なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「なにあれ!?なにあれ!!全くわけわかんなかったんだけど!?……ああでも、なんとなくならわかるような!!?いやでも全然わかんないような!!!?」
「落ち着いてオルタ。混乱してるのはわかったから、襟を掴んで頭を前後に揺らすのは止めて」
うーん、メンバーの大半が一時的狂気に陥ってるんだけど、これもう実質ゲームオーバーじゃないかな?(錯乱)
っていうかオルタの感想に関してはそれ、一応まだ一次審査的なものでしかないので、後々本番相当のモノが待ち構えているわけでもあるんだけど……その辺り大丈夫?
……とかなんとかまぁ、ちょっとばかし気になることはあれども。
ともあれ、無事にオルタの話が一段落した、ということに違いはないだろう。
なので、今度こそ本題を尋ねるためにも、他の面々を落ち着かせに向かったわけなのだけれど……。
「……もう今すぐにでも帰りたくなってきたんだが」
「気持ちはわからんでもないけど、まだ我慢して。なんせ戻る場合もそれはそれで大変だからね。──行きはよいよい帰りは怖い、って言うでしょ?」
「先の道のりより大変だとでも!?」
「まぁ、場合によるけどねー」
……うん、変にハイテンションになってたせいで、一種の躁鬱状態──さっきのが躁なら、今は鬱になっているらしい。
あからさまに沈んだ様子を見せる二人に、私は思わず苦笑いを返していたのだった。
まぁ、明らかに情緒がおかしかったしなぁ、二人とも。
一応、ハイテンションバフ的なモノであって別に悪いものではないのだが、それでもまぁいい気がしない……というのはわからないでもない。
……一般人はそうしないと大変ですよ、って話でもあるんでまたさっきみたいなテンションになって貰うタイミングも来るんですけどね、これが。
「嘘だろ……」
「口調が崩れるほど絶望する気持ちもわからないでもないけど、やらないと死ぬほど酷い目に合うんだから仕方ないんですよ」
「……来るんじゃなかった……」
あーうん、埋め合わせはするのでそれで勘弁して……。
とまぁ、どんよりしている二人を宥め賺し、ようやく『星女神』様に向き直った私たちである。
……で、待ちに待った本題を尋ねる前に一つ。
「……その、『星女神』様?」
──はい、なんでしょう?──
「先に来てるはずのキリアの姿が見えないんですが……」
──別件です。お気になさらず──
「えー……?」
先にここに来ているはずにも関わらず、視界のどこにも見当たらないキリアについて尋ねたところ、返ってきたのは『ここにはいない』という簡素な答え。
……いやうん、こっちに戻って来なかった時点で、私たちがキリアにやったことはほとんど意味が無かった……というのはわかってたけども。
そっかー、いないのかー。
前回みたく『星女神』様に使いっ走りにされてるのかー。
──不満ですか?──
「いえ、寧ろ溜飲が下がりました」
──まぁ──
……うん、言い方は悪いけど『ざまぁw』って感じ?
あれだけやったのになんの成果も得られませんでした、ってされた以上は多少なりとも鬱憤がなくもなかったけど。
こうして便利に使われているのなら、幾らかその気持ちも解消されようというもの。
まぁ、この辺りは私より他の面々の方が色々とあれだろうから、これ以上の言及は避けるけど。サウザーさんとか、この中だとかなり思うところがあるだろうし。
「ええい止めろ!思い出させるな!あれは黒歴史だ!!!」
「はいはい。……じゃあまぁ、当初の目的を果たしたいところなんだけども」
キリアについてはそのくらいにして、いよいよ本題に入ろうと思うのだけれど。
その前に、改めて『星女神』様の様子を確認する私である。
……うん、薄く微笑んでいらっしゃるんですよね、『星女神』様。
これはあれだ、暗に『答えませんよ?』って言ってる顔だな??
「……いやいやいや、それはないじゃろ?ね、『星女神』殿?」
──(完璧で究極なアルカイック・スマイル)──
「
私の言葉を受け、ミラちゃんが試しに問い掛けてみるものの……ああうん、これは絶対に答えるつもりがない時の顔ですね……(諦め)
とはいえ、どうもこれは『答える気がない』というよりは、『答えなくても良いでしょう』って感じの顔なわけなのだけれど。
「……ん?それはどういう……」
「わざわざ口にさせるのは行儀が悪い、みたいな感じとも言う。……簡単に言うと『もう気付いてるでしょう?』って意味合いかな?」
「……おい待て、その言いぶりだと」
「いや、ここに来ないと確定はしなかったよ?だって根拠がないし」
大雑把に言うと、この『星女神』様のお顔の意味は『今貴方が予想しているのが正解ですよ』となるか。
……まぁうん、あのレベルの隠行が使えてなおかつ他人もその対象にできる、って時点でなんとなく候補があったってのは間違いではない。
ただまぁ、それはあくまでも状況から予測できる
──
「……間違えたら負け?」
「候補としてかなり有力なものはあったけど、それがもし間違ってたら取り返しが付かない……みたいな感じ?どう取り返しが付かないのかはわからないから、単なる勘でしかないけど」
そこら辺を踏まえた上で敢えてこの勘を読み解くのなら、多分『間違えると変なフラグを踏む』とかになるのだろうか。
……まぁともかく、その勘を信じて予想の確信を得るためにここまでやってきたわけだけど。
確信を得るための情報である『相手がなんのためにこちらに喧嘩を吹っ掛けてきたのか?』という部分は、どうにも答えられない話ということになるらしい。
それが
代わりに『その予想は合っている』と言外に示しては貰えたため、『解説はできないけど解は得た』みたいな状態になったのであった。
……トゥルーエンドは無理だけど、グッドエンドには到達できそう……みたいな?
「それは良くないやつなのでは……?」
「あくまでモノの例えだから。……実際、相手の正体が予想通りなら、一先ず逃げられるようなこと自体は避けられるし」
例え方が悪かったせいか、微妙な顔でこっちを見るサウザーさんに問題はない、と答える私。
……予想が合っていると示された今だからこそ言えるが、恐らく『失敗した時に起きること』とは五条さん達の失踪である。
今は勝負の形式であるがゆえに、彼らはほどほどにこちらに姿を見せているけれど……向こうの勝ちが決まったのなら、もう二度とこちらに姿を見せることはなくなるだろう。
そしてその場合、一度こちらが見抜けなかったという事実が【継ぎ接ぎ】されてしまうため、余計のこと探し出すことが困難になる……と。
「なんでそんなことに……?」
「どっちかというと相手側にそういうバフが乗る、みたいな感じになるのかな?『星女神』様に聞いてから行動に移してるせいで、余計にそういう付加要素が発生しやすくなっているって面もあるだろうけど」
ただ一度失敗しただけで発生する要素としては重すぎでは?……とでも言いたげなミラちゃん達だが、何度も言うようにこれは『星女神』様になにごとかを尋ねた結果発生したトラブルである。
それは見方を変えると、この一連の騒動の見届け役として彼女が擁立された、ということになる。
……言い換えると彼女のお墨付き、ということになるわけだ。
それゆえ、このトラブルが終わりを告げる時、その結末は思った以上に重たいものになってしまう……と。
今回の場合だと恐らく【星の欠片】にも見付けられないほどの隠行の使い手、みたいな
そしてそれは同時に、
なにせそれを保証するのが『星女神』様なのだ、これを否定することの難しさは既に語った通りである。
「まぁ、あくまで彼女が保証してるからこそのモノだから、彼女自身には適用されないわけだけど……」
──だからといって、私が約束を反故にするつもりはありませんので──
……とまぁ、こんな感じ。
現実的に動かせる戦力としては最大値?な私が無理だとすると、もう他の誰であれ無理ということになってしまうわけだ。
そこを回避できるだろう二人──キリアと『星女神』様は、恐らく手伝ってはくれないだろうし。
……言い換えると、今回の騒動は件の人物が『星女神』様のお墨付きを得るためのもの。
それゆえ、こちらが敗北条件を満たしてしまうと非常に不味いことになる、というわけである。
そこら辺を勘として感じ取っていた私は、そうならないように行動することを強いられていた……と。
まぁ、それだけだったのなら単純な話だったのだが、そこに私の『試練保留』とかが加わってややこしくなって行った……とあうのが真相だろう。
あとは五条さんがなんで協力してるのか、という話だけど……恐らくモデルケースにしている、ということになるんじゃないだろうか?
「モデルケース?」
「強くなりたいんだろう、って話だったでしょう?それがどこから発生した感情なのかは不明だけど、でも実際
今これを言うと後出しとか言われそうだが……五条さんの術式を考えた時、その無限を越えられそうなものというのを一つ、以前から考えていたことがあるのだ。
それは、トラップ。予め置いておくタイプのもの。
無論、単なるトラップだと微妙なので──殺傷力のないもの。意識の外に仕掛けられるものなら当たるのでは、という予測である。
説明は注釈に譲る*1が、設定を練ればその術式を持ったキャラと五条さんを絡ませる話とか書けるのでは?……みたいに考えていたことがあったのだ。
そうでなくとも、彼の無限はどうにも隙があるように思えた。
無限──集合として見るのなら、濃度の話があってもおかしくないのにその方面の言及はされないし、みたいな感じで。
……そしてそれらの疑念は、彼を研究し始めた五条さん自身も感じていたことだろう。
ゆえに彼は強くなりたいと願った。そしてそれを満たすために──、
「手本を見て自身の術式を改良した宿儺のように、五条さん自身も私に勝った相方を手本にして、
「……なんか、また大それた話になってきたのぅ……」
相方の
それが、今のところの五条さんの動機なのではないか、ということになるのであった。
……なんでこう、変なところで繋がるのかねぇ?