なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「何故余計な面倒を増やそうとするのか……」
「面倒を増やそうとしてるんじゃないよ、抜け道を探そうとしてるだけだよ」
「その考え方で失敗はしておらんのかもしれぬが、それに付き合わされる方の身にもなれと言わねばわからんか?」
「アッハイ」
あらやだガチギレしてらっしゃる。
……今回の話、みんなキレてばっかだな?いやまぁ、その一端を担っている人間が言うことではないが。
とまぁ、そんなわけで。
結局のところ、このいつ終わるとも知れぬ長丁場は試練の一つであり、かつこれを決めたのは『公』としての『星女神』様であるため、遠慮も容赦もなく必要な分の距離を歩かされるだろう……ということが判明したわけだが。
……うん、中々に拷問だなこれ?
「うーん、みんなを連れてくるのがどれくらいオーバー扱いになってるか、こっちからじゃ推測できないからなー」
「そんなにか?」
「そんなに。そもそもの話をするなら、一般人はここに来れないし来ちゃいけないからね」
そう、『公』の部分で要素を検分している以上、そこに含まれる各々の事情というものはまったく勘案されていない可能性が非常に高い。
……言い換えると、色んな打算の上で選ばれたものである、ということが考慮されていないということになる。
どういうことかと言うと、今回のあれそれは『私(&オルタ)が柱回りの試練を避けるためにやったこと』であるが、それはあくまでも動機でしかない……と判断されている、ということ。
で、それゆえに動機の部分は考慮しないので……結果として『本来この世界に入ること・および進むことが大きな負債となる存在』達──私とオルタ以外の面々が
言い換えると、その分の危険という代価を支払っている、ということになるか。
……で、その事実を『星女神』様の公的感覚で解釈すると、進むべき距離が伸びる……と。
「なんでよ!?こっちの負担増えてるじゃないの!?」
「この辺り難しいんだけど……試練である以上、それは相手のためのものだからってことになるのかな?」
「はぁ!?」
まぁ確かに、歩く距離が増えると言うのは単にこっちの負担──払うものが増えているように見えてしまうのは間違いではない。
間違いではないが、それはあくまでも人の世の理として考えた時の話。
彼女──『星女神』様の理論で言うのなら、寧ろ試練とは
なにせ、試練である以上それを越えた先には報奨がある。──越えられなければただの負債だが、越えられたのならば大いなる福音となるわけだ。
「ああなるほど、宗教的な考え方に近いのだな……」
「まぁ、そうなるのかな?試練を得ること自体が報酬に近い……みたいな?」
よく、とある宗教の神様が『試練ばかり与えて救ってくれない』ので邪神、みたいなことを言われる時があるが……あれはその実、人が堕落しやすいことを前提として、その堕落を避けるための
無闇に救うとその救いに甘えて堕落するのだから、そうならないように厳しい教えを投げ続け、それでも信じられるモノのみが最終的に人として救われる……みたいな。
言うなれば『なにがあっても清廉潔白でいられるように試している』ということになるわけだが、それを前提とすると試練もまた福音である、ということがわかる……かもしれない。
あれだ、甘やかすとよくないタイプの人に厳しくしている人、みたいな。
感謝はされ辛いけど、のちのちその対応こそ自分に必要だったと実感する羽目になるものというか。
……まぁそんな感じで、人ならざるモノの課す試練というのは、その実贈り物でもあるわけで。
となると、試練を受ける側が厳しい枷を背負っている──試練に臨む意思を見せているのなら、それにあわせてこちらも厳しく指導せねばならない、みたいな反応になるのはそうおかしなことでもないわけで。
いやまぁ、昨今の体罰禁止な風潮とは真っ向から対立するものであるので、わかりにくいのも確かなんだけどね?
でもこう、神の愛ってそんなものというか、なんでもできる相手に依存するのは堕落への道でしかないのだから、そうやって厳しく当たるのは決して間違いじゃないというか……。
閑話休題。
ともかく、一連の流れがそういったやりとりを『是』とする『公』の部分の『星女神』様なりの愛である、ということは間違いない。
なので、そこには一切の温情なく・奉納されたモノに見合った試練が飛んでくることもまた違いなく……ということになるのである。
「傍迷惑な……」
「一応、さっきも言ったように試練と報酬はセットだから、これが終わったあとみんなにもなにかが得られている可能性はとても高いと思うよ?」
「元はと言えばお主のせいなんじゃが???」
「いひゃいいひゃい」
あとはまぁ、彼らの立場があくまでも
先の代価云々の話において、その価値をさらに上乗せしている形になっている……みたいな?
元々今回の『星の死海』への旅は、五条さんの相棒となった相手を探るためのもの。
……言い換えると、この旅路をクリアしたところで他の面々に利益はほとんどないわけである。
一応、一連の騒動の解決が早まるかも……みたいな、間接的な恩恵はあるものの……それがこの
──つまり、ここでも代価の払いすぎが疑われる、ということになるわけだ。
「……真面目にわしらを連れていかなければ丸く収まっておったのでは?」
「さっきも言ったけど、その場合私死ぬので嫌です」
「死ねー!!そこは大人しく死んでおけー!!」
「いーやーどーすー!!!」
こう考えると、ミラちゃん達を連れてきたのは悉く悪手に思えるわけだが……そっちの場合はことが終わった時に私という廃人が一人発生する形になるので良くないです()
……いやマジで。君らは知らんからこう臆面もなく私に死ねと言えるけど、正直単なる死の方が遥かにマシなものが飛んでくる時点でそんなん受けられるわけがないというか。
っていうか元を正せばそんなものにいち一般人でしかない私が耐えられるとでも思っているらしい『星女神』様とキリアがおかしいというかだってそうだよね体を失い魂を失い精神を失うってのが三柱の試練だけどそれ単なる喪失じゃなく無限概念としての己を整える意味合いもあるから文字通り無限の責め苦だしってことは言い換えると自分を無限に粉々にしていく感覚を耐えろってことになるわけでそんなん耐えられたらそいつは一般人じゃないっていうか考え方を変えると今の私の体はそれに耐えたという扱いでここにあるわけでつまり私が三柱の試練に挑む場合見ないようにしているそれらの苦痛を改めて思い起こすみたいな扱いになって発狂するならまだしも普通に廃人になる可能性の方が高いというかなんというか……。
「わかった、わかったから!そこについては突っ込まぬから、いい加減ぼそぼそ言うのを止めんか!?」
「あ、そう?わかって貰えたならいいんだ☆」
「こいつ……」
まぁうん。多少は誇張したけど、実際に私が『三柱の試練』に挑んだ場合に起こることとしては、わりと予測できる範囲なのは間違いないわけで。
……今はなんとなくで『虚無』とか使ってるけど、そこの原理とかを否が応にも体験する羽目になれば今の私とか消し飛んでもおかしくないというか、寧ろ
ともあれ、件の試練を受ける心の準備が全く済んでいない、ということは間違いない。
願わくば、これからも試練なんて一切受けずに過ごしたいものだが……まぁうん、今回の『星女神』様やキリアの態度から見るに、回避し続けるのは難しいんだろうなぁ……。
今回はまだどうにかなりそうだけど、次また同じようにこの『星の死海』に来訪しなければならなくなった時は、私も覚悟を決めなきゃいけないんだろうなぁ……などと思ってしまう私なのであった。
「……その場合、角度はどれくらいにしないとダメだと思う?」
「唐突に話を変えるなというか、覚悟という言葉に妙な意味を加えるなというか……」
その辺りどう?……とサウザーさんに尋ねてみたところ、俺に聞くなとでも言わんばかりに額を抑えていたのだった。
……まぁうん、私が