なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
キリアが未だに戻らないのは、『星女神』様の抵抗にあっているから……。
凄く端的に言えばそういうことになるわけだが、これが事実だとするととても面倒なことになる……というのは、私が明言しなくてもわかるだろう。
「そもそも五条めがさっさと掴まらぬから、というだけの話だったはずだが……」
「なんだか話が大きくなってきた気がするにぃ……」
話を聞いた二人も、こんな感じでうんざり顔。
まぁ、話の着地点が再び遠ざかったようなものなのでさもありなん。
とはいえ、一応は懸念の段階でしかなく、実際はキリアが単に出現するタイミングを計っている、というこっちにとっての最良とも言えるパターンも残っているので、そちらを期待したいところである。
……というか、そうじゃないとこうして話している内に戻ってこないことが、イコール向こうの議論が紛糾していることになってしまう恐れががががが。
「……ああ、さっきの話を総合すると、一秒経過がそれこそ世界の開闢から終焉までの長さである、という可能性もあるのか……」
「互いに無限使いだから打ち消しあって、結果普通の議論の長さになってる可能性もなくはないけどね」
まぁ、【星の欠片】って濃度のある無限を使うモノでもあるので、単一的な無限がぶつかり合ってるわけじゃない……なんて話にもなりかねないのだけど。
正直その辺りは考えても心労にしかならないし、黙ってお茶でもしながら待ってる方がマシなんじゃないかな……?
──などと言っていたのが昨日のこと。
それから私たちは、大体丸一日分の待ちぼうけを食らっていたのであった。
「……いやおかしくね!?幾らなんでも時間掛かりすぎじゃね!?」
「お、落ち着いてくださいせんぱい……」
「これが落ち着いていられるかぁ!?これアレじゃん!!滅茶苦茶議論が紛糾してるんじゃなければ、私が直接来ないのなら梃子でも動きません……みたいなこと言われてるヤツじゃん!!」
「はっはっはっ、その可能性大だねぇ」
なんだよこの状況!……なんだよこの状況!?
などと私が叫んでしまうのも仕方のない話。
なにせ、一向に自分達を探しに来ないものだから、五条さんの方から近くまで寄ってきてるんだもの。
……まぁさっきの声の状態からわかる通り、どこにいるのかは全然わからんのだけれど。
正確には、『虎視眈々』により相手の存在を見つめ続けてはいるものの、向こうの五条さんが間に無限を挟みやがったのでいつまでも見通せない……みたいな感じなのだが。
向こうが無限を解除すればすぐに看破できるが、一応まだ掴まる気はないらしい。
でもわざわざ近寄ってきてる辺り、煽ってると取られても仕方ないんじゃないかってキーアん思うワケ。
……ともかく、色々とぐだぐだな状態であるが、なにより一番あれなのは
無限割る無限で普通の議論時間になっているとしても、丸一日分の時間経過は長すぎるし。
かといって
というような感じで、もはやまともに議論なんてしてないだろう、というのは共通認識になってしまっているのだった。
こうなると、目を逸らし続けていた
で、その第三の選択肢というのが……。
「キリアが『星女神』様に逆に説得されちゃったパターン。すなわち、私が素直に向こうに行くのを二人で待ってるパターン……ってことになるんだよぉ!!?」
「うわくっそウケるwwww」
「ウケてんじゃねぇこのクソガキ五条ぉぉぉおっ!!!」
「おおお、落ち着いてくださいせんぱい!本当に落ち着いてくださいっ!!!」
そう、ミイラ取りがミイラ*1……はちょっと違うけど、キリアが『星女神』様側に取り込まれてしまった、というパターンなのであった。
つまり、神・展・開!……アンデラ的な意味で(白目)*2
(◞ᾥ◟ )「なんなんだよぅ……そんなに私が苦しむのが見たいのかよぅ……」
「ありゃ、落ち着いたかと思ったら今度はしょぼしょぼになっちゃった」
「お労しやキーア上……まぁ偏にお主の生まれが悪いのじゃが」
「どこぞの扉おじさんみたいなことを言うな貴様……」*3
はてさて、一通り叫ぶ──躁の時間が終われば、次にやって来るのは鬱の時間である。
部屋の隅っこで体育座りをしながら地面にのの字を書く私は、もはやなにをする気力も湧いてこないのであった……。
いやだって、ねぇ?
まさかこんなに強硬なまでに『こっちに来い』って言われるとは思わないじゃない?わたしゃシンジ君かっつーの。
じゃあ向こうはゲンドウ?つまりマダオ?まるでダメなおっかさん?……いやダメだこれだと寧ろ母親って認めてるからキリアは喜ぶだけだ……。*4
とまぁ、そんな感じで思考は建設的ではないもので埋め尽くされてる感じである。
あとミラちゃん、その扉おじさんめいた台詞に関してはこう返すよ。誰が生めと頼んだ、誰が造ってくれと願った*5ってね……。
「ありゃりゃ、思ったより重症かなこれ」
「元はと言えば貴様のせいだろうが……」
「いやいや、僕としてはもうちょっとサクッと終わる予定だったんだよ?思ったより
「……そういえば、その彼とやらは「あ、それに関しては黙秘するから。知りたいなら頑張って探ってね☆」……やっぱりお主、一度殴られた方が良いのではないか?」
そんな私を他所に、向こうではミラちゃん達と五条さんの会話に花が咲いている。
……いやまぁ、ここまで来ればなんとなく、五条さんの相方が誰なのかってのはわからなくもないんだけどね?
でもこう、素直にその人かどうかと言われると、微妙に疑問点が残るので黙っているのだが。
なんというかこう、厄介事の匂いがするのだ。具体的には【継ぎ接ぎ】とか【複合憑依】とか【顕象】とか【
……え?唐突に新単語が挟まったって?
多分【星合憑依】のことだろうけど、これは単に【複合憑依】に【星の欠片】が混ざったモノに便宜上別の名前を与えた方が良いだろう、ってことで生み出された造語なんで別に新しい概念が増えた、とかではないよ?
因みに名前の由来は勿論、みんな大好きアーラシュさんの宝具である。*6ともすれば自分ごと燃え尽きる可能性が高いってところから、一瞬を燃やす星の如く……ってことだね。
まぁともかく、その辺りの厄介事の匂いがする……というのが、現状の五条さんの相方さんに対しての感想である。
というか、その辺りの厄介事にできる限り触れないように……みたいな意味合いも含んでの『星女神』様に話を聞く、っていう選択だったのだが……。
こうまで裏目になると、目測を誤ったかなーという感想になってしまうというか。
……いやまぁ、相方さんの目的がややこしそう、って部分は変わってないし、そこを尊重するとやっぱり『星女神』様に話を聞いた方がいい、ってのは変わらないんだけどさ。
ともあれ、このままだと埒が明かないのも確かな話。
じゃあどうするのか、という話なのだが……うーん、やっぱりやりたくないけど『星女神』様のところに行く、という方法しかないのかなー。
やだなー、このまま死ぬほどしんどい目にあうのやだなー、とぼやきながら部屋を転がる私である。
「ああせんぱい、なんとお労しい……っ!!」
「……なんでちょっと楽しそうなんじゃろうな、あやつ」<ヒソヒソ
「確か『管理願望』があるみたいな描写があるから、今のキーアさんにその辺りの欲を刺激されてるんじゃない?」<ヒソヒソ
「……///……おほん!おほんおほん!!」
なお、その横ではマシュがほんのりヤンデレを発症し、その姿をミラちゃんと五条さんの両名にからかわれて咳払いをしていた。……うーんカオス。
このまま無駄に時間が過ぎていくのかなぁ、なんて思いながら転がる私は、
「ちょっとー、キーアいるー?用事があるんだ……けど?」
「ん?」
「……んん?」
「これだーっ!!!」
「ひぃっ!?なになになんなの一体!?」
私を訪ねてやってきたオルタに、一筋の希望を見いだすのであった。
次章に続きます。