』様の思惑的には、私にも【星の欠片】としての完成度なり習熟度なりを上げさせようとしている、という可能性もあるのだが……そこまで考慮して話をしようとするとややこしくなるので、ここではあくまでも五条さん側の立場のみを考えて話すことにする。
そうするとどうなるかというと、前述通り
モノの表面を磨くというのは、究極的には単なる凸凹であるそれらの尖りを、あらゆる手段を用いて取り払っていく……という行程を繰り返すことを言う。
それにはヤスリを使って削ったり、はたまた摩擦で材質を溶かすなどの手段が思い付くが……それらのどの手段を用いるにしても、素材に傷を付ける──
モノを綺麗に磨き上げるには、様々な困難にわざとぶつける必要がある……というわけだ。
これを修練にも適用すると、すなわち平坦な道のりでは己を磨くには足りない、ということになる。
時折己の想定外のことが起きたり、はたまた今の自分ではどうにもならないようなものに出会わないままでは、その行程を研磨と呼ぶことはできない……とでもいうか。
山頂の岩が水に流され麓にたどり着くまでに、他の石や岩にぶつかって角が取れていく様……とかの方がわかりやすいだろうか?*4
なんにせよ、トラブルのない人生は味気ないことは間違いあるまい。
ゆえに、誰にも見付からないような完全な隠蔽、というのは己の成長のためのプラスにはなり得ない。
なにせ、そこには一切の変化がない。
誰にも見付からないほど完成された隠蔽ならば、それは最早隠れていないのと同義。なにせ、誰もその人を探そうとはしなくなるのだから。
「なんで、自分の成長を望むのならまず『遠方に逃げる』というのは選択肢から外れる。通常の状態でも見付けられないのに、そこに更に範囲まで加算されたらそれこそ『星女神』様に頼むくらいでもないと、ね」
「砂漠の中に落ちた宝石を探すようなもの、というわけか……」
私の言葉に、サウザーさんが小さく唸り声をあげる。
……確かに、砂粒と同じ大きさの宝石を落としたとして、それを砂漠から見付け出すのは骨が折れるどころの話ではないだろう。
まぁ、その場合でも『星女神』様なら
……ここまで考えてから思ったけど、もしかして五条さん『星女神』様に喧嘩とか売ってないでしょうね?
実際、彼女が無茶苦茶な存在であることは間違いなく、それに相対することを選べばまず間違いなく自身のレベルアップは成るだろう。
……代わりに、自分の遠い完成形とか呼び出されてぼこぼこにされる可能性も普通にあるわけだが。ほら、士郎君VSアーチャー、みたいな?*5
その場合、無限使いとして原作レベルになった『逆憑依』としての五条さんが出てくるのか、はたまた実際に原作の五条さんの同位体が『星女神』様の体内から呼び出され戦闘になるのか、どちらなのからわからない。
……最悪並行世界から五条さん本人を連れてくる、とかもやりかねない人なので、恐らく酷いことになることだけは確実だろう。
そういう意味では、変に本人対決になるよりかは、私に向かってくる方が幾らか面倒臭さが減っている……と言えなくもないか。
いやまぁ、私としてはそういうお仕事はパス、って言いたいところなんだけどね?
でも五条さんのことだから、絶対こういう機会に喧嘩を売るのは止めないだろうなー、というか。……そうなるとやっぱり『星女神』様にも喧嘩を……(以下無限ループ)
「……おい、自分の世界に引きこもるではないわ」
「おおっと、失礼ミラちゃん。もっと失礼なヤツがいる可能性が頭から離れないでねぇ」
「なんとなくなにを考えておったのかはわからんでもないが……そういうのは後にせよ。現状仕事は山積みゆえ、の」
「へーい……」
なお、途中でミラちゃんに怒られてしまったため、五条さんがやらかした可能性については一先ず脇に置くことにした私である。
……いやまぁ、確率的には『ほぼやってる』レベルでも、確認するまではシュレンディンガってる*6、というか?
それってほぼ確信していると言っているようなものでは?……というツッコミは受け付けませんので宜しくお願いします()。
※自動投稿のタイミングミスりましたがこのまま続行します(白目)